商標法 第55条の3(審決の確定範囲)
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審決は、審判事件ごとに確定する。ただし、指定商品又は指定役務ごとに請求された第四十六条第一項の審判の審決は、指定商品又は指定役務ごとに確定する。
この条文の基本情報
審決の確定範囲とは何ですか?
定義審決の確定範囲とは、商標法第55条の3に定められた規定で、「審決は、審判事件ごとに確定する。ただし、指定商品又は指定役務ごとに請求された第四十六条第一項の審判の審決は、指定商品又は指定役務ごとに確定する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第55条の3(審決の確定範囲)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第55条の3の条文原文は「審決は、審判事件ごとに確定する。ただし、指定商品又は指定役務ごとに請求された第四十六条第一項の審判の審決は、指定商品又は指定役務ごとに確定する。」で始まります。
- 商標法第55条の3は第五章 審判に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第55条の3の前の条は商標法第55条の2です。
- 商標法第55条の3の次の条は商標法第56条です。
- 商標法第55条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第55条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第55条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/55_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法55条の3は、審決が審判事件ごとに確定するのを原則とし、無効審判が指定商品・役務ごとに請求された場合はその区分ごとに確定すると定める規定である。
Q · 商標の一部の区分だけ無効審判を起こされたら、登録ぜんぶが消えるの?
いいえ。指定商品・役務ごとに請求されれば、その区分だけが確定する。
商標法55条の3により、審決は原則として審判事件ごとに確定しますが、無効審判(46条1項)が指定商品又は指定役務ごとに請求された場合は、その区分ごとに別々に確定します。つまり狙われた区分だけが対象になり、ぶつかっていない区分は審理されず生き残ります。さらに勝った区分と負けた区分で確定のタイミングが分かれるため、負けた区分だけ審決謄本送達から30日以内に審決取消訴訟を起こすか、区分単位で判断することになります。
解説
あなたが何年もかけて育てたブランド名を商標登録したとする。その登録証は「衣類」「化粧品」「飲食店の提供」のように複数の指定商品・指定役務を一枚にまとめている。ところがある日、競合があなたの登録のうち「化粧品」の部分だけを狙って無効審判を請求してきた。ここで効いてくるのが商標法55条の3だ。審決は原則として審判事件ごとにまとめて確定するが、無効審判(46条1項)が指定商品・指定役務ごとに請求された場合は、その商品・役務ごとに別々に確定する。つまりあなたの登録は「化粧品」だけが無効になり、「衣類」は生き残る、という部分的な決着がありうる。さらに重要なのは、負けた区分と勝った区分で確定のタイミングが分かれること。相手が出訴しなければ勝った区分は確定し、負けた区分はあなたが30日以内に審決取消訴訟を起こすかどうかで運命が決まる。権利証は一枚でも、戦況は区分ごとに動く。
法的な位置づけ
商標法55条の3は審決の確定範囲を定める規定であり、審決は審判事件ごとに確定することを原則としつつ、商標法46条1項の無効審判が指定商品又は指定役務ごとに請求された場合には、当該指定商品・指定役務ごとに審決が確定する旨を規定する。一つの商標登録に含まれる複数区分の権利関係を可分的に確定させる根拠となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手登録の指定商品・役務リストを全取得 攻める側は、まず相手の登録の指定商品・指定役務の全リストを特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で取得し、自社事業と実際にぶつかる区分だけを抽出する
- 2.ぶつかる区分だけに無効審判を請求 抽出した区分に絞って46条1項の無効審判を請求する。区分ごとに確定するため、獲りたい区分の立証に資源を集中する。不使用が疑われる区分は不使用取消審判(50条)との使い分けも検討する
- 3.防御側は攻められた区分を特定して資源配分 請求書を受け取った商標権者は、攻められている指定商品・役務がどれかを最初に特定し、無傷の区分は守られていることを確認する。主力区分を優先して答弁書と使用証拠を厚く出す
- 4.区分ごとに30日の出訴期間を別管理 審決が出たら、勝った区分と負けた区分を分け、負けた区分だけ審決謄本送達から30日以内に審決取消訴訟を知財高裁に提起する。出訴期間は区分ごとに別カレンダーで管理し、守れる区分の確定を不用意に巻き込まない
よくある質問 AI による整理
Q1審決の確定とは何ですか?
審決取消訴訟の出訴期間(30日)を過ぎるか、訴えが退けられて争えなくなった状態です。確定すると、その指定商品・役務について審決の内容が固まります。
Q2商標の無効審判は区分ごとに請求できますか?
できます。46条1項の無効審判は指定商品・指定役務ごとに請求でき、商標法55条の3により審決もその区分ごとに確定します。
Q3勝った区分と負けた区分で確定日は同じですか?
違います。区分ごとに別個に確定するため、出訴の有無により確定日が分かれます。出訴期間は区分ごとに別管理する必要があります。
Q4確定した区分はもう一度争えますか?
原則できません。商標法56条が準用する特許法167条により、同一事実・同一証拠による再請求は一事不再理で封じられます。
Q5審決取消訴訟はいつまでに起こしますか?
審決謄本の送達日から30日以内です(商標法63条2項が準用する特許法178条3項)。過ぎた区分は確定します。
Q6審決はどの裁判所に取消しを求めますか?
知的財産高等裁判所(知財高裁)です。特許庁の審決に不服がある当事者が、その取消しを求めて出訴します。
Q7無効審判で全区分を倒さないと意味がないですか?
