保険業法 第96条の2(株主となる時期等)
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- 組織変更時発行株式の引受人は、効力発生日に、出資の履行を行った組織変更時発行株式の株主となる。
- 2.組織変更時発行株式の引受人は、第九十六条の四の二において準用する会社法第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第九十六条の四の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した組織変更時発行株式について、株主の権利を行使することができない。
- 3.前項の組織変更時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該組織変更時発行株式についての株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
株主となる時期等とは何ですか?
定義株主となる時期等とは、保険業法第96条の2に定められた規定で、「組織変更時発行株式の引受人は、効力発生日に、出資の履行を行った組織変更時発行株式の株主となる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第96条の2(株主となる時期等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第96条の2の条文原文は「組織変更時発行株式の引受人は、効力発生日に、出資の履行を行った組織変更時発行株式の株主となる。」で始まります。
- 保険業法第96条の2は第二款 相互会社から株式会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第96条の2の前の条は保険業法第96条です。
- 保険業法第96条の2の次の条は保険業法第96条の3です。
- 保険業法第96条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第96条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第96条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/96_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法96条の2は、組織変更時発行株式の引受人が効力発生日に株主となると定める。出資の履行を仮装した株式は、支払がされるまで株主の権利を行使できない。
Q · 組織変更の株を引き受けてお金を払ったら、その日から株主になれるの?
なりません。株主になるのは効力発生日です
保険業法96条の2第1項により、組織変更時発行株式の引受人が株主となるのは「効力発生日」です。払込みを済ませても、相互会社が株式会社になるその日までは「出資の履行を終えた引受人」にとどまり、議決権も配当請求権もありません。また出資の履行を仮装した株式については、同条2項により支払等がされるまで株主の権利を行使できず、3項で善意・無重過失の譲受人だけが権利行使できます。
解説
効力発生日、という五文字がこの条文の全体重を支えている。組織変更時発行株式を引き受け、金を払い込んでも、その瞬間に株主になるわけではない。相互会社が株式会社へ姿を変えるその日まで、あなたの立場は「出資の履行を終えた引受人」にとどまる。会社がまだ株式会社として存在していない以上、株主も存在しえないからだ。第2項はさらに冷たい。払込みを仮装した株式については、株式は有効に生まれるのに、株主の権利だけが凍る。仮装された分の金が実際に支払われるまで、議決権も剰余金配当請求権も使えない。そして第3項、その凍った株を善意で買い取った第三者は、凍結を引き継がずに権利を行使できる。悪意または重大な過失があった場合を除いて。つまり、あなたが誰から株を買ったかではなく、買うときに何を知っていたかが、権利の生死を分ける。
法的な位置づけ
保険業法96条の2は、相互会社から株式会社への組織変更に際して発行される組織変更時発行株式について、引受人が株主となる時期を効力発生日と定め、出資の履行を仮装した株式の権利行使停止と、その株式を譲り受けた善意・無重過失の第三者による権利行使の可否を規律する規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1組織変更時発行株式とは何ですか?
相互会社が株式会社へ組織変更する際に発行される株式です。保険業法96条の2により、引受人は効力発生日に株主となります。払込日ではありません。
Q2効力発生日はいつ決まりますか?
組織変更計画で定められた日です。株主となる時期の起算点になるため、申込み前に計画書と引受契約で日付を確認する必要があります。
Q3出資の履行の仮装とは何ですか?
払込みの外形だけ作り、実際には資金が会社に留保されない行為です。株式は成立しますが、保険業法96条の2第2項で権利行使が停止されます。
Q4仮装払込の株はいつ権利を使えるようになりますか?
保険業法96条の4の2または96条の4の3による支払・給付がされた後です。それまでは期限の定めなく凍結が続きます。
Q5仮装払込の株を買った人は議決権を行使できますか?
保険業法96条の2第3項により、原則として行使できます。ただし譲受人に悪意または重大な過失があるときは行使できません。
Q6重大な過失はどう判断されますか?
調べれば容易に分かった事情を確認しなかった場合に認められやすいとされます。払込資料の開示請求記録を残すことが実務上の防御線になります。
Q7凍結された株式は発行済株式総数に入りますか?
株式自体は有効に成立するため算入されます。停止されるのは株主としての権利行使だけで、既存株主の持分比率は希釈されたままです。
Q8組織変更が中止されたら払込金は戻りますか?
本条は返還を定めていません。効力発生日前は株主ではないため、返還の可否と時期は引受契約と組織変更計画の条項で決まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1払い込んだのに株主じゃないって、その間の私は何なんですか?
法的には「出資の履行を終えた引受人」にすぎません。株主名簿にも載らず、議決権も配当請求権もなく、効力発生日にはじめて株主になります(保険業法96条の2第1項)。実務のポイント:この空白期間の払込金が組織変更の中止時にどう返るかは引受契約の返還条項次第で、利息や機会損失は原則として戻りません。申込み前に効力発生日と返還条項を突き合わせた人だけが、この待機期間のリスクを値段に織り込める。
Q2他人から買った株の権利が凍ってるなんて、買う側にどうやって分かるんですか?
分からないまま買った人を救うのが第3項です。善意で重大な過失もなければ、譲受人は凍結を引き継がずに権利を行使できます(保険業法96条の2第3項但書)。実務のポイント:重過失は「調べたか」より「調べれば分かったのに見なかったか」で評価されます。払込金の保管資料や入出金記録の開示を求めたメール一通が、後から善意の証拠として効いてくる。
Q3凍結された株は、発行済株式にはカウントされるんですか?
