感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の8(許可の基準)
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- 厚生労働大臣は、第五十六条の六第一項本文の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項本文の許可をしてはならない。
- 一所持の目的が検査、治療、医薬品その他厚生労働省令で定める製品の製造又は試験研究であること。
- 二二種病原体等取扱施設の位置、構造及び設備が厚生労働省令で定める技術上の基準に適合するものであることその他二種病原体等による感染症が発生し、又はまん延するおそれがないこと。
この条文の基本情報
許可の基準とは何ですか?
定義許可の基準とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の8に定められた規定で、「厚生労働大臣は、第五十六条の六第一項本文の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項本文の許可をしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の8(許可の基準)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の8の条文原文は「厚生労働大臣は、第五十六条の六第一項本文の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項本文の許可をしてはならない。」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の8は第二節 二種病原体等に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の8の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の7です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の8の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の9です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/56_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法56条の8は、二種病原体等の所持許可の基準として、所持目的が検査・治療・製造・試験研究であること、施設が省令の技術上の基準に適合しまん延のおそれがないことの二点を要求する。
Q · 病原体の所持許可って、研究の意義が大きければ通りやすくなるんですか?
なりません。目的の類型と施設の二点だけで判断されます
感染症法56条の8は、二種病原体等の所持許可について二つの基準しか置いていません。第一号は所持の目的が検査、治療、医薬品その他厚生労働省令で定める製品の製造、試験研究のいずれかであること。第二号は取扱施設の位置・構造・設備が厚生労働省令の技術上の基準に適合し、かつ感染症が発生・まん延するおそれがないことです。条文は「適合していると認めるときでなければ許可をしてはならない」という羈束的な書き方であり、研究の社会的意義や申請者の実績は審査項目に含まれません。
解説
病原体を「持っていてよいか」を決める審査基準が、たった二つの号に凝縮されている。あなたが大学の研究室で SARS コロナウイルスやポリオウイルスの保管を計画したとする。許可が下りるかどうかは、研究の学術的価値でも、あなたの業績でもない。厚生労働大臣が見るのは、(一)所持目的が検査・治療・製品製造・試験研究のいずれかに当たるか、(二)施設の位置・構造・設備が厚生労働省令の技術基準を満たし、かつ感染症が発生・まん延するおそれがないか、この二点だけである。しかも条文は「適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない」という羈束的な書き方をしている。大臣に裁量の余地はほぼなく、基準を満たせば許可を出す義務があり、満たさなければ出せない。これは申請者にとって両刃の剣だ。政治的な理由で落とされることはないが、省令の技術基準に一行でも届かなければ、どんなに社会的意義があっても門は開かない。そして技術基準の中身は、国会ではなく省令に委ねられている。
法的な位置づけ
感染症法56条の8は、二種病原体等の所持許可(同法56条の6第1項本文)に関する審査基準を定める規定である。所持目的が検査・治療・省令で定める製品の製造・試験研究のいずれかに該当すること(第一号)、及び取扱施設の位置・構造・設備が厚生労働省令の技術上の基準に適合し感染症のまん延のおそれがないこと(第二号)の双方を要件とし、厚生労働大臣の許可権限を羈束する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.所持目的が第一号の列挙類型に当たるか確認する 検査、治療、医薬品その他厚生労働省令で定める製品の製造、試験研究の四つのいずれかに自分の計画が当てはまるかを、申請書の記載と実際の運用の両面で確認する。目的外使用の予定があると許可の前提が崩れる
- 2.設計段階で施設基準への適合を事前相談する 厚生労働省の担当部署へ事前相談を入れ、第二号の技術上の基準に対する適合可否を建物の設計段階で確認する。完成後に不適合を指摘されると改修費は大きく膨らむが、図面段階なら修正で済む
- 3.まん延のおそれに対する独立評価書を準備する 第二号後半の「感染症が発生し、又はまん延するおそれがないこと」は省令チェックリストの外側にある評価である。周辺の人口密度、搬送経路、事故時対応手順をまとめたリスク評価書を申請者側から先に提出する
- 4.申請書を提出し標準処理期間を把握する 感染症法56条の7の記載事項に従い厚生労働大臣へ申請する。行政手続法6条に基づき公表されている標準処理期間を事前に確認し、事業計画・受託案件のスケジュールに反映させる
- 5.却下された場合は理由付記の特定性から検証する 却下通知書を受け取ったら、第一号で落ちたのか第二号で落ちたのか、第二号ならどの要素かを読み取る。特定されていなければ行政手続法8条違反として是正を求め、審査請求・取消訴訟・再申請のどれが早いかを比較する
よくある質問 AI による整理
Q1二種病原体等とは何ですか?
