旅館業法 第8条
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- 都道府県知事は、営業者が、この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律に基づく処分に違反したとき、又は第三条第二項各号(第四号を除く。)に該当するに至つたときは、同条第一項の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めて旅館業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。営業者(営業者が法人である場合におけるその代表者を含む。)又はその代理人、使用人その他の従業者が、当該旅館業に関し次に掲げる罪を犯したときも、同様とする。
- 一刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十四条、第百七十五条、第百八十二条又は第百八十三条の罪
- 二風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)に規定する罪(同法第二条第四項の接待飲食等営業及び同条第十一項の特定遊興飲食店営業に関するものに限る。)
- 三売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第二章に規定する罪
- 四児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第二章に規定する罪
- 五性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和五年法律第六十七号)第二章に規定する罪
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 旅館業法第8条は、日本の旅館業法に含まれる条文です。
- 旅館業法第8条の条文原文は「都道府県知事は、営業者が、この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律に基づく処分に違反したとき、又は第三条第二項各号(第四号を除く。」で始まります。
- 旅館業法の公布日は昭和23年7月12日です。
- 旅館業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 旅館業法第8条の前の条は旅館業法第7条の2です。
- 旅館業法第8条の次の条は旅館業法第8条の2です。
- 旅館業法第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000138 - 本サイト収録
旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000138/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点旅館業法第8条は、営業者の法令違反や従業者の盗撮・売春関連の罪を理由に、知事が旅館業の許可取消しまたは1年以内の営業停止を命じられると定める。
Q · 従業員が宿で盗撮をしたら、ホテルの営業許可まで取り消されるの?
取り消される可能性があり、営業停止の対象にもなります
旅館業法第8条後段により、営業者の代理人・使用人その他の従業者が当該旅館業に関し性的姿態撮影等処罰法第二章の罪などを犯した場合も、知事は許可の取消しまたは1年以内の営業の全部・一部停止を命じることができます。営業者が知らなかったことは処分の重さを判断する事情にはなりえますが、処分対象から外れる理由にはなりません。取消しを受けると取消日から3年間は新たな許可を受けられません(同法3条2項4号)。
解説
旅館業の許可は、一度取れば一生使える免許証ではない。都道府県知事(保健所を設置する市や特別区では市長・区長)は、営業者が旅館業法、同法に基づく命令、改善命令などの処分に違反したときに、許可を取り消すか、1年以内の期間を定めて営業の全部または一部の停止を命じることができる。見落とされやすいのは後半である。オーナー本人でなくても、フロント社員、清掃アルバイト、代理人が「当該旅館業に関し」犯罪を起こせば、同じ処分の対象になる。対象は盗撮、売春の場所提供、児童買春の周旋、無許可の接待営業などである。従業員一人の犯罪が、施設全体の許可という形で経営者に返ってくる。さらに、取消を受けると取消日から3年間は新たな許可を受けられない(3条2項4号)。旅館業許可で民泊を運営している人も同じ扱いである。処分は「できる」と書かれた裁量規定なので、日ごろの記録と問題が起きた直後の動きによって、処分の重さが変わる。
法的な位置づけ
旅館業法第8条は、旅館業の営業許可に対する行政処分の根拠規定である。都道府県知事(保健所設置市・特別区では市長・区長)は、営業者の法令・処分違反、欠格事由への該当、または営業者・従業者による当該旅館業に関する特定の性犯罪や風営法違反等を理由として、許可の取消しまたは1年以内の営業の全部若しくは一部の停止を命じることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1旅館業の営業停止は最長どのくらい?
旅館業法第8条により、営業停止は1年以内の期間を定めて命じられます。全部停止だけでなく、客室や飲食部門など一部だけの停止もあります。
Q2旅館業の許可を取り消されたら、いつ再申請できる?
取消日から3年を経過しないと新たな許可を受けられません(旅館業法3条2項4号)。法人の場合は当時の役員にも制限が及ぶため、看板を替えるだけの再出発はできません。
Q3旅館業の許可取消・営業停止は誰が決める?
都道府県知事です。保健所を設置する市や特別区では市長・区長が処分権者となり、実務の窓口は施設所在地を管轄する保健所です。
Q4旅館業の一部停止とはどういう処分?
施設全体ではなく、特定の客室・棟や宿泊以外の部門など営業の一部に限って停止を命じる処分です。違反の範囲や悪質さに応じて選ばれます。
Q5民泊も旅館業法8条の処分対象になる?
旅館業法の許可(簡易宿所など)で運営する民泊は対象です。住宅宿泊事業法の届出で運営する民泊は、同法の業務停止命令など別の制度で処分されます。
Q6旅館業の処分基準はどこで確認できる?
