要点供託法1条の7は、法務局または地方法務局の長が審査請求を理由ありと認めたとき、供託官に相当の処分を命じなければならないと定める規定である。
Q · 供託官に断られたとき、法務局長に審査請求すれば供託してもらえるの?
法務局長は自ら受理せず、供託官に処分を命じます
供託法1条の7第1項により、法務局または地方法務局の長は、審査請求を理由ありと認めたとき、または不作為に係る処分をすべきものと認めたときは、供託官に相当の処分を命じなければなりません。監督庁が自分で供託を受理するのではなく、あなたを断ったその供託官が命令に従って改めて処分をします。命令には拘束力がありますが、手続は一往復増えます。第2項では、不作為に係る申請を却下すべきと判断されたとき、却下処分を命ずることになります。
供託官に申請を断られた人の多くは、そこで諦めるか、いきなり弁護士に訴訟を相談する。だが供託の世界には、その手前にもう一段ある。監督する法務局または地方法務局の長への審査請求だ。本条は、その審査請求を受けた法務局長が「請求人の言い分に理由がある」と判断したとき何をするかを定める。独特なのは、法務局長が自分で供託を受理してくれるわけではない点である。法務局長は供託官に「相当の処分をせよ」と命じるだけで、実際に供託を受け付けるのは、あなたを断ったその供託官だ。さらに第2項が曲者である。供託官が何の応答もしない不作為を争ったとき、法務局長が「その申請は却下されるべきだ」と考えれば、却下処分を出すよう命じる。あなたは不作為を争って、却下という紙を受け取ることになる。負けたように見えるが、そこで初めて取消訴訟の的が生まれる。
供託法第1条の7は、供託官の処分または不作為についての審査請求に対する、法務局長または地方法務局長の裁決の効果を定める規定である。監督庁は自ら供託を受理するのではなく、供託官に相当の処分を命ずる形式をとる。第2項は、不作為に係る申請を却下すべきものと認めるときにも、却下処分を命ずべきことを定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
供託官がした却下などの処分や、応答しない不作為について、監督する法務局または地方法務局の長に是正を求める行政上の不服申立てです。訴訟の前段階に置かれた手続にあたります。
宛先は監督法務局または地方法務局の長ですが、提出は処分をした供託官を経由します。経由の段階で供託官自身が判断を改め、相当の処分をしてしまう道も残されています。
本条自体に期限の定めはありません。処分が存続する限り申立てができると解する実務が有力ですが、期間制限の適用関係には争いがあるため、早期に提出するのが安全です。
すぐではありません。法務局長がするのは供託官への命令までで、実際の受理は供託官が行います。命令に拘束力はありますが、手続は一往復増える構造です。
裁決に不服があれば取消訴訟を検討します。裁決があったことを知った日から6か月、裁決の日から1年が出訴期間です(行政事件訴訟法14条)。期間管理が最優先になります。
供託が成立しない間、法律上は賃料未払いの状態が続きます。審査請求と並行して支払意思を書面で示し、契約解除の理由を自分で育てないための対応が必要です。
争えます。営業保証金や仮差押えの担保金の取戻しも供託官の処分であり、本条の審査請求の対象です。担保取消決定の正本など添付書類の不備が原因のことも少なくありません。
代理人強制はなく本人でも申し立てられます。ただし求める処分を具体的に特定して書く必要があるため、司法書士や弁護士が関与すると命令の主文が具体化しやすくなります。
戻ります。本条1項で法務局長がするのは供託官への命令までで、実際の処分は供託官が行います。命令には拘束力があるので供託官は従う義務を負います。業界裏話ヒント:命令の主文がどこまで具体的かで、その後の処理速度が変わります。審査請求書の段階で「受理して供託書正本を交付せよ」「還付を認可せよ」と求める処分を特定して書いておくと、命令が具体化し、蒸し返しが減ります。
そのままでは取消訴訟の対象になる処分が存在しません。不作為についての審査請求をして、本条2項で却下処分を命じさせれば処分が生まれ、行政事件訴訟法14条の出訴期間が動き出します。業界裏話ヒント:却下を引き出すのは一見敗北ですが、司法審査への入口です。不作為の違法確認訴訟(行政事件訴訟法3条5項)と併走させ、どちらが先に動くかを見る戦い方もあります。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰が動くか | 監督法務局・地方法務局の長が供託官に処分を命ずる | — |
| 手続上のタイミング | 審査請求が上級庁に上がり、裁決される段階 | — |
| 出てくる文書 | 供託官への命令、その後の供託官による新たな処分 | — |
| 不作為への効き方 | 2項で却下処分を命じ、司法審査の対象となる処分を発生させる | — |
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