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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 9 分9 分9 分

消費税法 第9条(小規模事業者に係る納税義務の免除)

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  1. 事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者(適格請求書発行事業者を除く。)については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
  2. 2.前項に規定する基準期間における課税売上高とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める金額をいう。
  3. 一個人事業者及び基準期間が一年である法人基準期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額(第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。以下この項、次条第二項、第十一条第四項及び第十二条の三第一項において同じ。)の合計額から、イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した金額の合計額(以下この項及び第十一条第四項において「売上げに係る税抜対価の返還等の金額の合計額」という。)を控除した残額
  4. 一基準期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額
  5. 二基準期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に七十八分の百を乗じて算出した金額
  6. 二基準期間が一年でない法人基準期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額の合計額から当該基準期間における売上げに係る税抜対価の返還等の金額の合計額を控除した残額を当該法人の当該基準期間に含まれる事業年度の月数の合計数で除し、これに十二を乗じて計算した金額
  7. 3.前項第二号の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
  8. 4.第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除されることとなる事業者が、その基準期間における課税売上高(同項に規定する基準期間における課税売上高をいう。第十一条第四項及び第十二条第三項を除き、以下この章において同じ。)が千万円以下である課税期間につき、第一項本文の規定の適用を受けない旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、当該提出をした事業者が当該提出をした日の属する課税期間の翌課税期間(当該提出をした日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間その他の政令で定める課税期間である場合には、当該課税期間)以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が千万円を超える課税期間を除く。)中に国内において行う課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、同項本文の規定は、適用しない。
  9. 5.前項の規定による届出書を提出した事業者は、同項の規定の適用を受けることをやめようとするとき、又は事業を廃止したときは、その旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。
  10. 6.前項の場合において、第四項の規定による届出書を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、同項に規定する翌課税期間の初日から二年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、同項の規定の適用を受けることをやめようとする旨を記載した届出書を提出することができない。
  11. 7.第五項の場合において、第四項の規定による届出書を提出した事業者は、同項に規定する翌課税期間の初日から同日以後二年を経過する日までの間に開始した各課税期間(第三十七条第一項の規定の適用を受ける課税期間を除く。)中に国内における調整対象固定資産の課税仕入れ又は調整対象固定資産に該当する課税貨物(他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。第九項、第十二条の二第四項及び第十二条の四において同じ。)の保税地域からの引取り(以下この項、第十二条の二第二項及び第十二条の三第三項において「調整対象固定資産の仕入れ等」という。)を行つた場合(第四項に規定する政令で定める課税期間において当該届出書の提出前に当該調整対象固定資産の仕入れ等を行つた場合を含む。)には、前項の規定にかかわらず、事業を廃止した場合を除き、当該調整対象固定資産の仕入れ等の日(当該調整対象固定資産の仕入れ等に係る第三十条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日をいう。以下この項及び第十二条の二第二項において同じ。)の属する課税期間の初日から三年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、第四項の規定の適用を受けることをやめようとする旨を記載した届出書を提出することができない。この場合において、当該調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から当該調整対象固定資産の仕入れ等の日までの間に同項の規定の適用を受けることをやめようとする旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しているときは、次項の規定の適用については、その届出書の提出は、なかつたものとみなす。
  12. 8.第五項の規定による届出書の提出があつたときは、その提出があつた日の属する課税期間の末日の翌日以後は、第四項の規定による届出は、その効力を失う。
  13. 9.やむを得ない事情があるため第四項又は第五項の規定による届出書を第四項の規定の適用を受けようとし、又は受けることをやめようとする課税期間の初日の前日までに提出できなかつた場合における同項又は前項の規定の適用の特例及び第七項に規定する調整対象固定資産の仕入れ等が特例申告書の提出に係る課税貨物の保税地域からの引取りである場合その他の場合における同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

この条文の基本情報

小規模事業者に係る納税義務の免除とは何ですか?