各自治体が行政手続法12条に基づき処分基準を定め、公表していることがあります。自治体のウェブサイトや保健所の窓口で確認できます。
Q7宿泊者名簿の不備で営業停止になる?
宿泊者名簿の備付義務(旅館業法6条)違反は本条の処分事由になりえます。特に保健所の指導や改善命令を放置すると、処分が重くなる傾向があります。
Q8ホテルのバーで無許可の深夜営業をしたら宿の許可に響く?
風営法の接待飲食等営業・特定遊興飲食店営業に関する罪は本条2号の対象です。摘発されれば、宿泊業の許可そのものが取消し・停止の対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1従業員が勝手にやった盗撮で、なんでうちの許可まで取られるんですか?
本条後段が、営業者の代理人、使用人その他の従業者が「当該旅館業に関し」性的姿態撮影等処罰法第二章の罪などを犯した場合も処分の対象としているからである。宿という密室で起きる犯罪を防ぐ責任は、施設を管理する者にあるという考え方である。実務のポイント:処分の重さを分けるのは事前の対策の記録である。採用時の誓約書、客室の定期点検記録、研修の実施記録があれば、管理体制を尽くしていたと主張する材料になる
Q2営業停止に納得いかないので訴えます。裁判中は営業を続けられますか?
続けられない。取消訴訟を起こしても処分の効力は止まらないのが原則である(行政事件訴訟法25条1項)。止めるには、同条2項の執行停止を別に申し立て、重大な損害を避けるため緊急の必要があることを示す必要がある。実務のポイント:停止期間が数週間程度だと、本案の判決より先に期間が終わってしまう。訴状と執行停止の申立書は同じ日に出すくらいの速さが求められる
Q3処分が出る前に、こちらの言い分を伝えるチャンスはありますか?
ある。許可取消の前には聴聞、営業停止の前には弁明の機会が原則として与えられる(行政手続法13条1項)。聴聞では、処分の根拠となった資料の閲覧も請求できる(同法18条)。実務のポイント:多くの経営者は聴聞を謝る場だと考えて手ぶらで出席する。しかし、すでに改善が済んでいることを示す客観的な資料を出せるかどうかで、取消が停止に、停止期間が短期に変わる余地がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「従業員が勝手にやった犯罪は本人の責任で、会社の許可には関係ない」と考えられがちだが、本条後段は代理人、使用人その他の従業者の罪も処分の引き金にしている。営業者が知らなかったことは処分の重さを判断する事情にはなりうるが、処分の対象から外れる理由にはならない
- 「営業停止で済めば何とかなる」と考える経営者は、取消の重さを見誤っている。取消を受けると取消日から3年間は新たな許可を受けられず(3条2項4号)、法人の場合は一定期間内に役員だった者にもこの制限が及ぶ。看板を替えて同じメンバーで再出発する道も、実質的にふさがれる
- 経営者から見れば、保健所の指導は「言われたら直せばよいお願い」にすぎない。しかし処分基準を公表している自治体の多くは、指導や改善命令に従わなかった経緯を処分を重くする事情として扱っている。後回しにした回数が、処分の場面でまとめて不利な材料になる
- 「罪を犯したとき」は有罪判決の確定が前提だと思われがちだが、条文は確定判決を要件として明記していない。実際に起訴や判決確定まで待つかどうかは、自治体の運用や解釈によって分かれている。逮捕報道の段階で保健所が動き出す可能性も考えておくべきである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性格 | 旅館業法8条:許可取消し・1年以内の営業停止(制裁的処分) | 旅館業法7条の2:構造設備等の改善命令(是正を求める処分) 旅館業法3条:営業許可と欠格事由(入口の審査) |
| 発動のきっかけ | 法令・処分違反、欠格事由該当、従業者等の特定犯罪 | 構造設備が基準に適合しない、衛生措置の不備など 新規申請時の審査 |
| 営業への影響 | 営業不能または一部不能、取消しなら3年間再許可不可 | 営業は継続しつつ改善を実施 欠格事由に該当すれば許可が下りない |
| 事前手続 | 取消しは聴聞、停止は弁明の機会(行政手続法13条) | 原則として弁明の機会 申請に対する処分として審査基準に基づき判断 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では旅館業・民宿は登記制で、違反に対し罰金、営業停止、登記証の廃止などが段階的に定められている。従業員の犯罪を明文で処分事由とする構造は日本ほど明確ではない。
韓国では宿泊業は公衆衛生営業として申告制をとり、性売買関連法令違反などを理由に営業停止や営業所閉鎖を命じうる。日本と同様、段階的な処分体系である。
ドイツでは営業者の信頼性(Zuverlässigkeit)欠如を理由に営業禁止が可能で、従業員の行為も営業者の監督不備として信頼性判断に影響しうる。
