実用新案法 第39条の2(審判の請求の取下げ)
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- 審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。
- 2.審判の請求は、前条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない。
- 3.審判の請求人が前条第五項の規定による通知を受けたときは、前項の規定にかかわらず、その通知を受けた日から三十日以内に限り、その審判の請求を取り下げることができる。
- 4.特許法第四条の規定は、前項に規定する期間に準用する。この場合において、同条中「特許庁長官」とあるのは、「審判長」と読み替えるものとする。
- 5.審判の請求人がその責めに帰することができない理由により第三項に規定する期間内にその請求を取り下げることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求を取り下げることができる。
- 6.二以上の請求項に係る実用新案登録の二以上の請求項について実用新案登録無効審判を請求したときは、その請求は、請求項ごとに取り下げることができる。
この条文の基本情報
審判の請求の取下げとは何ですか?
定義審判の請求の取下げとは、実用新案法第39条の2に定められた規定で、「審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第39条の2(審判の請求の取下げ)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第39条の2の条文原文は「審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。」で始まります。
- 実用新案法第39条の2は第五章 審判に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第39条の2の前の条は実用新案法第39条です。
- 実用新案法第39条の2の次の条は実用新案法第40条です。
- 実用新案法第39条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第39条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第39条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/39_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法39条の2は、無効審判の請求の取下げを定める。答弁書提出後は相手方の承諾が必要で、訂正通知を受けた場合は通知日から30日以内に限り承諾なしで取り下げられる。
Q · 実用新案の無効審判は、起こした後でいつでも自由に取り下げられるの?
答弁書提出後は相手方の承諾がなければ取り下げられません
実用新案法39条の2により、無効審判の請求は審決が確定するまで取り下げられますが(1項)、相手方が答弁書を提出した後は相手方の承諾が必要です(2項)。例外として、相手方の訂正通知を受けたときは、その通知日から30日以内に限り承諾なしで取り下げられます(3項)。二以上の請求項についての審判は、請求項ごとに取り下げることもできます(6項)。降りる前に「いつ・どの条件で降りられるか」を把握することが、和解交渉の主導権を左右します。
解説
製品が売れ始めた矢先、「弊社の実用新案権を侵害している」という警告書が届く。出荷を止めるか、それとも争うか。争う武器の一つが実用新案登録無効審判だ。そして本条は、その審判を「いつ、どうやって取り下げられるか」を定める。地味に見えて、ここに戦略の核心が隠れている。相手が答弁書を出す前なら、あなたは自由に取り下げられる(1項)。だが答弁書が出た後は、相手の承諾なしには降りられない(2項)。相手を土俵に引きずり出した瞬間、簡単には逃げられなくなるのだ。さらに相手が登録請求の範囲を訂正した通知を受けたら、その日から30日以内に限り承諾なしで取り下げられる(3項)。請求項ごとの取下げも可能だ(6項)。この四つのレバーを握っているかどうかで、和解交渉の主導権が決まる。
法的な位置づけ
実用新案法39条の2は、実用新案登録無効審判の請求の取下げに関する手続規定である。審決が確定するまで取下げを認める一方、相手方の答弁書提出後は相手方の承諾を要件とし、訂正通知後は30日以内に限る承諾不要の取下げ、および二以上の請求項についての請求項ごとの取下げを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.無効審判を起こす前に出口を設計する 請求する前に撤退ラインを決める。答弁書提出前(1項)なら自由に降りられることを前提に、どの条件なら取り下げるかを先に確定しておく
- 2.相手の訂正通知が届いたら30日窓を起算する 相手が登録請求の範囲を訂正した通知を受けたら、訂正後の請求項が自社製品を含むか即分析する。含まないなら通知日から30日以内(3項)に承諾なしで取り下げる
- 3.和解する場合は取下げ承諾を必ず明記する 答弁書提出後の取下げには相手方の承諾が要るため(2項)、和解書に「請求人は審判を取り下げ、被請求人はこれに承諾する」の一文をセットで入れる
- 4.複数請求項は負け筋だけ取り下げる 二以上の請求項についての審判は、勝てる請求項を残し分の悪い請求項だけを6項で個別に取り下げる。勝ち筋に絞ることで審決の質を上げる
よくある質問 AI による整理
Q1実用新案登録無効審判の取下げとは何ですか?
