要点消費税法 9 条の 2 は、基準期間の課税売上高が 1000 万円以下でも、特定期間の課税売上高が 1000 万円を超えれば免税事業者とならないと定める規定である。
Q · 開業して 2 年目なのに、消費税を払えと言われました。なぜですか?
基準期間が 1000 万円以下でも、前年上半期が超えれば課税事業者
消費税法 9 条の 2 によるものです。免税の判定は 2 年前(基準期間)の課税売上高だけでなく、特定期間(個人事業者は前年 1 月 1 日から 6 月 30 日、法人は前事業年度開始の日以後 6 か月)の課税売上高でも行われます。特定期間の課税売上高が 1000 万円を超えると、基準期間が 1000 万円以下でも免税事業者ではなくなります。ただし同条 3 項により、国外事業者以外の事業者は課税売上高に代えて、その期間に支払った給与等の金額の合計額で判定することを選べます。売上が超えても給与が 1000 万円以下なら免税を維持できる余地があります。
「開業から2年は消費税が免除される」。この通説だけを頼りに独立したあなたを、思わぬ落とし穴が待つ。免税かどうかは原則、2年前(基準期間)の課税売上高が1000万円以下かで決まる。だが9条の2は、そこに第二の関門を設けた。個人事業者なら前年の1月から6月、法人なら前事業年度の最初の6ヶ月、この「特定期間」の課税売上高が1000万円を超えると、たとえ2年前が小さくても免税は打ち切られ、あなたは消費税を納める側になる。ここで多くの人が知らない逃げ道がある。特定期間の判定は、課税売上高の代わりに「給与等の支払額」で行うことを選べる。売上が1000万円を超えても給与が1000万円以下なら、給与基準を選んで免税を守れる。急成長する副業も、設立したての会社も、この一条の設計次第で納税の運命が変わる。
消費税法 9 条の 2 は、納税義務免除の特例を定める規定であり、基準期間の課税売上高が 1000 万円以下の事業者であっても、特定期間の課税売上高が 1000 万円を超えるときは同法 9 条 1 項本文を適用しないものとする。特定期間とは、個人事業者は前年 1 月 1 日から 6 月 30 日まで、法人は前事業年度開始の日以後 6 か月の期間を指す。
消費税の免税判定に使う直近の期間です。個人事業者は前年 1 月 1 日から 6 月 30 日まで、法人は前事業年度開始の日以後 6 か月を指します(消費税法 9 条の 2 第 4 項)。
所得税法 231 条 1 項の支払明細書に記載すべき給与等が対象で、賞与も含まれます。範囲は財務省令で定められており、集計は支払ベースで行います。
前事業年度が 7 か月以下である等、政令で定める事業年度をいいます。前事業年度が短期事業年度なら、その事業年度について特定期間の判定は前々事業年度を基準に行われます。
特定期間の課税売上高が 1000 万円を超え、納税義務が生じることが判明した時点で速やかに提出します。提出遅れ自体で免税に戻ることはありません。
差し引けます。9 条の 2 第 2 項により、特定期間中に行った売上げに係る対価の返還等の金額を控除した残額が特定期間における課税売上高となります。
使えません。令和 6 年度税制改正で第 3 項が改正され、給与等支払額による判定は国外事業者以外の事業者に限定されました。国外事業者は課税売上高で判定します。
基準期間の課税売上高が 5000 万円以下なら、消費税法 37 条の簡易課税制度を選択できます。適用を受ける課税期間の開始前に届出書の提出が必要です。
戻れます。翌年以降に基準期間と特定期間のいずれも 1000 万円以下であれば再び免税となります。ただしインボイス登録中は登録を取りやめない限り課税事業者のままです。
半分正解、半分危険です。原則は2年前(基準期間)の課税売上高が1000万円以下なら免税ですが、9条の2により前年上半期(特定期間)の課税売上高が1000万円を超えると2年目でも課税事業者になります。業界裏話ヒント:設立1期目をあえて7ヶ月以下の短期事業年度にすると特定期間の判定自体が発生せず、免税を延ばせる。この決算月設計を知る経営者と知らない経営者で、初期の納税負担が丸ごと変わる
まだ手はあります。特定期間の判定は課税売上高ではなく給与等支払額(9条の2第3項)で行うことも選べます。売上が超えても給与総額が1000万円以下なら、給与基準を選択して免税を維持できます。業界裏話ヒント:賞与や決算賞与の支払月を判定期間の外(下半期)にずらすだけで給与総額を1000万円以下に収められる場合がある。ただし国外事業者はこの給与基準を使えない点に注意
そのとおりです。適格請求書発行事業者に登録すると免税事業者ではなくなるため、特定期間の判定を待たずに課税事業者になります(消費税法57条の2)。登録は任意ですが、取引先が仕入税額控除を求めると事実上登録せざるを得ないのが現実。業界裏話ヒント:令和5年度改正の2割特例(売上税額の2割を納税額とする経過措置)は特定期間で課税事業者になった人も使える場合がある。適用期間は限られるので必ず最新の改正状況をご確認ください
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 判定に使う期間 | 消費税法 9 条の 2:特定期間(前年上半期/前事業年度開始後 6 か月) | — |
| 判定の指標 | 課税売上高、または給与等支払額(国外事業者以外は選択可) | — |
| しきい値 | 1000 万円超で免税打切り | — |
| 回避・軽減の余地 | 給与基準の選択、1 期目を短期事業年度にする設計 | — |
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