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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

会社法 第596条(業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任)

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業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

この条文の基本情報

業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任とは何ですか?

定義業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任とは、会社法第596条に定められた規定で、「業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 会社法第596条(業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任)は、日本の会社法に含まれる条文です。
  2. 会社法第596条の条文原文は「業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」で始まります。
  3. 会社法第596条は第二節 業務を執行する社員に置かれています。
  4. 会社法の公布日は平成17年7月26日です。
  5. 会社法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 会社法第596条の前の条は会社法第595条です。
  7. 会社法第596条の次の条は会社法第597条です。
  8. 会社法第596条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式会社法(平成十七年法律第八十六号)第596条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086
  • 本サイト収録会社法(平成十七年法律第八十六号)第596条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000086/596

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点会社法596条は、持分会社の業務執行社員が任務を怠り会社に損害を与えたとき、連帯して全額を会社に賠償する責任を定める。出資額までの有限責任とは別の内部責任である。

Q · 合同会社は有限責任なのに、社長が会社に賠償することがあるって本当ですか?

会社の外には有限責任、会社の中には連帯・全額の賠償責任です

本当です。会社法596条により、持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)の業務執行社員が任務を怠って会社に損害を与えた場合、当該社員は他の業務執行社員と連帯して、その損害の全額を会社に賠償する責任を負います。出資額までの有限責任が及ぶのは会社外部の債権者に対してだけで、会社自身に対する内部責任には金額の上限がありません。共同経営で相手のずさんな経営により会社に損害が出れば、自分も業務執行社員である限り連帯して穴を埋める立場になりえます。

解説

Amazon も Apple も Google も、日本法人の正体は「合同会社」である。設立費用が安く、決算公告も役員任期もなく、近年の起業で最も選ばれる器だ。だがその手軽さの陰で見落とされるのが、この596条である。業務を執行する社員、つまり実質的な経営者が、その任務を怠って持分会社に損害を与えたとき、連帯して、すなわち全員が全額を肩代わりする形で、会社に賠償しなければならない。「合同会社は有限責任だから安心」という理解は、会社の外、つまり取引先や債権者に対しては正しい。だが会社の中、会社自身に対しては、その盾は効かない。仲間と二人で合同会社を立ち上げ、相手がずさんな経営で会社に穴を開ければ、あなたはその穴を会社に対して連帯で埋める立場になりうる。手軽さに惹かれて選んだ器が、いつのまにかあなた個人の財布と直結している。

法的な位置づけ

会社法596条は、持分会社の業務執行社員の対会社責任を定める規定である。業務を執行する社員が善管注意義務等の任務を怠り、これによって持分会社に損害が生じた場合に、当該社員は他の業務執行社員と連帯して損害賠償責任を負う。社員の有限責任が及ぶのは会社外部の債権者に対してであり、本条が定める会社内部の責任には金額の上限がない点に特徴がある。

手順

  1. 1.設立時の定款で「業務執行社員になるか」を真っ先に決める 共同事業の出資交渉の段階で、定款上の業務執行社員の範囲を確認・設計する。出資のみで経営にタッチしない方針なら、会社法590条・591条に基づき自分を業務執行社員から外す旨を定款に明記させ、596条の責任の射程から外す
  2. 2.重要な意思決定での反対意見を必ず記録に残す 危険な経営方針に反対したなら、その反対意見を議事録・書面・チャット履歴で客観的に残す。後で他の社員の暴走により会社へ損害が出て連帯責任を問われたとき、『任務を尽くして反対した』記録が連帯の輪から自分を切り離す物証になる
  3. 3.退任時に在任中の責任範囲を会社と確認書で精算する 業務執行社員を退任しても在任中の任務懈怠責任は消滅時効完成まで残る。退任登記とあわせ、会社との間で『在任中の業務につき責任を精算した』旨の確認書を交わし、後年の蒸し返しに備える
  4. 4.損害を発見したら証拠を保全し請求相手を戦略的に選ぶ 会社または他の業務執行社員として損害を発見したら、発生時期・原因・関与者を特定し帳簿・契約書・メールを保全する。関与社員が複数なら連帯責任なので、最も資力のある者を含め全員に全額請求でき、誰を主たる相手にするか選べる

よくある質問 AI による整理

Q1業務執行社員とは何ですか?

持分会社で実際に会社の業務を執行する社員を指します。原則は全社員ですが、定款で特定の社員に限定できます(会社法590条・591条)。596条の責任主体はこの業務執行社員です。

Q2持分会社と株式会社の違いは何ですか?

持分会社は社員相互の信頼に基づく人的会社で、所有と経営が一致します。合同会社・合名会社・合資会社の総称です。株式会社は所有と経営が分離し、出資者は株主として有限責任を負う物的会社です。

Q3合同会社の社員は誰でも賠償責任を負いますか?