感染症法が危険度に応じて区分する病原体等のうち、所持が原則禁止ではなく厚生労働大臣の許可制に服する類型です。許可の審査基準を定めるのが56条の8です。
Q2二種病原体等の所持許可の基準は?
二つだけです。所持目的が検査・治療・省令で定める製品の製造・試験研究のいずれかであること、施設の位置・構造・設備が省令の技術基準に適合しまん延のおそれがないことです。
Q3所持許可はどこに申請しますか?
厚生労働大臣に対して申請します。根拠は感染症法56条の6第1項本文で、申請手続と記載事項は56条の7に定めがあります。56条の8はその審査基準です。
Q4病原体の所持許可は却下されることがある?
あります。目的が列挙類型に当たらない場合、施設が省令の技術上の基準に適合しない場合、まん延のおそれがあると評価される場合は、大臣は許可をしてはならないとされています。
Q5施設の立地は審査されますか?
されます。第二号は「位置、構造及び設備」を並列で挙げており、建物の性能だけでなく立地そのものが基準適合の判断対象です。住宅密集地などは論点になります。
Q6許可の技術上の基準はどこに書いてある?
条文本体ではなく厚生労働省令に委任されています。申請準備では省令の該当条項と自施設の仕様を逐一対照する作業が中心になります(最新の条番号をご確認ください)。
Q7許可が下りない理由を教えてもらえますか?
申請拒否処分には行政手続法8条により理由の提示が義務づけられています。第一号か第二号か、第二号のどの要素かが特定されない理由付記は争う余地があります。
Q8却下されたら不服申立てはできますか?
できます。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内が原則です。再申請との時間比較も含めて選択します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1研究目的なら基本的に許可されるんですか?
いいえ、目的要件(号一)は入口の一つにすぎません。試験研究に該当しても、号二の施設基準とまん延のおそれの評価を別途通る必要があります。実務のポイント:実務上、申請が通らない原因は目的側ではなく圧倒的に施設側に偏ります。申請準備の時間配分を、研究計画書よりも施設の図面・設備仕様・管理規程に寄せた方が合理的です
Q2省令の技術基準を全部満たせば必ず許可されますか?
条文上はそう読めません。号二は技術基準適合に加えて「その他二種病原体等による感染症が発生し、又はまん延するおそれがないこと」を並列に掲げています。実務上、この後半部分を独立要件と読むか技術基準の確認的記載と読むかは解釈が分かれていますが、立地や周辺環境が別途評価される余地は残ります。実務のポイント:チェックリスト外のリスク、たとえば周辺の人口密度や搬送経路の安全性について、申請者側から先に評価書を出しておくと審査が進みやすい
Q3却下されたら、もう一度申請するしかないんですか?
再申請以外に、審査請求と取消訴訟という二つの道があります(行政不服審査法、行政事件訴訟法)。本条は「適合していると認めるときでなければ許可をしてはならない」と大臣の裁量を絞っているため、適合を立証できれば争う余地があります。実務のポイント:施設の改修で基準適合が明確に作れるケースは、訴訟より再申請の方が速くて安い。争うべきは、改修では解決しない立地要件で落とされた場合です
間違えやすい点 AI による整理
- 「研究の社会的意義が大きければ考慮してもらえる」と考える研究者は多いが、本条の各号に意義は書かれていない。目的が列挙類型に該当するか、施設が省令基準に適合するか、判断材料はそれだけである。意義の説明に労力を割くより、施設の図面と設備仕様を詰める方が許可に近づく
- 本条が申請者を縛る規定だと読まれがちだが、実は大臣を縛る規定である。「適合していると認めるときでなければ許可をしてはならない」という形式は、逆に言えば適合していれば許可すべきことを意味する。大臣の自由裁量を否定しているのだから、基準適合を立証できた申請者は、却下されたときに行政訴訟で争う足場を持つ
- 二つの号のうち号二だけが技術的な話だと思われているが、号二の後半「その他二種病原体等による感染症が発生し、又はまん延するおそれがないこと」は省令基準とは別の独立した要件である。つまり省令の技術基準を形式的に全部満たしても、まん延のおそれがあると評価されれば許可されない。省令チェックリストを埋めれば終わり、という理解は危うい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 56条の8:許可の実体的審査基準(目的+施設) | 56条の6:許可制そのものの根拠規定 56条の9:許可の欠格事由(申請者の属性) |
| 審査の対象 | 所持の目的と取扱施設の位置・構造・設備 | 所持行為が許可を要するかどうか 申請者本人の欠格要件該当性 |
