旅館業法 第7条
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- 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、又は当該職員に、旅館業の施設に立ち入り、その構造設備若しくはこれに関する書類を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 2.都道府県知事は、旅館業が営まれている施設において次条第三項の規定による命令をすべきか否かを調査する必要があると認めるときは、当該旅館業を営む者(営業者を除く。)その他の関係者から必要な報告を求め、又は当該職員に、旅館業の施設に立ち入り、その構造設備若しくはこれに関する書類を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 3.当該職員が、前二項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
- 4.第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 旅館業法第7条は、日本の旅館業法に含まれる条文です。
- 旅館業法第7条の条文原文は「都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、又は当該職員に、旅館業の施設に立ち入り、その構造設備若しくはこれに…」で始まります。
- 旅館業法の公布日は昭和23年7月12日です。
- 旅館業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 旅館業法第7条の前の条は旅館業法第6条です。
- 旅館業法第7条の次の条は旅館業法第7条の2です。
- 旅館業法第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第7条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000138 - 本サイト収録
旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000138/7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点旅館業法7条は、都道府県知事が営業者や無許可業者に報告を求め、職員に施設の立入検査と質問をさせる権限を定める。職員には証票の提示義務があり、犯罪捜査には使えない。
Q · 保健所は予告なしに旅館や民泊へ立入検査に来られるの?
法律上の予告義務はなく、無通知で来ることもある
旅館業法7条には、立入検査の事前通知を義務付ける規定がありません。都道府県知事(保健所)は、営業者のほか無許可で営業する者(2項)にも報告を求め、施設の構造設備や書類を検査できます。ただし職員は身分を示す証票を携帯し、求められれば提示しなければなりません(3項)。また、この権限を犯罪捜査に使うことは許されません(4項)。物理的な強制はできませんが、検査の拒否や妨害には罰則があります。
解説
保健所の職員は、予約なしで旅館やホテルの施設に入り、浴槽の構造や宿泊者名簿を見て、従業員に質問できる。根拠が旅館業法7条である。1項は許可を受けた営業者が対象、2項は許可を持たずに宿泊業をしている者が対象である。2項は無許可民泊の急増を受け、平成29年(2017年)の改正で加わった。以前は無許可業者に法律上の調査権限が届かない穴があり、その穴が塞がれた。ここで押さえるべき点が二つある。一つ目は、職員が身分証(証票)を見せずに入ろうとしたら、あなたは提示を求められる(3項)。二つ目は、この検査は衛生行政のためのもので、犯罪捜査に使ってはならない(4項)。つまり令状なしの家宅捜索ではない。職員はあなたを押しのけて入ることまではできない。ただし拒めば罰金の対象になる。「拒否はできるが高くつく」という構造を知っていれば、検査当日に慌てず、記録を残しながら協力するのが一番安全だと分かる。
法的な位置づけ
旅館業法7条は、旅館業に対する行政調査権限を定める規定である。都道府県知事は、法の施行に必要な限度で営業者その他の関係者から報告を徴収し、職員に施設の構造設備・関係書類の検査と質問をさせることができる。2項は無許可営業者にも調査を及ぼす。証票の提示義務と犯罪捜査目的の否定が権限行使の限界となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.職員の証票を確認し記録する 保健所の職員が訪れたら、まず身分を示す証票の提示を求め、氏名・所属・訪問日時を記録する(7条3項)。提示を待つことは検査拒否には当たらない
- 2.検査の目的と範囲を確認する 1項(営業者)と2項(無許可営業の疑い)のどちらに基づく調査か、どの設備・書類が対象かを確認する。対象は構造設備とそれに関する書類に限られることを意識する
- 3.設備と書類を提示し質問に答える 浴槽・換気・客室などの設備を案内し、宿泊者名簿や水質検査記録などの書類を提示する。物理的な妨害や虚偽の回答は罰則の対象となるため避ける
- 4.回答内容と提出書類の控えを残す 答えた内容、提出した書類の写し、職員の指摘事項を当日中に整理して保存する。後の改善指導や行政処分への対応で根拠資料になる
- 5.指摘事項に対応し、必要なら専門家に相談する 改善の指摘には期限内に対応して報告する。犯罪捜査に近い質問を受けたと感じた場合や、無許可営業を指摘された場合は、弁護士または行政書士に速やかに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1旅館業法の立入検査とは何ですか?
保健所の職員が旅館やホテルに入り、浴槽などの構造設備や宿泊者名簿などの書類を確認し、関係者に質問する行政調査です。根拠は旅館業法7条です。
Q2保健所の立入検査では何を見られますか?
