消費税法 第67条
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- 法人の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。
- 2.前項の規定により第六十四条第一項、第二項又は第五項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。
- 3.人格のない社団等について第一項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第67条は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第67条の条文原文は「法人の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。」で始まります。
- 消費税法第67条は第六章 罰則に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第67条の前の条は消費税法第66条です。
- 消費税法第67条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第67条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第67条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/67
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法67条は、従業者等が業務に関して64条から66条の違反行為をしたとき、行為者のほか法人にも罰金刑を科す両罰規定である。判例上は選任・監督の過失推定と解される。
Q · 従業員が消費税をごまかしたら、会社も罰金を払うことになるんですか?
科されます。ただし選任・監督に過失がなければ免責の余地があります。
消費税法67条により、法人の代表者・代理人・使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して同法64条から66条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人にも当該各条の罰金刑が科されます。判例は両罰規定を事業主の選任・監督上の過失を推定した規定と解しており、法人が従業者の選任・監督に過失がなかったことを立証できれば免責の余地があります。67条3項により、人格のない社団等も適用対象です。
解説
経理担当の従業員が、あなたの知らないところで消費税を不正に免れていた。数年後に税務署が動き、起訴されたのはその従業員だけではなかった。会社そのものが被告人として罰金刑を科される。消費税法67条、いわゆる両罰規定だ。前三条、つまり64条から66条のほ脱や不正還付を従業員・代理人・役員が業務に関して行うと、行為者本人を罰する「ほか」、その法人にも当該各条の罰金刑が科される。ここであなたが握るべき武器は、この責任が無条件ではないという点だ。最高裁は両罰規定を「事業主の選任・監督上の過失を推定したもの」と解釈した。つまり、あなたが従業員の選任と監督に過失がなかったと証明できれば、会社は罰金を免れる。知らなかったでは済まないが、尽くすべき注意を尽くしていたなら反撃できる。両罰規定は会社を縛る鎖であると同時に、その鎖には鍵穴が一つ空いている。
法的な位置づけ
消費税法67条は両罰規定であり、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して同法64条から66条までの違反行為をした場合に、行為者を処罰するほか、業務主である法人又は人に対しても当該各条の罰金刑を科す旨を定める。人格のない社団等にも適用され、その代表者又は管理人が訴訟行為につき団体を代表する。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
実際に違反行為をした行為者と、その事業主である法人又は人の双方を処罰する規定です。消費税法では67条1項が定め、法人には当該各条の罰金刑が科されます。
Q2消費税法の両罰規定の対象になる違反行為は?
67条1項が指す「前三条」、すなわち64条・65条・66条の違反行為です。64条にはほ脱と不正還付が含まれ、これらが業務に関して行われた場合に法人へ及びます。
Q3会社が両罰規定の罰金を免れる方法はありますか?
従業者の選任・監督に過失がなかったことを立証できれば免責の余地があります。判例が両罰規定を無過失責任ではなく過失推定と解しているためで、日常の管理記録が鍵になります。
Q4両罰規定の時効はどれくらいですか?
67条2項により、64条1項・2項・5項の違反につき法人に罰金刑を科す場合の時効期間は、これらの罪そのものの時効期間によります。罰金刑を基準にした短い時効ではありません。
Q5代表者個人も一緒に罰せられますか?
代表者自身が違反行為をした行為者であれば、行為者として処罰されます。67条1項は代表者を行為者の例に挙げており、加えて法人にも罰金刑が科されます。
Q6両罰規定の罰金額はいくらですか?
67条は独自の金額を定めず、「当該各条の罰金刑」を科すと規定します。したがって64条から66条それぞれの法定刑によります。具体額は最新の改正状況をご確認ください。
Q7退職した従業員の不正でも会社は罰せられますか?
行為時に業務に関して行われた違反であれば、法人への罰金刑の追及は続きます。行為者が既に退職しているかどうかは、法人の責任の有無を左右しません。
Q8個人事業主も両罰規定の対象になりますか?
なります。67条1項は「法人又は人」と規定し、個人事業主も業務主として対象です。従業員が業務に関して違反すれば、事業主本人に罰金刑が科されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1従業員が勝手にやった脱税で、なんで会社が罰金を払わなきゃいけないんですか?
67条は行為者を罰する「ほか」法人にも罰金刑を科すと定めるからです。ただし最高裁は、これを事業主の選任・監督上の過失を推定した規定と解しました。会社が従業員の選任と監督に過失がなかったと証明できれば罰金を免れます。実務のポイント:この反証は起訴後に急いで書類を作っても信用されません。研修記録・業務マニュアル・内部チェックの運用実態を日頃から残している会社だけが、実際にこの防御を使えます。
Q2法人化していない任意団体でも、罰金って科されるんですか?
科されます。67条3項が人格のない社団等を明示的に対象とし、その代表者または管理人が訴訟行為につき団体を代表するほか、法人を被告人とする刑事訴訟の規定を準用します。実務のポイント:PTA や町内会、任意のサークルでも消費税の課税事業者になれば射程内です。理事や代表を引き受けるとき、団体の会計と申告の実態を確認しておかないと、名義だけの代表が刑事手続の矢面に立たされます。
Q3会社と、実際にやった従業員で、弁護士は一緒でいいんですか?