| 行政の裁量 | 羈束的(適合と認めるときでなければ許可不可) | 許可制の適用範囲の画定 該当すれば許可できない(消極要件) |
| 対比される規律 | 二種病原体等=許可があれば所持可能 | 56条の7:申請手続・記載事項 56条の3:一種病原体等=原則所持禁止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も感染性生物材料の保存・使用を主管機関への申請・許可制とし、設置場所と生物安全等級を審査対象とする点で日本と構造が近い
韓国も高危険病原体の反入・分譲・移転を許可制とし、取扱施設の設置基準を別途定める二層構造を採る
ドイツは病原体を扱う行為自体を許可制とし、申請者の専門的適格性(Sachkunde)を正面から要件化する点で、施設要件中心の日本法と力点が異なる
米国は規制対象病原体リストに基づく登録制で、施設の物理的セキュリティに加え取扱者個人の身元審査(SRA)を必須とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学の医学部が新興感染症の研究のため二種病原体等の所持許可を申請。実験室の BSL レベルは満たしているが、建物が住宅密集地に立地していた。号二の「位置」要件で不適合となり却下。研究計画の優秀さは審査項目に入っていない
- 製薬企業がワクチン製造のため病原体の所持を申請。目的は号一の「医薬品の製造」に明確に該当する。問題は施設側だけだと分かれば、交渉のリソースを施設改修に全集中できる。目的要件と施設要件のどちらで落ちているのかを特定することが、再申請戦略の出発点になる
- もし、却下通知が届いたのに理由が「基準不適合」の一行だけだったら? 行政手続法8条は申請拒否処分に理由の提示を義務づけている。号一か号二か、号二のどの要素かを明示しない理由付記は、それ自体が処分の取消事由になりうる
- 受託検査機関が検査目的で申請。目的は号一の「検査」に該当するが、下請け先の施設も含めて基準適合が問われる。審査期間中に新しい受託案件が決まっており、許可待ちは営業機会の喪失に直結する。標準処理期間を事前に把握しておかないと事業計画が崩れる
取るべき行動
被害を受けた側:許可を申請する立場で却下された場合。1. 却下通知書の理由付記を読み、号一(目的)と号二(施設・まん延のおそれ)のどちらで落ちたかを特定する2. 理由が抽象的なら、行政手続法8条の理由提示義務違反として是正を求める3. 号二の技術基準は厚生労働省令に定めがあるので、当該条項と自施設の仕様を逐一対照した反論資料を作る4. 審査請求(行政不服審査法)と取消訴訟(行政事件訴訟法)のどちらを先に選ぶか、再申請との時間比較も含めて検討する
訴えられた側:許可の基準に疑義があると指摘された施設管理者の立場で。1. 号一の目的要件は所持の実態と申請書の記載が一致しているかを確認、目的外使用は許可の前提を崩す2. 号二については省令の技術基準に加え、まん延のおそれという独立要件への評価にも備え、リスク評価書と事故時対応手順を整備する3. 施設の位置・構造・設備に変更が生じる場合は、許可の前提が変わるため事前に所管へ届出・相談する4. 監督上の処分に至る前段階で、改善計画を自発的に提出する方が処分リスクは下がる
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。却下処分を争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。許可申請の標準処理期間は行政手続法6条に基づき所管官庁が公表しているので、事業計画の前に確認すること(最新の公表内容をご確認ください)
学説
通説的理解:本条は「適合していると認めるときでなければ許可をしてはならない」という形式により大臣の自由裁量を否定する羈束規定と理解される。もっとも技術上の基準の当てはめや「まん延のおそれ」の評価には専門技術的判断の余地が残るとされる
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の6二種病原体等の所持許可の根拠
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の7許可申請の手続と記載事項
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の9許可の欠格事由、本条と並ぶ審査の関門
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の3一種病原体等の所持禁止との対比
- 行政手続法 第5条審査基準の設定・公表義務の一般法
- 行政手続法 第8条申請拒否処分における理由提示義務
- 行政事件訴訟法 第3条却下処分に対する取消訴訟の根拠
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