要点消費税法 12 条は、分割で設立された会社の消費税免税判定に親法人の課税売上高を持ち込む規定。1000 万円を超えれば子法人は設立初年度から課税事業者になる。
Q · 会社を分割して新会社を作れば、消費税は 2 年間免税になりますか?
なりません。親会社の売上が 1000 万円超なら初年度から課税です
消費税法 12 条により、分割等で設立された新設分割子法人は、新設分割親法人の基準期間に対応する期間の課税売上高が 1000 万円を超える場合、設立事業年度から課税事業者になります。分割日の属する事業年度の翌年度も同様に判定され、その後は特定要件(発行済株式の 50% 超を親法人側が保有)に該当すれば親子の課税売上高を合算して判定します。吸収分割の分割承継法人にも 5 項・6 項で同様の特例が置かれています。
「新しく会社を作れば、最初の2年間は消費税を納めなくていい」。この話を聞いて、既存の事業を新会社に移そうと考えたことはないだろうか。基準期間(原則2年前)の課税売上高が1000万円以下なら免税事業者になる、その入口を新設法人は持たない、だから2年間タダ、という理屈だ。ところが、その新会社を「分割」で作った瞬間、消費税法12条がこの抜け道に蓋をする。新設分割子法人の免税判定では、親会社側の対応期間の課税売上高を政令の計算式で持ち込む。それが1000万円を超えていれば、子会社は設立初年度から課税事業者だ。しかも株式の50%超を親側が握る特定要件に当たれば、親子の売上を合算してまで判定される。単純な新設なら通る話が、分割由来というだけで逆転する。あなたが再編の設計図を引く前に、まず見るべきは新会社の売上ではなく、親会社の売上高だ。
消費税法 12 条は、分割等があった場合の納税義務の免除の特例を定める規定である。新設分割子法人および吸収分割の分割承継法人の免税判定において、分割法人側の基準期間に対応する期間の課税売上高を政令の定める計算により持ち込み、1000 万円を超えるときは同法 9 条 1 項本文の適用を排除する。特定要件に該当する場合は親子の課税売上高を合算して判定する。
消費税法 12 条が定める、分割で作られた法人の免税判定に分割法人側の課税売上高を持ち込む特例です。新設分割・吸収分割・一定の出資型が対象になります。
1 項により、分割等があった日からその事業年度末までが課税対象です。親法人の対応期間の課税売上高が 1000 万円を超えていれば、設立初年度から納税義務が生じます。
子法人の発行済株式・出資(子法人が持つ自己株式を除く)の総数または総額の 50% 超を、親法人と政令で定める特殊関係者が保有しているかで判定します(3 項)。
あります。5 項・6 項が分割承継法人を対象とし、分割法人の対応期間の課税売上高が 1000 万円を超えれば、承継法人は免税規定の適用を受けられません。
あります。4 項は、特定要件に該当し親子の課税売上高の合計が 1000 万円を超える場合、新設分割親法人自身の免税も否定します。子会社だけの問題ではありません。
子法人には基準期間(原則 2 年前)が存在しないため、親法人側で子法人の基準期間に対応する期間を取り、その課税売上高を政令の計算式で算出して代用します。
1 項・2 項では、いずれかの親法人に係る金額が 1000 万円を超えれば課税事業者になります。合算ではなく「いずれか一つ」で足りる点が要注意です。
7 項 2 号は、金銭出資で新法人を設立し、会社法 467 条 1 項 5 号の契約に基づき資産を移転する形で、設立時に発行済株式の全部を保有する等の政令要件を満たすものを含めます。
半分本当で半分嘘です。単純に新しい事業を新会社で始めれば基準期間がなく2年間免税ですが、既存事業を『分割』で移した場合は消費税法12条が働き、親会社の売上が1000万円を超えていれば新会社は初年度から課税されます。業界裏話ヒント:税理士は『分割』と『単純新設』『事業譲渡』を厳密に区別します。同じ『新会社に事業を移す』でも、株式を全部親が持つ現物出資型は新設分割と判定されやすい。スキームの呼び名ではなく、7項の定義に当てはまるかで決まる
資本金1000万円で課税されるのは新設法人の特例(12条の2)です。分割で作った会社は、資本金と関係なく本条(12条)が親会社の売上を持ち込んで判定します。二つは別の入口なので、片方をクリアしてももう片方で捕まります(12条2項・3項)。業界裏話ヒント:実務では『資本金999万円で作れば免税』という思い込みが根強いが、分割由来だと通用しない。設立の経緯(分割か、純粋な新設か)を先に確定させないと、資本金の調整は無意味になる
事業を『買い取る』通常の事業譲渡なら、原則として本条の分割等には当たらず、新会社は基準期間がないため免税になりえます。ただし7項2号は、金銭出資で新会社を作り会社法467条の事業譲渡契約とセットで資産を移す一定の形を『新設分割』に取り込んでいます(政令要件あり)。業界裏話ヒント:『譲渡』か『分割』かは形式の言葉ではなく、株式を全部親が持つか・設立と一体かで判定される。安易に『譲渡だからセーフ』と結論づけると、後の税務調査でひっくり返る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課税事業者になる引き金 | 消費税法 12 条:分割等の存在+分割法人側の対応期間の課税売上高 1000 万円超 | — |
| 見るべき数字 | 新設分割親法人・分割法人の課税売上高(特定要件該当時は親子合算) | — |
| 資本金の調整で回避できるか | できない。資本金 1000 万円未満でも分割由来なら本条で課税 | — |
| 効き続ける期間 | 設立年度・翌年度は 1 項 2 項、以後も特定要件該当なら各事業年度で反復適用(3 項 4 項) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。