ありません。自社事業とぶつかる区分だけに請求を絞れば目的を達成でき、立証負担も軽くなります。
Q8一部の区分が無効になると登録番号はどうなりますか?
登録自体は残り、無効が確定した指定商品・役務についてのみ商標権が遡及的に消滅します(46条の2)。他区分の権利は存続します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無効審判って、相手の商標登録を全部消さないと意味ないんですか?
いいえ。商標法55条の3により、無効審判(46条1項)は指定商品・指定役務ごとに請求でき、審決もその区分ごとに確定します。自社とぶつかる区分だけを無効にすれば、目的は達成できます。実務のポイント:実務では、相手の登録を全部倒すより、自社の使用・出願の障害になる区分だけを狙い撃ちする方が立証も軽く、決着も速い。全面戦争を避けて一点突破するのが定石です
Q2一部の区分で負けたら、その商標はもう二度と守れないんですか?
確定するのは負けた区分についてだけです。他の区分の権利は生き残ります。さらに負けた区分も、審決謄本送達から30日以内なら審決取消訴訟(商標法63条)で知財高裁に争えます。実務のポイント:勝った区分と負けた区分は確定のタイミングが分かれるので、出訴期間を区分ごとに別カレンダーで管理するのがプロのやり方。一括管理すると、守れた区分の確定日を勘違いして思わぬ穴をあけます
間違えやすい点 AI による整理
- 「無効審判を起こされたら登録が丸ごと消える」と思い込んで青ざめる事業者が多いが、指定商品・役務ごとに請求された場合は、攻められた区分だけが対象になる。狙われていない区分は審理の俎上にすら載らない。恐れるべきは登録全体ではなく、ぶつかっている一区分だけだ
- 「審決が出たら全部いっぺんに確定する」と理解している人は、確定の深刻さを取り違えている。確定は区分ごとに別々に進み、ある区分が確定すれば、その指定商品・役務については商標法56条が準用する特許法167条で、同一事実・同一証拠による再争いが封じられる。どの区分がいつ確定したかが、次に動けるかどうかの分水嶺になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商標法55条の3:審決がどの範囲・タイミングで確定するかを定める | 商標法46条:無効審判を請求できる根拠と要件 商標法56条→特許法167条:確定後の一事不再理 |
| 確定の単位 | 原則は審判事件ごと、無効審判が区分ごと請求なら区分ごとに確定 | 指定商品・指定役務ごとに無効審判を請求できる 確定した区分について同一事実・同一証拠の再請求を禁止 |
| 実務上の意味 | 勝った区分と負けた区分で出訴期間(30日)が分かれる | 自社とぶつかる区分だけ狙い撃ちできる 一度負けて確定した区分は同じ証拠で再挑戦できない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も評定・廃止を指定商品ごとに可分的に処理でき、一部区分のみ取り消す部分処分が認められる点で日本と同趣旨
韓国も無効審判を指定商品ごとに請求でき、その範囲で無効が確定する点で日本と類似
ドイツも一部の商品・役務についてのみ商標の無効を宣言する一部無効(Teilnichtigkeit)を認める
米国も登録の一部の商品・役務についてのみ取り消す partial cancellation を認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが小さな化粧品ブランドを立ち上げ、商標を5区分まとめて登録した。大手が「化粧品」区分だけに無効審判を仕掛けてきた。残り4区分は無傷で守られ、勝負は化粧品区分一点に絞られる。ここを55条の3が切り分けている。全区分が一蓮托生で消える恐怖は、そもそも法律の建付け上ありえない
- もし、あなたが競合の広すぎる登録商標を攻めたいが、全区分を無効にする証拠まではないとしたら? 自社事業と直接ぶつかる「アプリの提供」区分だけに請求を絞れる。その区分だけ先に確定させ、自社の出願や使用を前に進められる。全部を倒す必要はない
- 商標権者として無効審判で一部の区分を落とした。あと30日。負けた区分だけ審決取消訴訟を起こすか、それとも諦めて他区分の確定を受け入れるか。区分ごとに出訴期間を別々に管理しないと、守れたはずの判断材料を一括処理で取りこぼす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無効審判で他社商標を攻める側なら、まず相手登録の指定商品・指定役務の全リストを取得し、自社事業と実際にぶつかる区分だけを抽出する2. その区分に絞って46条1項の無効審判を請求、不使用なら不使用取消審判(50条)との使い分けも検討3. 区分ごとに確定するため、獲りたい区分の立証に資源を集中する4. 勝った区分は相手の出訴がなければ確定、その確定範囲を自社の出願戦略に即反映させる
訴えられた側:1. 商標権者として請求書を受け取ったら、攻められている指定商品・役務がどれかを最初に特定、無傷の区分は守られていることを確認して落ち着く2. 事業上の主力区分を優先して防御資源を配分、答弁書と使用証拠を厚く出す3. 一部の区分で負けた場合、その区分だけ審決謄本送達から30日以内に審決取消訴訟を提起するか判断4. 区分ごとに出訴期間を別管理し、守れる区分の確定を不用意に巻き込まない
時効(請求できる期限):審決取消訴訟は審決謄本の送達日から30日以内(商標法63条2項が準用する特許法178条3項)。この期間内に出訴しなかった区分は確定し、以後その指定商品・役務について同一事実・同一証拠での再争いは一事不再理で封じられる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条により、無効審判が指定商品・指定役務ごとに請求された場合の審決は区分ごとに可分的に確定すると解される。確定した区分については、商標法56条が準用する特許法167条の一事不再理が個別に及び、同一事実・同一証拠による再請求が封じられる。
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