株式自体は有効に成立するので、発行済株式総数には算入されます。停止されるのは株主としての権利行使だけです(保険業法96条の2第2項)。実務のポイント:権利行使できない株式を総会の定足数計算でどう扱うかは実務上の処理に幅があり、招集通知を出す前に整理しておかないと、決議の効力そのものが後から争われる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「金を払った日が株主になった日」と考えるのが自然だが、本条ではそうならない。株主となるのは効力発生日であり、払込日から効力発生日までは株主名簿にも載らない待機状態が続く。この期間の長さと、その間に組織変更が頓挫した場合の扱いは、条文ではなく契約書で決まる
- 仮装払込は「無効になるだけ」と軽く見られがちだが、深刻さの中身が違う。株式自体は有効に成立し、発行済株式総数に算入されたまま権利だけが凍る。つまり既存株主の持分比率は薄まったまま、その株は誰の意思も反映しない空席として総会に残り続ける。金が入っていないのに希釈だけが実現するという最悪の組み合わせだ
- あなたから見れば「売主がきちんと払込みをしたかどうかは売主の問題」だが、法律から見れば譲受人の主観、つまり悪意・重大な過失の有無が権利行使の可否を決める。売主の過去が、買主であるあなたの現在を縛る。この視点のずれに気付かないまま買った側だけが、議決権を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法96条の2:組織変更時発行株式の株主となる時期と権利行使制限 | 保険業法96条の4の2:仮装した引受人本人の支払義務 保険業法96条の4の3:仮装に関与した取締役等の支払義務 |
| 名宛人 | 引受人および株式の譲受人 | 出資の履行を仮装した引受人 仮装に関与した取締役・執行役等 |
| 効果 | 効力発生日に株主となる/仮装分は権利行使停止/善意譲受人は行使可 | 仮装分に相当する金銭の支払義務(無過失責任的) 注意を怠らなかったことを証明しない限り連帯して支払義務 |
| 凍結が解ける条件 | 96条の4の2・96条の4の3による支払がされること、または善意無重過失での譲受け | 支払の履行そのもの 支払の履行、または注意義務を尽くしたことの立証 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では株式引受人の株主資格取得時期を会社法系の規定で処理し、相互保険組織の株式会社化に関する独立の詳細規定は日本ほど整備されていない(要人的検証)
韓国商法も払込期日の翌日または効力発生時点を基準に株主資格の取得時期を定めており、時点を法定する構造は日本と共通する(要人的検証)
ドイツでは相互保険会社(VVaG)の株式会社への組織変更を保険監督法(VAG)が規律し、株主資格の取得時期は株式法の登記主義的構造に従う(要人的検証)
米国は州法ごとに相互保険会社の株式会社化手続を定め、効力発生日と株式割当の関係も州法と監督当局の認可条件に依存する(要人的検証)
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 払込みを済ませた翌週に組織変更が中止になったら、あなたの金はどうなる? その時点でまだ株主ではないので、株主としての救済手段は一つも使えない。頼れるのは引受契約と組織変更計画に書かれた返還条項だけだ。申込書にサインする前にその条項を読んだ人と、読まずに押印した人が、ここで完全に分かれる
- あなたは組織変更を進める相互会社の財務担当で、引受先の一社から「払込みは形だけ、翌日戻す」と持ちかけられている。効力発生日まであと10日。応じた瞬間、保険業法96条の4の2の支払義務と96条の4の3の役員責任が同時に立ち上がり、凍結された議決権が資本政策の前提を崩す
- 未上場の保険会社株を相対で買った。半年後の株主総会で議決権行使を拒まれた。売主の払込みが仮装だったと、そこで初めて知る
- 友人が「組織変更の株を買わないか」と誘ってきた。あなたが最初に聞くべきは利回りではない。効力発生日はいつか、払込金はどの口座で保管されるか、組織変更が流れたときの返還はどう定められているか、この三点だ
- 譲り受けた株の権利が凍っていると会社から通知された。ここで争点になるのは売主の悪事ではなく、あなたの重大な過失の有無だ。譲受けの前に何を確認し、何を記録に残したかが、そのまま防御線の厚みになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の株が第2項の凍結対象か確認する。売主の払込みが仮装だったかは、払込取扱金融機関の記録と資本金計上額の突合で輪郭が見える2. 譲受人なら第3項の善意・無重過失を主張し、譲受け時の質問メールや開示資料を時系列で固める3. 引受人本人なら保険業法96条の4の2の支払を先に済ませれば凍結は解ける4. 総会が迫っているなら、議決権行使を確保する仮処分も選択肢に入れる
訴えられた側:1. 仮装かどうかは資金の出所と還流の有無で判断される。借入資金であっても現実に会社に留保されていれば仮装ではない、その滞留を通帳と会計記録で示す2. 会社側なら保険業法96条の4の3の責任は注意義務違反の問題であり、決裁記録と調査の経緯を出して職務上の注意を尽くしたことを立証する3. 支払を済ませれば凍結は解除され、以後の権利行使は適法になる。争うより先に払う方が損失が小さい局面は多い
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。権利行使の凍結は、仮装分の支払がされるまで期限なく続く。仮装払込に基づく支払請求権は債権として一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)に服する。他方、引受けそのものを錯誤・詐欺・強迫で覆す主張は、株主となった日から1年の経過または権利行使によって制限される(会社法211条2項と同趣旨の規律)。効力発生日が起算点になる点を見落とすと、争う入口が先に閉まる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)会社法改正に伴う整備(要検証) 出資の履行を仮装した場合の権利行使制限と善意譲受人の保護(本条2項・3項)は、会社法209条2項・3項および213条の2、213条の3の新設と歩調を合わせて整備されたものと解されるが、保険業法側の改正年次と新設・改正の区別は人的検証を要する(最新の改正状況をご確認ください)
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