一度起こした無効審判を撤回する手続です。実用新案法39条の2が定め、審決確定までは可能ですが、答弁書提出後は相手方の承諾が必要になります。
Q2審判請求の取下げは答弁書の後でもできますか?
答弁書提出後は、相手方の承諾を得なければ取り下げられません(39条の2第2項)。相手を応訴させた以上、勝手には降りられない構図です。
Q3実用新案の無効審判の費用はどのくらいかかりますか?
特許庁への審判請求手数料に加え、弁理士費用がかかります。途中で降りられない場合、不要な係争費用が積み上がるため出口設計が重要です。
Q4訂正通知を受けてから取下げできる期間はいつまでですか?
通知を受けた日から30日以内です(39条の2第3項)。この期間内なら相手方の承諾なしで取り下げられますが、過ぎると承諾が必要になります。
Q5実用新案の警告書が届いたらどうすればいいですか?
実用新案は無審査登録のため権利が弱いものも多く、無効審判で争う選択肢があります。同時に「どう降りられるか」の出口も先に設計しておくべきです。
Q6無効審判は請求項ごとに取り下げできますか?
できます。二以上の請求項について請求したときは、請求項ごとに取り下げられます(39条の2第6項)。負け筋の請求項だけ切り離せます。
Q7無効審判の取下げに承諾書は必要ですか?
答弁書提出後は相手方の承諾が必要なため、和解書に取下げ承諾の文言を入れるのが実務の鉄則です。一文の欠落が和解全体を不安定にします。
Q8実用新案と特許の無効審判の取下げは違いますか?
構造はほぼ同じで、本条は特許法155条をモデルにしています。ただし実用新案は無審査登録のため、訂正と取下げの戦略がより実務上重要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無効審判って、取り下げたら相手の権利はどうなるんですか?
相手の実用新案権はそのまま有効に残ります。本条(39条の2)は審判請求の取下げを定めるだけで、権利を消す効果はありません。むしろ取り下げる前に相手が訂正していれば(3項の通知)、狭まった権利が確定し、相手に有利に働くこともある。実務のポイント:弁理士が取下げを勧めるとき、本当に検討すべきは「取り下げた後、相手の権利関係がどう固まるか」。降りる判断より、降りた後の地図を読む方が重要です。
Q2和解したのに、審判だけが残ってるって言われました。なぜですか?
和解書に取下げ承諾の文言を入れ忘れた典型例です。答弁書提出後は相手の承諾なしに取り下げられず(本条2項)、和解とは別に審判は係属したまま。相手が「承諾していない」と言えば審理は続きます。実務のポイント:実務では和解条項に「請求人は審判を取り下げ、被請求人はこれに承諾する」をセットで書くのが鉄則。この一文が抜けると、和解金を払っても紛争が終わりません。
Q3請求項が5つある実用新案、全部まとめて無効審判にかけたけど、一部だけ降りられますか?