596条の責任を負うのは業務を執行する社員です。出資のみで業務執行を行わない社員は、定款でその旨を定めていれば本条の責任主体になりません。誰が業務執行社員かを定款で確認することが重要です。

Q4任務懈怠とはどういう状態ですか?

業務執行社員が善管注意義務(会社法593条)など負うべき任務を尽くさなかった状態です。積極的な不正だけでなく、必要なチェックを怠る不作為も任務懈怠になりえます。

Q5業務執行社員を定款で限定できますか?

できます。会社法590条・591条により、定款で業務執行社員を特定の社員に限定できます。出資のみの社員にとどまれば、596条の責任の射程から外れます。

Q6合同会社の代表社員の責任は重いですか?

代表社員も業務執行社員であるため596条の対象です。会社全体の業務を統括する立場上、任務懈怠を問われる場面が広く、監視義務の範囲も大きくなりがちです。

Q7持分会社の社員の損害賠償に時効はありますか?

本条固有の時効はなく、債務不履行に類する責任として民法166条の一般時効(知った時から5年、行使できる時から10年)が適用されると解されます。退任後も時効完成まで追及されえます。

Q8一人合同会社でも596条は適用されますか?

条文上は適用されますが、平時は会社に代わり請求する他者がいません。ただし会社が破産すると破産管財人が会社に代わって任務懈怠を追及するため、一人会社でも責任が顕在化します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1合同会社って有限責任のはずなのに、なんで社長個人が会社に賠償するんですか?

有限責任が効くのは『会社の外』、つまり取引先や債権者に対してだけです。会社の外には出資額以上払わなくてよい。しかし596条が定めるのは『会社自身に対する』内部の責任で、これには上限がありません。両者はまったく別の配線です。実務のポイント:有限責任を『何があっても出資額まで』と丸ごと理解している経営者がほとんどで、弁護士はあえて先に指摘しません。会社に損害を出した瞬間、内側の無限責任が立ち上がる。共同経営の前にここを知っているかどうかで、出資契約の組み方が根本から変わります

Q2業務執行社員を辞めれば、それまでの責任も全部チャラになりますか?

なりません。退任は将来の任務から外れるだけで、在任中の任務懈怠による596条の責任は退任後も残り、消滅時効が完成するまで追及されえます。退任登記をしても帳簿上の責任は消えません。実務のポイント:実務では、退任のときに会社との間で『在任中の業務につき責任の精算をした』旨の確認書を交わすかどうかが決定的です。この一枚があるかないかで、二年後三年後に古い損失を蒸し返されたときの守りがまったく違う。円満退任のときこそ書面を残すのが玄人の動きです

Q3連帯してって、自分が直接やってない損失まで払わされるんですか?

連帯責任とは、関与した業務執行社員それぞれが全額の責任を負い、会社はその中の誰からでも全額を回収できる仕組みです。払った人が後で他の社員に求償します(負担割合の精算は社員同士の内部問題)。ただし、あなたが任務を尽くし懈怠がなければ、そもそも責任主体に入りません。実務のポイント:『自分は知らなかった』が通るかは、あなたに監視の任務がどこまであったかで決まります。危険な方針に反対した記録、議事録に残した一行の反対意見が、連帯の輪から自分を切り離す唯一の物証になります

間違えやすい点 AI による整理

  • 「合同会社は有限責任だから、何があっても出資額以上は払わない」と信じている人が圧倒的に多い。だがこの理解が正しいのは『会社の外』、つまり債権者に対してだけだ。『会社の内』、会社自身に対する596条の責任には上限がない。あなたから見れば同じ『責任』でも、法律は外側の責任と内側の責任をまったく別の配線で扱っている。この落差を知らないまま共同経営に踏み込むと、想定外の全額負担に潰される
  • 「業務執行社員の責任なんて、自分が悪いことをしなければ関係ない」と思われがちだが、596条が問うのは『任務を怠ったか』であって悪意の有無ではない。共同経営者の暴走を見て見ぬふりした、必要なチェックを怠った、その不作為も任務懈怠になりうる。何もしなかったことが責任を生むという深刻さを、多くの社員は分かっていない
  • 「連帯責任とは、損害をみんなで頭割りで分担すること」という誤解が根強い。実際の連帯責任は、各人がそれぞれ全額を負う。会社は関与者の中から最も資力のある一人を選んで全額請求でき、払った社員が後で他の社員に求償する。頭割りは社員同士の内部の話で、会社はそれに付き合う義務がない
比較の観点この条文ほかの条文
責任の相手方会社法596条:持分会社(会社自身)に対する責任会社法597条:第三者(取引先・債権者)に対する責任
会社法423条:株式会社に対する取締役の責任
適用される会社類型持分会社(合同・合名・合資会社)持分会社(業務執行社員)
株式会社(取締役・執行役等)
責任の根拠となる義務善管注意義務・忠実義務の懈怠(会社法593条)職務を行うについての悪意または重過失
善管注意義務・忠実義務の任務懈怠(会社法330条・355条)
連帯性業務執行社員間で連帯して全額責任悪意・重過失ある社員が連帯して責任
複数取締役が関与すれば連帯して責任

