要点消費税法 9 条は、基準期間の課税売上高が 1,000 万円以下の事業者について消費税の納税義務を免除する。ただし適格請求書発行事業者として登録した者は、この免除の対象から除かれる。
Q · 売上が 1,000 万円以下なら、消費税は本当に納めなくていいんですか?
2 年前の売上が 1,000 万円以下なら免除。ただし登録すれば消える
消費税法 9 条 1 項により、基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が 1,000 万円以下の事業者は、消費税の納税義務を免除されます。判定の対象は今年の売上ではなく 2 年前の売上です。ただし適格請求書発行事業者として登録すると、同項の括弧書きにより免税の対象から外れます。逆に設備投資が多い課税期間は、9 条 4 項の届出により自ら課税事業者を選択して還付を受ける道もありますが、9 条 6 項の 2 年縛りと 7 項の 3 年縛りがセットになります。
フリーランスとして年商800万円。請求書に消費税分を上乗せして受け取ってきたが、その分を国に納めたことは一度もない。それは脱税ではない。消費税法9条が、基準期間(個人なら前々年)の課税売上高が1,000万円以下の事業者に、納税義務そのものを免除しているからだ。受け取った消費税分は合法的にあなたの手元に残る(俗に益税と呼ばれる)。ところが2023年10月のインボイス制度で状況が一変した。条文の冒頭に「適格請求書発行事業者を除く」の一言が加わり、取引先が仕入税額控除を受けるためにあなたの適格請求書を求めると、あなたは登録せざるを得ず、登録した瞬間この1,000万円の壁は自分から消える。免税は権利だが、その権利を守るか捨てるかを、あなたは今まさに選ばされている。しかも見るべきは今年の売上ではなく、2年前の売上だ。
消費税法 9 条は事業者免税点制度を定める規定であり、その課税期間に係る基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が 1,000 万円以下である事業者について、消費税の納税義務を免除する。適格請求書発行事業者は適用対象から除外され、同条 4 項の届出書提出により免税の適用を受けない選択も認められている。
AI 輔助整理,以條文原文為準
消費税法 9 条 1 項により納税義務を免除される事業者です。基準期間の課税売上高が 1,000 万円以下であることが要件で、適格請求書発行事業者は除かれます。
個人事業者はその年の前々年、法人はその事業年度の前々事業年度です。今年の売上ではなく 2 年前の売上で今年の納税義務が決まります。
基準期間が課税事業者だった場合は税抜、免税事業者だった場合はそもそも税額を含まない対価の額そのもので判定します。売上げに係る税抜対価の返還等の金額は控除できます。
基準期間が存在しないため原則免除ですが、資本金 1,000 万円以上の新設法人は 12 条の 2 で初年度から課税、特定期間の要件に触れれば 9 条の 2 で 2 期目から課税です。
9 条 6 項により、適用開始の課税期間の初日から 2 年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、やめる旨の届出書を提出できません。
9 条 7 項により、仕入れ等の日の属する課税期間の初日から 3 年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ免税に戻れません。2 年縛りが 3 年に延長されます。
原則として適用を受けたい課税期間の初日の前日までです。事業を開始した課税期間など政令で定める課税期間は、その期間中の提出で足ります。
受けられません。納税義務がない代わりに仕入税額控除も適用されず、支払った消費税は 1 円も戻りません。還付を狙うなら 9 条 4 項の選択届出が必要です。
法律上は任意です。9条1項により基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら免税のまま。ただし取引先が課税事業者で仕入税額控除を求める場合、登録しないと取引継続で不利になりうる。相手が一般消費者中心なら登録しない選択も十分合理的です。業界裏話ヒント:税務署も商工会議所も「登録しないと損」とは言い切りません、業種次第だから。美容室・学習塾・BtoC飲食など客が一般消費者中心の業種は、登録しない方が手取りが多いケースが実際に多い
取ってかまいません。免税事業者でも取引価格に消費税相当額を含めることは違法ではなく、9条は納税を免除しているだけです。受け取った分が手元に残るのが益税で、ただし適格請求書は発行できません。業界裏話ヒント:「免税事業者は消費税を請求してはいけない」という誤解が取引現場で横行していますが、法的根拠はありません。相手から「免税なら消費税分は払わない」と減額を迫られても、それは価格交渉であって法的義務ではない、と知っておくと交渉で崩れない
開業当初は基準期間(前々年)の売上が存在しないため、原則として免税です。ただし資本金1,000万円以上の新設法人(12条の2)や、特定期間(9条の2)の売上・給与が1,000万円超の場合は初年度から課税になります。業界裏話ヒント:開業時に大きな設備投資をするなら、あえて課税事業者を選択(9条4項)して消費税の還付を受ける手があります。ただし2年縛り(9条6項)と調整対象固定資産の3年縛り(9条7項)があるので、投資額と2〜3年分の納税額を比較してから決める
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 判定する期間 | 消費税法 9 条:基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度) | — |
| 免除されなくなる基準 | 課税売上高が 1,000 万円超、または適格請求書発行事業者に該当 | — |
| 自分から放棄できるか | できる(9 条 4 項の課税事業者選択届出書) | — |
| 負担軽減とセットで検討する規定 | 消費税法 37 条(簡易課税)、インボイス導入時の 2 割特例 | — |
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