会社法 第4条(住所)
クイックジャンプ
会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。
この条文の基本情報
住所とは何ですか?
定義住所とは、会社法第4条に定められた規定で、「会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社法第4条(住所)は、日本の会社法に含まれる条文です。
- 会社法第4条の条文原文は「会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。」で始まります。
- 会社法第4条は第一章 通則に置かれています。
- 会社法の公布日は平成17年7月26日です。
- 会社法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 会社法第4条の前の条は会社法第3条です。
- 会社法第4条の次の条は会社法第5条です。
- 会社法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社法(平成十七年法律第八十六号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 - 本サイト収録
会社法(平成十七年法律第八十六号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000086/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社法4条は、会社の住所はその本店の所在地にあると定める。これにより会社を訴える裁判所や書類の送達先は、実際の営業地ではなく登記上の本店で決まる。
Q · 会社を訴えるとき、どこの裁判所に出せばいいの?実際に取引した店の近く?
原則は相手会社の登記上の本店所在地です
会社法4条により、会社の住所はその本店の所在地にあります。そのため会社を被告とする訴えは、原則として登記上の本店所在地を管轄する裁判所に提起します(民事訴訟法4条4項)。ただし金銭請求なら義務履行地(民訴5条1号)を理由に自分の地元を選べる余地があり、契約書に管轄合意(民訴11条)があればそれが優先します。基準は実際の営業地や支店ではなく、登記された本店です。
解説
たった一行のこの規定を、ほとんどの人は読み飛ばす。「会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする」。住所が本店、当たり前ではないか、と。だがこの一行が、あなたが通販で泣かされた相手企業をどこの裁判所で訴えられるか、裁判所からの書類がどこに届くか、その全部を静かに決めている。法人には生身の体がない。だから法は「本店の所在地」という一点を、その会社の法的な居場所と定めた。会社相手のトラブルで「どこで戦うか」は、原則として相手の本店がどこにあるかで決まる(民事訴訟法4条4項)。そして本店所在地は、誰でも登記簿で確認できる。つまり、あなたは訴える前から、戦場の座標を相手の登記簿で先に知ることができる。この一行を知っているかどうかで、会社を相手にするときの最初の一手が変わる。
法的な位置づけ
会社法4条は会社の住所を定める規定であり、会社の住所はその本店の所在地にあるものとする。これにより法人の法的な居場所が登記された本店所在地に一義的に確定し、普通裁判籍や各種書類の送達先など法律関係の基準点となる。実際の営業地や支店所在地ではなく、登記上の本店が住所とされる。
よくある質問 AI による整理
Q1会社の住所とは何ですか?
会社法4条により、会社の住所はその本店の所在地のことを指します。代表者個人の住所や支店の所在地ではなく、登記された本店が会社の法的な住所です。
Q2本店所在地と支店所在地はどちらが会社の住所ですか?
本店所在地です。支店で取引やトラブルがあっても、会社の住所はあくまで登記上の本店所在地であり、普通裁判籍もそこを基準に決まります(民訴4条4項)。
Q3会社の本店移転にはどんな手続きが必要ですか?
株主総会または取締役会の決議で本店を移転し、移転後2週間以内に本店移転の変更登記をします。同一市区町村内の移転かどうかで定款変更の要否が変わります。
Q4定款には本店をどこまで書く必要がありますか?
定款では最小行政区画(市区町村)まで書けば足ります(会社法27条)。番地まで必要なのは登記の段階です。この違いを知らないと不要な定款変更をしがちです。
Q5本店所在地は登記でいつ確定しますか?
設立登記の際に本店所在地を番地まで登記して確定します(会社法49条・911条)。会社は本店所在地で設立登記をすることにより成立します。
Q6会社の住所と代表者の住所は違いますか?
別物です。会社の住所は本店所在地(会社法4条)、代表者個人の住所は別に登記されます。会社を訴える管轄は会社の本店所在地が基準です。
Q7本店所在地を移すと管轄裁判所も変わりますか?
原則として変わります。会社の普通裁判籍は本店所在地を基準とするため、本店移転登記が完了すると、その会社を被告とする訴えの管轄裁判所も移ります。
Q8ペーパーカンパニーの本店でも訴えられますか?
登記上の本店を基準に訴えること自体は可能です。ただし本店が空き家や貸し住所だと訴状が送達できず手続が進まないことがあり、回収可能性も含めた事前確認が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ネット通販の会社とトラブルになりました。どこの裁判所で訴えればいいんですか?
原則は相手会社の本店所在地を管轄する裁判所です(民訴4条4項)。ただし会社相手だからといって必ず本店所在地に限られるわけではなく、代金返還など金銭請求の場合は義務履行地(民訴5条1号)を理由に別の裁判所を選べることがあります。実務のポイント:金銭の支払いは原則として債権者(あなた)の住所地が履行地になるため、これを使えば遠方の会社を自分の地元で訴えられる場合がある。少額訴訟ならなおさら、相手の本店まで遠征する必要はないことが多い
Q2相手の会社の本店がどこにあるか分からないのですが、調べられますか?
