保険業法 第265条の26(総会の議事)
クイックジャンプ
- 総会は、総会員の二分の一以上の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。
- 2.総会の議事は、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長が決する。ただし、前条第一号、第三号及び第五号に掲げる事項に係る議事は、出席者の議決権の三分の二以上の多数で決する。
- 3.議長は、定款で定めるところによる。
この条文の基本情報
総会の議事とは何ですか?
定義総会の議事とは、保険業法第265条の26に定められた規定で、「総会は、総会員の二分の一以上の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第265条の26(総会の議事)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第265条の26の条文原文は「総会は、総会員の二分の一以上の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。」で始まります。
- 保険業法第265条の26は第五目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第265条の26の前の条は保険業法第265条の25です。
- 保険業法第265条の26の次の条は保険業法第265条の27です。
- 保険業法第265条の26には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の26 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の26(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/265_26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法265条の26は、保険契約者保護機構の総会は総会員の二分の一以上の出席で議事を開き、出席者の議決権の過半数で決すると定める。重要事項は三分の二以上を要する。
Q · 保険契約者保護機構の総会は、何人集まれば開けて、何票あれば議案が通るんですか?
総会員の半数が出席しなければ議事を開けません
保険業法265条の26第1項により、保険契約者保護機構の総会は総会員の二分の一以上の出席がなければ議事を開き議決をすることができません。定足数を満たせば、議事は出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは議長が決します(同条第2項本文)。ただし前条第一号・第三号・第五号に掲げる事項に係る議事は、出席者の議決権の三分の二以上の多数を要します(同項ただし書)。定足数は「会員の人数」、決議は「議決権の数」という二つの異なる基準で数える点が本条の要点です。議長は法律ではなく定款で定まります(同条第3項)。
解説
保険会社が破綻したとき、生命保険なら責任準備金等の原則九割を引き継ぐ保険契約者保護機構。その機構の意思を決める総会が、そもそも「開けるか開けないか」を決めているのがこの一条である。第1項、総会員の二分の一以上が出席しなければ議事は開けない。第2項、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数なら議長が決する。ここで数字を並べ直すと構造が見えてくる。定足数は「会員の人数」で数え、議決は「議決権の数」で数える。二つの数え方が違うということは、議決権の小さい会員が多数で欠席すれば、議決権を多く持つ大手が揃っていても議事が開けないという場面が生まれる。さらに前条第一号・第三号・第五号の議案だけは出席議決権の三分の二以上を要する。裏返せば三分の一強で止まる。そして第3項、議長は法律ではなく定款で定まる。最後の一票を誰が握るかは、条文を読んでも分からない。
法的な位置づけ
保険業法265条の26は、保険契約者保護機構の総会における議事要件を定める規定である。定足数を総会員の二分の一以上の出席とし、決議は出席者の議決権の過半数、可否同数の場合は議長の裁決による。前条第一号・第三号・第五号に係る議事については出席者の議決権の三分の二以上の多数を要し、議長の選定は定款に委ねられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.招集通知を受けた日に議案を決議要件で仕分ける 議案名を読む前に、各議案が前条第一号・第三号・第五号(出席議決権の三分の二以上)に当たるか、それ以外(出席議決権の過半数)かを仕分ける。仕分けの結果で必要な票数が一桁変わる
- 2.自社の議決権数と同調可能な議決権を合算する 三分の二要件の議案は、出席議決権の三分の一強を確保すれば否決できる。自社の議決権数と同調しうる会員の議決権数を合算し、三分の一強に届くかを事前に計算する
- 3.定足数の人数要件と議長条項を定款で確認する 定足数は人数、決議は議決権という二重基準のため、出席人数と議決権の両方を積み上げる。あわせて可否同数の局面に備え、定款上の議長が誰かと代理出席・書面行使の取扱いを確認する
- 4.総会当日に出席者数・議決権数・採決結果を記録に残す 議事の冒頭で定足数充足の宣言があるかを確認し、議案ごとの賛否議決権数と採決方法を記録する。議事録の記載と自分の記録を突き合わせ、手続の瑕疵があれば早期に指摘する
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約者保護機構とは何ですか?
