実用新案法 第7条(先願)
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- 同一の考案について異なつた日に二以上の実用新案登録出願があつたときは、最先の実用新案登録出願人のみがその考案について実用新案登録を受けることができる。
- 2.同一の考案について同日に二以上の実用新案登録出願があつたときは、いずれも、その考案について実用新案登録を受けることができない。
- 3.実用新案登録出願に係る考案と特許出願に係る発明とが同一である場合において、その実用新案登録出願及び特許出願が異なつた日にされたものであるときは、実用新案登録出願人は、特許出願人より先に出願をした場合にのみその考案について実用新案登録を受けることができる。
- 4.実用新案登録出願又は特許出願が放棄され、取り下げられ、又は却下されたときは、その実用新案登録出願又は特許出願は、前三項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。
- 5.特許出願について拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、その特許出願は、第三項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。ただし、その特許出願について特許法第三十九条第二項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、この限りでない。
- 6.特許法第三十九条第四項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、実用新案登録出願人は、その考案について実用新案登録を受けることができない。
この条文の基本情報
先願とは何ですか?
定義先願とは、実用新案法第7条に定められた規定で、「同一の考案について異なつた日に二以上の実用新案登録出願があつたときは、最先の実用新案登録出願人のみがその考案について実用新案登録を受けることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第7条(先願)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第7条の条文原文は「同一の考案について異なつた日に二以上の実用新案登録出願があつたときは、最先の実用新案登録出願人のみがその考案について実用新案登録を受けることができる。」で始まります。
- 実用新案法第7条は第二章 実用新案登録及び実用新案登録出願に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第7条の前の条は実用新案法第6条の2です。
- 実用新案法第7条の次の条は実用新案法第8条です。
- 実用新案法第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第7条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法7条は先願主義を定め、同一の考案については最先の出願人のみが登録を受けられるとする。同日出願では実用新案同士は協議の機会なく双方とも登録を受けられない。
Q · 先に考案したのに、後から出願した人に権利を取られることってあるの?
あります。日本は先願主義で、発明日ではなく出願日で決まります
実用新案法7条により、同一の考案について異なる日に複数の出願があったときは、最先の出願人のみが登録を受けられます(先願主義)。いつ考案したか、いつ試作したかは原則として無関係で、出願日が全てを決めます。さらに同日に複数の出願が競合した場合、実用新案同士であれば特許のような協議の機会すらなく、いずれも登録を受けられません(7条2項)。発明ノートの日付や試作品の完成は、先願主義の前ではほとんど武器になりません。
解説
あなたが半年かけて磨き上げた考案も、ライバルが一日でも早く特許庁に出願していれば、その瞬間にあなたの取り分はゼロになる。日本は「先に発明した者」ではなく「先に出願した者」が勝つ、先願主義の国だ。実用新案法7条はその冷徹なルールを定める。さらに残酷なのが2項。同じ考案を同じ日に二人が出願すると、特許のような協議の機会すら与えられず、どちらも登録を受けられない。両者そろって手ぶらで帰ることになる。3項以降はもう一段複雑で、同じアイデアを実用新案と特許で別々に出した場合、先に出願した側だけが生き残る。発明ノートに日付を書いても、試作品を完成させても、出願していなければ、法的にはあなたは「二番手」になりうる。価値の優劣ではなく、出願日という一点が、権利の生死を分ける。
法的な位置づけ
実用新案法7条は先願主義を規定する条文であり、同一の考案について複数の出願が競合した場合の優劣を出願日を基準に決する。異日出願では最先の出願人のみが登録を受け、同日出願では実用新案同士であれば協議の機会なく双方とも登録を受けられない。考案の先後ではなく出願の先後が権利の帰属を決定づける制度である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.考案が固まったら即日で出願日を確保 試作完成や事業計画を待たず、考案の構成が固まったその日のうちに出願する。先願主義の下では一日の差が権利の全てを分けるため、内容の補充は後から行い、まず出願日という最も重い資産を押さえる
- 2.競合の先願をJ-PlatPatで調査 出願前に特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で同一・類似の考案を検索し、自分が先願か後願かの事実を固める。後願だった場合でも、構成が少しでも異なれば別考案として登録の余地があるため同一性を精査する
- 3.共同開発・展示では出願人を一本化 展示会や共同開発など同日出願のリスクが高い場面では、関係者間で出願人を事前に一本化しておく。別々に出すと同日でも7条2項で双方が共倒れになる罠を、紛争が起きる前に潰しておく
- 4.実用新案と特許の併願は順序を設計 同一の考案を実用新案と特許で出す場合、7条3項により先に出願した方だけが生き残る。狙う方を先に出願する順序設計を行い、後願側の無駄な費用と公開リスクを避ける
- 5.紛争時は相手の出願の生死を継続監視 相手が先願でも、放棄・取下げ・却下されれば7条4項により初めからなかったものとみなされ、後願だった自分の考案に登録の道が開く。J-PlatPatで相手の出願の経過情報を継続的に追う
よくある質問 AI による整理
Q1先願主義とは?