別々にすべき場合が多いです。行為者は事実を認める方が情状で有利でも、会社は選任・監督に過失なしと独立に争える立場にあり、両者の利害が対立します(67条1項)。実務のポイント:会社が行為者と同じ弁護人に任せると、会社独自の反証の機会を自ら潰しかねません。会社側は早い段階で独立した弁護人を立て、行為者の刑事責任と会社の罰金責任を切り離す戦略を組むのが定石です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰せられるのは不正をやった従業員だけ」と思われているが、67条は行為者を罰する「ほか」法人にも罰金刑を科すと定める。手を汚した本人と、その本人を雇っていた会社が、同時に刑事責任を問われる
- 両罰規定の存在は聞いたことがあっても、その責任が「無過失責任ではなく過失推定」であることまで知る人は少ない。この差が決定的だ。会社は選任・監督に過失がなかったと立証すれば罰金を免れる。知っている会社は反証の証拠を日頃から積み上げ、知らない会社は最初から諦めて罰金を受け入れる。同じ事件で、結末が正反対に分かれる
- 「うちは法人化していないから両罰規定は関係ない」という問いの立て方そのものが誤っている。67条3項は法人格のない社団・財団までを名指しで対象にし、刑事訴訟の規定まで準用する。法人格の有無は防波堤にならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 消費税法67条:行為者以外の業務主(法人・人)へ罰金刑を拡張する両罰規定 | 消費税法64条:ほ脱・不正還付そのものを処罰する実体規定 消費税法65条・66条:申告義務違反等を処罰する実体規定 |
| 処罰される者 | 行為者に加え、その法人又は人(人格のない社団等を含む) | 違反行為を行った者本人 違反行為を行った者本人 |
| 科される刑 | 当該各条の罰金刑のみ(自由刑は科されない) | 各条所定の法定刑 各条所定の法定刑 |
| 時効の扱い | 64条1項・2項・5項に係る場合、罪そのものの時効期間による(67条2項) | 当該罪の法定刑に対応する時効 当該罪の法定刑に対応する時効 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法人自体に罰金を科すのではなく、法人に対する処罰規定を責任者個人に適用する「代罰」の構造を採る。日本の両罰規定とは処罰の向きが逆であり、法人格そのものへの刑事罰は限定的
韓国は日本と同じ両罰型を採用。憲法裁判所が免責条項のない양벌규정を責任主義違反として違憲と判断した経緯があり、現在は「相当の注意と監督を怠らなかった場合は除く」旨の但書が明文化されている点が日本との違い
ドイツは法人の刑事責任を否定し、秩序違反法上の過料(Geldbuße)で対応する。監督義務違反(§ 130)を媒介として法人に制裁を科す構造で、日本の過失推定と機能的には近いが、制裁の法的性質が刑罰でない点が根本的に異なる
米国は respondeat superior により、従業員が職務範囲内で法人の利益のために行った犯罪について法人に広く刑事責任を認める。免責の余地は日本より狭く、コンプライアンス体制は責任の有無ではなく量刑ガイドライン上の減軽事由として機能する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 税務調査で、経理部長が数年にわたり課税売上を除外して消費税を免れていたことが発覚した。起訴されるのは経理部長だけではない。会社そのものが被告人となり、ほ脱額に見合う罰金刑を科される。ここで会社の命運を分けるのは、あなたが選任・監督上の注意を尽くしていたことを示せる社内記録が、日頃から残っているかどうかだ
- もし、すでに退職した従業員が在職中に不正還付を受けていたと数年後に判明したら、会社はもう関係ないと言い切れるだろうか? 言えない。行為時に業務に関して行われた違反である限り、法人への罰金刑の追及は、行為者がすでに辞めているかどうかとは無関係に続く
- あなたが理事を務める任意団体、法人格はない。それでも消費税の不正があれば団体自体が被告人になる。67条3項が人格のない社団等をわざわざ名指ししている
- 査察が入り、64条の不正還付が疑われている。会社は「行為者が罰金刑なのだから時効も短いはずだ」と油断しがちだ。だがその逃げ道は67条2項が塞いでいる。法人への罰金でも、時効は64条の罪そのものの時効による。残された時間の計算を間違えると、防御準備がまるごと後手に回る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 従業員の不正が疑われた段階で、まず社内調査を行い事実を確定。隠せば会社の情状がさらに悪化する2. 選任時の審査記録、業務マニュアル、内部チェック体制、研修履歴を一つずつ集める。これが「選任・監督に過失なし」の反証の柱になる3. 自主的な修正申告・納付を検討、加算税と情状の両面で有利に働く4. 会社と行為者は利害が対立しうるので、会社側は独立した弁護人を立てる
訴えられた側:1. 起訴されたら、行為者本人と会社の弁護方針を分ける。行為者が事実を認めても、会社は選任・監督上の過失の有無を独立に争える2. 過失推定を覆す証拠(管理体制が実在し機能していたこと)を体系的に提出3. 64条絡みなら67条2項の時効を確認し、追及可能期間を精査4. 人格のない社団等なら3項で代表者・管理人が訴訟行為を担うため、代表権の所在を早期に確定させる
時効(請求できる期限):67条2項が明記。64条1項・2項・5項の違反につき法人に罰金刑を科す場合の時効は、行為者の罰金刑を基準にした短い時効ではなく、これらの罪そのものの時効の期間による。起算点は犯罪行為の終了時。具体的年数は64条の法定刑に対応するため、最新の改正状況をご確認ください
学説
過失推定説(判例・通説):両罰規定は業務主の選任・監督上の過失を推定した規定であり、業務主が必要な注意を尽くしたことを立証すれば免責される。責任主義を維持しつつ立証責任を転換することで、業務を通じた違反の抑止という実効性を確保する構成。
無過失責任説(少数説):業務主処罰は違反により利益を得る立場に着目した政策的責任であり、過失の有無を問わないとする立場。判例が過失推定説を採用した後は少数にとどまるが、立証責任の転換が実質的に無過失責任に近づくとの批判的指摘は現在も残る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和63年(1988年) 新設:消費税法の制定(昭和63年法律第108号)に伴い、罰則章の末尾に両罰規定として新設。他の国税法(所得税法・法人税法)の両罰規定と同旨の構造を採用した
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