受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

会社法 第855条(被告)

クイックジャンプ

前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。

この条文の基本情報

被告とは何ですか?

定義被告とは、会社法第855条に定められた規定で、「前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 会社法第855条(被告)は、日本の会社法に含まれる条文です。
  2. 会社法第855条の条文原文は「前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。」で始まります。
  3. 会社法第855条は第三節 株式会社の役員の解任の訴えに置かれています。
  4. 会社法の公布日は平成17年7月26日です。
  5. 会社法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 会社法第855条の前の条は会社法第854条です。
  7. 会社法第855条の次の条は会社法第856条です。
  8. 会社法第855条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式会社法(平成十七年法律第八十六号)第855条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086
  • 本サイト収録会社法(平成十七年法律第八十六号)第855条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000086/855

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点会社法855条は、役員解任の訴えの被告を株式会社と当該役員の双方と定める。両者をそろえない訴えは固有必要的共同訴訟の要件を欠き、不適法として却下される。

Q · 不正をした役員を解任の訴えで訴えるとき、被告は誰にすればいいの?

会社と当該役員の両方を被告にする必要があります

会社法855条により、役員解任の訴えでは「当該株式会社」と「解任対象の役員」の双方を被告としなければなりません。これは固有必要的共同訴訟であり、片方だけを被告にした訴状は、内容を審理される前に不適法として却下されます。30日の出訴期間(854条)と相まって、被告を一人書き忘れた瞬間に、勝てる事案でも土俵に上がれず敗れることがあります。

解説

共同創業した会社で、もう一人の取締役が会社の金を私的に流用している。株主総会で解任動議を出したが、その本人と親族で過半数を握られていて否決された。万策尽きた、と思うのは早い。会社法854条はこういうときのために「役員解任の訴え」を用意している。だが多くの人が最初の一歩で転ぶ。855条が定めるのは、この訴えを起こすとき誰を被告にするか。答えは「会社と、その役員の両方」である。片方だけを訴えると、訴え自体が却下される。これは固有必要的共同訴訟(会社と役員の両者をそろえて初めて訴訟が成立する形)と呼ばれ、会社だけ、あるいは役員だけを被告にした訴状は、中身を審理される前に門前払いになる。あなたが勝てる事案を握っていても、被告を一人書き忘れた瞬間、30日の出訴期間(854条)を空費して敗れることがある。

法的な位置づけ

会社法855条は、役員解任の訴え(854条1項)における被告適格を定める規定であり、当該株式会社及び解任の対象となる役員の双方を被告とすべき旨を規律する。これは固有必要的共同訴訟に当たり、両被告をそろえることが訴え提起の適法要件となる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.株主総会の否決を議事録で確定する 解任議案を株主総会に上程し、否決された事実とその日付を議事録に明確に記載させる。この否決日が854条の30日出訴期間の起算点になるため、記録が曖昧だと起算点を争われる
  2. 2.原告適格(3% 要件・保有期間)を確認する 自分の議決権または発行済株式が3% 以上か、公開会社なら6か月前から継続保有しているかを株主名簿で確認する。要件を欠くと当事者適格を欠き却下される
  3. 3.被告を「会社+役員」の双方でそろえる 訴状の被告欄に当該株式会社と解任対象の役員の両方を記載する。これが固有必要的共同訴訟の絶対条件であり、片方だけでは不適法却下となる
  4. 4.本店所在地の地裁に30日以内に提訴する 会社の本店所在地を管轄する地方裁判所(856条の専属管轄)に、株主総会の否決日から30日以内に訴状を提出する。管轄違いや期間徒過は最初の反撃材料になる

よくある質問 AI による整理

Q1役員解任の訴えの被告は誰ですか?

会社法855条により「当該株式会社」と「解任対象の役員」の双方が被告です。会社だけ、役員だけを被告にした訴えは却下されます。

Q2固有必要的共同訴訟とは何ですか?

複数の者を全員そろえて初めて訴訟が成立する形態です(民訴40条)。役員解任の訴えは会社と役員の双方をそろえなければ不適法となります。

Q3役員解任の訴えはどこの裁判所に出しますか?

会社の本店所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄です(会社法856条)。他の裁判所に出しても職権で移送されます。

Q4被告を一人書き忘れたら訴えはどうなりますか?

固有必要的共同訴訟の要件を欠き不適法却下となります。出訴期間内に被告を追加できなければ、内容を審理されないまま終わります。

Q5役員解任の訴えはいつまでに起こせますか?

株主総会で解任議案が否決された日から30日以内です(会社法854条1項)。これを過ぎた提訴は不適法となります。

Q6役員解任の訴えを起こせる株主の要件は?

総株主の議決権または発行済株式の3% 以上を保有し、公開会社では6か月前から継続保有していることが必要です(会社法854条)。

Q7解任認容判決が確定したら登記はどうなりますか?

裁判所書記官が職権で解任の登記を嘱託します(会社法937条1項1号ヌ)。当事者が別途登記申請をする必要はありません。

Q8解任の訴えで会社側と役員側の弁護士は同じでいいですか?

会社と被告役員の利害が対立する場合は別個の代理人が必要です。特にその役員が経営権を握る会社では利害が一致しません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1役員だけを訴えればいいと思ってたんですが、なぜ会社まで被告にするんですか?

