保険業法 第85条(組織変更)
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- 保険会社である相互会社は、その組織を変更して保険会社である株式会社となることができる。
- 2.少額短期保険業者である相互会社は、その組織を変更して少額短期保険業者である株式会社となることができる。
この条文の基本情報
組織変更とは何ですか?
定義組織変更とは、保険業法第85条に定められた規定で、「保険会社である相互会社は、その組織を変更して保険会社である株式会社となることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第85条(組織変更)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第85条の条文原文は「保険会社である相互会社は、その組織を変更して保険会社である株式会社となることができる。」で始まります。
- 保険業法第85条は第二款 相互会社から株式会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第85条の前の条は保険業法第84条の2です。
- 保険業法第85条の次の条は保険業法第86条です。
- 保険業法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第85条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/85
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法85条は、保険会社である相互会社および少額短期保険業者である相互会社が、組織を変更して株式会社となることができると定める。実行には社員総会の決議と内閣総理大臣の認可を要する。
Q · 日本生命みたいな「相互会社」の保険会社って、株式会社に変われるんですか?
変われます。保険業法85条が組織変更を認めています
保険業法85条は、保険会社である相互会社が株式会社へ組織変更できること(1項)、少額短期保険業者である相互会社も同様に株式会社へ組織変更できること(2項)を定めます。ただし85条は可能性を示す入口規定にすぎず、実行には組織変更計画の作成、社員総会(総代会)の決議、保険契約者その他の債権者に対する異議手続、内閣総理大臣の認可が必要です(同法86条以下)。組織変更により社員(構成員)の地位は消滅し、株式または金銭の割当てを受けることになります。
解説
相互会社という言葉を、保険の契約書で見たことがあるだろうか。日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命。この五社は今も相互会社であり、そこに保険をかけているあなたは「顧客」であると同時に「社員」(株主に相当する構成員)である。保険業法85条は、その相互会社が株式会社へ姿を変えることを認める条文だ。第一項が保険会社、第二項が少額短期保険業者について、それぞれ組織変更の道を開いている。ここで押さえるべきは、組織変更が起きるとあなたの立場が根本から変わるという点だ。社員としての議決権、剰余金分配を受ける地位、総代会に意見を届ける経路、そのすべてが消え、代わりに株式または金銭の割当てを受ける(同法90条以下)。第一生命が2010年に相互会社から株式会社へ転換したとき、契約者は株式の割当てを受け、上場初日にその価値が現実の金額として目の前に現れた。契約者は何も申し込んでいない。ただ保険に入り続けていただけで、資産が形を変えた。85条はその変化の入口である
法的な位置づけ
保険業法85条にいう組織変更とは、保険会社または少額短期保険業者である相互会社が、法人格の同一性を維持したまま株式会社へと会社形態を転換する行為をいう。転換により社員(構成員)としての地位は消滅し、株式または金銭の割当てに置き換わる。実行には社員総会の決議と内閣総理大臣の認可を要する。
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社の組織変更とは何ですか?
相互会社が法人格を維持したまま株式会社へ形態を変えることです。保険業法85条が根拠で、社員の地位は株式または金銭の割当てに置き換わります。
Q2相互会社の保険会社は今どこがありますか?
日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命などが相互会社形態を維持しています。加入先の形態は保険証券の会社名末尾で確認できます。
Q3組織変更に契約者の同意は必要ですか?
個別の同意ではなく、社員総会(総代会)の決議によります。ただし保険契約者その他の債権者には異議を述べる手続が保険業法88条で用意されています。
Q4組織変更したら保険料や保障は変わりますか?
保険契約は組織変更後の株式会社に承継され、保険料も保障内容も組織変更それ自体では変わりません。変わるのは社員としての法的地位です。
Q5少額短期保険業者も株式会社になれますか?
なれます。保険業法85条2項が、少額短期保険業者である相互会社の株式会社への組織変更を明文で認めています。手続は86条以下に従います。
Q6組織変更にはどのくらい時間がかかりますか?
