会社法 第604条(社員の加入)
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- 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。
- 2.持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。
- 3.前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。
この条文の基本情報
社員の加入とは何ですか?
定義社員の加入とは、会社法第604条に定められた規定で、「持分会社は、新たに社員を加入させることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社法第604条(社員の加入)は、日本の会社法に含まれる条文です。
- 会社法第604条の条文原文は「持分会社は、新たに社員を加入させることができる。」で始まります。
- 会社法第604条は第一節 社員の加入に置かれています。
- 会社法の公布日は平成17年7月26日です。
- 会社法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 会社法第604条の前の条は会社法第603条です。
- 会社法第604条の次の条は会社法第605条です。
- 会社法第604条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社法(平成十七年法律第八十六号)第604条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 - 本サイト収録
会社法(平成十七年法律第八十六号)第604条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000086/604
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社法604条は持分会社の社員の加入の効力発生時期を定める。原則は定款変更時に効力が生じるが、合同会社では出資の払込みを完了した時に社員となる。
Q · 持分会社の社員になるのは、お金を払った時ですか、それとも定款を変えた時ですか?
原則は定款変更時、合同会社だけは払込み完了時に社員になる
会社法604条により、持分会社(合名・合資・合同会社)への社員の加入は、原則として当該社員に係る定款の変更をした時に効力を生じます(同条2項)。ただし合同会社は例外で、定款変更をした時点で出資の払込み又は給付の全部を履行していない場合、その払込み又は給付を完了した時に初めて社員となります(同条3項)。合同会社の社員は有限責任であり、出資未履行のまま地位だけを得て資本が空洞化するのを防ぐ趣旨です。
解説
「社員を加入させる」と聞いて求人や採用を思い浮かべたなら、その瞬間にもう一つ誤解している。会社法でいう「社員」とは従業員ではなく出資者、つまり会社のオーナーの一員のことだ(株式会社でいう株主に近い、責任を負う側の立場)。持分会社(合名会社・合資会社・合同会社の三種)では、誰がオーナーかは定款に名前で書き込まれている。だから新しいオーナーを一人加えるには、定款という会社の根本ルールを書き換えなければならない。604条は「いつオーナーになるのか」の発効タイミングを定める。原則は定款を変更した瞬間。ただし合同会社(GK)だけは例外で、出資金を全額払い込むまで社員にはなれない。合同会社の社員は有限責任、つまり出資した分しか責任を負わないので、払込が未完了のまま地位だけ手に入れられたら、会社の債権者が泣くからだ。この一段か二段かの違いが、あなたが「いつ責任を負う側に立つのか」を決める。
法的な位置づけ
会社法604条は持分会社における社員の加入の効力発生時期を定める規定である。加入は原則として当該社員に係る定款の変更をした時に効力を生じるが、合同会社の場合は、定款変更時に出資が未履行であれば、その払込み又は給付の全部を完了した時に社員となる特則が置かれている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.加入する会社の種類を最初に特定する 合名・合資会社(無限責任を負う可能性)か、合同会社(有限責任)かを確認する。種類によって社員になる時期も負う責任も全く異なるため、最初に必ず確認する
- 2.加入前の会社債務を書面で確認する 特に合名会社では加入前に生じた会社債務まで605条で負うため、直近の貸借対照表・未払債務・保証債務の一覧を書面で出させる。出し渋るなら危険信号とみなす
- 3.総社員の同意による定款変更を整える 新社員の加入には原則として総社員の同意による定款変更が必要(637条)。定款に別段の定めがあるか確認し、同意書面と変更後の定款を準備する
- 4.合同会社なら出資の全額払込みを最後に実行する 合同会社では払込み完了まで社員にならない(604条3項)点を逆手に取り、会社の最終状態を見極めてから振込を実行して地位の発効タイミングを自分で握る
- 5.効力発生から2週間以内に変更登記する 社員の加入は変更登記事項。効力が生じた時(合同会社は払込み完了時)から2週間以内に変更登記を申請する(915条1項)。登記の起算点を誤らないよう注意する
よくある質問 AI による整理
Q1持分会社の社員の加入には何が必要ですか?
原則として総社員の同意による定款変更が必要です(会社法637条)。社員の氏名や出資は定款の記載事項であり(576条)、新社員を加えるには定款を書き換えなければなりません。
Q2合同会社で出資を払い込まないとどうなりますか?
社員になれません。会社法604条3項により、定款変更時に出資が未履行なら、払込み又は給付の全部を完了した時に初めて社員の地位を得ます。それまでは利益配分や経営参加の根拠も生じません。
Q3社員の加入は登記が必要ですか?