米国では州・自治体ごとに許可取消しのほか、売春・薬物の温床となった施設に対して nuisance abatement による閉鎖命令が用いられる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし清掃スタッフが客室に小型カメラを仕掛けて逮捕されたら、ホテルの許可はどうなる? 性的姿態撮影等処罰法第二章の罪にあたり、本条5号に該当する。オーナーが知らなかったとしても、許可取消や営業停止の対象から外れるわけではない
- あなたは集客のためにホテルのバーで深夜0時以降にDJイベントを始め、酒を出しながら客を踊らせた。風営法の特定遊興飲食店営業の許可は取っていない。風営法違反で摘発されると、本条2号を通じて本業である宿泊の許可まで危うくなる
- 旅館業許可で運営している民泊で、宿泊者名簿を付けていなかった。保健所の立入検査で改善を求められたのに放置した。次に届くのは営業停止命令である
- 保健所から聴聞通知書が届き、期日まで2週間しかない。自治体の処分基準の入手、関係資料の閲覧請求、再発防止策の書面化、従業員の処分記録の整理を、この期間内に終えなければならない。何もしないまま期日を迎えると、裁量の幅は最も重い方向へ寄りやすい
- 友人が経営する簡易宿所の法人で、取締役が飲酒運転の事故を起こし、執行猶予付きの拘禁刑判決を受けた。宿の業務とは関係のない私生活の事件だが、役員が欠格事由に該当したことで、法人の許可が取消の対象になりうる。友人はまだそれに気づいていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 宿泊先で盗撮などの被害に遭ったら、すぐ警察に被害届を出し、機器や画面を撮影して証拠を残す2. 施設所在地を管轄する保健所にも情報を提供する。本条の処分は知事の権限で、きっかけは通報であることが多い3. 違法民泊の騒音などに悩む近隣住民も、保健所への申出が有効である4. 損害賠償は民事で別に請求する(民法709条、従業員の行為は715条の使用者責任)
訴えられた側:1. 通知が聴聞(取消)か弁明(停止)かを確認する(行政手続法13条) 2. 自治体の処分基準を入手し、どの段階に当てはめられているかを特定する3. 聴聞の場合は資料の閲覧を請求する(同法18条) 4. 改善措置と再発防止策を書面と写真で示す5. 欠格事由に該当した役員がいれば、速やかな交代を検討する6. 処分が出たら、執行停止の申立てと取消訴訟または審査請求を検討する
時効(請求できる期限):審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。どちらも処分の日から1年が上限。聴聞や弁明は、通知書に書かれた期日・期限までに対応する必要がある。知事の処分権限そのものに法定の行使期限はない
学説
通説(行政法):本条は処分の要否・種類・期間を知事の判断に委ねる効果裁量規定であり、比例原則と平等原則に拘束される。著しく妥当性を欠く処分は裁量権の逸脱・濫用として違法となる(行政事件訴訟法30条)。
従業者行為帰責の考え方:後段は、客室という密室で起きる犯罪を防ぐ管理責任を営業者に負わせる趣旨と解される。営業者の善意・無過失は処分の要件を否定せず、処分の量定で考慮される事情にとどまる。
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)風営法改正関連(要確認) 風営法に特定遊興飲食店営業が新設されたことに伴い、本条2号の対象罪に同営業に関するものが加わったとみられる
- 令和5年(2023年)刑法改正・性的姿態撮影等処罰法制定関連 刑法改正で淫行勧誘罪が183条へ移り、182条に16歳未満の者に対する面会要求等罪が新設されたことにあわせて1号の条番号が整理された。性的姿態撮影等処罰法第二章の罪を5号に追加し、盗撮も処分の引き金になった(施行時期・改正法の特定は要確認)
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 改正:性的姿態撮影等処罰法(令和5年法律第67号)の制定に伴い、同法第二章の罪が処分事由に加わり、盗撮も処分の引き金となった(改正法と施行日の特定は要確認)。
- 旅館業法 第3条営業許可と欠格事由、取消後3年の再許可制限
- 旅館業法 第7条の2構造設備等の改善命令、違反で処分の前提
- 旅館業法 第7条報告徴収・立入検査、処分の端緒
- 旅館業法 第6条宿泊者名簿の備付義務、典型的違反類型
- 旅館業法 第10条本条の命令違反に対する刑事罰(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条取消は聴聞、停止は弁明の機会付与
- 売春防止法 第11条売春の場所提供罪、本条3号の典型
- 住宅宿泊事業法 第16条届出民泊の業務停止・廃止命令の並行制度(現行効力を要確認)
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