保険業法 第90条(社員への株式又は金銭の割当て)
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- 組織変更をする相互会社の社員は、組織変更計画の定めるところにより、組織変更後株式会社の株式又は金銭の割当てを受けるものとする。
- 2.前項の株式又は金銭の割当ては、社員の寄与分(社員の支払った保険料及び当該保険料として収受した金銭を運用することによって得られた収益のうち、保険金、返戻金その他の給付金の支払、事業費の支出その他の支出に充てられていないものから当該社員に対する保険契約上の債務を履行するために確保すべき資産の額を控除した残額に相当するものとして内閣府令で定めるところにより計算した金額をいう。)に応じて、しなければならない。
- 3.会社法第二百三十四条第一項(各号を除く。)及び第二項から第五項まで(一に満たない端数の処理)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十四条(第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)並びに第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前二項の規定により組織変更をする相互会社の社員に株式を割り当てる場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 4.前三項に定めるもののほか、組織変更の場合における株式又は金銭の割当てに関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
社員への株式又は金銭の割当てとは何ですか?
定義社員への株式又は金銭の割当てとは、保険業法第90条に定められた規定で、「組織変更をする相互会社の社員は、組織変更計画の定めるところにより、組織変更後株式会社の株式又は金銭の割当てを受けるものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第90条(社員への株式又は金銭の割当て)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第90条の条文原文は「組織変更をする相互会社の社員は、組織変更計画の定めるところにより、組織変更後株式会社の株式又は金銭の割当てを受けるものとする。」で始まります。
- 保険業法第90条は第二款 相互会社から株式会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第90条の前の条は保険業法第89条です。
- 保険業法第90条の次の条は保険業法第91条です。
- 保険業法第90条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第90条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第90条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/90
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法90条は、相互会社が株式会社へ組織変更する際、社員に株式又は金銭を割り当てると定める。割当ての基準は社員の寄与分であり、端数は金銭で清算される。
Q · 相互会社の保険に入っていたら、株式会社化のときに株はもらえるの?
社員なら寄与分に応じて株式か金銭を受け取れます
保険業法90条1項は、組織変更をする相互会社の社員が、組織変更計画の定めにより組織変更後株式会社の株式又は金銭の割当てを受けると定めます。割当ての基準は2項の寄与分で、払った保険料と運用収益から既に支払われた保険金・返戻金や事業費を控除し、さらに契約上の債務を履行するために確保すべき資産額を差し引いた残額です。計算の細目は内閣府令に委ねられています。1株に満たない端数は3項が会社法234条を準用し、売却代金を金銭で交付します。勤務先が契約者の団体保険では社員は会社側となり、被保険者個人には割り当てられません。
解説
日本生命、明治安田生命、住友生命。社名に「相互会社」と付く保険に入っているなら、あなたは客であると同時に社員である。株主のいない会社の、持分を持つ側の人間だ。その会社が株式会社に組み替わるとき、あなたの見えない持分は株式か金銭に変換される。90条が決めているのは、その変換レートである。鍵は第2項の「寄与分」。払った保険料とその運用収益から、すでに支払われた保険金・返戻金と事業費を引き、さらにあなたの契約上の債務を将来履行するために確保すべき資産を引いた残額。長く払い続け、まだ大きな給付を受け取っていない契約者ほど厚く配分される構造だ。具体的な計算式は内閣府令(保険業法施行規則)に委ねられているので、条文をいくら読んでも自分の株数は出てこない。だが「何が足され、何が引かれるか」の骨格はこの一文に全部書いてある。通知書が届いた日、あなたが検算すべき項目はここにある。
法的な位置づけ
保険業法90条は、相互会社の組織変更における社員への対価割当てを定める規定である。組織変更をする相互会社の社員は、組織変更計画の定めるところにより株式又は金銭の割当てを受け、その割当ては社員の寄与分に応じて行われる。寄与分は、保険料及びその運用収益のうち保険金等の支払や事業費に充てられていない額から、保険契約上の債務履行に確保すべき資産額を控除した残額をいう。
手順
- 1.自分が「社員」に当たるか確認する 保険証券と会社の定款を照合し、その契約が社員資格を伴うかを確認する。勤務先が契約者の団体保険は会社が社員であり、被保険者である自分には割り当てられない。複数契約がある場合は契約ごとに判定する
- 2.組織変更計画の基準時点と寄与分の算定方法を読む 会社から届く組織変更計画の説明書類で、割当ての基準となる時点と、寄与分の算定方法(控除項目に何が入っているか)の記載を探す。解約や乗り換えを検討している場合は、基準時点を跨ぐかどうかで割当ての有無が変わる
- 3.算定根拠に納得できなければ確定前に文書で照会する 割当株数に疑問がある場合は、株数が確定する前に会社の照会窓口へ寄与分の算定根拠を文書で求める。争点は個別の株数ではなく算定方法の合理性であるため、控除項目の内訳の説明を具体的に求める
- 4.割当て後は特別口座から証券口座へ振り替える 割り当てられた株式は信託銀行の特別口座で管理されることが多く、そのままでは売却できない。証券口座を開設して振替手続を行い、住所変更届も必ず提出する。通知が5年間届かず配当も受領されないと、所在不明株主として会社に売却されうる(会社法197条)
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社とは何ですか?
