要点実用新案法39条の2は、無効審判の請求の取下げを定める。答弁書提出後は相手方の承諾が必要で、訂正通知を受けた場合は通知日から30日以内に限り承諾なしで取り下げられる。
Q · 実用新案の無効審判は、起こした後でいつでも自由に取り下げられるの?
答弁書提出後は相手方の承諾がなければ取り下げられません
実用新案法39条の2により、無効審判の請求は審決が確定するまで取り下げられますが(1項)、相手方が答弁書を提出した後は相手方の承諾が必要です(2項)。例外として、相手方の訂正通知を受けたときは、その通知日から30日以内に限り承諾なしで取り下げられます(3項)。二以上の請求項についての審判は、請求項ごとに取り下げることもできます(6項)。降りる前に「いつ・どの条件で降りられるか」を把握することが、和解交渉の主導権を左右します。
製品が売れ始めた矢先、「弊社の実用新案権を侵害している」という警告書が届く。出荷を止めるか、それとも争うか。争う武器の一つが実用新案登録無効審判だ。そして本条は、その審判を「いつ、どうやって取り下げられるか」を定める。地味に見えて、ここに戦略の核心が隠れている。相手が答弁書を出す前なら、あなたは自由に取り下げられる(1項)。だが答弁書が出た後は、相手の承諾なしには降りられない(2項)。相手を土俵に引きずり出した瞬間、簡単には逃げられなくなるのだ。さらに相手が登録請求の範囲を訂正した通知を受けたら、その日から30日以内に限り承諾なしで取り下げられる(3項)。請求項ごとの取下げも可能だ(6項)。この四つのレバーを握っているかどうかで、和解交渉の主導権が決まる。
実用新案法39条の2は、実用新案登録無効審判の請求の取下げに関する手続規定である。審決が確定するまで取下げを認める一方、相手方の答弁書提出後は相手方の承諾を要件とし、訂正通知後は30日以内に限る承諾不要の取下げ、および二以上の請求項についての請求項ごとの取下げを定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
一度起こした無効審判を撤回する手続です。実用新案法39条の2が定め、審決確定までは可能ですが、答弁書提出後は相手方の承諾が必要になります。
答弁書提出後は、相手方の承諾を得なければ取り下げられません(39条の2第2項)。相手を応訴させた以上、勝手には降りられない構図です。
特許庁への審判請求手数料に加え、弁理士費用がかかります。途中で降りられない場合、不要な係争費用が積み上がるため出口設計が重要です。
通知を受けた日から30日以内です(39条の2第3項)。この期間内なら相手方の承諾なしで取り下げられますが、過ぎると承諾が必要になります。
実用新案は無審査登録のため権利が弱いものも多く、無効審判で争う選択肢があります。同時に「どう降りられるか」の出口も先に設計しておくべきです。
できます。二以上の請求項について請求したときは、請求項ごとに取り下げられます(39条の2第6項)。負け筋の請求項だけ切り離せます。
答弁書提出後は相手方の承諾が必要なため、和解書に取下げ承諾の文言を入れるのが実務の鉄則です。一文の欠落が和解全体を不安定にします。
構造はほぼ同じで、本条は特許法155条をモデルにしています。ただし実用新案は無審査登録のため、訂正と取下げの戦略がより実務上重要になります。
相手の実用新案権はそのまま有効に残ります。本条(39条の2)は審判請求の取下げを定めるだけで、権利を消す効果はありません。むしろ取り下げる前に相手が訂正していれば(3項の通知)、狭まった権利が確定し、相手に有利に働くこともある。業界裏話ヒント:弁理士が取下げを勧めるとき、本当に検討すべきは「取り下げた後、相手の権利関係がどう固まるか」。降りる判断より、降りた後の地図を読む方が重要です。
和解書に取下げ承諾の文言を入れ忘れた典型例です。答弁書提出後は相手の承諾なしに取り下げられず(本条2項)、和解とは別に審判は係属したまま。相手が「承諾していない」と言えば審理は続きます。業界裏話ヒント:実務では和解条項に「請求人は審判を取り下げ、被請求人はこれに承諾する」をセットで書くのが鉄則。この一文が抜けると、和解金を払っても紛争が終わりません。
降りられます。本条6項が、二以上の請求項について無効審判を請求したとき、請求項ごとの取下げを認めています。勝てそうな請求項を残し、分の悪い請求項だけ取り下げる戦略が可能です。業界裏話ヒント:全部抱えて全敗するより、勝ち筋に絞る方が審決の質も上がる。請求項ごとに勝率を見極め、負け筋を早めに切る損切り判断が、優秀な代理人の腕の見せ所です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 39条の2:無効審判の請求の取下げ | — |
| 答弁書提出後の取下げ | 相手方の承諾が必要(2項) | — |
| 30日・請求項ごとの特則 | 訂正通知から30日以内は承諾不要(3項)/請求項ごと可(6項) | — |
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