条文に期間の定めはありませんが、組織変更計画の作成、総代会決議、債権者異議手続(最短一か月以上)、認可審査が連なり、実務上は年単位の工程になります。
Q7組織変更の無効はいつまで争えますか?
会社法の組織変更無効の訴えに相当する規律が準用され、効力発生日から六か月以内が原則です。最新の改正状況はご確認ください。
Q8株式会社から相互会社に戻ることはできますか?
保険業法は相互会社から株式会社への組織変更(85条)と株式会社から相互会社への組織変更を別条で規律します。85条は前者のみを定める規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社の保険に入ってると、私って株主みたいなものなんですか?
近い立場だが同一ではない。相互会社の保険契約者は「社員」という構成員であり、剰余金の分配を受け、総代会を通じて間接的に経営へ関与する。ただし持分を自由に譲渡・売却することはできず、株式のような市場価格もない。実務のポイント:この「売れない持分」が、組織変更で「売れる株式」に変わる。だからこそ組織変更は契約者にとって資産の性質が変わる出来事であり、会社側の説明資料では強調されにくい
Q2会社が株式会社になったら、私の保険契約はどうなるんですか?
保険契約そのものは組織変更後の株式会社にそのまま承継され、保障内容も保険料も自動的には変わらない。変わるのは社員としての地位で、これが消滅し、代わりに株式または金銭の割当てを受ける(保険業法90条前後の規律)。実務のポイント:契約が続くから安心と受け止めて通知を読み飛ばす人が圧倒的に多い。だが割当ての基準は契約の種類や継続期間で差がつく設計になりうるため、通知の別紙にある算定方法こそが読むべき本体である
Q3少額短期保険を相互会社でやってるんですが、株式会社にするメリットは何ですか?
最大の実益は資本調達である。相互会社には株式がないため、外部投資家からのエクイティ調達ができず、基金の募集など限られた手段に依存する。第二項の組織変更で株式会社化すれば、第三者割当増資も持株会社化も可能になる。実務のポイント:組織変更には総代会の特別決議と内閣総理大臣の認可が必要で、実務上は年単位の工程になる。投資家との交渉が始まってから着手すると条件面で足元を見られるため、資本政策の初期段階で工程表を引いておくのが定石である
間違えやすい点 AI による整理
- 「相互会社も株式会社も、保険会社なんだから中身は同じ」と考えられがちだが、法的地位が別物である。相互会社に保険をかけている人は社員(構成員)であり、剰余金の分配を受け、総代会を通じて経営に関与する立場を持つ。株式会社の保険契約者は、単なる契約の相手方にすぎない。組織変更とは、あなたが会社の構成員から取引先へ格下げされる(同時に株式等の対価を受ける)出来事である
- 組織変更の存在自体は知っていても、その深刻度を知らない人は多い。第一生命の2010年の株式会社化では、対象契約者に株式または金銭が割り当てられた。何百万人規模の契約者の手元で、保険という「使うかどうか分からない備え」が、換金可能な資産へ姿を変えたのである。会社が上場するかどうかで、その価値の見え方も税務上の扱いも変わる
- 「組織変更するかどうかは会社が勝手に決めること」という前提そのものが正確ではない。85条は組織変更を「できる」と定めるだけで、実行には総代会(社員総会)の特別決議と内閣総理大臣の認可が必要である(同法86条、96条の2関連の認可規定)。決議は社員の意思、認可は監督当局の判断。会社の一存では動かない構造になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 保険業法85条:相互会社が株式会社となれることを認める入口規定 | 保険業法86条:組織変更計画の作成と社員総会の決議要件 保険業法90条:社員に対する株式または金銭の割当て |
| 誰が動くか | 相互会社(保険会社・少額短期保険業者)が組織変更を選択する | 取締役会が計画を作成し、総代会が決議する 会社が割当て内容を計画に定め、社員が受領する |
| 契約者にとっての意味 | 地位変動の可能性が開かれる段階 | 決議前の通知が内容を読む実質的タイミング 受け取る対価が具体的に確定する段階 |
