要点実用新案法第4条の2は、登録前の出願段階で他人に仮通常実施権を許諾でき、設定登録があれば自動的に通常実施権へ転化すると定める。ただし出願が拒絶・取下げされれば転化しない。
Q · 実用新案がまだ登録されていなくても、他社に『使っていい』と許諾できますか?
登録前でも許諾でき、登録時に自動で本物になります
実用新案法第4条の2により、実用新案登録を受ける権利を有する者は、出願段階で他人に仮通常実施権を許諾できます。許諾できる範囲は、願書に最初に添付した明細書・実用新案登録請求の範囲・図面に記載した事項の範囲内に限られます。実用新案権の設定登録があれば、その仮通常実施権は契約で定めた範囲内で自動的に通常実施権へ転化します(同条第2項)。ただし出願が拒絶・取下げ・放棄されれば登録は生じず、転化しません。
実用新案は、特許と違って中身の審査をせずに数ヶ月で登録される。だが、もっと早く動ける道がある。登録を待たずに、出願した段階のうちに他人へ実施を許諾できる仕組みだ。それが仮通常実施権である。あなたが便利な構造のグッズを出願したばかりで、まだ登録番号も下りていないとする。そこへ大手メーカーが「うちで量産させてほしい」と声をかけてきたとき、多くの出願人は「登録が下りるまで待ってください」と答えて機会を逃す。実用新案法第4条の2が用意しているのは別の道だ。登録前でも仮通常実施権を相手に与えられ、設定登録が下りた瞬間、その仮の許諾は自動的に本物の通常実施権へ転化する。契約を結び直す手間もいらない。つまり、あなたは権利が完成する数ヶ月前から、その技術をてこにして取引を前へ進められる。出願したその日が、ビジネスのスタートラインになる。
実用新案法第4条の2にいう仮通常実施権とは、実用新案登録を受ける権利を有する者が、登録前の出願段階において他人に対し将来の実用新案権の通常実施を許諾する権利をいう。設定登録の時に通常実施権へ転化することを予定した、未確定の権利を基礎とする非独占的な許諾である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実用新案の登録前、出願段階で他人に与える将来の実施許諾です。実用新案法第4条の2が根拠で、設定登録があれば自動的に通常実施権へ転化します。
仮通常実施権は非独占で同じ範囲を複数人に許諾できます。仮専用実施権は独占的で、設定登録後に専用実施権へ転化し、権利者自身も実施できなくなります。
枠組みは同じで、実用新案法第4条の2は特許法第34条の3等を準用します。ただし実用新案は無審査登録のため、権利が後から技術評価で覆りやすい点が異なります。
実用新案権の設定登録があった時です(第4条の2第2項)。契約で定めた範囲内で、契約を結び直さず自動的に通常実施権が許諾されたものとみなされます。
出願段階の仮通常実施権そのものに登録制度はありませんが、移転や処分には準用規定が及びます。実務では契約書で範囲・転化条件を明確にしておくことが重要です。
許諾できる範囲は願書に最初に添付した明細書・請求の範囲・図面に記載した事項の範囲内に限られます。後の補正で広げた部分は対象外になりうるため注意が必要です。
無審査登録ゆえ権利が後から覆りうるため、契約に権利消滅時のライセンス料の扱いを定めておくのが定石です。転化後も権利の有効性は別問題として残ります。
実用新案登録を受ける権利の移転等に関する特許法の準用規定が及びます。譲渡には一定の制約があるため、契約と当事者の同意関係を確認する必要があります。
できます。実用新案法第4条の2が、登録を受ける権利を持つ者に対し、出願段階での仮通常実施権の許諾を認めています。しかも設定登録が下りれば、その許諾は自動的に通常実施権へ転化します(同条第2項)。業界裏話ヒント:実務家がここで気にするのは『無審査登録の弱さ』です。実用新案は中身を審査せず登録されるため、権利自体が後で技術評価書や無効審判で覆りうる。だから仮通常実施権の契約には、権利が消えた場合のライセンス料の扱いを必ず書き込みます。
いいえ、『通常』実施権なので非独占です。同じ範囲で他人にも重ねて許諾できます。独占したいなら仮専用実施権の検討になりますが、こちらは扱いが異なります。業界裏話ヒント:登録前だから完全な独占は取りにくい、という前提でメーカーは『せめて一定期間は他社に出さない』という不許諾の特約を契約で求めてきます。条文に書いていない部分を契約で埋めるのが、この領域の交渉の本体です。
通常実施権への転化は『設定の登録があつたとき』が条件なので(第4条の2第2項)、出願が拒絶・取下げ・放棄されれば登録は生じず、仮通常実施権は通常実施権になりません。準用される特許法第34条の5により仮通常実施権自体も消滅します。業界裏話ヒント:このリスクを織り込むため、賢いライセンシーは前払いライセンス料を抑え、登録後に本格的な対価を払う段階払いを組みます。登録前の許諾は『取れたらラッキー』の構えで設計するのが定石です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 成立時点 | 第4条の2:出願段階(登録前)に許諾できる | — |
| 独占性 | 非独占(同じ範囲を複数人に重ねて許諾可) | — |
| 転化・効力 | 設定登録時に通常実施権へ自動転化(第2項) | — |
| 失効リスク | 出願の拒絶・取下げ・放棄で消滅、転化せず | — |
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