資金決済に関する法律 第91条(利用者からの苦情に関する対応)
クイックジャンプ
- 認定資金決済事業者協会は、前払式支払手段、資金移動業、電子決済手段等取引業、暗号資産交換業又は電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の利用者から会員の行う前払式支払手段の発行の業務、資金移動業、電子決済手段等取引業若しくは暗号資産交換業又は電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者の行う電子決済手段・暗号資産サービス仲介業に関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員又は当該電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
- 2.認定資金決済事業者協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員又は当該電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
- 3.会員又は電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者は、認定資金決済事業者協会から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
- 4.認定資金決済事業者協会は、第一項の申出、苦情に係る事情及びその解決の結果について会員又は電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者に周知させなければならない。
- 5.第一項の規定は、認定資金決済事業者協会が第九十九条第一項の規定による指定を受けている場合において、第一項の申出が当該指定に係る紛争解決等業務の種別に関する苦情に係るものであるときは、適用しない。
この条文の基本情報
利用者からの苦情に関する対応とは何ですか?
定義利用者からの苦情に関する対応とは、資金決済に関する法律第91条に定められた規定で、「認定資金決済事業者協会は、前払式支払手段、資金移動業、電子決済手段等取引業、暗号資産交換業又は電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の利用者から会員の行う前払式支…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 資金決済に関する法律第91条(利用者からの苦情に関する対応)は、日本の資金決済に関する法律に含まれる条文です。
- 資金決済に関する法律第91条の条文原文は「認定資金決済事業者協会は、前払式支払手段、資金移動業、電子決済手段等取引業、暗号資産交換業又は電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の利用者から会員の行う前払式支…」で始まります。
- 資金決済に関する法律第91条は第五章 認定資金決済事業者協会に置かれています。
- 資金決済に関する法律の公布日は平成21年6月24日です。
- 資金決済に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 資金決済に関する法律第91条の前の条は資金決済に関する法律第90条です。
- 資金決済に関する法律第91条の次の条は資金決済に関する法律第92条です。
- 資金決済に関する法律第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/421AC0000000059 - 本サイト収録
資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/421AC0000000059/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点資金決済法91条は、認定資金決済事業者協会が利用者から苦情の申出を受けたとき、相談・助言・調査を行い、会員に苦情を通知して迅速な処理を求める義務を定める。
Q · 電子マネーや暗号資産取引所の対応に納得できないとき、運営以外に苦情を言える場所はある?
会員企業なら業界の協会に苦情を申し出られ、会社は説明を拒めない
資金決済法91条により、認定資金決済事業者協会は利用者からの苦情申出に対し、相談に応じて助言し、事情を調査し、会員企業に苦情を通知して迅速な処理を求めなければなりません。協会は会員に文書・口頭の説明や資料提出を求めることができ、会員は正当な理由なく拒めません(同条2項・3項)。ただし協会に返金を命じる権限はなく、拘束力ある解決には指定紛争解決機関や訴訟が必要です。
解説
PayPay の残高、ゲームの課金石、交通系 IC のチャージ、暗号資産取引所の口座。トラブルが起きたとき、多くの人の選択肢は「運営のサポート窓口に問い合わせて、定型文の返信を待つ」の一つだけである。だが資金決済法91条は、運営会社の上にもう一つ窓口を用意している。認定資金決済事業者協会(金融庁が認定した業界の自主規制団体)だ。あなたが苦情を申し出れば、協会は相談に乗って助言し、事情を調べ、会員企業にその苦情を通知して「速やかに処理せよ」と求めなければならない。さらに協会は会員に文書や口頭での説明、資料の提出を求めることができ、会員は正当な理由なくこれを拒めない。サポート窓口では「規約に基づき対応いたしかねます」で終わった話が、業界団体経由だと、会社側は説明責任を負った状態で再検討を迫られる。ただし協会は裁判所ではなく、返金を命じる力はない。使える場面と限界を知っている人だけが、この窓口を本当に使いこなせる。
法的な位置づけ
資金決済法91条は、認定資金決済事業者協会による苦情処理を定める規定であり、前払式支払手段、資金移動業、電子決済手段等取引業、暗号資産交換業等の利用者からの苦情について、協会に相談・助言・調査・会員への通知および迅速な処理の要請を義務付け、会員に対する説明・資料提出の求めと、会員の正当な理由なき拒否の禁止を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠を保存する 事業者のサポートとのやり取り、取引履歴、残高画面、アカウント凍結通知などをスクリーンショットや PDF で保存する。日時と金額が確認できる形にしておく
- 2.事業者の登録区分と所属協会を確認する 金融庁の登録業者一覧や協会のウェブサイトで、事業者が前払式支払手段発行者・資金移動業者・暗号資産交換業者などのどれにあたり、どの認定協会の会員かを確認する
- 3.時系列表を作って協会に申し出る 経緯、求める対応、事業者の回答を日付順に一枚にまとめ、協会の相談窓口に苦情として申し出る。感情的な表現より事実の列挙を優先する
- 4.協会経由の回答を記録し次の手段を判断する 協会を通じて得た事業者の説明を保存する。解決しない場合は、指定紛争解決機関の手続や訴訟、消費生活センターへの相談を検討し、その材料として用いる
よくある質問 AI による整理
Q1認定資金決済事業者協会とは何ですか?
