受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

消費税法 第10条(相続があつた場合の納税義務の免除の特例)

クイックジャンプ
  1. その年において相続があつた場合において、その年の基準期間における課税売上高が千万円以下である相続人(第九条第四項の規定による届出書の提出により、又は前条第一項の規定により消費税を納める義務が免除されない相続人を除く。以下この項及び次項において同じ。)が、当該基準期間における課税売上高が千万円を超える被相続人の事業を承継したときは、当該相続人の当該相続のあつた日の翌日からその年十二月三十一日までの間における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、第九条第一項本文の規定は、適用しない。
  2. 2.その年の前年又は前々年において相続により被相続人の事業を承継した相続人のその年の基準期間における課税売上高が千万円以下である場合において、当該相続人の当該基準期間における課税売上高と当該相続に係る被相続人の当該基準期間における課税売上高との合計額が千万円を超えるときは、当該相続人のその年における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、第九条第一項本文の規定は、適用しない。
  3. 3.相続により、二以上の事業場を有する被相続人の事業を二以上の相続人が当該二以上の事業場を事業場ごとに分割して承継した場合の被相続人の基準期間における課税売上高の計算その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

この条文の基本情報

相続があつた場合の納税義務の免除の特例とは何ですか?

定義相続があつた場合の納税義務の免除の特例とは、消費税法第10条に定められた規定で、「その年において相続があつた場合において、その年の基準期間における課税売上高が千万円以下である相続人(第九条第四項の規定による届出書の提出により、又は前条第一項の…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 消費税法第10条(相続があつた場合の納税義務の免除の特例)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
  2. 消費税法第10条の条文原文は「その年において相続があつた場合において、その年の基準期間における課税売上高が千万円以下である相続人(第九条第四項の規定による届出書の提出により、又は前条第一項の…」で始まります。
  3. 消費税法第10条は第一章 総則に置かれています。
  4. 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
  5. 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 消費税法第10条の前の条は消費税法第9条の2です。
  7. 消費税法第10条の次の条は消費税法第11条です。
  8. 消費税法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第10条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108
  • 本サイト収録消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/10

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点消費税法10条は、課税売上高が千万円を超える被相続人の事業を承継した相続人について、相続のあった日の翌日から免税事業者の特例を適用しないと定める。翌年・翌々年は被相続人との合算額で判定される。

Q · 親の店を相続で継いだら、自分の売上がゼロでも消費税を払うことになるの?

被相続人の売上が千万円超なら相続の翌日から課税事業者です

消費税法10条1項により、その年の基準期間における課税売上高が千万円以下の相続人であっても、基準期間の課税売上高が千万円を超える被相続人の事業を承継した場合は、相続のあった日の翌日からその年12月31日までの取引について第9条1項本文の免税規定が適用されません。さらに同条2項により、相続の翌年・翌々年は相続人自身の課税売上高と被相続人の課税売上高の合計額が千万円を超えるかで判定されます。判定基準は相続人自身の商売の規模ではなく、承継した事業の実態です。

解説

親が営んでいた年商三千万円のラーメン店を相続した。あなた自身は会社員で、店の売上はこれまでゼロ。だから消費税は関係ない、免税事業者だと思い込む。そこが落とし穴だ。消費税には、基準期間(二年前)の課税売上高が千万円以下なら納税義務が免除される小規模事業者の特例(第九条)がある。しかし第十条は、その安全網に相続という穴を開けている。被相続人(亡くなった方)の課税売上高が千万円を超えていた場合、その事業を承継した相続人は、たとえ自分の売上がゼロでも、相続のあった日の翌日から課税事業者になる。しかも翌年・翌々年は、あなたの売上と被相続人の売上を合算して千万円を超えるかで判定される。名義があなたに変わっても、事業の実態は引き継がれる。知らずに免税のつもりで営業を続けると、後から消費税本体に加えて加算税・延滞税がまとめて襲ってくる。

法的な位置づけ

消費税法第10条は、相続があった場合の納税義務の免除の特例を定める規定である。基準期間における課税売上高が千万円以下の相続人であっても、課税売上高が千万円を超える被相続人の事業を承継したときは、第9条第1項本文の免税規定が適用されない。相続の翌年および翌々年については、相続人と被相続人の基準期間における課税売上高の合計額により判定される。

よくある質問 AI による整理

Q1消費税法10条とは何ですか?

相続があった場合の納税義務の免除の特例です。課税売上高千万円超の被相続人の事業を承継した相続人は、自分の売上が千万円以下でも免税事業者になれず、消費税を納める義務を負います。

Q2相続で課税事業者になるのはいつからですか?

相続のあった日の翌日からです。相続日当日までは免税、翌日以降その年12月31日までが課税期間となります。一日の猶予もないため、同じ店の売上が相続日を境に免税分と課税分に割れます。

Q3相続した年の消費税の申告期限はいつですか?

個人事業者の消費税確定申告期限は課税期間の翌年3月31日です。相続税の申告期限(10か月)とは別の期限なので、相続税に気を取られて消費税を失念しないよう注意が必要です。

Q4被相続人の課税売上高はどうやって調べますか?

