医師法 第32条
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第七条第一項の規定により医業の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、医業を行つたものは、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医師法第32条は、日本の医師法に含まれる条文です。
- 医師法第32条の条文原文は「第七条第一項の規定により医業の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、医業を行つたものは、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれ…」で始まります。
- 医師法第32条は第八章に置かれています。
- 医師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 医師法第32条の前の条は医師法第31条です。
- 医師法第32条の次の条は医師法第33条です。
- 医師法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201 - 本サイト収録
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000201/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医師法32条は、医業停止を命じられた者が停止期間中に医業を行った場合、1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはその併科に処すると定める。
Q · 医業停止中の医師が診療したら、無免許医業と同じ罪になるの?
免許は残るため別罪。医師法32条で処罰される
医業停止中も医師免許そのものは有効なので、医師法17条違反の無免許医業(31条:3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)にはなりません。代わりに医師法32条が適用され、1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、または両方の併科となります。法定刑は軽いものの、処罰歴は7条1項の「罰金以上の刑」に当たり、免許取消しを含む次の行政処分の理由になりえます。
解説
医業停止の処分を受けても、医師免許そのものは消えない。この点が本条の出発点である。免許が残っているので、停止中に診療しても「無免許医業」(医師法17条違反、31条で3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)にはならない。その代わりに本条が適用され、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金となり、両方を同時に科されることもある。法定刑は無免許医業より軽い。ただ、現実の重さは刑の数字だけでは決まらない。停止処分の原因は、医師法7条1項にある罰金以上の刑や医事に関する不正、医師としての品位を損なう行為である。処分を受けている最中に命令を破れば、次に厚生労働大臣が下す処分は免許取消しに近づくと考えるのが自然である。患者の立場では、白衣を着て名札を下げた人が今日この日に医業をしてよい人なのか、外から見分けるのはほぼ無理である。停止処分は厚生労働省が公表しているので、確認する方法は実際にある。
法的な位置づけ
医師法32条は、医師法7条1項に基づき厚生労働大臣から医業の停止を命じられた者が、その停止期間中に医業を行った行為を処罰する罰則規定である。法定刑は1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはその併科であり、免許を有しない者の医業を処罰する31条より軽く定められている。
よくある質問 AI による整理
Q1医師法32条とは何ですか?
医業停止の処分を受けた医師が、停止期間中に医業を行うことを処罰する規定です。1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、または併科となります。
Q2医業停止とはどんな処分?
医師法7条1項に基づき、厚生労働大臣が医道審議会の意見を聴いて、一定期間医業を禁じる行政処分です。免許は取り消されず残ります。
Q3医師の行政処分はどこで調べられる?
厚生労働省が医道審議会の答申を受けた医師の行政処分を公表しています。氏名や処分内容、処分期間を確認する手がかりになります。
Q4医業停止 期間 最長はどれくらい?
医師法7条1項は3年以内の医業停止を定めています。実際の期間は事案に応じて数か月から数年まで幅があります。
Q5医業停止中に診療したら免許取消しになる?
本条で罰金以上の刑を受けると、7条1項の処分事由に当たりえます。次の処分で免許取消しが検討される可能性は高まると考えられます。
Q6医業停止中の医師を働かせた病院は罪になる?
停止中と知りながら診療させた院長などは、教唆犯・幇助犯(刑法61条・62条)として責任を問われる可能性があります。
Q7医業停止中でも医療関係の仕事はできる?
本条が禁じるのは「医業」です。医行為を伴わない事務や研究、学会・勉強会への参加は対象外と解されていますが、個別判断が必要です。
Q8医師法32条違反の時効は何年?
法定刑の上限が1年の拘禁刑なので、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。診療行為ごとに時効が進む点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1医業停止って、ニュースになるんですか? 患者は普通気づけないですよね?
医師法7条に基づく処分は、医道審議会への諮問を経て厚生労働大臣が決定し、厚生労働省が処分の内容を公表しています。報道されるのは一部ですが、公表資料自体は誰でも見られます。実務のポイント:処分は発表の当日ではなく、一定期間を置いてから効力が始まるのが通例です。発表直後の受診であれば適法な診療の場合もあるので、照合するときは「効力発生日」と受診日を比べること
Q2停止期間が終わったら、すぐ元通りに診療できるんですか?