同一の考案について先に出願した者のみが権利を取得できる原則です。実用新案法7条1項が根拠で、考案の先後ではなく出願日の先後で優劣が決まります。日本を含む現在の主要国はこの方式を採用しています。
Q2拡大先願とは?
先願の願書に記載された考案と同一の後願を排除する制度で、実用新案法3条の2が定めます。7条の先願(同一の請求項同士)より広く、先願明細書の記載全体を基準に後願を退ける点が異なります。
Q3実用新案と特許の違いは?
実用新案は物品の形状・構造・組合せに関する考案を無審査で早期登録できる制度、特許は方法も含む発明を実体審査して登録する制度です。権利期間も実用新案10年、特許20年と異なります。
Q4実用新案登録は無審査ってどういうこと?
実用新案は新規性などの実体審査を経ず、方式要件を満たせば早期に登録される無審査主義です。権利行使には別途、特許庁の実用新案技術評価書の提示が必要で、無効リスクは出願人が負います。
Q5実用新案の先使用権とは?
出願前から日本国内で考案を実施または準備していた者は、他人の登録後も継続して実施できる権利です。実用新案法26条が準用する特許法79条が根拠で、出願しなかった真の実施者の救済になります。
Q6先願かどうかJ-PlatPatで調べる方法は?
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で考案の構造や分類で検索し、競合出願の出願日・公開日・経過情報を確認します。自分が先願か後願かの事実確認と、相手の出願の生死の監視に使えます。
Q7実用新案の出願日はいつ確定する?
願書が特許庁に到達した日が出願日となります。先願主義では一日の差が権利の全てを分けるため、考案が固まった日のうちに出願し、出願日を確保することが実務上きわめて重要です。
Q8アメリカも先願主義?
米国はかつて先発明主義でしたが、2013年施行のAmerica Invents Act(35 U.S.C. §102)で先願(先発明者先願)主義に移行しました。現在は世界的に「先に出願した者が勝つ」方式が標準です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1先に発明したのに、後から出した人に権利を取られるって本当ですか?
本当です。日本は先願主義(7条1項)で、いつ発明したかではなく、いつ出願したかで決まります。発明ノートや試作の日付がどれだけ古くても、出願が遅ければ二番手になります。実務のポイント:米国はかつて先発明主義でしたが現在は先願主義に移行しており、世界的に「先に出した者勝ち」が標準です。だからこそ実務では、考案が完成した瞬間に最低限の出願日だけ先に押さえ、内容の補充は後から行うという動き方をします。完璧主義で寝かせるほど不利になる
Q2同じ日に二人が出したら、くじ引きか話し合いで決まるんですか?
実用新案同士の同日出願は、話し合い(協議)もくじもなく、7条2項でどちらも登録を受けられません。一方、実用新案と特許が同日にぶつかった場合だけは、特許法39条4項の協議が準用され(7条6項)、協議が成立しなければ実用新案側が登録を受けられなくなります。実務のポイント:実用新案同士の同日が無慈悲に共倒れになるのは、無審査主義で協議の仕組みを置かなかったため。特許との違いを知らずに同日出願すると、防げたはずの全滅を招く
Q3特許と実用新案、両方出しておけば保険になりますか?
同一の考案に二つの独占権は与えられないため、保険にはなりません。7条3項により、先に出願した方だけが生き残ります。実用新案を先に出せば実用新案が、特許を先に出せば特許が優先します。実務のポイント:あえて両方を時間差で出す戦略は存在しますが、後願側は登録されないうえ、内容が公開されて他社に手の内を見せるリスクだけが残る。重複出願は目的を明確にしないと費用と情報だけを失う
Q4一度出した出願を取り下げたら、先願としての地位はどうなりますか?