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第23条

台湾は会社負責人の忠実義務と注意義務違反による会社への損害賠償責任を定める。会社類型を問わず負責人一般に及ぶ点で射程は広いが、内部責任という構造は本条と共通する。

韓国
상법 제287조의20

韓国の有限責任会社(유한책임회사)における業務執行者の会社に対する責任規定。日本の合同会社に近い器で、善管注意義務違反による損害賠償という枠組みが類似する。

ドイツ
GmbHG § 43

ドイツの有限会社(GmbH)業務執行者の責任。業務執行者は通常の商人の注意をもって職務を行う義務を負い、違反すれば連帯して会社に損害賠償責任を負う点が本条と構造的に対応する。

アメリカ
Revised Uniform Limited Liability Company Act § 409

米国 LLC のメンバー・マネージャーの忠実義務(duty of loyalty)と注意義務(duty of care)を定める。州により採用状況は異なるが、内部に対する受認者責任という発想は共通する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたが友人と二人で合同会社を立ち上げ、経理を任せた相棒がずさんな帳簿管理で取引先への支払いを焦がし、会社に数百万円の損失が出たとしたら? あなたも業務執行社員なら、596条で会社に対し連帯して賠償する責任を負いうる。「経理は相手に任せていた」は、それだけでは免責の理由にならない。任せた側にも監視の任務があったと見られる
  • 合同会社の業務執行社員の一人が会社の資金を私的に流用していた。他の社員がそれに気付いたとき、会社(または会社のために他の社員)は596条で当該社員に損害賠償を請求できる。複数が任務懈怠に関与していれば、連帯責任だから関与者全員に全額を請求できる。誰から取るかは請求する側が選べる
  • 一人だけの合同会社では、業務執行社員はあなた自身。会社に損害を与えても請求してくる「他者」はいない。だが会社が行き詰まり破産手続が始まれば、破産管財人が会社に代わって596条であなた自身の任務懈怠を追及する。一人会社の安心は、破産管財人が就いた瞬間に消える
  • 退任した元業務執行社員のあなた。在任中の判断ミスが、辞めて二年後に発覚した。「もう辞めたから関係ない」と思いきや、退任は在任中の任務懈怠責任を消さない。消滅時効が完成するまで、何年も後ろから追及されうる。在任時の記録を捨てた頃に、請求書が届く

取るべき行動

被害を受けた側:1. あなたが会社、または他の業務執行社員として損害を発見したら、まず損害の発生時期・原因・関与者を特定し、帳簿・契約書・メール・チャット履歴を保全する。任務懈怠の立証はこの記録が命2. 関与した業務執行社員が複数なら、連帯責任なので最も資力のある者を含め全員へ請求できる。誰を主たる相手にするか戦略的に選ぶ3. 当該社員が会社財産を私的流用していた場合、596条の損害賠償に加え不当利得返還(民法703条)も併用4. 任務懈怠が会社全体に及ぶなら、社員の除名(会社法859条)や持分払戻しとあわせ、弁護士と回収全体像を設計する

訴えられた側:1. まず『自分に任務懈怠があったか』を冷静に検証する。経営判断の失敗すべてが懈怠ではない。当時の情報で合理的に判断していれば、結果的な損失でも責任を免れうる(経営判断の原則) 2. 他の社員の行為による損害なら、自分が監視義務を尽くしたか、反対の記録があるかを確認し、連帯の輪からの離脱を主張3. 損害額が過大なら、因果関係(自分の懈怠とその損害の結び付き)を争う4. 退任を検討中でも在任中の責任は残るため、退任時に会社と責任範囲の確認書を交わしておく

時効(請求できる期限):本条に固有の時効はないが、債務不履行に類する責任として一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できると知った時から5年、または権利を行使できる時から10年)が適用される。起算点は損害および責任原因を会社が知った時。退任しても在任中の懈怠責任はこの時効が完成するまで追及されうる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:会社法596条の責任は、社員と持分会社との委任類似の関係を基礎とする債務不履行責任の性質を持つ。善管注意義務(会社法593条)違反すなわち任務懈怠と、それによる会社の損害、両者の因果関係が要件となり、悪意の有無ではなく注意義務違反の有無が問われると解される。

経営判断原則の援用説:取締役について確立した経営判断の原則は、業務執行社員の任務懈怠の判断にも類推適用されうるとし、判断過程・内容に著しい不合理がなければ結果的損害だけで責任を負わせるべきでないとする立場。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成17年(2005年) 新設:会社法制定により、従来商法・有限会社法に分散していた会社規律を統合。持分会社制度を新設し、業務執行社員の対会社責任を596条として明文化した。

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会社法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 業務を執行する社員

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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