保険会社が破綻したときに保険契約の移転や補償を担う法人で、保険業法に基づき設置されています。生命保険と損害保険で別々の機構があり、会員保険会社の負担金で運営されます。
Q2保険会社が破綻したら契約はどうなりますか?
契約が直ちに無効になるわけではなく、保護機構の関与のもとで契約の移転や資金援助が行われます。ただし補償には上限があり、予定利率の引下げなど契約条件が変更される場合があります。
Q3保険業法265条の26の三分の二要件はどの議案に適用されますか?
前条(265条の25)第一号・第三号・第五号に掲げる事項に係る議事に限って、出席者の議決権の三分の二以上の多数が必要です。それ以外の議事は出席議決権の過半数で決します。
Q4定足数を議決権ではなく人数で数えるのはなぜですか?
条文が第1項で「総会員の二分の一以上の出席」と人数基準を定め、第2項で「出席者の議決権の過半数」と議決権基準を定めているためです。二つの基準が異なる点が本条の構造的な特徴です。
Q5保護機構の会員になるのはどんな会社ですか?
国内で保険業を営む保険会社が原則として機構に加入します。加入義務の範囲や例外は保険業法の加入に関する規定と機構の定款によるため、個別には条文と定款の確認が必要です。
Q6委任状で出席した場合、定足数に数えられますか?
本条は委任状や代理出席の取扱いを直接定めていません。議決権の代理行使や書面行使が認められるかは機構の定款の定めによるため、招集通知と定款を確認する必要があります。
Q7総会の決議に不服がある場合はどうすればよいですか?
本条の総会について会社法831条のような決議取消訴訟の制度は用意されていないと解されるため、一般の民事訴訟で争うことになります。出席者数や採決結果を議事録で確保しておくことが前提になります。
Q8生命保険と損害保険で保護機構は別ですか?
別法人です。生命保険契約者保護機構と損害保険契約者保護機構がそれぞれ設置され、補償の内容や割合も異なります。自分の契約がどちらの対象かで結論が変わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1総会が定足数に届かなかったら、その議案はどうなるんですか?
議事を開けないので決議は成立しない(265条の26第1項)。再度招集するしかなく、付議事項は決まらないまま機構の運営が足踏みする。定足数は「総会員の二分の一以上の出席」という人数要件で、議決権の多寡とは別の基準である点が効いてくる。実務のポイント:だから事務局は総会前に出席予定を集計し、足りなければ個別に出席依頼を回す。その依頼が来た時点で、議案に火種があると読める。
Q2可否同数なら議長が決めるって、そもそも議長は誰が決めるんですか?
法律は決めていない。「議長は、定款で定めるところによる」(同条第3項)とあるだけで、誰が議長席に座るかは機構の定款を読まない限り分からない。最後の一票の所在が定款に委ねられている構造である。実務のポイント:機構の定款は公開されているのが通例で、総会前に議長条項まで確認する会員と議案書だけ読む会員がいる。同数決着の局面で、その差がそのまま結論になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「反対票をどう投じるか」という問いの立て方が、この条文では損をする。決議要件が二種類あるため、先に確認すべきは自分の票の向きではなく議案の区分である。過半数で足りる議案なのか、前条第一号・第三号・第五号で三分の二を要する議案なのか。後者なら三分の一強で止まるのに、前者だと思い込んで票読みを諦める会員が出る。問うべきは「この議案は何分の何で決まるのか」だ。
- 可否同数なら議長が決する、という一行は誰でも読める。見落とされているのはその重さである。議長は法律で指定されておらず、定款で定まる(第3項)。最後の一票の所在が法律の外に置かれているということは、国会を通さず定款の変更だけでその配分が動きうるという意味になる(定款の変更自体が総会決議事項であり、行政の認可を要する場合がある点は別論)。
- 会員の側から見れば、総会は事務局が用意した議案を承認する儀式に見える。法律の側から見ると逆の絵になる。定足数は人数で数え、議決は議決権で数えるという二重基準のため、議決権が小さい会員が人数で結集すれば議事そのものを開かせないことができる。各会員の議決権数の配分は定款等で定まるので、人数と議決権のズレがどれだけあるかは定款を見ないと分からない。このズレを測っていない側が、測っている側に押し切られる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 定める内容 | 保険業法265条の26:総会の定足数・決議要件・議長 | 保険業法265条の25:総会の決議事項(何を決めるか) 会社法309条:株主総会の普通決議・特別決議の要件 |