7条4項により、放棄・取下げ・却下された出願は、先願の判断において初めからなかったものとみなされます。つまり、その出願は他人の出願を蹴落とす盾にはならなくなります。実務のポイント:これを逆に読むと、ライバルの先願が取り下げられた瞬間、二番手だった自分の考案に登録の道が開くということ。相手の出願の「生死」を J-PlatPat で追い続けることが、後願者の逆転の鍵になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「先に発明したのだから自分に権利がある」と多くの人が信じているが、日本は先発明主義ではなく先願主義。いつ思いついたか、いつ試作したかは、原則として無関係。出願日が全てを決める。発明ノートの日付は、先願主義の前ではほとんど武器にならない
- 「同じ日に二人が出したら、特許と同じようにくじ引きや協議で決まる」と思われがちだが、実用新案同士の同日出願には協議の仕組みすらない。7条2項は無慈悲に「いずれも登録を受けることができない」と切り捨てる。特許(特許法39条2項)との決定的な違いを、知らない人は同日出願の恐ろしさを過小評価している
- 「実用新案と特許を両方出しておけば保険になる」と考える人がいるが、同一の考案に二つの独占権は与えられない。7条3項で先に出した方しか生き残らず、後願側は無駄な費用と公開リスクを負うだけ。問いの立て方そのものがずれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 実用新案法7条:実用新案登録出願相互、および実用新案と特許の調整 | 特許法39条:特許出願相互、および特許と実用新案の調整 実用新案法3条の2:拡大された先願(先願明細書記載の考案と同一の後願) |
| 同日出願の扱い | 実用新案同士は協議の機会なく双方とも登録不可(7条2項) | 特許同士は協議が可能、協議不成立なら双方拒絶(39条2項) 出願日の前後を問題とせず、先願明細書の記載で後願を排除 |
| 比較の基準 | 請求項に係る考案同士の同一性(クレーム対クレーム) | 請求項に係る発明同士の同一性(クレーム対クレーム) 後願のクレーム対先願の明細書・図面全体 |
| 出願取下げの効果 | 放棄・取下げ・却下で初めからなかったものとみなす(7条4項) | 放棄・取下げ・却下で初めからなかったものとみなす(39条5項) 先願が取下げ等になれば後願排除効も消滅 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も先申請主義を採り、新型専利(実用新案)にも適用。同日出願は通知して協議させ、不成立なら登録を受けられない点が日本の実用新案同士の無協議共倒れと異なる
韓国も先出願主義(선출원주의)。実用新案法が特許法の先出願規定を準用する構造で、日本と類似した受容系譜にある
実用新案(Gebrauchsmuster)の発祥国。ドイツも出願主義(Anmeldeprinzip)を採り、実用新案は無審査で早期登録される点で日本の現行制度の母型となった
米国は実用新案制度を持たず、特許に統合。2013年に先発明主義から先発明者先願主義へ移行し、現在は世界的に先願系が標準となった
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- スタートアップで新しい折りたたみ機構を考案し、試作と事業計画を固めてから出願しようと準備していたら、競合が数日早く同じ構造を出願していた。あと一週間早く動いていれば、という後悔では権利は戻らない。残された時間で打てる手は、考案の構成に違いがあるかの精査だけ
- もし、取引先と共同開発した考案を、連絡ミスでお互い別々に同じ日に出願してしまったら? 実用新案同士の同日出願は協議の機会もなく、7条2項で両方とも登録を受けられない。共倒れである
- あなたが個人発明家で、大企業と同一の考案を同じ日に出願した。資本力では勝てない相手でも、同日出願なら双方とも登録を受けられず、結果は平等に「ゼロ」。先願主義が小を大に対抗させる稀な場面
- 同じアイデアを実用新案登録出願と特許出願で別々に出した。実用新案を先に、特許を後に出したなら、実用新案だけが生き残る(7条3項)。逆順だと実用新案は登録されない。一発明一権利の壁にぶつかる
- 先願だと思っていた相手の出願が、途中で取り下げられた。7条4項により、その出願は初めからなかったものとみなされ、二番手だったあなたの考案に登録の道が開く。相手の出願の生死を追い続ける価値がここにある
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず競合の出願日を特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で確認し、自分が先か後かという事実を固める2. 自分が後願だった場合でも、考案の構成が少しでも異なれば別考案として登録の余地があるので、同一性を精査する3. 相手が先願でも、放棄・取下げ・却下されれば初めからなかったものとみなされる(7条4項)ため、相手の出願の生死を継続監視する4. 自分が真の先使用者なら、先使用権(実用新案法26条が準用する特許法79条)で製造販売を継続できる道を検討する
訴えられた側:1. 自分が先願であることを出願日で証明できる状態を保つ2. 同じ考案を実用新案と特許で重複出願している場合、7条3項の調整に注意し、先に出した方を生かす設計にする3. 後願者から考案の同一性を争われたら、構成要件を明確にして権利範囲を主張する4. 同日出願のリスクがある共同開発・展示の場面では出願人を一本化し、別々出願による共倒れ(7条2項)を防ぐ
時効(請求できる期限):本条に特定の消滅時効はない。決定的なのは「出願日」であり、同一考案では一日でも早い出願人が優先する(7条1項)。同日出願は実用新案同士なら協議の機会なく双方が登録を受けられない(7条2項)。権利を争う場面では、相手の出願の放棄・取下げ・却下の有無(7条4項)を継続的に監視する必要がある
学説
通説:実用新案法7条の先願主義は、発明・考案の完成時期という立証困難な実体的事実ではなく、出願日という一義的・形式的な基準で権利者を確定する立法主義である。これにより権利関係の早期安定と技術公開の促進を図り、その代償である真の先実施者の救済は、26条が準用する特許法79条の先使用権で別途調整される、と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治38年(1905年) 新設:実用新案法を制定。ドイツの Gebrauchsmuster(実用新案)制度を範に、簡易な小発明保護の仕組みとして導入
- 2.昭和34年(1959年) 改正:現行実用新案法(法律第123号)を全面改正・制定。特許法・意匠法・商標法とともに体系を整備し、先願に関する規定を現行の形に整理
- 3.平成5年(1993年) 改正:無審査登録制度を導入(翌年施行)。実体審査を経ず早期登録する方式へ転換し、権利行使には実用新案技術評価書の提示を要求する仕組みへ
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