保険業法上認められる保険会社特有の組織形態で、株主が存在せず、保険契約者が社員として会社を構成します。剰余金は契約者配当として社員に還元される仕組みです。
Q2保険業法90条の「社員」には誰が当たりますか?
相互会社に保険料を払う保険契約者本人が社員です。定款で社員資格が定められ、契約の種類により異なります。勤務先が契約者の団体保険では会社が社員となり、被保険者個人は社員になりません。
Q3相互会社の社員と株式会社の株主は何が違いますか?
社員の地位は保険契約と一体で、持分を売買できません。株主は持分を市場で自由に譲渡できます。組織変更はこの譲渡できない地位を譲渡可能な株式に転換する手続です。
Q4相互会社が株式会社になると保険契約はどうなりますか?
組織変更は会社の器を組み替える手続であり、保険契約そのものは組織変更後株式会社に引き継がれます。契約者は社員の地位を失い、代わりに株式又は金銭の割当てを受ける立場になります。
Q5組織変更計画には何が定められていますか?
組織変更後株式会社の定款、社員への株式又は金銭の割当てに関する事項、効力発生日などが定められます。90条1項は「組織変更計画の定めるところにより」割当てを行うと規定しています。
Q6日本で株式会社に組織変更した生命保険会社はありますか?
あります。第一生命が2010年に相互会社から株式会社へ組織変更し上場した例が代表的です。日本生命・明治安田生命・住友生命・富国生命・朝日生命は現在も相互会社です。
Q7割り当てられた株式に税金はかかりますか?
割当て時と売却時で扱いが分かれ、取得価額の算定も含めて個別性が高い論点です。保険業法90条は課税関係を定めていないため、税務は国税庁の公表資料と税理士への確認が必要です。
Q8組織変更後株式会社の株式はいつから売却できますか?
割り当てられた株式は多くの場合まず信託銀行の特別口座で管理され、そのままでは市場売却できません。証券口座への振替手続を経て初めて売却が可能になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社の保険に入ってるだけで、本当に株がもらえるんですか?
その会社が株式会社に組織変更する場合に限られますが、もらえます。90条1項は社員に株式または金銭を割り当てると定め、2項でその基準を寄与分としています。ただし社員かどうかは契約の種類と定款次第で、勤務先が契約者の団体保険では会社が社員です。実務のポイント:割り当てられた株式は多くの場合、信託銀行の特別口座に入ります。そのままでは売れず、証券口座への振替が必要。住所変更を届け出ないまま5年放置すると、所在不明株主として会社に売却されうる(会社法197条)
Q2寄与分って、会社の言い値を信じるしかないんですか?
計算の骨格は2項に書かれています。保険料と運用収益の合計から、支払済みの保険金・返戻金と事業費等を控除し、さらに契約上の債務履行のために確保すべき資産を控除した残額です。細目は内閣府令(保険業法施行規則)に委ねられています。実務のポイント:契約者が検算できるのは「控除項目に何が入ったか」の説明であって、資産全体の評価ではありません。争うなら個別の株数ではなく算定方法の合理性を突く、これが実務の勘所です
Q31株に満たない端数が出たらどうなるんですか?
切り捨てではありません。90条3項が会社法234条を準用しており、端数の合計に相当する株式を競売または市場で売却し、その代金を端数の割合に応じて交付します。市場価格のある株式は裁判所の許可を得て競売以外の方法で売却できます。実務のポイント:加入期間が短い契約者は端数だけ、つまり現金数千円で終わることも珍しくない。株がもらえると期待して解約を先送りする判断が、必ず得になるとは限りません
Q4組織変更に反対したい場合、何かできることはありますか?
