保険業法 第91条(組織変更剰余金額等)
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- 組織変更をする相互会社は、第八十六条第四項第二号の定款で定める事項として、組織変更剰余金額を定めなければならない。
- 2.組織変更後株式会社は、貸借対照表上の純資産額から組織変更剰余金額を控除した金額を超えて、剰余金の配当を行うことができない。
- 3.組織変更剰余金額は、退社員の全体について、前条第二項の内閣府令に準じて内閣府令で定めるところにより計算した金額の総額とする。
- 4.第一項及び前項に定めるもののほか、組織変更に際して資本準備金として計上すべき額、組織変更剰余金額の減額その他組織変更に際しての計算に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
この条文の基本情報
組織変更剰余金額等とは何ですか?
定義組織変更剰余金額等とは、保険業法第91条に定められた規定で、「組織変更をする相互会社は、第八十六条第四項第二号の定款で定める事項として、組織変更剰余金額を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第91条(組織変更剰余金額等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第91条の条文原文は「組織変更をする相互会社は、第八十六条第四項第二号の定款で定める事項として、組織変更剰余金額を定めなければならない。」で始まります。
- 保険業法第91条は第二款 相互会社から株式会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第91条の前の条は保険業法第90条です。
- 保険業法第91条の次の条は保険業法第92条です。
- 保険業法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法91条は、組織変更をする相互会社に定款で組織変更剰余金額を定めさせ、組織変更後株式会社は純資産額からその額を控除した金額を超えて剰余金の配当を行えないと定める。
Q · 相互会社が株式会社になったら、契約者が積み上げてきた純資産は株主の配当に回るの?
回りません。組織変更剰余金額として配当禁止領域に固定されます
保険業法91条1項により、組織変更をする相互会社は定款で組織変更剰余金額を定めなければなりません。2項は、組織変更後株式会社が貸借対照表上の純資産額からこの組織変更剰余金額を控除した金額を超えて剰余金の配当を行うことを禁じています。つまり旧社員(契約者)が積み上げた純資産に相当する部分は、株式会社化後も株主へ流出しない層として固定されます。金額は3項により、退社員の全体について内閣府令の定めに従い計算した総額とされます。
解説
相互会社が株式会社になる、その瞬間に「誰のものだったお金か」という問題が発生する。相互会社の純資産は、契約者(社員)が長年払い込んだ保険料の積み重ねだ。だが株式会社になった途端、その純資産は理屈の上では株主の配当原資になりうる。保険業法91条はそこに壁を立てる。組織変更のとき「組織変更剰余金額」という数字を定款で確定させ、株式会社になった後の貸借対照表上の純資産から、その額を引いた残りしか配当できないと定めた。つまり、旧契約者たちが積み上げた分は、新しい株主が持ち出せない棚に固定される。あなたが相互会社の保険に入っているなら、その会社が株式会社化する話が出たとき、確認すべきは「株になるか、現金がもらえるか」だけではない。定款に書き込まれる組織変更剰余金額がいくらか、それがあなたの保険の将来の安全余裕そのものだ。
法的な位置づけ
保険業法91条は、相互会社の組織変更に伴う計算規律を定める規定である。組織変更剰余金額を定款の必要的記載事項とし(1項)、組織変更後株式会社の剰余金配当の上限を純資産額から同額を控除した金額に限定する(2項)。同額は退社員全体につき内閣府令に従い計算した金額の総額と定義される(3項)。
よくある質問 AI による整理
Q1組織変更剰余金額とは何ですか?
相互会社が株式会社へ組織変更する際に定款で定める金額です。保険業法91条3項により、退社員の全体について内閣府令の定めに従い計算した金額の総額とされ、配当規制の基準になります。
Q2保険会社の組織変更で配当はどう制限されますか?
保険業法91条2項により、組織変更後株式会社は貸借対照表上の純資産額から組織変更剰余金額を控除した金額を超える剰余金配当ができません。会社法の分配可能額規制とは別系統の上限です。
Q3組織変更剰余金額は定款に書く必要がありますか?
必要です。91条1項が、86条4項2号の定款で定める事項として組織変更剰余金額を定めなければならないと規定しています。決議前に額を確定させる必要があります。
Q4相互会社の株式会社化で契約者のお金はどうなる?
純資産のうち組織変更剰余金額に相当する部分は会社内に残り、配当として社外流出しません。91条2項の配当上限が、旧社員が積み上げた財産の保全機能を果たします。
Q5組織変更剰余金額は減らせますか?
91条4項が、組織変更剰余金額の減額その他組織変更に際しての計算に関し必要な事項を内閣府令に委任しています。手続の具体は府令の定めに従う必要があります。
Q6資本準備金はいくら計上すればよいですか?
91条4項により、組織変更に際して資本準備金として計上すべき額は内閣府令で定められます。条文本体には金額基準がなく、府令の最新版の確認が不可欠です。
Q7会社法461条と保険業法91条2項はどちらが優先?
いずれか厳しい方が実際の上限になります。両者は別系統の規制であり、組織変更後株式会社は分配可能額と91条2項の控除後金額の双方を満たす必要があります。
Q8退社員の持分計算と組織変更剰余金額の関係は?
91条3項が「前条第二項の内閣府令に準じて」と定めるため、90条2項の退社員持分計算と同じロジックを全体に適用した総額が組織変更剰余金額になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社が株式会社になったら、今までの契約者が積み立てたお金はどうなるんですか?