資金決済法に基づき金融庁が認定した業界の自主規制団体です。電子マネー、資金移動業、暗号資産交換業などの事業者が会員となり、利用者からの苦情処理も担います。
Q2暗号資産 出金できない どこに相談?
まず取引所の窓口に問い合わせ、解決しなければ取引所が加盟する認定協会へ苦情を申し出られます。協会は会社に事情を通知し、迅速な処理を求めます。
Q3ゲーム 課金 返金 どこに相談すればいい?
ゲーム内通貨が前払式支払手段にあたり、発行会社が認定協会の会員なら協会に苦情を申し出られます。消費生活センターへの相談も並行して検討できます。
Q4協会への苦情申出は誰でもできる?
前払式支払手段、資金移動業、暗号資産交換業などの利用者であれば申し出られます。ただし相手の事業者が協会の会員(または仲介業者)であることが前提です。
Q5協会は事業者に返金させられる?
できません。91条が定めるのは相談・助言・調査・通知・迅速な処理の要請と説明要求までで、返金を命じる権限はありません。強制力は ADR や訴訟にあります。
Q6事業者は協会の調査を拒否できる?
正当な理由がなければ拒めません。協会が求める文書・口頭の説明や資料提出について、資金決済法91条3項が会員の拒否を禁じています。
Q7協会の苦情処理に期限はある?
91条自体に申出期限はありません。ただし事業者への返金請求権は民法の消滅時効にかかり、前払式支払手段の残高には有効期限がある場合もあります。
Q8苦情の結果は公表される?
協会は申出の内容、事情、解決結果を会員に周知しなければなりません(91条4項)。業界内で前例として共有される仕組みですが、一般公表の範囲は協会の運用によります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協会に苦情を出すのって、お金かかるんですか?
協会の相談・苦情受付は利用者向けの窓口として運営されており、一般に費用はかからない。協会は申出に対し相談・助言・調査・会員への通知を行う義務を負う(資金決済法91条1項)。実務のポイント:協会への申出は「会社に説明させる」ための手段として使うと効く。感情的な文章より、日時・金額・会社の回答を並べた一枚の時系列表のほうが、協会も会社に具体的な照会をかけやすい
Q2協会に言っても会社が無視したら、意味ないんじゃないですか?