定義小規模事業者に係る納税義務の免除とは、消費税法第9条に定められた規定で、「事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者(適格請求書発行事業者を除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 消費税法第9条(小規模事業者に係る納税義務の免除)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
  2. 消費税法第9条の条文原文は「事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者(適格請求書発行事業者を除く。」で始まります。
  3. 消費税法第9条は第一章 総則に置かれています。
  4. 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
  5. 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 消費税法第9条の前の条は消費税法第8条です。
  7. 消費税法第9条の次の条は消費税法第9条の2です。
  8. 消費税法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第9条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108
  • 本サイト収録消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/9

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点消費税法9条は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者について消費税の納税義務を免除する。ただし適格請求書発行事業者として登録した者は、この免除の対象から除かれる。

Q · 売上が1,000万円以下なら、消費税は本当に納めなくていいんですか?

2年前の売上が1,000万円以下なら免除。ただし登録すれば消える

消費税法9条1項により、基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税の納税義務を免除されます。判定の対象は今年の売上ではなく2年前の売上です。ただし適格請求書発行事業者として登録すると、同項の括弧書きにより免税の対象から外れます。逆に設備投資が多い課税期間は、9条4項の届出により自ら課税事業者を選択して還付を受ける道もありますが、9条6項の2年縛りと7項の3年縛りがセットになります。

解説

フリーランスとして年商800万円。請求書に消費税分を上乗せして受け取ってきたが、その分を国に納めたことは一度もない。それは脱税ではない。消費税法9条が、基準期間(個人なら前々年)の課税売上高が1,000万円以下の事業者に、納税義務そのものを免除しているからだ。受け取った消費税分は合法的にあなたの手元に残る(俗に益税と呼ばれる)。ところが2023年10月のインボイス制度で状況が一変した。条文の冒頭に「適格請求書発行事業者を除く」の一言が加わり、取引先が仕入税額控除を受けるためにあなたの適格請求書を求めると、あなたは登録せざるを得ず、登録した瞬間この1,000万円の壁は自分から消える。免税は権利だが、その権利を守るか捨てるかを、あなたは今まさに選ばされている。しかも見るべきは今年の売上ではなく、2年前の売上だ。

法的な位置づけ

消費税法9条は事業者免税点制度を定める規定であり、その課税期間に係る基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下である事業者について、消費税の納税義務を免除する。適格請求書発行事業者は適用対象から除外され、同条4項の届出書提出により免税の適用を受けない選択も認められている。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.基準期間の課税売上高を正しく計算する 個人事業者は前々年、法人は前々事業年度の課税資産の譲渡等の対価の額を集計し、売上げに係る税抜対価の返還等の金額(返品・値引き・割戻し)を控除する。基準期間が1年でない法人は月数按分して12か月換算する(9条2項2号)。非課税売上や国外取引は課税売上高に含めない。
  2. 2.特例規定に該当しないかを潰す 基準期間で1,000万円以下でも、特定期間(前年上半期)の課税売上高と給与等支払額がともに1,000万円超なら9条の2で課税事業者。資本金1,000万円以上の新設法人は12条の2、相続・合併・分割があった場合は10条〜12条の特例を順に確認する。
  3. 3.インボイス登録の損益分岐点を試算する 取引先が課税事業者中心か一般消費者中心かを分類する。登録した場合の納税額を2割特例および簡易課税(37条)で試算し、登録しない場合に想定される値引き要求額・失注リスクと比較する。相手が一般消費者や免税事業者中心なら登録しない選択が合理的になりやすい。
  4. 4.還付を狙うなら届出書を期限前日までに提出する 多額の設備投資や開業費用が発生する課税期間について還付を受けたい場合、9条4項の消費税課税事業者選択届出書を、その課税期間の初日の前日までに納税地の所轄税務署長へ提出する。事業を開始した課税期間など政令で定める課税期間はその期間中でよい。1日遅れるとその期の還付は取り逃す。
  5. 5.縛り期間を管理し、戻るときは届出をやり直す 課税事業者選択後は9条6項の2年縛り、調整対象固定資産を取得した場合は9条7項の3年縛りが働く。免税へ戻れる最短の課税期間をカレンダー管理し、その課税期間の初日の前日までに9条5項の不適用届出書を提出する。8項により効力喪失は提出があった課税期間の末日の翌日以後となる点に注意。

よくある質問 AI による整理

Q1免税事業者とは何ですか?