そのまま会社に残ります。91条1項で組織変更剰余金額を定款に定め、2項でその額を超える配当を禁じることで、旧社員が積み上げた純資産部分が株主配当として流出しないよう固定されます。実務のポイント:この数字は退社員の持分計算(90条2項)と同じ府令ロジックで積み上げられるため、実質的には「全契約者の持分の総和」に近い。総代会の議案書でこの数字を追える人はほとんどいないが、公表資料には載っている。
Q2株式会社になった保険会社は、普通の会社と同じように配当できないんですか?
会社法461条の分配可能額規制に加えて、91条2項の上限が二重にかかります。貸借対照表上の純資産額から組織変更剰余金額を控除した額が天井なので、純資産が大きくても配当余力はその分小さくなります。実務のポイント:この差は決算短信の表面数字には現れにくい。旧相互会社系の保険株を配当利回りで比較するとき、この控除を織り込まずに横並びで見ると評価を誤る。
間違えやすい点 AI による整理
- 株式会社になれば配当は会社法のルールだけで決まる、と考えるのが自然な発想だ。だが問いの立て方が誤っている。組織変更後株式会社には、会社法461条の分配可能額規制に加えて、保険業法91条2項という別系統の上限がかかる。二つの規制のうち、厳しい方が実際の天井になる。
- 組織変更剰余金額を「株主が旧契約者に支払う対価」だと理解している人がいるが、性質が違う。これは誰かに配られる金額ではなく、配当できない領域として純資産の中に据え置かれる数字だ。社外に出ていかないからこそ、保険契約の支払能力を支え続ける。
- 「相互会社の株式会社化=契約者の取り分が減る」という危機感は方向としては正しいが、深刻度の理解が足りない。本当に効いてくるのは組織変更の瞬間ではなく、その後の数十年の配当政策だ。91条2項がなければ、純資産は毎年少しずつ株主側へ流れ出る。契約者にとっての防波堤は、一回の対価計算ではなく、この継続的な配当制限の方にある。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法91条:組織変更剰余金額の定款記載と配当上限 | 保険業法90条:退社員個々の持分計算 保険業法86条:組織変更計画と定款記載事項の根拠 |
| 金額の性質 | 退社員全体の計算額の総額(社外流出しない固定層) | 退社する社員個人に帰属する持分額 金額規定ではなく手続・記載事項の枠組み |
| 効果の持続 | 株式会社化後も継続して配当を制限 | 退社時点の一回的な清算 組織変更手続の局面に限定 |
| 委任先 | 内閣府令(3項・4項) | 内閣府令(90条2項) 定款および総代会決議 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では相互保険組織の実例が限られ、組織変更に伴う配当固定層の明文規律は日本ほど整備されていない(要確認)
韓国保険業法も相互会社制度を置き、組織変更に関する規律を設けるが、詳細は各条の確認を要する
ドイツは相互保険組合(VVaG)の株式会社への転換を保険監督法で規律し、組合員の財産的地位の保護が中心論点となる
米国は州法ごとに相互会社の株式会社化手続を定め、契約者への対価配分と監督当局の認可が中核。日本のような恒久的配当上限型ではない点が対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している相互会社の生命保険会社から「組織変更に関する社員総代会の議案」の通知が届いた。株式割当の話ばかり目に入るが、同じ定款変更の中に組織変更剰余金額が書き込まれている。この数字を確認せずに賛否を判断する社員が大半だ。
- もし株式会社化した保険会社が、上場直後に高配当政策を打ち出したらどうなる? 91条2項の配当規制がある限り、純資産のうち組織変更剰余金額に相当する部分には手を付けられない。会社法461条の分配可能額とは別に、保険業法独自の天井がかかっている。
- あなたが保険会社の経理・企画部門で組織変更の実務を担当することになった。3項が「前条第二項の内閣府令に準じて」と書いている以上、退社員の持分計算のロジックをそのまま総額側に持ち込む必要がある。監督当局への事前相談を含め、算定根拠の文書化に残された時間は数か月しかない。
- 証券アナリストとして株式会社化した旧相互会社を分析するとき、単純に純資産を見て配当余力を計算すると外す。バランスシートに見えている数字と、実際に株主へ回せる数字の間に、定款由来の固定額が挟まっている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 組織変更の通知を受けた社員(契約者)は、社員総代会の議案書で定款変更案の中の組織変更剰余金額の記載を探す2. 算定根拠が示されていなければ、総代会前に会社へ書面で説明を求める3. 90条2項に基づく退社員の持分計算と、91条3項の総額計算が整合しているかを確認4. 組織変更に不服なら、86条以下の組織変更手続における異議申述・保険契約の解除等の手段の有無と期限を、通知書の記載で確認する
訴えられた側:1. 実務担当側は、内閣府令(保険業法施行規則)の定める算定方法に沿った計算書を作成し、算定過程を文書で残す2. 4項の委任事項(資本準備金への計上額、剰余金額の減額手続)は府令の最新版を必ず参照、条文本体だけでは実務が完結しない3. 組織変更後の配当議案は、会社法上の分配可能額と91条2項の上限の両方でチェックし、低い方を採用4. 当局への事前相談の記録を残すこと、後年の検査で算定根拠を問われる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はないが、組織変更手続は86条以下の総代会決議、公告、債権者異議手続の各期間に拘束される。組織変更剰余金額は定款記載事項であるため、決議前に確定させる必要がある。手続違反を争う場合は、会社法上の組織変更無効の訴えの提訴期間(効力発生日から6か月、会社法828条)に注意(最新の改正状況をご確認ください)
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