保険契約者は所定の期間内に異議を述べることができ、異議を述べた者が法定の割合を超えると組織変更が進められなくなる仕組みがあります(保険業法89条前後、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:この割合に届いた例は現実にはほぼありません。実務的な効き目は否決ではなく、異議が一定数集まる見込み自体が会社側に説明の追加や条件の見直しを促す圧力になる点にあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分は保険の客だから会社の中のことは関係ない」という前提そのものが誤っている。相互会社に保険料を払っている時点で、あなたは会社の構成員である社員だ。したがって立てるべき問いは「もらえるのか」ではなく「自分の寄与分はいくらで、どう計算されたのか」になる
- 株式が割り当てられること自体は知っていても、それが契約1本につき何株という単純な話ではないことを軽く見ている人が多い。按分の基準は寄与分であり、加入期間・払込総額・すでに受け取った給付の有無で結果が大きく割れる。最近加入したばかりの契約者は、端数処理の金銭だけということも普通に起こる
- あなたから見れば長年払い続けた保険料への還元だが、法律から見れば寄与分という残額に対応する分配にすぎない。すでに支払われた保険金、事業費に消えた分、将来の支払いに備えて留保すべき資産、そのすべてが先に控除される。この落差が「思っていたより少ない」の正体である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 保険業法90条:組織変更に伴う社員への対価の割当て | 保険業法85条:相互会社から株式会社への組織変更そのものの根拠 保険業法89条:保険契約者の異議申立てと組織変更の制限 |
| 判断の主体 | 組織変更計画の定め(会社が設計、内閣府令が枠を画する) | 社員総会又は総代会の決議(保険業法86条) 個々の保険契約者が期間内に異議を述べるか否か |
| 契約者にとっての効き目 | 受け取る株式数・金銭額が決まる(分配の量の問題) | 組織変更が可能かどうかの入口(実行の可否) 異議が法定割合を超えれば組織変更が進められなくなる(拒否権的圧力) |
| 動ける時間帯 | 割当株数が確定する前。確定後は算定方法に異論を述べても届かない | 総代会に計画が諮られる前の意見形成段階 公告・通知で示された異議申立期間内に限られる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式有限会社又は保険合作社に限定しており、相互会社という器自体が存在しない。したがって社員持分を株式へ転換する出口規定も置かれておらず、日本の90条に相当する条文はない
韓国保険業法も相互会社制度と組織変更に関する規律を置くが、対応条番号と割当基準の設計(日本の寄与分に相当する概念の有無)は要検証
ドイツは相互保険社団 VVaG の株式会社への組織変更を組織再編法(UmwG)の一類型として規律する。日本が保険業法内に割当基準まで抱え込んでいるのに対し、ドイツは一般組織再編法に接続する構造をとる点が対照的
米国は連邦法ではなく州保険法が demutualization を規律し、州保険監督官の認可と契約者投票を経る。割当対価の算定は保険数理人の意見書と監督官の審査に依存し、日本のように法律本文が控除項目を明記する方式とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親の遺品から信託銀行の「特別口座のご案内」が出てきた。中身は第一生命の株式だった。本人は最後まで、自分が株主だと気づいていなかった。
- もし、あなたが加入している相互会社が来年株式会社になるとしたら? 解約や乗り換えのタイミング一つで、割当てを受けられるかどうかが変わる。社員であることが前提だからだ。組織変更計画が定める基準時点の前に解約すれば、あなたの寄与分は分配の対象から外れる。数十万円が、解約日の一日差で動く
- 組織変更の通知が届き、保険契約者として異議を述べられる期間が示されている。残り10日。異議を出して手続の重石になるか、株式割当てを受け入れて株主として発言するか、決めるのは今週だ
- あなたが相互会社の経営企画にいて、株式会社化の設計を任された側だとする。寄与分の計算方法を内閣府令の枠内でどう組むかで、数百万人の契約者間の取り分が動く。その裁量の説明可能性が、後の契約者からの異議や訴訟で真っ先に突かれる
- 勤務先経由の団体保険にしか入っていない人は、契約者が会社なので社員ではない。株式は会社に行く。自分にも通知が来ると思って待っても、封筒は届かない
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分が社員かを確認、保険証券と会社の定款で、その契約が社員資格を伴うか(団体保険の被保険者は契約者ではないため対象外)を確かめる2. 組織変更計画に示された基準時点と、寄与分の算定方法の記載を読む3. 割当株数に納得できないなら、割当確定前に会社の照会窓口へ算定根拠を文書で求める4. 割当て後は特別口座に放置せず、証券口座へ振替、住所変更届も出しておく
訴えられた側:1. 寄与分の算定方法は保険業法施行規則の枠内で設計するが、その裁量部分こそ後から突かれる、算定の考え方を文書で残す2. 社員への通知・公告と異議申立ての期間を法定の下限以上に確保、期間計算の誤りは手続全体の瑕疵になる3. 端数株は会社法234条の準用で金銭処理、市場価格の有無で手続が変わるため裁判所の許可要否を事前に整理4. 技術的読替えの内容は政令で定まるため、政令の最新版で読替表を確認する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はない。ただし組織変更に対する保険契約者の異議は、公告・通知で示された期間内にしか述べられない(期間の法定下限があるため最新の改正状況をご確認ください)。割当て後の配当金請求権などの金銭債権は、一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)に服する。株式そのものは時効消滅しないが、5年間通知が届かず配当も受領されない状態が続くと、所在不明株主として会社に売却・競売されうる(会社法197条)
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)保険業法全部改正 相互会社から株式会社への組織変更制度の整備に伴い、社員への株式または金銭の割当てと寄与分基準が規定された。以後の改正沿革は要検証
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 第3項の準用先が旧商法の規定から会社法の規定へ置き換えられた。端数処理・非訟手続の準用構造が現行の形になったが、施行年次と改正項目の詳細は要検証
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法全部改正。相互会社から株式会社への組織変更制度の整備に伴い、社員への株式又は金銭の割当てと、その基準としての寄与分が規定された。以後の改正沿革は要検証
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備により、第3項の準用先が旧商法の規定から会社法の規定へ置き換えられ、端数処理・非訟手続の準用構造が現行の形になった。施行年次と改正項目の詳細は要検証
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