必要です。社員の加入は変更登記事項であり、効力が生じた時から2週間以内に変更登記をしなければなりません(会社法915条1項)。合同会社では払込み完了時が起算点になります。
Q4合名会社と合同会社で社員になる時期が違うのはなぜですか?
責任形態が違うためです。合名会社の社員は無限責任なので定款変更時に加入が確定しますが、合同会社の社員は有限責任のため、出資未履行のまま地位だけ得ると資本が空洞化し債権者を害するからです。
Q5社員の加入に登録免許税はかかりますか?
社員の加入による変更登記には登録免許税が必要です。合同会社で出資額(資本金)が増える場合は資本金の額に応じた税額となるため、加入前に司法書士へ確認するのが安全です。
Q6社員の加入は途中から撤回できますか?
効力が生じる前なら、定款変更の同意を撤回することで加入を止められる余地があります。合同会社では払込み前であれば社員でないため、振込を実行しない限り地位は確定しません。
Q7持分会社の社員と株式会社の株主は何が違いますか?
株主は出資割合に応じた有限責任で持分は原則自由譲渡ですが、持分会社の社員は定款に氏名が記載され、加入・退社に定款変更を要し、合名・合資では無限責任を負う点が大きく異なります。
Q8社員の加入契約書には何を盛り込むべきですか?
出資の種類・額・履行時期、定款変更の同意、責任範囲(605条の加入前債務を含むか)、加入の効力発生時期、変更登記の分担を明記し、後の紛争を防ぐのが実務上重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「社員」って、要するに従業員のことじゃないんですか?
全く違います。持分会社の「社員」は出資者・経営参加者、つまりオーナー側で、定款に氏名が記載されます(会社法576条)。従業員は「労働者」であって会社法上の社員ではありません。実務のポイント:この用語の混同は法律相談の現場で頻発します。契約書に「社員として迎える」とあったら、それが雇用なのか出資参加なのかを真っ先に確認しないと、労働法で守られる話なのか、会社の責任を背負う話なのかが180度変わります。
Q2合同会社に出資すると言ったのに、まだ社員じゃないと言われました。なぜ?
合同会社では、定款変更をしても出資の払込・給付を全部完了するまで社員になりません(604条3項)。合同会社の社員は有限責任なので、出資未完了のまま地位だけ得るのを防ぐ仕組みです。実務のポイント:逆に言えば、払込が終わるまで社員の責任も権利も発生しません。これを使い、会社の最終状態を見極めてから振込を実行し、地位の発効タイミングを自分で握る、という実務上の安全策があります。
Q3友人の合名会社に社員として入りますが、過去の借金は関係ないですよね?
大いに関係あります。加入した社員は、加入前に生じた会社の債務についても弁済責任を負います(605条)。合名会社の社員は無限責任なので、個人財産まで及びます。実務のポイント:勧誘する側はこの既存債務リスクを自分からは説明しないことが多い。加入契約の前に、必ず直近の貸借対照表と未払債務・保証債務の一覧を書面で出させること。出し渋るなら、それ自体が危険信号です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「社員になる」という言葉で給料をもらう従業員になると考えていたなら、問いの立て方そのものがずれている。持分会社の社員とは出資者・経営参加者であり、雇われる側ではなく雇う側、責任を負う側だ。労働基準法ではなく会社法が適用される世界に足を踏み入れることになる。
- 「お金を払えば自動的に社員になれる」と思いがちだが、原則は逆だ。合名・合資会社では定款を変更しなければ、いくら出資しても社員にはなれない。逆に合同会社では、定款変更だけでなく出資の全額払込まで完了して初めて社員になる(604条2項・3項)。どちらの会社かで「社員になる瞬間」がまるで違う。
- 途中加入した社員が会社の既存債務まで負うことは、なんとなく聞いたことがあるかもしれない。だがその深刻さを多くの人は分かっていない。合名会社の社員は無限責任。加入前に会社が背負っていた借金に対し、あなたの自宅も預金も差押えの対象になる(605条)。「自分は新参者だから関係ない」は一切通用しない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 604条:社員の加入の効力発生時期 | 605条:加入社員の加入前債務に対する責任 637条:定款変更(原則として総社員の同意) |
| 効力が生じる時点 | 原則は定款変更時、合同会社は払込み完了時 | 加入の効力発生に連動して責任が発生 総社員の同意が整った時に定款変更が成立 |
| 加入者への影響 | いつオーナー(社員)になるかが確定 | 加入前に会社が負った債務まで弁済責任を負う 1名でも反対すれば原則として加入できない |