降りられます。本条6項が、二以上の請求項について無効審判を請求したとき、請求項ごとの取下げを認めています。勝てそうな請求項を残し、分の悪い請求項だけ取り下げる戦略が可能です。実務のポイント:全部抱えて全敗するより、勝ち筋に絞る方が審決の質も上がる。請求項ごとに勝率を見極め、負け筋を早めに切る損切り判断が、優秀な代理人の腕の見せ所です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分が起こした審判だから、いつでも自由に取り下げられる」と思いがちだが、2項がそれを許さない。相手が答弁書を出した後は、相手の承諾なしには降りられない。請求した側が、相手に主導権を握られる構図になる。
- 取下げに承諾が要ること自体は知っていても、その深刻さを見落としている人が多い。和解書に取下げ同意の文言を入れ忘れると、和解金は払ったのに審判は係属したまま、相手はいつでも審理続行を主張できる。一文の欠落が、和解全体を不安定にする。
- 「無効審判を取り下げれば、なかったことになる」という前提自体が危うい。取り下げても、相手の権利は有効なまま残る。むしろ訂正で狭まった権利を確定させ、相手を利することすらある。取り下げる前に問うべきは「降りるか否か」ではなく「今降りると権利関係がどう固まるか」だ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 39条の2:無効審判の請求の取下げ | 37条:実用新案登録無効審判(取下げの対象手続) 14条の2:登録請求の範囲等の訂正(3項通知の前提) |
| 答弁書提出後の取下げ | 相手方の承諾が必要(2項) | —(審判の開始・審理を規律) —(訂正の手続を規律) |
| 30日・請求項ごとの特則 | 訂正通知から30日以内は承諾不要(3項)/請求項ごと可(6項) | — 訂正の通知が30日窓の起算点を生む |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も新型専利(実用新案)を含む挙発の撤回につき、被挙発人が答弁した後は被挙発人の同意を要件とする点で日本と構造が一致する。
韓国も審判請求の取下げを審決確定前に認めつつ、相手方の応訴後は承諾を要する枠組みで、実用新案法が特許法を準用する点まで日本と類似する。
ドイツの実用新案は登録抹消手続(Löschung)で有効性を争う。特許庁での無効審判という日本の枠組みとは手続主体が異なる。
米国に実用新案制度はなく、特許の当事者系レビュー(IPR)の終了・和解規定で対照する。当事者の和解による終了が原則認められる点は近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相手が登録請求の範囲を訂正したという通知が届いた。読むと、訂正後の請求項はあなたの製品をもう含んでいない。争う理由は消えた。だが承諾なしで取り下げられるのは、通知を受けた日から30日以内だけ(3項)。この窓を逃すと、相手の承諾がなければ降りられず、無駄な審判費用を払い続けることになる。
- もし、無効審判を請求した後に相手と水面下で和解が成立したら? 答弁書提出後の取下げには相手の承諾が要る(2項)。和解条件に「相手方は審判の取下げに承諾する」の一文を入れておかないと、和解したのに審判だけが宙に浮く。
- あなたが実用新案権者の側。無効審判を起こされ、答弁書を提出した。これで相手は勝手に逃げられない。決着がつくまで土俵に縛りつけられる。
- 複数の請求項を持つ実用新案を、複数の請求項についてまとめて無効審判にかけた。審理が進むと、ある請求項は無効にできそうだが、別の請求項は分が悪い。6項を使えば、分の悪い請求項だけを取り下げ、勝てる戦場に絞り込める。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無効審判を請求する前に、出口を設計する。答弁書提出前(1項)なら自由に降りられることを前提に、撤退ラインを決めておく2. 相手が訂正してきたら、訂正後の請求項が自社製品を含むか即分析し、含まないなら通知日から30日以内(3項)に取り下げる3. 和解する場合は、和解書に必ず「相手方は審判の取下げに承諾する」旨を明記(2項対策) 4. 複数請求項なら、勝てる請求項に絞り、負け筋は6項で個別に取り下げる
訴えられた側:1. 無効審判を起こされたら、答弁書を提出する。これで相手は承諾なしに取り下げられなくなり(2項)、あなたが決着の主導権を握る2. 弱い請求項があれば、訂正(実用新案法14条の2)で範囲を狭め、その通知を出す。相手に30日の取下げ機会を与えつつ、権利を確定させる3. 和解交渉では、取下げ承諾を交換条件として有利な条件を引き出す4. 相手が一部請求項を取り下げても残りは係属する、油断しない
時効(請求できる期限):取下げ自体は審決確定までいつでも可能(1項)。ただし答弁書提出後は相手の承諾が必要(2項)。訂正通知を受けた場合は通知日から30日以内に限り承諾不要で取下げ可(3項)。責めに帰することができない理由があれば、その理由が消滅した日から14日(在外者は2月)以内かつ期間経過後6月以内に取下げ可(5項)
学説
通説:本条は特許法155条をモデルとする手続規定であり、答弁書提出後の取下げに相手方の承諾を要するのは、応訴を強いられた相手方の「決着まで争う」利益を保護する趣旨と解されている。訂正通知後の30日窓と請求項ごとの取下げは、形式的硬直を避け紛争の実態に即した撤退を可能にする。
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