消費税法9条1項により納税義務を免除される事業者です。基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることが要件で、適格請求書発行事業者は除かれます。

Q2基準期間とはいつのことですか?

個人事業者はその年の前々年、法人はその事業年度の前々事業年度です。今年の売上ではなく2年前の売上で今年の納税義務が決まります。

Q3課税売上高1,000万円は税込ですか税抜ですか?

基準期間が課税事業者だった場合は税抜、免税事業者だった場合はそもそも税額を含まない対価の額そのもので判定します。売上げに係る税抜対価の返還等の金額は控除できます。

Q4設立1期目の法人は消費税が免除されますか?

基準期間が存在しないため原則免除ですが、資本金1,000万円以上の新設法人は12条の2で初年度から課税、特定期間の要件に触れれば9条の2で2期目から課税です。

Q5課税事業者を選択したら、いつまで戻れませんか?

9条6項により、適用開始の課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、やめる旨の届出書を提出できません。

Q6調整対象固定資産を買うとどうなりますか?

9条7項により、仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ免税に戻れません。2年縛りが3年に延長されます。

Q7課税事業者選択届出書はいつまでに出せばいいですか?

原則として適用を受けたい課税期間の初日の前日までです。事業を開始した課税期間など政令で定める課税期間は、その期間中の提出で足ります。

Q8免税事業者は消費税の還付を受けられますか?

受けられません。納税義務がない代わりに仕入税額控除も適用されず、支払った消費税は1円も戻りません。還付を狙うなら9条4項の選択届出が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1インボイス登録って、結局しないとダメなんですか?

法律上は任意です。9条1項により基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら免税のまま。ただし取引先が課税事業者で仕入税額控除を求める場合、登録しないと取引継続で不利になりうる。相手が一般消費者中心なら登録しない選択も十分合理的です。実務のポイント:税務署も商工会議所も「登録しないと損」とは言い切りません、業種次第だから。美容室・学習塾・BtoC飲食など客が一般消費者中心の業種は、登録しない方が手取りが多いケースが実際に多い

Q2免税なのに、お客さんから消費税を取っていいんですか?

取ってかまいません。免税事業者でも取引価格に消費税相当額を含めることは違法ではなく、9条は納税を免除しているだけです。受け取った分が手元に残るのが益税で、ただし適格請求書は発行できません。実務のポイント:「免税事業者は消費税を請求してはいけない」という誤解が取引現場で横行していますが、法的根拠はありません。相手から「免税なら消費税分は払わない」と減額を迫られても、それは価格交渉であって法的義務ではない、と知っておくと交渉で崩れない

Q3開業したばかりだけど、消費税は関係ないですよね?

開業当初は基準期間(前々年)の売上が存在しないため、原則として免税です。ただし資本金1,000万円以上の新設法人(12条の2)や、特定期間(9条の2)の売上・給与が1,000万円超の場合は初年度から課税になります。実務のポイント:開業時に大きな設備投資をするなら、あえて課税事業者を選択(9条4項)して消費税の還付を受ける手があります。ただし2年縛り(9条6項)と調整対象固定資産の3年縛り(9条7項)があるので、投資額と2〜3年分の納税額を比較してから決める

