要点消費税法 12 条の 2 は、基準期間がない法人でも資本金 1000 万円以上なら消費税の免税事業者になれないと定める。調整対象固定資産を買うと 3 年間免税に戻れない。
Q · 新しく会社を作れば最初の 2 年は消費税を払わなくていいんじゃないの?
資本金 1000 万円以上なら、新設でも初年度から課税事業者です
消費税法 12 条の 2 により、基準期間がない事業年度でも、事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が 1000 万円以上であれば、事業者免税点制度(同法 9 条 1 項本文)は適用されません。つまり設立初年度から納税義務者になります。さらに 2 項により、その免税でない期間中に調整対象固定資産(税抜 100 万円以上)を取得すると、取得した課税期間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間まで免税に戻れません。判定時点は期首の一点で固定されるため、設立後の減資では当期の判定は動きません。
会社を作るとき、資本金をいくらにするか。この一つの数字が、設立から 2 年間の消費税を払うか払わないかを静かに決めている。消費税には「基準期間(前々事業年度)の課税売上が 1000 万円以下なら免税」という原則がある。新設法人には最初の 2 年、基準期間そのものが存在しないから、本来は自動的に免税事業者だ。ところが 12 条の 2 は、設立時の資本金または出資金が 1000 万円以上の法人から、この免税を取り上げる。1000 万円ちょうどでアウト、999 万円ならセーフ。さらに厄介なのが 2 項で、免税でない期間に 100 万円以上の固定資産(調整対象固定資産)を買うと、免税に戻れる時期が 3 年先送りされる。資本金の設計と設備投資のタイミング、その二つを知らずに登記した人は、知っていた人より数百万円多く納税していることになる。
消費税法 12 条の 2 は新設法人の納税義務免除の特例を定める規定であり、基準期間がない事業年度において資本金の額又は出資の金額が 1000 万円以上である法人につき、事業者免税点制度(同法 9 条 1 項本文)を適用しないものとする。2 項は調整対象固定資産の取得による 3 年間の適用制限を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
設立から 2 期は基準期間(前々事業年度)がないため、原則として消費税の納税義務が免除される仕組みです。ただし消費税法 12 条の 2 の資本金基準に該当すると免除されません。
各事業年度開始の日(期首)における資本金の額又は出資の金額で判定します。期中に増資・減資しても、その事業年度の判定結果は変わりません。
その事業年度は戻れません。判定は期首の一点で固定されるためです。次の事業年度開始の日までに資本金が 1000 万円未満になっていれば、その年度は基準に当たりません。
基準期間とは法人の前々事業年度を指します。設立 1 期目と 2 期目には前々事業年度が存在しないため「基準期間がない」となり、売上ではなく資本金で判定します。
2 期目も基準期間がなく、その事業年度開始の日の資本金が 1000 万円以上なら 12 条の 2 が適用され課税事業者です。期首までに減資していれば別の判定になります。
はい。条文は「資本金の額又は出資の金額」と定めるため、合同会社・合資会社などの出資金も同じ 1000 万円基準で判定されます。会社形態による有利不利はありません。
1 項の括弧書きで、社会福祉法 22 条の社会福祉法人その他、専ら別表第二の非課税資産の譲渡等を目的として設立された政令指定法人は、この特例の対象から除かれます。
3 項により、基準期間の末日の翌日以後に国内で課税資産の譲渡等に係る事業を開始した外国法人は、その事業年度について基準期間がないものとみなされ、資本金基準で判定されます。
変わります。12 条の 2 は『資本金の額又は出資の金額が千万円以上』の法人を課税事業者にするので、1000 万円ちょうどでアウト、999 万円ならセーフです。2 年間の免税は売上規模次第で数百万円の差になります。業界裏話ヒント:登記の資本金は融資審査や取引先の与信で見られますが、税務の免税ラインはまったく別問題。多くの起業家が『キリよく 1000 万円』にして免税を自ら捨てている。1 円の差で 2 年分の免税が動くことを、設立前に知っているかどうかがすべてです。
あります。設立初期に大型設備投資をすると、支払った消費税が受け取った消費税を上回り、差額の還付を受けられます(消費税法 9 条 4 項の課税事業者選択、45 条)。ただし選択すると原則 2 年、調整対象固定資産を買えば 3 年は戻れません。業界裏話ヒント:還付目的で課税事業者を選んだ後、売上が伸びて還付メリットが消えても縛りだけは続きます。『とりあえず還付』で飛びつくと、その後の免税期間を丸ごと失う。還付額と失う免税額を天秤にかけるのが税理士の腕の見せどころです。
税抜 100 万円以上の、棚卸資産以外の資産(建物、機械、車両、器具備品、ソフトウェアなど)を指します(消費税法施行令 5 条)。文房具や少額の備品は含まれません。これを免税でない期間に買うと、2 項で 3 年間課税事業者に固定されます。業界裏話ヒント:100 万円という線を意識せず 120 万円の機材を買った瞬間、3 年縛りが発動します。買う前に単価と購入時期を税理士に見せるのが安全。意図的に単価を分割して線を回避しようとすると、否認リスクも出てきます。
意味は残っていますが、判断が複雑になりました。適格請求書発行事業者(インボイス)に登録すると、免税事業者でも課税事業者になります(消費税法 57 条の 2)。取引先が仕入税額控除を求めれば、登録せざるを得ない場面も出ます。業界裏話ヒント:BtoB 中心の事業だと取引先の要求で登録せざるを得ず、12 条の 2 の免税メリットが実質的に消えることがあります。逆に BtoC(消費者相手)中心なら免税を維持する価値が残る。顧客層で戦略が真逆になります(最新の改正状況をご確認ください)。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 判定の物差し | 12 条の 2:期首の資本金・出資金 1000 万円以上 | — |
| 対象となる法人 | 基準期間がない法人(社会福祉法人等を除く) | — |
| 資本金を下げれば回避できるか | できる(999 万円なら該当しない) | — |
| 設備投資による追加の縛り | 2 項:調整対象固定資産の取得で 3 年間免税に戻れない | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。