要点消費税法 11 条は、合併があった場合、被合併法人の対応期間の課税売上高を合算して 1000 万円を超えるときは、合併法人に消費税法 9 条 1 項本文の免税規定を適用しないと定める。
Q · うちの売上は 1000 万円以下だけど、合併したら消費税はやっぱり免税のまま?
相手会社の売上も合算されるため、免税のままとは限りません
消費税法 11 条により、合併があった場合は、合併法人自身の基準期間の課税売上高が 1000 万円以下であっても、被合併法人の「基準期間に対応する期間」の課税売上高を合算して 1000 万円を超えれば、合併があった日以降の課税資産の譲渡等および特定課税仕入れについて同法 9 条 1 項本文の免税規定は適用されません。新設合併の場合は設立初年度から課税事業者になりえます。判定に使うのは合併後の実績ではなく、数年前の相手方の売上です。
消費税には有名なルールがある。基準期間(原則、前々事業年度)の課税売上高が 1000 万円以下なら、その事業者は消費税を納めなくてよい(消費税法 9 条)。多くの中小企業経営者は、この数字を頼りに免税の地位を守っている。ところが会社を合併した瞬間、その安心は崩れる。11 条は、合併があった年度について、あなたの会社の売上だけでなく、吸収した相手会社(被合併法人)の対応期間の売上まで持ち出して、1000 万円を超えるかどうかを判定する。相手が売上 3000 万円の会社なら、あなたの基準期間売上が 500 万円でも、合併日以降は消費税を納める義務が生じる。新設合併なら、設立初年度から課税事業者になりうる。免税の地位は、合併の設計図を引く前に確認しておかないと、気付いたときには消えている。
消費税法 11 条は、合併があった場合における納税義務の免除の特例を定める規定である。合併法人の基準期間における課税売上高が 1000 万円以下であっても、被合併法人の対応期間の課税売上高を合算して 1000 万円を超えるときは、同法 9 条 1 項本文の小規模事業者免税規定の適用を排除する。吸収合併と新設合併の双方を対象とし、合併年度およびその後の一定期間に及ぶ。
基準期間(原則、前々事業年度)の課税売上高が 1000 万円以下で、消費税の納税義務が免除される事業者です(消費税法 9 条 1 項)。11 条はその例外を定めます。
法人は原則として当該事業年度の前々事業年度、個人事業者は前々年を指します。この期間の課税売上高が 1000 万円を超えるかで納税義務を判定します。
吸収合併では合併があった日から当該事業年度終了の日までの取引が課税対象になります(11 条 1 項)。翌事業年度も 11 条 2 項・4 項で合算判定が続きます。
はい。11 条 3 項により、いずれかの被合併法人の対応期間の課税売上高が 1000 万円を超えれば、設立初年度から課税事業者となります。
合併年度は「いずれかの被合併法人」の金額が 1000 万円超なら課税(11 条 1 項・3 項)、翌年度以降は各被合併法人の金額の合計額で判定します(11 条 2 項・4 項)。
選べます。通常は課税期間開始前の届出が必要ですが、合併には提出時期の特例(消費税法施行令 56 条)があり、合併日の属する課税期間中の提出で適用できる場合があります。
被合併法人の「基準期間に対応する期間」の課税売上高を、消費税法施行令 22 条の定めに従って計算します。月数按分など政令の計算方法に従う必要があります。
法人は原則として課税期間の末日の翌日から 2 か月以内に申告・納付します。中間申告義務が生じる場合もあるため、資金繰りを事前に組み直す必要があります。
相手(被合併法人)の対応期間の課税売上高次第です。あなたの 800 万円と相手の売上を合算して 1000 万円を超えれば、合併年度から課税事業者になります(消費税法 11 条 2 項)。相手が小さくても油断は禁物。業界裏話ヒント:判定に使うのは『基準期間に対応する期間』の売上で、直近ではなく数年前の数字。相手会社の過去の決算書を合併前に取り寄せて計算しないと、蓋を開けてから課税と分かる。DD で真っ先に見るべき数字がここにある
11 条は「合併」に対する特例なので、事業譲渡(資産の売買)であればこの合算判定は働きません。ただし事業譲渡は譲渡資産に消費税が課される取引そのもので、別の税負担が生じます。業界裏話ヒント:合併か事業譲渡かは、消費税だけでなく法人税・登録免許税・のれんの扱いまで変わる分岐点。税理士は『どの器で組むか』を最初に決めるが、その理由を依頼者に細かく説明しないことが多い。免税維持が器の選択で可能かを、最初に聞くべき
合併年度の後は、原則として各年度の基準期間の課税売上高で判定し直します(消費税法 9 条)。ただし 11 条 2 項・4 項は合併後の一定期間、被合併法人の売上を合算し続けるため、すぐには免税へ戻れません。業界裏話ヒント:一度課税事業者になり簡易課税やインボイス登録をすると、その後の選択に 2 年縛りなどの制約がかかることがある。『合併したら来期からまた免税』と単純に考えると、この縛りに引っかかる。戻れるタイミングは想像より遅い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 判定の対象 | 11 条:合併(吸収・新設)があった場合、被合併法人の対応期間売上を合算 | — |
| 課税転換のタイミング | 吸収合併は合併日以降、新設合併は設立初年度から | — |
| 判定に使う期間 | 被合併法人の「基準期間に対応する期間」=過去の売上 | — |
| 回避・設計の余地 | 事業譲渡という別の器を選べば本条の合算判定は働かない | — |
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