間違えやすい点 AI による整理

  • 「消費税を預かっているのだから納めるのが当然」と思っている人が多いが、免税事業者にとってはその前提が間違っている。9条は預かった消費税相当額をあなたの手元に残すことを合法としている(益税)。あなたが本当に問うべきは「納めるべきか」ではなく「インボイス登録で免税という盾を捨てるべきか」だ
  • 免税事業者になれることは知っていても、その代償の深刻さを知らない人が多い。免税事業者は自分が仕入で払った消費税を1円も取り戻せない。開業年に数百万円の設備投資をした場合、あえて課税事業者を選んだ方が還付で得をすることがある。「免税=常に得」ではない
  • 「売上1,000万円は今年の話」と思われがちだが、9条が見ているのは基準期間、個人なら前々年、法人なら前々事業年度の売上だ。今年いくら稼ごうと今年の納税義務には直結しない。2年前のあなたが、今年のあなたの立場を決めている
比較の観点この条文ほかの条文
判定する期間消費税法9条:基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)消費税法9条の2:特定期間(個人は前年1〜6月、法人は前事業年度開始から6か月)
消費税法12条の2:設立時の資本金・出資金額(期間ではなく資本規模)
免除されなくなる基準課税売上高が1,000万円超、または適格請求書発行事業者に該当課税売上高と給与等支払額がともに1,000万円超
資本金または出資の金額が1,000万円以上
自分から放棄できるかできる(9条4項の課税事業者選択届出書)できない(要件該当で自動的に課税事業者)
できない(設立時の資本規模で自動的に課税事業者)
負担軽減とセットで検討する規定消費税法37条(簡易課税)、インボイス導入時の2割特例消費税法37条(簡易課税)
消費税法37条(簡易課税)、12条の2第2項の3年縛り

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
加值型及非加值型營業稅法 第13條・第23條

台湾は「小規模營業人」を統一発票の発行義務から外し、税務当局が査定課税する方式をとる。日本のように事業者が自己申告で免税を判定するのではなく、当局側の査定で処理する点が大きく異なる

韓国
부가가치세법 제61조(간이과세)・제69조(납부의무의 면제)

韓国は完全免除ではなく、低い付加価値率で計算する簡易課税者制度を基本とし、さらに一定額未満は納付義務そのものを免除する二段構えをとる。日本の9条(免税)+ 37条(簡易課税)を1つの制度に統合した形に近い

ドイツ
UStG § 19(Kleinunternehmerregelung)

ドイツも前年と当年の売上高の二重基準で小規模事業者を判定し、放棄(Verzicht)の届出と一定年数の拘束期間を置く。日本の9条4項・6項の選択と2年縛りに構造がよく似ている

アメリカ
South Dakota v. Wayfair, Inc., 585 U.S. 162 (2018)

米国には連邦付加価値税がなく、州売上税の枠組みで小規模事業者を保護する。Wayfair 判決後は州ごとに売上額・取引件数の経済的ネクサス基準が設けられ、それ未満なら徴収義務を負わない構造が日本の免税点に機能的に対応する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 副業のイラスト制作で年間500万円。取引先の企業から「適格請求書を発行してほしい」と言われたら、どうする? 登録すれば免税の特権を失い納税する側に回る。断れば取引先は仕入税額控除ができず、次から発注が減るかもしれない。この板挟みが今、何十万人の個人事業主を直撃している
  • 個人商店を開業して2年目。まだ基準期間(前々年)の売上が存在しないから自動的に免税。だが1年目の売上が1,000万円を超え、しかも特定期間(前年上半期)の売上も1,000万円超なら、9条の2の特例で2年目から課税事業者になる。「開業から2年は必ず免税」は都市伝説
  • メルカリの転売で年間1,200万円を売り上げた。継続反復する事業と認定されれば、あなたは課税事業者。1,000万円の壁を越えた事実は、翌々年の納税義務として跳ね返ってくる
  • 課税事業者になると届出を出し、大型設備を買った翌年に「やっぱり免税に戻りたい」。だが調整対象固定資産を取得していると、9条7項で最低3年は戻れない。あと2年、消費税を納め続けるしかない
  • 開業初年度に数百万円の設備投資をして、売上より仕入が多い。免税のままだと払いすぎた消費税は1円も戻らないが、あえて課税事業者を選択(9条4項)すれば還付を受けられる。ただし2年縛り(9条6項)とセットで、届出のタイミングを1日でも誤ると還付ごと消える

取るべき行動

被害を受けた側:1. 取引先がBtoBか一般消費者中心かを確認。相手が一般消費者や免税事業者ばかりなら、そもそも適格請求書は不要で、インボイス登録しない選択が合理的2. 主要取引先が課税事業者なら、登録した場合の納税額を2割特例で試算し、登録しない場合の値引き要求と天秤にかける3. 登録するなら適格請求書発行事業者の登録申請、しないなら現状維持でよい4. 迷えば税理士に「登録の損益分岐点」を具体的な売上数字で試算してもらう