| 定足数の数え方 | 総会員の二分の一以上の「出席人数」 | 定足数の定めなし(決議対象の列挙規定) 議決権を行使できる株主の議決権の過半数(原則) |
| 特別多数要件 | 前条第一号・第三号・第五号は出席議決権の三分の二以上 | 第一号・第三号・第五号が三分の二要件の対象を特定 特別決議は出席議決権の三分の二以上 |
| 定款による変更余地 | 議長の選定が定款に委ねられる(第3項) | 決議事項の細目は定款・機構規程に委ねられる部分がある 定足数を定款で三分の一まで軽減できる(普通決議) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険安定基金を財団法人として設置し、意思決定は董事会が担う。会員総会の定足数という設計そのものが存在しない点で日本と構造が異なる
韓国は預金保険公社が銀行・保険を横断して保護を担い、意思決定は運営委員会が行う。業態別の会員総会型ではなく統合機関型である
ドイツは生命保険・医療保険について法定の Sicherungsfonds を置き、監督当局の関与が強い。運営体制は日本の会員総会型と異なる設計を採る
米国は州単位の guaranty association が保険会社を会員とし、board of directors が運営する。州ごとに補償上限と運営要件が分かれる点が日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 開催日まであと五日、出席予定が総会員の半数に届かないと事務局から連絡が入ったら、何が起きる? 議事はそもそも開けず、付議されていた議案は全部持ち越しになる。出席するかしないかという、賛否以前の選択が結論を動かしている。
- あなたは中堅の会員保険会社で議案に反対している。単独の議決権では足りない。だが三分の二要件の議案なら、出席議決権の三分の一強を集めるだけで否決に持ち込める。
- 契約していた保険会社が破綻し、自分の契約がどう扱われるのかを調べていくうちに、補償の具体的な運用を決めているのが業界内の総会だと分かる。そこから条文を遡ると、その総会は会員の半数が集まれば開ける、と書いてある。自分の契約の行き先を決める会議の成立要件を、契約者は一度も見たことがない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 招集通知を受けた日に、各議案が前条第一号・第三号・第五号(出席議決権の三分の二以上)に当たるか、それ以外(過半数)かを仕分ける2. 自社の議決権数と同調しうる会員の議決権数を合算し、三分の一強に届くかを計算する3. 届かない場合は、定足数が人数要件である点に着目し、欠席という手段が有効かを検討する4. 出席者数・議決権数・採決結果を議事録で確認し記録を残す。手続の瑕疵は後に決議の効力を争う足場になる
訴えられた側:1. 提案側に立つなら、議案ごとの決議要件を先に確定し、三分の二要件の議案は採決を分けて票読みを独立させる2. 定足数は人数、議決は議決権という二重基準のため、出席人数と議決権の両方を事前に積み上げる3. 可否同数が想定されるなら、第2項後半の議長の裁決に至る筋を描き、定款上の議長が誰かを確認する4. 反対派の欠席戦術に備え、委任状や代理出席の取扱いが定款でどう定められているかを点検する
時効(請求できる期限):本条自体に時効や期間制限はない。招集通知の時期は機構の定款で定まるため、法律ではなく定款を見る必要がある。決議の瑕疵を争う場合、保険業法には会社法831条のような決議の日から三か月という決議取消訴訟の制度が本条の総会について用意されていないと解されるため、一般の民事訴訟で争うことになり、期間制限は事案ごとの検討を要する(実務上の取扱いと最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 要検証:平成10年(1998年)改正による保険契約者保護機構の創設 保険契約者保護基金に代わる保険契約者保護機構の制度が導入された際に、機構の機関に関する一連の規定とともに置かれた条文と理解されるが、新設年次および以後の改正の有無は原文と改正附則による人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:保険業法の改正により保険契約者保護機構の制度が導入され、機構の機関に関する規定群とともに総会の議事要件に関する規定が置かれたと理解される。個別条文の新設・改正の経緯は原文および改正附則による確認を要する
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める