| 実務上の注意点 | 合同会社は払込みタイミングを安全弁に使える | 合名会社は加入前に債務一覧の確認が必須 定款に別段の定め(多数決等)があるか要確認 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も無限公司への新社員加入には全体社員の同意と章程(定款)変更を要する点で日本の合名会社に近い。合同会社に相当する有限責任の人的会社類型は存在しない。
韓国は合名会社の社員入社を商法で規律し、加入社員の加入前債務への責任も日本605条と類似する。日本のような合同会社固有の払込み主義規定は商法体系上の位置づけが異なる。
ドイツは人的会社(OHG)への社員加入と、加入社員が加入前の会社債務にも責任を負う点(§130)を商法で定める。持分会社制度の母法的位置づけにある。
米国はパートナーシップへの社員加入を全パートナーの同意に係らしめる。合同会社に近いLLCは別途Uniform Limited Liability Company Actが規律し、出資と地位の関係はoperating agreementに委ねられる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 友人が立ち上げた合同会社に「一緒にやろう」と誘われ、社員として加わることにした。だが定款変更だけでは足りず、あなたは出資金を全額払い込んで初めて正式な社員になる(604条3項)。払込を済ませない限り、対外的にはまだオーナーではなく、利益配分や経営参加の法的根拠も宙に浮いたままだ。
- もし、あなたがすでに借金を抱えた合名会社に途中から社員として加わったら? あなたは加入前に会社が負った債務についても、個人の全財産で弁済責任を負う(605条)。入る前に会社の負債を確認しないと、加入に同意した瞬間、他人が積み上げた借金まで背負わされる。
- 取引先の合同会社に「新しい社員が加わった」と聞いた。だがその人物が出資払込を完了していなければ、まだ正式な社員ではない。誰が本当の責任主体か、定款変更と払込の両方を確認する。
- あなたの合同会社に出資して社員になる予定の人が、定款変更だけ先に済ませ、出資の振込を後回しにしている。総会で増資を計上したいのに決算期まであと10日。払込が完了するまでその人は社員にならず、社員資本の構成が確定しない。
取るべき行動
被害を受けた側:加入を勧められた側として動く。1. 会社の種類を確認:合名・合資(無限責任の可能性)か合同(有限責任)か。2. 直近の決算書と債務・保証債務の一覧を要求、特に合名会社なら加入前債務も605条で背負うので必須。3. 定款変更の総社員の同意(637条)が整っているか確認。4. 合同会社なら、払込完了まで社員にならない点(604条3項)を逆手に取り、振込前に会社の状況を最終確認してから入る。
訴えられた側:受け入れる既存会社の側として動く。1. 新社員の加入には原則として総社員の同意による定款変更が必要(637条)、定款に別段の定めがあるか確認。2. 合同会社では新社員の出資払込が完了するまで社員の地位は生じない(604条3項)ので、払込確認を徹底。3. 加入は変更登記事項なので、効力発生から2週間以内に登記(915条)。4. 加入社員の責任範囲(605条)を加入契約書で明確化し、後のトラブルを防ぐ。
時効(請求できる期限):加入それ自体に消滅時効はない。ただし社員の加入は変更登記事項であり、変更が生じた時から2週間以内に変更の登記をしなければならない(会社法915条1項)。合同会社では出資の払込完了時が加入時期となるため、登記の起算点に注意(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:604条2項は持分会社共通の原則として加入の効力を定款変更時に固定し、誰がいつ責任主体となるかを外部から確認可能にする。3項は合同会社の有限責任に対応し、出資の払込み完了を社員加入の要件とすることで資本維持と債権者保護を図る、と理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定 従来は商法に置かれていた合名会社・合資会社の社員加入規定を、持分会社制度として会社法に統合し新設。特に3項の合同会社における払込完了を社員加入の要件とする規定は、合同会社(日本版LLC)の創設に伴う新規ルールである
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:会社法制定。従来商法に置かれていた合名会社・合資会社の社員加入規定を持分会社制度として統合。3項の合同会社における払込み完了を加入要件とする規定は、合同会社(日本版LLC)創設に伴う新規ルールである。
- 会社法 第576条定款に社員の氏名・出資を記載する義務
- 会社法 第605条加入した社員の加入前債務に対する責任
- 会社法 第637条定款変更は原則として総社員の同意を要する
- 会社法 第578条合同会社設立時の全額払込主義との対応
- 会社法 第915条社員加入による変更登記の義務
- 商業登記法 第118条持分会社の社員加入の登記手続(現行効力を要確認)
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