相続があった年の2年前(基準期間)の確定申告書、消費税申告書、青色申告決算書、総勘定元帳などで確認します。資料が見つからない場合は税務署で被相続人の申告状況を照会する方法もあります。

Q5相続の翌年・翌々年も課税事業者になりますか?

消費税法10条2項により、相続人自身の基準期間の課税売上高と被相続人の課税売上高の合計額が千万円を超える場合は課税事業者になります。最低でも3年分を課税前提で組み直す必要があります。

Q6賃貸不動産を相続した場合も消費税がかかりますか?

住居用の家賃は非課税ですが、店舗・事務所・駐車場の賃料は課税売上です。被相続人のその課税売上高が千万円を超えていれば、不動産を承継した相続人は相続の翌日から課税事業者になります。

Q7兄弟で複数の店を分けて継いだ場合の判定はどうなりますか?

消費税法10条3項により、二以上の事業場を二以上の相続人が事業場ごとに分割承継した場合の課税売上高の計算は政令(消費税法施行令21条)に委ねられます。誰がどの店を継ぐかで判定結果が変わります。

Q8相続で課税事業者になったらインボイス登録は必要ですか?

取引先が仕入税額控除を受けるには適格請求書が必要なため、BtoB 取引が中心なら登録が実質的に不可欠です。相続で強制的に課税事業者となった以上、登録しない選択は取引先離れのリスクを伴います。

この条文についての質問 AI による整理

Q1親の店を継いだんですが、私自身の売上は少ないから消費税は払わなくていいですよね?

払う側になる可能性が高い。第十条は相続人本人ではなく被相続人の基準期間課税売上高で判定し、それが千万円を超えていれば相続の翌日から課税事業者になる。実務のポイント:税理士は相続の場面で真っ先にここを確認するが、相続人が自分で申告していると見落とされやすい。数年後の税務調査でまとめて指摘されると、本税に加えて無申告加算税・延滞税が重くのしかかる

Q2相続放棄すれば、この消費税の義務も避けられますか?

本条は「事業を承継したとき」に適用されるので、承継しなければ課税事業者化は起きない。相続放棄すれば承継自体が生じない。ただし実際に店を営みながら形式だけ放棄することはできず、承継の有無は実態で判断される。実務のポイント:放棄には相続開始を知った時から三か月の期限(民法九百十五条)があり、消費税の判断まで含めて動くには時間が短い。継ぐか継がないかを、税負担まで見て早く決める必要がある

Q3被相続人が生前に消費税を滞納していたら、それも私が払うんですか?

それは本条とは別の話。第十条は「これから」あなたが負う納税義務を定めるもので、被相続人の未納国税は相続債務として承継される(国税通則法五条)。相続放棄や限定承認で対応する領域だ。実務のポイント:この二つは混同されやすいが、過去の滞納は相続債務、将来の課税は事業承継による本条適用と、根拠も対処法も完全に別ルート。どちらの話をしているか整理しないと、対策を打つ相手を間違える

間違えやすい点 AI による整理

  • 「自分の基準期間の売上は千万円以下だから免税事業者のまま」と思い込む人が多いが、第十条は被相続人の売上で判定する。あなたの商売の数字がいくら小さくても、継いだ事業が年商千万円超なら、翌日から課税事業者に切り替わる
  • 相続で課税事業者になること自体は知っていても、その深刻さを見誤る人がいる。起算点は「相続の翌日」で一日の猶予もなく、しかも翌年・翌々年は被相続人との合算で判定される二段構えだ。一年きりの話ではなく、最低でも三年分の申告を課税前提で組み直す必要がある
  • 「消費税の免税は自分の商売の話」という前提で問いを立てるが、法律は「被相続人+相続人」を一体として見る。あなたの視点では別々だった二つの商売が、法律の視点では一本の事業として引き継がれる。この視点のズレが、免税のつもりだった人を無申告加算税の対象に落とす
比較の観点この条文ほかの条文
承継の原因消費税法10条:相続による事業の承継消費税法11条:合併による事業の承継
消費税法12条:分割等による事業の承継
判定に用いる売上被相続人の基準期間の課税売上高(翌年以降は相続人との合計額)被合併法人の基準期間に対応する期間の課税売上高
分割法人の基準期間に対応する期間の課税売上高
課税事業者となる起算点相続のあった日の翌日からその年12月31日まで合併があった日から合併事業年度終了の日まで
分割等があった日から当該事業年度終了の日まで
原則規定との関係消費税法9条1項本文(免税)の適用を排除する例外同じく9条1項本文の適用を排除する例外
同じく9条1項本文の適用を排除する例外

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
加值型及非加值型營業稅法第23条・稅捐稽徵法第14条

台湾は小規模營業人に対し査定課税の簡易方式を採るが、相続時に被相続人の売上規模を承継者の判定に取り込む日本10条型の明文特例は置かれていない。相続人の納税義務承継は稅捐稽徵法の一般規定で処理される