会員は協会からの説明や資料提出の求めを、正当な理由なく拒めない(91条3項)。ただし協会に返金を命じる力はなく、最終的な強制力は ADR や裁判にある。また協会が指定紛争解決機関の指定を受けている業務の種別では、本条1項ではなく紛争解決等業務の手続で扱われる(同条5項)。実務のポイント:協会への照会は、会社にとっては監督官庁の目が近づくサインでもある。協会を通した途端に、担当部署が変わって回答内容が変わるのは珍しくない
間違えやすい点 AI による整理
- 「協会に言えば返金させてくれる」と期待する人がいるが、91条が協会に課しているのは相談・助言・調査・通知・迅速な処理の要請までである。会社に返金を命じる権限はない。強制力が欲しいなら、指定紛争解決機関(金融 ADR)の手続か、訴訟に進む必要がある
- 苦情窓口の存在は知っていても、その威力を軽く見ている人が多い。協会は会員に説明や資料の提出を求めることができ、会員は正当な理由なく拒めない(91条2項・3項)。さらに協会は苦情とその解決結果を会員全体に周知する(同条4項)。会社にとっては、業界内で前例として共有されるという無言の圧力になる
- 「どの会社にも使える」という前提がそもそも誤っている。本条の対象は協会の「会員」と電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者だけである。非会員の事業者、無登録の海外業者には協会の手が届かない。問いの出発点は「何を言うか」ではなく「その会社は会員か」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 担い手 | 91条:認定資金決済事業者協会(業界の自主規制団体) | 99条以下:指定紛争解決機関(金融 ADR) 51条の2・63条の12等:事業者自身の苦情処理・紛争解決措置 |
| 主な手段 | 相談・助言・調査・会員への通知と迅速な処理の要請、説明・資料提出の要求 | 紛争解決手続(あっせん等)による解決 事業者内部の苦情処理体制、ADR 機関との契約等 |
| 強制力 | 返金を命じる権限なし。会員は説明・資料提出を正当な理由なく拒めない | 手続上の応諾義務などが事業者に課される仕組み 事業者の自主対応に依存 |
| 適用関係 | 協会が指定を受けた紛争解決等業務の種別の苦情には1項不適用(5項) | 指定を受けた業務の種別の苦情・紛争を扱う 各業の登録事業者に義務付け |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は事業者への申訴を前置し、法定の金融消費評議中心が評議を行う一元型。業界団体による苦情処理を主軸とする日本とは構造が異なる
韓国は電子金融事業者に紛争処理手続の整備を義務付け、金融監督院の紛争調停制度と併存する
ドイツは監督官庁 BaFin への苦情申立てと裁判外紛争解決を法定し、公的機関主導の色彩が強い
米国は CFPB が消費者苦情を受け付け、事業者に回答を求める連邦機関型の仕組み
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ゲームの課金石3万円分が、アカウント凍結と同時に消えた。運営からの返信は「規約違反のため」の一行だけ。どこを違反したのか、もう一度聞いても答えはない。ゲーム内通貨は多くの場合「前払式支払手段」にあたり、発行会社が協会の会員なら、91条の苦情申出のルートが開いている
- 暗号資産取引所で出金が2週間止まっている。あと5日で家賃の引き落とし日だ。サポートには10回メールを送ったが、返ってくるのは自動返信だけ。こうなったとき、取引所が加盟する自主規制団体に苦情を申し出て、会社側に説明を求めてもらうという手が、まだ使える
- あなたが中小の電子マネー事業者でカスタマー対応の責任者をしているとしたら? ある朝、協会から「利用者から苦情の申出があった、経緯を文書で説明されたい」と通知が届く。91条3項により、正当な理由なく拒むことはできない。社内で握りつぶした問い合わせが、業界団体の机の上に載った瞬間である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事業者のサポートとのやり取り、取引履歴、残高画面をスクリーンショットで保存する2. 事業者が何の登録業者か(前払式支払手段発行者、資金移動業者、暗号資産交換業者など)と、どの協会の会員かを金融庁の登録一覧や協会サイトで確認する3. 協会の相談窓口に、経緯・求める対応・会社の回答を時系列で整理して申し出る4. 解決しなければ、指定紛争解決機関や訴訟を検討する。協会経由で得た会社の説明はその材料になる
訴えられた側:1. 協会から説明・資料提出の求めが来たら、期限内に誠実に応じる。正当な理由なく拒むことは本条3項で禁じられている2. 社内の問い合わせ記録と判断根拠を整理し、規約のどの条項に基づく判断かを具体的に示す3. 協会照会を受けた案件は、同種苦情の再発防止として社内の対応フローを見直す。周知(4項)により業界内の前例になりうる
時効(請求できる期限):本条に特定の期限はないが、事業者に対する返金等の請求権には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。前払式支払手段の残高には有効期限が設定されていることがあるため、規約の期限を先に確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 新設:資金決済に関する法律の制定により、認定資金決済事業者協会による苦情処理の仕組みが設けられた
- 2.平成28年(2016年) 改正:仮想通貨交換業の制度創設に伴い、苦情処理の対象業務に仮想通貨交換業が加わった
- 3.令和元年(2019年) 改正:「仮想通貨」の呼称が「暗号資産」に改められた
- 4.令和4年(2022年) 改正:電子決済手段等取引業の制度創設に伴い、対象業務に電子決済手段等取引業が加わった
- 5.令和7年(2025年) 改正:電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の創設に伴い、仲介業者も苦情処理の対象に加えられた(施行状況は要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める