調べられます。会社の本店所在地は商業登記の公示事項で、法務局やオンラインの登記情報提供サービスで、誰でも登記事項証明書を取得できます。商号と大まかな所在地が分かれば検索可能です。実務のポイント:取得した本店が雑居ビルの一室や貸し住所サービスの住所だった場合、それは送達トラブルやペーパーカンパニーの予兆。訴える前にこの一枚を取るかどうかで、勝訴判決を取っても紙切れになるリスクを事前に見抜ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「トラブルがあった支店や、実際に取引した営業所の近くの裁判所で訴える」と考えがちだが、その問いの立て方自体がずれている。会社相手の原則的な管轄は、支店でも営業所でもなく登記上の本店所在地だ(民訴4条4項)。どこで困らされたかではなく、相手の登記がどこかが出発点になる
- 会社に住所があることは誰でも知っている。だがその住所が、裁判所をどこにするか、督促状や訴状がどこへ届くかという、会社の生死に関わる書類の送達先まで決めていることは見落とされがちだ。本店所在地は単なる連絡先ではなく、法的手続の入口そのものである
- 定款に本店の番地まで書く必要があると思っている人が多いが、定款では最小行政区画(市区町村)まで書けば足りる。番地まで必要なのは登記の段階だ。この違いを知らないと、本店を同じ市内で移すたびに定款変更が要ると誤解する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の機能 | 会社法4条:会社の住所を本店所在地と定義 | 会社法27条:定款の絶対的記載事項としての本店所在地 会社法911条:設立登記事項としての本店所在地 |
| 求められる記載の精度 | 住所=本店という一点(精度の指定なし) | 定款は最小行政区画(市区町村)まで 登記は番地まで特定が必要 |
| 効果が及ぶ場面 | 普通裁判籍・送達先など法律関係全般の基準点 | 定款の有効性・本店移転時の定款変更要否 会社の成立・対第三者対抗(登記の公示) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も『公司以其本公司所在地為住所』と定め、会社の住所を本公司(本店)所在地とする点で日本と同一の構造を採る
韓国商法も会社の住所を本店所在地とする。日本の商法を継受した規律で、普通裁判籍の基準となる点も共通する
ドイツは会社の Sitz(本拠)を定款で定め登記する構造。日本の本店所在地概念の源流であり、住所を一点に固定する発想を共有する
米国では会社の domicile は原則として設立準拠州に置かれ、別途 principal place of business が管轄等で考慮される。単一の制定法ではなく州法と判例で扱いが分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 通販サイトで買った商品が不良品で、運営会社が返金に応じない。相手の本店は北海道、あなたは沖縄。この場合、どこの裁判所に訴えればいい? 原則は相手の本店所在地、つまり北海道だ(民訴4条4項)。ただし代金返還という義務の履行地(民訴5条1号)を理由に、自分の地元の裁判所を選べる余地も残っている。出発点を間違えると、いきなり遠征試合を強いられる
- 会社を設立しようとしている。定款には本店の最小行政区画(市区町村)まで書けば足りるが、登記には番地まで必要だ。この違いを知らずに、同じ市内で本店を移すたびに定款変更が要ると思い込む人は多い
- あなたの会社が遠方の取引先から訴えられそうだ。相手は原則としてあなたの本店所在地の裁判所に訴えることになる。だが契約書に管轄合意(民訴11条)があれば話は別だ。訴状が届く前に、自社に有利な管轄合意があったか確認する時間は、もう何日も残っていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手企業の正式な商号と本店所在地を登記簿(登記情報提供サービスでオンライン取得可)で確定する2. 原則の管轄は相手の本店所在地(民事訴訟法4条4項)。ただし代金支払地・不法行為地などの特別裁判籍(民訴5条)で、自分の地元を選べないか検討する3. 契約書に管轄合意があればそれが優先されるので、契約書を読み返す4. 本店が実在し送達可能かを訴える前に確認、ペーパーカンパニーなら回収可能性まで含めて戦略を立てる
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、まず訴えられた裁判所が自社の本店所在地か、契約上の管轄合意に沿っているかを確認する2. 不適切な管轄なら、第一回口頭弁論期日で本案について弁論する前に管轄違いの抗弁・移送申立て(民訴16条、17条)を出す。これを過ぎると応訴管轄が成立し争えなくなる3. 本店を移転したら遅滞なく移転登記をする。怠ると旧住所への送達が有効とされ、知らぬ間に欠席判決を受けるリスクがある4. 登記上の本店と実際の事業所が違うなら、郵便の受領体制を整えておく
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。会社を相手とする請求の時効は、その請求の根拠による(契約上の債権なら民法166条で原則5年または10年、不法行為なら民法724条・724条の2で3年または5年)。なお訴訟での管轄違いの抗弁は、第一回口頭弁論期日において本案について弁論をする前に行う必要がある(民訴12条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:会社法4条は会社の住所を本店所在地に一義的に固定する規定であり、取引の安全と手続の予測可能性を確保する。住所は単一であり、複数の営業所を有していても住所は本店所在地のみとされる。実態の中心地が本店と異なる場合の調整は、特別裁判籍(民訴5条)や管轄合意(民訴11条)に委ねられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定 従来は商法に置かれていた会社の住所規定を、新設された会社法の第4条として整理・条文化した。会社法は平成18年(2006年)施行。住所を本店所在地とする実質的な内容は商法時代から維持されている
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:会社法の制定に伴い、従来は商法に置かれていた会社の住所に関する規律を会社法第4条として整理・条文化した。会社法は平成18年(2006年)施行。住所を本店所在地とする実質的内容は商法時代から維持されている。
- 会社法 第27条定款の絶対的記載事項としての本店所在地
- 会社法 第49条本店所在地での登記により会社が成立
- 会社法 第911条設立登記事項としての本店所在地
- 民事訴訟法 第4条法人の普通裁判籍を本店所在地で画定
- 民法 第22条自然人の住所の一般原則、本条はその法人版
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める