条文上の対象は施設の構造設備とそれに関する書類です。実務では浴槽の換水・水質検査記録、換気や採光の状態、宿泊者名簿などが確認されます。
Q3無許可民泊は保健所にバレますか?
近隣住民の通報や予約サイトの掲載情報から発覚する例が多くあります。2017年改正後は、無許可営業者も7条2項による報告徴収・立入検査の対象です。
Q4立入検査の職員が身分証を見せないときはどうすればいい?
7条3項に基づき証票の提示を求められます。提示されるまで入室を待ってもらうことは正当な対応であり、それだけでは検査拒否になりません。
Q5保健所から報告を求められたら必ず出さないといけない?
報告をしない場合や虚偽の報告をした場合は罰則の対象になります。期限や内容は保健所の求める書面で確認し、記録を整理して提出するのが安全です。
Q6旅館業の立入検査に令状は必要ですか?
不要です。旅館業法7条は行政目的の調査で、裁判官の令状は求められていません。そのかわり物理的な強制はできず、犯罪捜査への利用も禁じられています。
Q7立入検査のあとに営業停止になることはありますか?
検査で違反が見つかれば、改善命令(7条の2)や許可取消し・営業停止(8条)に進むことがあります。無許可業者には業務停止命令が出されることもあります。
Q8立入検査の日程を変えてもらうことはできますか?
実務上は日程の調整に応じてもらえることが多く、調整の申し出自体は拒否に当たりません。ただし通報案件などでは予告なしに来ることもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所の立入検査って、断ったらどうなるんですか?
職員が力ずくで入ることはできない。ただし7条の検査を拒んだり妨げたりすれば罰金の対象になる(50万円以下、最新の改正状況をご確認ください)。強制ではないが、罰則によって協力が事実上義務付けられている「間接強制」の構造である。実務のポイント:拒否すると、行政の記録には「非協力的な施設」と残る。その後に改善命令や許可取消しの判断があるとき、この印象は確実に不利に働く。日程の調整を求めるのは拒否には当たらない
Q2検査で見られた帳簿が、警察に回ることはありますか?
4項は、立入検査の権限が犯罪捜査のためのものではないと明記している。犯罪捜査を目的として7条の検査を利用することは許されない。実務のポイント:ただし、適法な行政調査で得られた資料が後に別の手続きで使われる可能性を、判例は一律に否定しているわけではない(税務調査に関する最決平成16.1.20)。この点は実務上、解釈が分かれている。刑事事件になりそうな不安があるなら、検査の前に弁護士に相談しておくのが安全である
Q3許可を取らずに民泊やってたんですが、保健所から電話が来ました。どうすれば?
7条2項に基づく調査の可能性が高い。営業者として許可を受けていない者も、報告の求めや立入検査の対象になる。調査の結果、公衆衛生上重大な危害が生じるおそれがあると判断されれば、業務停止命令(7条の2第3項)が出され、無許可営業として刑事罰の対象にもなりうる。実務のポイント:まず予約の受付を止め、旅館業の許可、住宅宿泊事業の届出、特区民泊のどれが当てはまるかを行政書士と確認する。電話の段階で「すぐ止めて手続きをする」と伝えた記録は、後で効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「立入検査には事前の通知が必要だ」と思われがちだが、7条に事前通知の義務は書かれていない。実務では日程を調整することが多いものの、通報があった案件や無許可営業の疑いがある案件では、予告なしに来ることもありうる
- 許可を取らずに民泊をしている人の多くは「許可がないのだから保健所の監督も及ばない」と考えている。実態は逆である。2017年の改正後は、無許可の者こそが2項による調査の主な対象になった。調査は業務停止命令の前段階として行われ、無許可営業そのものにも営業者より重い刑罰(拘禁刑を含む)が用意されている
- 利用者から見れば、立入検査は「お役所の形式的なチェック」にすぎない。法律から見れば、宿泊客の生命と健康(レジオネラ菌、一酸化炭素、火災時の避難経路)を守る最前線である。浴槽の換水記録が一枚足りないことが、改善命令や営業停止へ進む入口になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 旅館業法7条:報告徴収・立入検査(調査権限) | 旅館業法7条の2:改善命令・無許可業者への業務停止命令 旅館業法8条:許可取消し・営業停止 |
| 対象者 | 営業者(1項)と無許可で旅館業を営む者(2項) | 営業者(改善命令)と無許可業者(業務停止命令) 許可を受けた営業者 |
| 手続上の位置 | 事実確認の段階(処分の前提となる調査) | 調査結果に基づく是正措置の段階 違反が重い場合の最終的な処分の段階 |