訴えられた側:1. 税務署に「基準期間の課税売上高が1,000万円を超えている」と指摘されたら、まず基準期間(前々年・前々事業年度)の課税売上高を対価の額ベースで再計算し、返品・値引き(税抜対価の返還等)を控除できているか確認2. 特定期間(9条の2)や新設法人(12条の2)の特例に該当していないかも確認3. 課税事業者だったなら、簡易課税(37条)や2割特例で有利選択の余地がなかったか検証4. 過年度分は修正申告・更正の対象で加算税・延滞税のリスクがあるため、早めに税理士へ

時効(請求できる期限):消費税の確定申告期限は課税期間の末日の翌日から2月以内(個人事業者は翌年3月31日)。課税事業者選択届出書(9条4項)は原則、適用を受けたい課税期間の初日の前日までに提出(開業年など政令で定める課税期間は当該期間中でよい)。国税の更正・徴収権の除斥期間は原則5年、偽りその他不正があれば7年(国税通則法70条)

学説

通説:9条の事業者免税点制度は、零細事業者の申告・納付に伴う事務負担を軽減するための政策的規定であり、消費税法5条の納税義務の原則に対する例外と位置づけられる。免税事業者が受領した消費税相当額を保持することは違法ではないが、税の公平の観点から立法的に縮小されるべき対象と理解されている。

益税縮小論:免税点の水準は、事務負担軽減という目的に照らして必要最小限であるべきとする立場。免税点が高すぎると、消費者が負担した税が国庫に到達しない範囲が広がり、消費税の負担の帰着と法制度が乖離するため、免税点引下げとインボイス制度による段階的解消を支持する。

零細保護論:小規模事業者にとって課税事業者化のコストは税額そのものではなく、区分経理・請求書保存・申告事務の負担であるとする立場。インボイス登録の事実上の強制は、価格転嫁力の弱い個人事業者に不利益を集中させるため、簡易課税や激変緩和措置による補完が不可欠と主張する。

改正沿革 AI による整理

  • 平成15年(2003年)改正 事業者免税点を課税売上高3,000万円以下から1,000万円以下へ引き下げ(法人は平成16年4月1日以後開始事業年度、個人は平成17年分から適用)。免税事業者が大幅に減少し、多くの零細事業者が課税事業者となった
  • 平成22年(2010年)改正 課税事業者を選択した者が2年以内に調整対象固定資産を取得した場合、免税に戻ることを最低3年制限する規定(現7項)を新設。多額の設備投資で還付を受けた直後に免税へ戻る節税スキームを封じた
  • 平成28年(2016年)改正、令和5年(2023年)10月1日施行 第1項に「適格請求書発行事業者を除く」を追加。インボイス制度の下で適格請求書を発行するには課税事業者となる必要があり、免税の権利を自ら放棄する構造が組み込まれた

改正の年表

  1. 1.昭和63年(1988年) 新設:消費税法制定に伴い事業者免税点制度を創設。制定時の免税点は課税売上高3,000万円以下と設定され、極めて広範な小規模事業者が納税義務を免除された
  2. 2.平成15年(2003年) 改正:免税点を課税売上高3,000万円以下から1,000万円以下へ引下げ。免税事業者が大幅に減少し、多数の零細事業者が課税事業者となった
  3. 3.平成22年(2010年) 改正:課税事業者選択後2年以内に調整対象固定資産を取得した場合、免税へ戻ることを最低3年制限する規定(現7項)を新設し、多額の設備投資で還付を受けた直後に免税へ戻る手法を封じた
  4. 4.平成28年(2016年)改正・令和5年(2023年)10月1日施行 改正:第1項に「適格請求書発行事業者を除く」を追加。インボイス制度の下で適格請求書を発行するには課税事業者となる必要があり、免税の権利を自ら放棄する構造が条文に組み込まれた

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消費税法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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