医師法 第16条の4
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- 都道府県知事は、臨床研修の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、臨床研修病院の管理者又は開設者に対し、その業務に関し報告を求め、又は必要な指示をすることができる。
- 2.厚生労働大臣は、臨床研修の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、第十六条の二第一項に規定する厚生労働大臣の指定する病院の管理者又は開設者に対し、その業務に関し報告を求め、又は必要な措置をとるべきことを請求することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医師法第16条の4は、日本の医師法に含まれる条文です。
- 医師法第16条の4の条文原文は「都道府県知事は、臨床研修の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、臨床研修病院の管理者又は開設者に対し、その業務に関し報告を求め、又は必要な指示…」で始まります。
- 医師法第16条の4は第一節に置かれています。
- 医師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 医師法第16条の4の前の条は医師法第16条の3です。
- 医師法第16条の4の次の条は医師法第16条の5です。
- 医師法第16条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第16条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201 - 本サイト収録
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第16条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000201/16_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医師法16条の4は、都道府県知事が臨床研修病院の管理者・開設者に業務の報告を求め、必要な指示をできると定める。外国の指定病院には厚生労働大臣が措置を請求する。
Q · 研修病院の研修内容がおかしいとき、病院の外に監督している人はいるの?
いる。都道府県知事が報告要求と指示をできる
医師法16条の4第1項により、都道府県知事は、臨床研修の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるとき、臨床研修病院の管理者または開設者に対して業務の報告を求め、必要な指示をすることができます。研修医が院内で相談しても改善されない場合、都道府県の臨床研修担当課が外部の相談先になります。ただし、長時間労働や賃金の問題は労働基準監督署の管轄です。
解説
研修医の二年間を監督しているのは、勤め先の病院だけではない。医師法16条の4は、臨床研修の業務が適正に行われているかを確かめるため、都道府県知事に、臨床研修病院の管理者や開設者に対して報告を求め、必要な指示を出す権限を与えている。病院の外に、研修の中身をチェックする目があるということだ。きっかけは、平成30年(2018年)の法改正である。この改正で、臨床研修病院の指定権限は厚生労働大臣から都道府県知事へ移った(令和2年(2020年)施行)。地域の医療事情を知る知事が、研修の質も見るという設計である。2項は、厚生労働大臣が指定する外国の病院が対象である。こちらは日本の行政権がそのまま及ばないため、大臣ができるのは「指示」ではなく「措置をとるべきことの請求」にとどまる。研修医や医学生にとって意味は一つである。プログラムが看板どおりに動いていないとき、声を届ける先は院内だけではない。
法的な位置づけ
医師法16条の4は、臨床研修病院に対する行政監督を定める規定である。第1項は、臨床研修の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときに、都道府県知事が臨床研修病院の管理者または開設者に業務の報告を求め、必要な指示をする権限を定める。第2項は、厚生労働大臣が指定する外国の病院に対し、大臣が報告を求め、必要な措置を請求できると定める。
よくある質問 AI による整理
Q1臨床研修病院を監督しているのはどこですか?
国内の臨床研修病院は都道府県知事が監督します。医師法16条の4第1項により、知事は病院に報告を求め、必要な指示をすることができます。
Q2研修医の相談窓口は都道府県のどこですか?
一般に、都道府県の医療政策や医務を担当する課が臨床研修を所管します。部署名は自治体によって異なるため、県のウェブサイトで確認してください。
Q3研修プログラムが説明と違うのは違法ですか?
それだけで直ちに違法とは限りません。ただ、研修の業務が適正に実施されていなければ、知事が本条に基づいて報告を求め、指示を出す対象になりえます。
Q4臨床研修病院の指定は取り消されることがありますか?
指定制度上、取消しの仕組みがあります。報告要求や指示に適切に対応しない場合、指定の継続に影響しうるとされます。具体的な要件は医師法の関連条文で確認が必要です。
Q5都道府県知事が研修病院の指定権限を持ったのはいつからですか?
平成30年(2018年)の医師法改正で厚生労働大臣から都道府県知事へ移管され、令和2年(2020年)から施行されています。
Q6県からの報告要求に病院は応じないといけませんか?
本条に基づく報告要求には誠実に対応すべきです。事実と異なる報告や放置は、指示や指定制度上の判断で不利に働くおそれがあります。
Q7海外の病院で臨床研修はできますか?
厚生労働大臣が指定する外国の病院での研修が制度上想定されています。この場合の監督は大臣による報告要求と措置の請求にとどまります(本条2項)。
Q8研修医の長時間労働はどこに相談しますか?
労働時間や未払い賃金は労働基準法の問題なので、労働基準監督署に相談します。研修の質の問題は都道府県と、窓口を分けるのが近道です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1研修がひどすぎるんですけど、県に言ったら病院にバレますか?
県が病院に報告を求めれば、何らかの情報提供があったことは病院側も察しうる。ただ、相談者の名前を出すかどうかは、相談の段階で担当課と確認できる。本条(医師法16条の4)の報告要求は病院全体の運営が対象である。実務のポイント:同期数名でまとめて相談する、あるいは研修医アンケートの結果など客観的な資料を使えば、個人が特定されにくくなるうえ、県も動きやすくなる
Q2県から「指示」が来たら、病院は必ず従わないといけないんですか?