| 異議・防御の手段 | 本条自体には手続的防御はない | 総代会決議の瑕疵を争う余地 保険業法88条の債権者異議手続で異議を述べる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では相互保険会社制度が一般的でなく、保険業は株式会社形態が中心。日本のような相互会社からの組織変更規定は独立した制度として存在しない
韓国も保険業法で相互会社制度を置くが、実際に相互会社形態で営業する保険会社はほとんどなく、株式会社が実務上の標準
ドイツは相互保険社団(VVaG)を保険監督法で規律し、株式会社への転換は組織再編法(UmwG)および VAG の規定に従う。日本の相互会社制度の淵源のひとつ
米国は州ごとに相互保険会社の株式会社化を規律し、1990年代以降 MetLife、Prudential などが大規模に株式会社化。契約者への株式割当てが行われた点は日本と類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が三十年前に加入した相互会社の生命保険が、あなたの家にある。その会社が組織変更を決議したら、契約者である親は株式または金銭の割当てを受ける対象になる。親が高齢で総代会の通知を読まずに放置していると、異議申立ての機会(同法88条の債権者異議手続、86条の総代会決議)も、割当て内容の確認機会も流れていく。相続を控えているなら、この割当てが将来の相続財産になることも見落とせない
- あなたが少額短期保険業者(ミニ保険)を相互会社形態で立ち上げ、事業が伸びて資本調達が必要になった。増資を引き受けてくれる投資家は「株式を持てないなら出資しない」と言う。第二項が用意しているのはまさにこの出口だ。ただし組織変更計画の作成、総代会の特別決議、内閣総理大臣の認可(同法86条以下)と、手続は数か月から一年単位で走る。資金繰りが逼迫してから動き出しても間に合わない
- 総代会の通知が届いた。組織変更計画の承認議案が載っている。あなたは総代ではないが、社員として何ができる? 相互会社の社員は総代会に直接出席する権利を当然には持たないが、社員総会招集請求(同法45条前後)や、組織変更に反対する社員が一定数集まった場合の手続的な牽制が制度上組み込まれている。通知を捨てた時点で、その全部を放棄している
- 決議から二週間。あなたのもとに債権者異議手続の公告が目に入る。保険契約者としての立場から異議を述べられる期間は法定の最短でも一か月(同法88条準用の債権者保護手続)。この窓が閉じたあと、組織変更の効力は認可を経て確定し、後から「聞いていない」は通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券と契約者向け通知で、加入先が相互会社かを確認する2. 組織変更の通知が届いたら、組織変更計画の中の「社員に対する株式または金銭の割当てに関する事項」を最優先で読む(保険業法86条の計画記載事項) 3. 割当ての算定基準が自分の契約種類・払込期間にどう当てはまるかを、会社の相談窓口に文書で照会し回答を保存する4. 内容に疑義があれば総代会前に意見を届け、債権者異議手続の公告期間内に異議を述べるかを判断する5. 割当てを受けた株式または金銭は、税務上の取扱いと相続財産としての位置付けを税理士に確認する
訴えられた側:1. 組織変更を実行する側であれば、まず組織変更計画の記載事項を保険業法86条以下に照らして網羅的に作成する2. 総代会(社員総会)の特別決議要件と招集手続の適法性を、決議日から逆算して工程表に落とす3. 保険契約者その他の債権者に対する公告・催告(債権者保護手続)の期間を法定の最短期間より短縮しない4. 内閣総理大臣の認可申請に必要な添付書類を金融庁の監督指針に沿って準備する5. 手続の瑕疵は組織変更の効力を争われる原因になるため、各段階の証跡を残す
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。ただし組織変更手続には、債権者異議手続の公告期間(法定の最短一か月以上)、総代会の招集通知期間、認可申請から処分までの審査期間が連なる。組織変更の無効を争う訴えには出訴期間の制限があり(会社法の組織変更無効の訴えに相当する規律の準用、効力発生日から六か月以内が原則。最新の改正状況をご確認ください)、この期間を過ぎると手続の瑕疵を理由とする争いは封じられる
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