供託所ニ於ケル事務ハ法務局若ハ地方法務局若ハ此等ノ支局又ハ此等ノ出張所ニ勤務スル法務事務官ニシテ法務局又ハ地方法務局ノ長ノ指定シタル者カ供託官トシテ之ヲ取扱フ
要点供託法 1 条ノ 2 は、法務局長等が指定した法務事務官が供託官として供託事務を取り扱うと定める。供託官は独任制の行政庁であり、受理・却下を自己の名で判断する。
Q · 供託を受け付けるか断るかは、結局だれが決めているの?
局長ではなく、指定された供託官ひとりが決めます
供託法 1 条ノ 2 により、供託所の事務は、法務局・地方法務局およびその支局・出張所に勤務する法務事務官のうち、法務局長または地方法務局長が指定した者が「供託官」として取り扱います。供託官は自己の名で受理・却下を判断する独任制の行政庁であり、窓口で上席や局長に掛け合っても処分は変わりません。不服がある場合は、供託官を経由して監督法務局または地方法務局の長へ審査請求を行います(同法 1 条ノ 3、1 条ノ 4)。
大家が家賃の受け取りを拒み、あなたは法務局の窓口に弁済供託の書類を出す。ここで受理するか却下するかを決めているのは、法務局という組織でも、その局長でもない。法務局・地方法務局とその支局・出張所に勤める法務事務官のうち、局長が名指しで指定した者が「供託官」として、自分の名で判断を下す。本条が作り出しているのは、この一人官庁である。意味は二つある。第一に、却下されたとき窓口で上席や局長に掛け合っても処分は覆らない。局長が動けるのは審査請求が正式に上がってきたときだけで、そこで初めて供託官に相当の処分を命じられる。第二に、供託官の審査は提出書面の形式審査にとどまると解されている。受理されても、あなたの言い分が法的に正しいと国が認めたわけではない。受理印は勝訴判決ではない。
供託法 1 条ノ 2 は、供託事務の担当者を定める組織規定である。法務局・地方法務局およびその支局・出張所に勤務する法務事務官のうち、法務局長または地方法務局長の指定を受けた者が、供託官として供託事務を取り扱う。供託官は独任制の行政庁であり、受理および却下の処分を自己の名で行う。
法務局・地方法務局およびその支局・出張所に勤務する法務事務官のうち、法務局長または地方法務局長の指定を受けて供託事務を取り扱う者です(供託法 1 条ノ 2)。自己の名で処分を行う独任制の行政庁です。
法務局・地方法務局とその支局・出張所が供託所とされ、そこに指定された供託官が置かれます。管轄は供託の種類ごとに異なるため、事前に窓口で確認してください。
まず却下の理由を書面で受け取り、書式不備なら補正して再提出します。法解釈の争いなら、却下した供託官を経由して監督法務局または地方法務局の長へ審査請求します(供託法 1 条ノ 3、1 条ノ 4)。
監督法務局または地方法務局の長宛てですが、提出は却下した供託官を経由して行います。供託官が理由ありと認めれば自ら処分を改めることもあります(供託法 1 条ノ 5)。
提出書面に基づく形式審査にとどまると解されています。実体的な権利関係を調査する権限はないため、受理されても供託が有効と国が確定させたわけではありません。
受理は形式審査の結果にすぎません。供託原因の有無や供託の有効性は後の民事訴訟で改めて争われ、無効と判断されれば未払い扱いに戻ります。
却下は行政処分なので取消訴訟の対象になります。出訴期間は処分を知った日の翌日から 6 か月、処分の日から 1 年です(行政事件訴訟法 14 条)。
日本の供託事務は裁判所ではなく法務局の供託官が扱います。台湾や韓国のように提存所・공탁관を裁判所に置く国とは所属が異なります。
供託が有効であれば弁済したのと同じ効果が生じます(民法494条)。ただし供託官が受理したことと、供託が有効であることは別問題です。供託官の審査は書面上の形式審査にとどまると解されており、供託原因(受領拒絶、受領不能、債権者不確知)が本当にあったかは後の民事訴訟で争えます。業界裏話ヒント:受領拒絶を理由に供託するなら、その前に現実の提供をした証拠を必ず残す。振込の記録や内容証明での支払通知がないと、供託自体が無効とされて未払い扱いに戻る。
なりません。供託所の事務を扱うのは局長が指定した供託官であり、供託官が自分の名で判断する独立した行政庁だからです(供託法1条ノ2)。局長が動けるのは、審査請求を受けて理由があると認めたときに供託官へ相当の処分を命じる場面です(同1条ノ6)。業界裏話ヒント:審査請求書は却下した供託官を経由して出す(同1条ノ4)。理由が通れば局長に届く前に供託官自身が処分を改めることがあり(同1条ノ5)、上に上げるより早く終わる場合がある。
審査請求については、供託法1条ノ7により行政不服審査法の審査請求期間の規定が適用されないと解されており、期間の制限なく申し立てられるとされています。ただし取消訴訟の出訴期間は処分を知った日の翌日から6か月(行政事件訴訟法14条)で、こちらは止まりません。業界裏話ヒント:期間制限がないからと放置すると、供託金の払渡請求権自体が10年で時効消滅する(民法166条1項2号)。争える権利と、取り戻せるお金は別の時計で動いている。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 定める内容 | 供託法 1 条ノ 2:供託事務を取り扱う者(供託官)の指定 | — |
| 登場する主体 | 法務局長・地方法務局長(指定する側)と法務事務官(指定される側) | — |
| 利用者が動く場面 | 誰が受理・却下を決めるかを把握する段階 | — |
| 処分を動かす力 | 供託官が自己の名で処分(局長は直接覆せない) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。
以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。