韓国
국세기본법 제24조・부가가치세법の사업자등록 승계規定

韓国も相続人が被相続人の納税義務を承継する一般規定を持つが、簡易課税・免税判定において被相続人の売上高を合算する日本10条2項のような二段構えの明文規定は採用していない

ドイツ
UStG § 19(Kleinunternehmerregelung)・AO § 45(Gesamtrechtsnachfolge)

ドイツは租税通則法の包括承継規定により相続人が被相続人の地位を承継するため、小規模事業者免税の判定も承継された事業の実績を基礎とする。日本のような個別特例条文ではなく一般法理で同じ結論に至る点が対照的

アメリカ
州売上税の successor liability / bulk sale 法理

米国には連邦付加価値税がなく、事業承継時の税負担は州売上税の承継者責任ルールで処理される。売上規模による免税判定という発想自体が州ごとに異なり、日本10条と直接対応する制度は存在しない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 親が営む年商三千万円の定食屋を相続した。自分はずっと会社勤めで店の売上はゼロ、だから消費税は免除だと信じて営業を続ける。半年後、税務署から届く消費税の申告案内で、相続の翌日からすでに課税事業者だったと知る。預かっていたつもりのなかった消費税を、自腹で納めることになる
  • もし相続した事業を年の途中で引き継いだら、その年の消費税はいつから発生するのか。答えは相続のあった日の翌日から十二月三十一日まで。同じ店の同じ売上が、相続日の前と後で免税分と課税分に割れる。この線引きを帳簿で分けられているかが、後の税務調査で問われる
  • 相続税の申告期限は十か月。だがその陰で、消費税の課税事業者としての最初の確定申告期限(翌年三月三十一日)が静かに近づいている。相続税に気を取られている間に、消費税の申告漏れで加算税が上乗せされる
  • 亡くなった親から、店舗やコインパーキングを含む賃貸ビルを相続した。住居部分の家賃は非課税でも、店舗・駐車場の賃料は課税売上。被相続人のその課税売上が千万円を超えていれば、不動産を継いだだけのあなたが、相続の翌日から消費税を納める側になる
  • 兄弟三人で親の二つの店を分けて継いだ。誰がどの店を継ぐかで、各自の消費税の判定が変わる。政令の按分計算を知らずに決めると、思わぬ側だけが課税事業者になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず被相続人(亡くなった方)の基準期間、つまり相続があった年の二年前の課税売上高が千万円を超えていたか確認する。これが分岐点。2. 超えていれば、相続の翌日からすでに課税事業者。売上に消費税を含んでいる前提で帳簿を分ける。3. 翌年・翌々年は自分と被相続人の売上を合算して判定するので、二年間は気を抜かない。4. 早めに税理士へ相談し、遡って期限内に修正・申告すれば加算税を抑えられる余地がある

訴えられた側:1. 税務署から相続後の免税扱いを否認され課税を指摘されたら、被相続人の基準期間課税売上高の根拠資料を確認し、千万円の判定自体が正しいか検証する。2. 二以上の事業場を分割承継したケースなら、政令(消費税法施行令二十一条)の按分計算が正しく適用されているかが争点になりうる。3. そもそも事業を承継していないと言えるなら適用の前提を争える。4. 指摘される前に自主的に期限後申告すれば加算税が軽くなるので、気づいたら先に動く

時効(請求できる期限):個人事業者の消費税の確定申告期限は課税期間の翌年三月三十一日。本条に特有の時効はないが、税務署が課税を是正できる期間(国税の更正・決定の除斥期間)は原則五年、偽りその他不正があれば七年(国税通則法七十条)。課税事業者としての起算点は相続のあった日の翌日(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条は小規模事業者免税制度(消費税法9条)の潜脱防止規定と位置づけられる。相続による名義変更で基準期間の課税売上高がリセットされることを防ぎ、事業の実態が継続している以上は納税義務も継続させるという趣旨に立つ。適用の中核要件は「事業の承継」の有無であり、財産のみを相続し事業を承継しない場合は適用されない。

改正沿革 AI による整理

  • 平成15年(2003年)改正、平成16年(2004年)以後施行 小規模事業者の免税点が三千万円から千万円に引き下げられ、本条の判定基準額も千万円となった。免税で守られる範囲が大幅に狭まり、相続による課税事業者化のケースが増えた
  • 平成27年(2015年)改正 国境を越えた電気通信利用役務の提供に対するリバースチャージ方式の導入に伴い、本条の対象に「特定課税仕入れ」が追加された

改正の年表

  1. 1.昭和63年(1988年) 新設:消費税法制定に伴い本条が新設された。小規模事業者の免税制度と同時に、相続による事業承継の場合の特例が設けられ、当初の判定基準額は三千万円であった
  2. 2.平成15年(2003年) 改正:小規模事業者の免税点が三千万円から千万円に引き下げられ、本条の判定基準額も千万円となった。平成16年(2004年)以後の課税期間から適用され、相続による課税事業者化のケースが大幅に増加した
  3. 3.平成27年(2015年) 改正:国境を越えた電気通信利用役務の提供に対するリバースチャージ方式の導入に伴い、本条の対象取引に「特定課税仕入れ」が追加された

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

消費税法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›