実用新案登録出願に係る考案が当該実用新案登録出願の日前の他の実用新案登録出願又は特許出願であつて当該実用新案登録出願後に第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行又は特許法第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報の発行若しくは出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面(同法第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案又は発明(その考案又は発明をした者が当該実用新案登録出願に係る考案の考案者と同一の者である場合におけるその考案又は発明を除く。)と同一であるときは、その考案については、前条第一項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない。
要点実用新案法 3 条の 2 は、先に出願され後に公開された他人の出願の明細書や図面に記載された考案と同一の後願は、相手が権利化していなくても登録を受けられないと定める。
Q · 相手が請求項にしていない、明細書に書いただけのアイデアで、自分の実用新案は登録できなくなるの?
相手が権利化していなくても、明細書に書いてあれば登録できません
実用新案法 3 条の 2(拡大先願)により、あなたの出願日より前に出願され、その後に公開された他人の実用新案・特許出願の「願書に最初に添付した明細書・請求の範囲・図面」に同一の考案が記載されていれば、相手がそれを請求項として権利化していなくても、あなたの実用新案は登録を受けられません。判断基準は「権利化したか」ではなく「最初の願書に記載があったか」です。ただし、その考案の考案者があなたと同一の場合、または出願時に出願人が同一の場合は例外として適用されません。
あなたが工場で改良した小さな治具のアイデアを実用新案として出願した。新規性も先願もクリアした、もう登録は確実だと思っている。ところが半年後、あなたより前に出願されていた他社の特許出願が公開され、その明細書の片隅、請求項にすらしていない図面の説明部分に、あなたの治具とそっくりの構造が描かれていた。実用新案法 3 条の 2 は、まさにこの瞬間にあなたの登録を撃ち落とす条文だ。ポイントは二つ。第一に、相手はその構造を「権利として請求」していなくてよい。最初の願書に添付した明細書か実用新案登録請求の範囲か特許請求の範囲か図面のどこかに「書いてあれば」足りる。これを拡大先願、または準公知と呼ぶ。第二に、出願時点では相手の出願はまだ非公開でよい。あなたが知りようがなかった内容で、あなたの権利が消える。ただし救済もある。その考案をしたのが同一人物なら、また出願時に出願人が同一なら、この刃は当たらない。
実用新案法 3 条の 2 は拡大先願(準公知)を定める規定であり、出願前に他人が出願しその後に公開された先願の願書に最初に添付された明細書・実用新案登録請求の範囲・特許請求の範囲・図面に記載された考案または発明と同一の考案は、その先願者が権利化していなくても実用新案登録を受けられない旨を規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
先願の願書に最初に添付された明細書・図面等の記載全体を基準に、それと同一の後願を排除する制度です。相手が請求項にしていなくても、書いてあれば後願は登録を受けられません。実用新案法 3 条の 2 が根拠です。
新規性(3 条 1 項)は出願時点で既に公知の技術しか潰せませんが、拡大先願は出願時にまだ非公開だった先願の内容まで遡って後願を排除します。射程が新規性より深いのが特徴です。
拡大先願の別名です。先願が出願時点では未公開でも、後から公報発行されると、その明細書等の記載が「公知に準じる」ものとして後願排除効を持つことを指します。
先願に記載された考案の考案者が後願の考案者と同一の場合(括弧書き)、または後願の出願時に両出願の出願人が同一の場合(ただし書き)は適用されません。自分の先願で自分の後願は潰れません。
内容はほぼ同一構造の並行規定です。実用新案の後願には特許出願も先願として効き、特許の後願には実用新案出願も先願として効く相互関係にあります。
はい。願書に最初に添付した明細書・請求の範囲・図面のいずれかに同一考案が記載されていれば、請求項でなくても後願排除の根拠になります。図面の説明部分でも足ります。
なります。実用新案は無審査登録なので 3 条の 2 違反は登録段階では止まらず、技術評価書(12 条)で低評価として、または無効審判(37 条)で顕在化します。
先願は後願の「出願日前」に出願され、かつ後願より「後」に公報発行された必要があります。この前後二条件を満たす先願だけが引例になります。
3 条の 2 が見るのは相手が「何を権利化したか」ではなく「最初の願書の明細書・実用新案登録請求の範囲・特許請求の範囲・図面に何を書いたか」だからです。書いてあれば、権利化していなくても後願を排除します。理由は、既に出願で開示された技術に重ねて独占権を与えても、新たな技術の公開という社会への貢献がないからです。業界裏話ヒント:だからこそ自社出願の明細書は、権利化しない実施例や変形例まで厚く書くほど、他社の後追い出願を封じる盾が広がる。明細書の厚みは、書いた本人が思う以上に攻撃的な意味を持つ
登録時ではなく、後から効いてきます。実用新案は無審査登録なので 3 条の 2 違反があっても一旦は登録されますが、無効審判(実用新案法 37 条)や、権利行使に必要な実用新案技術評価書(同 12 条)の場面で表面化します。業界裏話ヒント:実用新案権は技術評価書を提示して警告しないと、後で権利が無効になったとき相手への賠償責任を負いかねない(同 29 条の 3)。登録証が届いても安心して警告書を送ると、評価書が低評価だった瞬間に立場が逆転する。まず評価書、それから行使、が鉄則
考案者・発明者が同一であれば括弧書きの例外で除外され、また出願時に出願人が同一であればただし書きの例外で除外されるので、自分の先願で自分の後願が潰れることは原則ありません。問題が起きるのは名義がずれているときです。業界裏話ヒント:研究者個人が考案者でも、出願人を親会社・子会社・事業部別法人に振り分けていると、出願時の出願人同一の要件を外して自爆することがある。グループ企業の出願は、誰の名義で出すかを出願「前」に統一しておくこと、出願後の名義変更ではこの例外は救えない
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|---|---|---|
| 排除の基準 | 3 条の 2:先願の願書に最初に添付した明細書・請求の範囲・図面の記載全体 | — |
| 先願の公開時期 | 出願時は非公開でよい(後で公報発行されれば足りる) | — |
| 権利化の要否 | 先願者の権利化は不要(明細書等に記載があれば足りる) | — |
| 主な例外 | 考案者同一(括弧書き)・出願人同一(ただし書き) | — |
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