役員解任の判決の効力は役員と会社の双方に直接及ぶからである。会社の役員という地位を裁判で外す以上、会社自身も当事者として手続に関与させる必要がある。両者をそろえないと訴えは却下される(会社法855条、民事訴訟法40条の固有必要的共同訴訟)。実務のポイント:会社側代理人と被告役員の利害は一致しないことがあり、特にその役員が経営権を握る会社では、会社の代理人が事実上役員寄りに動く。原告はこのズレを突く

Q2株主総会で否決されたあと、30日を過ぎたらもう無理ですか?

原則として無理である。会社法854条の30日を過ぎた提訴は不適法却下になる。ただし起算点は「役員解任議案が否決された株主総会の日」なので、その総会の特定と議事録の記載が争点になることがある。実務のポイント:否決の事実が議事録に明確に残っていないと起算点そのものが争え、まれに救済の余地が生まれる。逆に役員側は議事録を整えて起算点を固め、30日経過の主張を盤石にする。総会の議事録一枚が出訴期間の生死を分ける

間違えやすい点 AI による整理

  • 「悪いことをした役員を訴えるのだから、被告はその役員一人だろう」という前提そのものが誤っている。会社法855条は会社も被告に含めることを要求する。問いを「誰が悪いか」で立てると間違える。正しい問いは「この訴訟の効力を誰に及ぼす必要があるか」である
  • 「株主総会で否決されたら、もう解任の道はない」と思われがちだが、まさにその否決こそが854条の訴えの入口になる。多数派が握る会社でも、3%以上の株式を持つ少数株主は裁判所に解任を求められる
  • 役員解任の訴えができること自体は知っていても、被告を間違えると却下されるという深刻さを知らない人が多い。これは単なる書式ミスではなく、固有必要的共同訴訟という訴訟の構造そのものに関わる。30日の出訴期間と相まって、やり直しが効かない
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割855条:解任の訴えの被告適格(会社+役員)854条:解任の訴えの実体要件と30日出訴期間
856条:本店所在地の地裁による専属管轄
間違えたときの帰結被告の欠落=固有必要的共同訴訟の要件欠如で不適法却下30日経過=出訴期間徒過で不適法却下
管轄違い=職権で本店所在地の地裁へ移送
誰のための規律か判決効を会社と役員の双方に及ぼすため濫用的な解任訴訟から経営の安定を守るため
会社をめぐる紛争を一つの裁判所に集約するため

他国ではどう定めているか 2 か国

台湾
公司法第200条

台湾も少数株主が裁判所に董事の解任を請求できる制度を持つ。被告構成や持株要件・期間の細目は会社法854〜856条と差異がある。

韓国
상법 제385조 제2항

韓国も株主総会で解任が否決された場合に少数株主が裁判所に理事解任を請求できる。被告・期間要件は日本と類似するが細目は異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 株主総会で解任が否決されてから、あなたに残された時間は30日。この間に「会社」と「その役員」の双方を被告とする訴状を本店所在地の地裁に出さなければならない。被告を会社だけにした訴状を29日目に提出し、不備に気付いたときには出訴期間が過ぎている、これが典型的な敗け方である
  • もし訴状の被告欄に役員本人の名前を書き忘れたら、どうなる? 裁判所が釈明を促すこともあるが、出訴期間内に被告を追加できなければ不適法却下。中身がどれだけ正しくても、土俵に上がれないまま終わる
  • あなたが取締役で、少数株主から解任の訴えを起こされた側だとする。訴状には会社とあなた個人が並んで被告になっている。会社の代理人とあなた個人の代理人、利害が一致しないなら別々の弁護士が必要になる場面もある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 株主総会で解任が否決された事実を議事録で確定し、否決の日を出訴期間の起算点として押さえる2. 自分の持株が議決権または発行済株式の3%以上か確認(公開会社なら6か月以上の継続保有も要件、854条) 3. 訴状の被告を「会社」と「当該役員」の二者でそろえる、これが固有必要的共同訴訟の絶対条件4. 本店所在地の地裁(856条の専属管轄)に、株主総会の日から30日以内に提訴5. 不正の行為または法令・定款違反の重大な事実の証拠を固める

訴えられた側:1. 訴状が会社と自分の双方を被告にしているか確認、片方しか被告にしていなければ当事者適格を欠く不適法却下を主張できる2. 出訴期間(株主総会の日から30日)を過ぎた提訴なら、その一点で却下を求める3. 提訴株主が3%要件・保有期間要件を満たすか精査4. 実体面では、解任理由とされる「不正の行為・重大な法令定款違反」の不存在を立証5. 会社側代理人と自分の利害が対立する場合は別個の代理人を検討

時効(請求できる期限):株主総会の日(解任議案が否決された総会)から30日以内に提訴しなければならない(会社法854条1項)。この期間を過ぎた提訴は不適法となる。提訴株主は議決権または発行済株式の3%以上を、公開会社では6か月前から引き続き保有していることも要件(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:会社法855条の役員解任の訴えは、会社と役員の双方を被告とする固有必要的共同訴訟であり、判決効を双方に合一に及ぼす必要があることから、両者をそろえることが適法要件となる。片方を欠く訴えは当事者適格を欠き不適法却下される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成17年(2005年) 新設:会社法の制定に伴い、旧商法下の役員解任の訴えに関する規律を整理・統合し、被告を会社及び役員の双方とする旨を明文化した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

会社法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節 株式会社の役員の解任の訴え

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›