| 事業者の争い方 | 証票の提示要求、犯罪捜査目的の利用への異議(3項・4項) | 審査請求(3か月以内)・取消訴訟(6か月以内) 審査請求(3か月以内)・取消訴訟(6か月以内) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では交通部観光署および地方主管機関が旅館業・民宿を定期または不定期に検査でき、検査の拒否・妨害には過料が科される。衛生よりも観光産業の管理として位置付けられている点が日本と異なる
韓国では宿泊業は公衆衛生営業の一つとされ、自治体の職員が報告を求め、営業所に立ち入って検査できる。日本と同様に衛生行政の枠組みで規律される
ドイツでは宿泊施設専用の衛生検査規定ではなく、感染症予防法の一般的な立入・調査権限が用いられる。住居の不可侵(基本法13条)との調整が意識されている
米連邦最高裁は、警察がホテルの宿泊者名簿を事前の司法審査なしに閲覧できるとした市条例を、第4修正違反とした。名簿検査に対する歯止めが日本より手続的に厚い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- Airbnb に空き部屋を出していたが、旅館業の許可も住宅宿泊事業の届出もしていない。近所からの通報で、ある朝保健所の職員が玄関に来た。7条2項の調査対象はまさにこの状況で、次の段階は7条の2第3項の業務停止命令である
- 職員が身分証を見せずに「保健所です、浴室を見せてください」と言ってきたらどうするか? 3項に基づき証票の提示を求めてよい。提示されるまで待つのは正当であり、それだけで検査拒否にはならない
- あなたは温泉旅館の二代目で、来週保健所の立入検査が入ると連絡があった。循環式浴槽の水質検査記録と宿泊者名簿は3年分揃っているか。残り7日で書類の穴を埋められるかどうかで、その後の改善指導の重さが変わる
- 保健所の職員が帳簿を見ながら「この宿泊者、本当に泊まっていましたか」と聞いてきた。衛生の確認には見えない質問である。4項は、この権限を犯罪捜査に使うことを禁じている
- 友人がゲストハウスを開業したばかりで、「保健所に報告書を出せと言われた、放っておいていいか」と LINE してきた。報告を怠ること、虚偽の報告をすることは、いずれも罰則の対象である
取るべき行動
被害を受けた側:宿泊客として、衛生や安全に問題のある宿(カビ、浴槽の異臭、無許可と思われる民泊)に当たったなら、施設のある地域の保健所に通報できる。通報が7条による調査のきっかけになる。写真、予約画面、領収書を残し、日時と部屋番号をメモする。健康被害があれば医療機関の受診記録も取っておく。損害賠償は別に民事で請求する(民法415条または709条)
訴えられた側:1. 職員の証票を確認し、氏名と所属を記録する(3項) 2. 検査の目的と範囲を確認し、構造設備と関係書類に限られることを意識する3. 物理的に妨害しない。拒否や虚偽の報告は罰金の対象である4. 質問に答えた内容と、提出した書類の写しを残す5. 衛生目的を超えて犯罪捜査に近い質問をされたと感じたら、その場で記録し、弁護士か行政書士に相談する(4項) 6. 無許可営業の疑いを持たれている場合は、直ちに営業を停止し、許可申請または住宅宿泊事業の届出を検討する
時効(請求できる期限):7条自体に時効はない。報告の期限は、保健所が求める書面に個別に記載される。調査後に改善命令、停止命令、許可取消しなどの行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)を受けた場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)に行う
学説
通説:旅館業法7条の立入検査は、罰則によって協力を確保する間接強制調査であり、相手方の抵抗を実力で排除することはできない。行政目的に必要な限度を超える調査や、犯罪捜査を主目的とする調査は違法となる
有力説:行政調査で得た資料が刑事手続に流れることを全面的に許すと4項の趣旨が空洞化するため、調査の当初から刑事立件を見据えた運用には、より厳格な歯止めが必要であるとする
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)改正(平成30年6月施行) 無許可で旅館業を営む者に対する報告徴収と立入検査の規定(2項)を追加した。無許可民泊への対応が目的。改正の回数や、ほかの改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:旅館業法の制定とともに、都道府県知事による報告徴収と立入検査の規定が設けられた
- 2.平成29年(2017年) 改正:無許可で旅館業を営む者に対する報告徴収と立入検査(2項)を追加し、無許可民泊にも調査権限が及ぶようにした(平成30年6月施行)
- 旅館業法 第3条営業許可制、2項調査の前提
- 旅館業法 第7条の2改善命令と無許可業者への停止命令
- 旅館業法 第8条許可取消しと営業停止の処分
- 旅館業法 第6条宿泊者名簿、検査対象の書類
- 住宅宿泊事業法 第17条民泊事業者への報告徴収と立入検査(現行効力を要確認)
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