停止期間が終われば医業は再開できます。ただし厚生労働大臣は、戒告や医業停止の処分を受けた医師に再教育研修を命じることができます(医師法7条の2)。実務のポイント:停止期間中に本条違反で処罰されると、その事実自体が7条1項の「罰金以上の刑」や品位を損なう行為に当たり、次の処分の理由になります。期間満了を待たずに診療した一回が、再開するはずの将来ごと失わせかねない
間違えやすい点 AI による整理
- 「停止中に診療したら無免許医業と同じ扱いだろう」という理解は正確ではない。停止中も免許は有効なので、医師法17条違反(31条、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)ではなく、本条(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が適用される。刑は軽く見えるが、行政処分を重くする材料になる点まで計算に入れる必要がある
- 罰則が問題になるのは医師本人だけだと思われやすい。しかし、停止中だと知りながら外来の枠を組んだ院長や理事長、名義を貸した同僚医師は、教唆・幇助(刑法61条・62条)として刑事責任を問われうる。さらに保険診療として請求すれば、保険医療機関側の問題(健康保険法81条の保険医登録取消しなど)にも広がる
- 「医業停止中は何もできないのか」という問いの立て方そのものがずれている。本条が禁じているのは「医業」、つまり業として医行為をすることである。医学の勉強会への参加や、医行為を伴わない業務は対象外と解されている。問うべきは「その行為は医行為か、反復継続の意思があるか」の二点である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 医師法32条:医業停止を命じられた医師(免許は有効) | 医師法31条:医師免許を持たない者(17条違反) 医師法7条:処分の根拠規定(罰則ではない) |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、または併科 | 3年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または併科 刑罰なし(戒告・3年以内の医業停止・免許取消し) |
| 法的性質 | 行政命令(停止命令)違反の処罰 | 資格制度そのものの違反の処罰 厚生労働大臣による行政処分 |
| その後への影響 | 罰金以上の刑は7条1項の処分事由となりうる | 免許取得の欠格事由(4条)に関わりうる 再教育研修命令(7条の2)とつながる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも懲戒として一定期間の停業処分があり、医師資格を残したまま執業を制限する点で日本の医業停止と構造が近い。
韓国では医療人の資格停止(자격정지)が行政処分として定められており、免許を残したまま業務を一時禁じる仕組みである。
ドイツでは免許(Approbation)の効力停止(Ruhen)中に医療を行うことが刑事罰の対象とされる。
米国では州医事委員会が免許停止を行い、停止中の診療は無免許医業に準じて処罰・懲戒されるのが一般的で、州ごとに扱いが異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 医業停止6か月の処分を受けた勤務医のあなたに、元の病院の院長から「人が足りないから外来だけ手伝ってくれ、カルテには別の医師の名前を書くから」と頼まれた。院長は教唆犯・幇助犯(刑法61条・62条)になりうるし、カルテの名義をごまかせば別の問題まで重なる。断る理由は、法律がすでに全部用意している
- 停止期間中の新幹線で「お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか」とアナウンスが流れたら、手を挙げていいのか? 本条が処罰するのは「医業」、つまり反復継続する意思で医行為をすることである。一回限りの救命処置は「業」に当たらない可能性が高いと考えられているが、正面から判断した裁判例は見当たらず、解釈には幅がある
- 母親が通う美容クリニックの医師を名前で検索したら、厚生労働省の行政処分の公表資料に「医業停止1年」と載っていた。処分期間はまだ終わっていない。それなのに先週、母親はその医師から注射を受けている
- 停止処分の効力が始まるまであと数日。予約済みの手術や再診患者をほかの医師へ引き継ぐ段取りが、まだ何もできていない。開始日を一日でも過ぎてから「この患者だけは」と自分で診てしまえば、その一回が本条の入口になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受診日、担当医の氏名、診療内容、領収書、カルテの写し(開示請求)を確保する2. 厚生労働省の行政処分の公表資料で、処分期間と受診日が重なっているかを照合する3. 重なっていれば、厚生労働省または管轄の保健所に情報提供し、警察への告発も選択肢に入れる4. 健康被害や不要な支出があれば、民法709条や診療契約上の責任に基づく損害賠償を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 問題の行為が「医行為」に当たるか、「業として」の反復継続性があるかを、行為ごとに切り分けて検討する2. 一回限りの緊急救命であれば、業に当たらないこと、または緊急避難(刑法37条)を主張できるか弁護人と詰める3. 関与した院長や同僚の指示の有無を記録し、供述の一貫性を保つ4. 刑事手続と並行して次の行政処分の審査が来ると想定し、再教育研修(7条の2)への姿勢も含めて情状を準備する
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたる罪)。起算点は医業を行った行為が終わった時。処分期間中に繰り返し診療していれば、各行為ごとに時効が進む点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の「医業」は17条と同様に、医行為を反復継続の意思をもって行うことをいう。停止中も免許は有効であるため、31条ではなく本条が特別に適用されると解される。
緊急救命をめぐる議論:停止中の医師が偶然居合わせた場面で一回限りの救命処置を行った場合、反復継続の意思を欠き「業」に当たらない、または緊急避難が成立しうるとする見解がある。正面から判断した裁判例は見当たらない。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。罰金額の過去の改定経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医師法(昭和23年法律第201号)の制定に伴い、医業停止命令に違反した医業を処罰する規定として設けられた。
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)。
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