法的には、本条の「指示」が強制力のある処分なのか、行政指導に近いものなのかは、内容によって解釈が分かれうる。ただ実務上は、指示を無視すれば、指定の取消しなど指定制度上の判断(医師法16条の3等、要確認)に響くおそれがある。実務のポイント:病院側の対応で大事なのは、従うかどうかの法律論より先に、県との関係を壊さないことである。研修医の募集定員の配分は県の判断に左右されうる
Q3海外の病院で研修する場合も、同じように監督されるんですか?
厚生労働大臣が指定する外国の病院が対象で、大臣ができるのは報告の要求と「必要な措置をとるべきことの請求」までである(本条2項)。日本の行政権は外国の病院に直接は及ばないため、国内のような「指示」はできない。実務のポイント:海外研修を選ぶ前に、トラブルの際に日本側が介入できる範囲は国内より狭いと理解しておく。現地の契約条件は自分で細かく確認するのが前提になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「研修の中身は病院の裁量で、外部は口を出せない」と思われがちである。だが臨床研修病院は知事の指定を受けて成り立つ制度上の存在で、知事は本条にもとづいて報告を求め、指示を出せる。病院の裁量は、指定制度の枠の中にあるにすぎない
- 報告を求める権限があることは知っていても、それが指定の継続とつながっている重さは見落とされやすい。報告で不適切な運営が明らかになり、指示にも従わなければ、指定の取消しや募集定員の扱いに影響しうる(具体的な連動の仕方は運用によるため要確認)。病院にとっては、一通の報告要求が経営問題の入口になりうる
- 「県に相談するのは研修の質、労働時間の相談も同じ窓口」と考えるのは窓口の取り違えである。研修医は労働者でもある(最判平成17.6.3関西医科大学研修医事件)。長時間労働や未払い賃金は労働基準法の領域で、労働基準監督署の管轄である。研修の適正さは本条の領域で、こちらは県が見る。相談先を分けて考えないと、どちらからも「うちの担当ではない」と言われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 監督する主体 | 医師法16条の4第1項:都道府県知事 | 医師法16条の4第2項:厚生労働大臣 医療法25条:都道府県知事等(病院一般) |
| 対象 | 国内の臨床研修病院の管理者・開設者 | 大臣指定の外国の病院の管理者・開設者 病院・診療所等の開設者・管理者 |
| 監督の範囲 | 臨床研修の業務の適正な実施 | 臨床研修の業務の適正な実施 医療機関の運営・構造設備など医療法上の事項全般 |
| 手段 | 報告要求+必要な指示 | 報告要求+必要な措置の請求(指示権なし) 報告徴収+立入検査 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では二年期の卒後一般医学訓練(PGY)を中央主管機関(衛生福利部)が計画・評鑑で管理し、地方政府ではなく中央主導である点が日本の知事監督と異なる
韓国は専攻医(研修医)の勤務時間上限や研修環境評価を法律で定め、研修の質と労働条件を一つの法律で扱う点が日本と異なる
米国では卒後研修の質を民間の認定機関(ACGME)が監督し、行政による報告要求・指示ではなく、認定の付与・取消しで担保する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 研修医二年目。救急ローテのはずが、実際は病棟の書類仕事と採血ばかりで、指導医はほとんど顔を見せない。院内の研修管理委員会に相談しても動かなかったら、次はどこへ持っていく? 病院を監督しているのは県である
- あなたは臨床研修病院の事務長である。ある朝、県の医療政策担当課から、研修医の当直回数と指導体制について報告を求める文書が届いた。提出期限は二週間後。ここで数字を取り繕うと、あとで指定の継続が危うくなりうる
- 来月にはマッチングの順位登録が締め切られる。見学で聞いた「症例数豊富」が本当か確かめたい医学生は、都道府県が公表している研修病院の情報や評価結果も照らし合わせておきたい
- 研修医の同期が、時間外労働が月100時間を超えていると打ち明けてきた。研修の質の問題は県へ、労働時間の問題は労働基準監督署へ。窓口を分けて考えるだけで、相談はずっと進めやすくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 研修の実態(ローテ内容、指導の有無、当直回数、症例数)を日付入りで記録する2. まずプログラム責任者や研修管理委員会に書面かメールで相談し、やりとりを残す3. 改善されなければ、都道府県の医療政策担当課(臨床研修の担当部署)に相談する4. 長時間労働や賃金の問題は、並行して労働基準監督署に相談する。窓口を分けると話が早い
訴えられた側:1. 報告要求を受けたら、期限と求められている事項を正確に把握し、事実に即して回答する。数字の取り繕いは後で必ず露見する2. 問題があれば、改善計画を自分から添える3. 「指示」が行政指導か処分かは、内容によって解釈が分かれうる。不利益な処分(指定取消し等)が予告されたら、早めに弁護士に相談し、聴聞・弁明の機会を確実に使う
時効(請求できる期限):本条そのものに特定の時効はない。報告要求には個々の文書で期限が定められる。指定取消し等の処分を受けた場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成30年(2018年) 改正:医療法及び医師法の一部を改正する法律により、臨床研修病院の指定等の権限が厚生労働大臣から都道府県知事へ移管された(令和2年(2020年)施行)。知事が国内の臨床研修病院を監督する現行の枠組みが整った
- 医師法 第16条の2臨床研修の義務と研修病院の指定
- 医師法 第16条の3臨床研修病院の指定等(現行効力を要確認)
- 医師法 第1条医師の任務、研修制度の目的的基盤
- 医療法 第25条病院への報告徴収・立入検査の一般規定
- 労働基準法 第141条医師の時間外労働上限の特例
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