医師法 第33条
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第三十条の規定に違反して故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医師法第33条は、日本の医師法に含まれる条文です。
- 医師法第33条の条文原文は「第三十条の規定に違反して故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 医師法第33条は第八章に置かれています。
- 医師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 医師法第33条の前の条は医師法第32条です。
- 医師法第33条の次の条は医師法第33条の2です。
- 医師法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201 - 本サイト収録
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000201/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医師法33条は、試験事務担当者が故意または重大な過失で医師国家試験の問題を事前に漏らし、または故意に不正採点をした場合、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金を科す。
Q · 国試の作問委員がうっかり問題を流出させても、犯罪になるの?
重大な過失なら、故意でなくても処罰されうる
医師法33条は、試験事務に携わる者が同法30条の厳正保持義務に違反して試験問題を事前に漏らした場合、故意だけでなく重大な過失による漏洩も処罰します。刑法38条1項により過失犯は明文がある場合に限り処罰されますが、本条はその明文規定にあたります。法定刑は一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金です。一方、不正採点は故意の場合に限られ、単なる採点ミスは対象外です。
解説
医師国家試験の問題を作るのは、全国の医学部で教える教授たちだ。彼らは厚生労働省の医師試験委員として、毎年数百問を作る。その一方で、自分の大学に戻れば、合格率で評価される医学部の教員でもある。医師法33条は、この利害の交差点に刑罰を置いた。試験委員など試験事務に携わる者(医師法30条が厳正保持を義務付ける者)が、故意に問題を事前に漏らせば、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金になる。見落とされやすいのは「重大な過失」でも処罰されるという点だ。刑法の世界では過失犯の処罰は例外で、明文がなければ処罰されない。にもかかわらず本条は、漏らす気がなくても、ずさんな管理で問題が外に出れば刑事責任が生じると定めている。問題ファイルを入れたUSBを研究室の机に置きっぱなしにする、自宅の共有PCで作業する。その日常の油断が処罰の対象になりうる。一方、不正採点は故意に限られる。漏洩だけが過失まで処罰対象とされているのは、一度流出した問題は取り戻せず、試験そのものを壊すからである。
法的な位置づけ
医師法33条は、医師国家試験の事務に携わる者が同法30条の厳正保持義務に違反した場合の罰則規定である。故意または重大な過失による試験問題の事前漏洩、および故意による不正採点を処罰対象とし、法定刑を一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金と定める。
よくある質問 AI による整理
Q1医師法33条とは何ですか?
医師国家試験の事務担当者による試験問題の事前漏洩と不正採点を処罰する罰則規定です。法定刑は一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金です。
Q2医師国家試験の問題漏洩の罰則は?
医師法33条により、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金です。試験委員が非常勤国家公務員なら国家公務員法の守秘義務違反も問題になりえます。
Q3試験問題の漏洩は過失でも罪になる?
なります。医師法33条は漏洩について「重大な過失」も処罰対象と明記しています。軽い不注意は対象外ですが、ずさんな管理は刑事責任につながりえます。
Q4医師法33条で処罰されるのは誰?
医師法30条で厳正保持義務を負う、医師試験委員など試験事務をつかさどる者です。受験生は本条の直接の対象ではありませんが、教唆犯や医師法15条の措置の対象になりえます。
Q5国試の不正採点 何罪?
故意に不正の採点をした場合、医師法33条の罪にあたります。見返りに金品を受け取っていれば、刑法197条の収賄罪も問題になりえます。
Q6医師法33条の公訴時効は何年?
3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は漏洩や不正採点という犯罪行為が終わった時点です。
Q7試験委員 守秘義務 違反 どうなる?
医師法33条の刑罰に加え、国家公務員法上の守秘義務違反、所属大学での懲戒、委員の解任、医師なら医師法7条の行政処分などが連鎖しえます。
Q8医師国家試験 問題 流出 過去にあった?
本条の適用事例として確認できる公開判例は見当たりません。ただし規定が使われていないことは、漏洩リスクがないことを意味しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1試験委員の先生が授業で「ここ大事」って強調したところが本番に出たら、それって漏洩ですか?
具体的な出題内容を事前に伝えたと認められれば、医師法33条の「試験問題を漏らし」に当たりうる。ただし、出題基準(ガイドライン)に載っている重要分野を一般的に強調しただけでは、通常は漏洩とはいえない。境界は「問題そのもの、またはそれと同視できる情報か」で、実務上判断が分かれうる。実務のポイント:試験委員の任期中は、自分の講義でも作問した分野への言及を意識して避ける委員がいる。疑われること自体がキャリアの傷になるからだ
Q2流出した問題を見て合格した人がいたら、その人の医師免許はどうなるんですか?
医師法15条により、不正行為に関係した者の受験停止や試験の無効が可能で、一定期間の受験禁止も定められている。試験が無効になれば、合格を前提とする免許(医師法2条)も前提を失う。実務のポイント:問題になるのは「見たかどうか」より「不正行為に関係したか」の立証である。受け取った記録が残る LINE やメールは、本人にとって最も不利な証拠にも、試験前に通報していれば最も強い防御にもなる
Q3不正採点って、点数を間違えて付けただけでも捕まるんですか?
捕まらない。医師法33条は、試験問題の漏洩については重大な過失も処罰するが、不正採点は「故意に」した場合に限っている。単なる採点ミスは本条の対象外である。実務のポイント:医師国家試験はマークシート方式が中心で、機械採点が前提になっている。不正採点が問題になるとすれば、人の手が入るデータ処理や合否判定の段階である。条文の想定と現実の採点工程のずれを知っていると、どこにリスクがあるかが見えてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「漏らすつもりがなければ罪にならない」と考えるのは誤りである。本条は試験問題の漏洩について「重大な過失」も処罰対象としている。刑法38条1項により、過失犯は特別の規定がある場合にしか処罰されない。本条はまさにその特別の規定であり、管理のずさんさがそのまま刑事責任になりうる
- 「問題をもらった受験生も本条で処罰される」と思われがちだが、本条が直接処罰するのは、医師法30条の厳正保持義務を負う試験事務担当者である。とはいえ受験生が無傷で済むわけではない。漏洩をそそのかせば教唆犯(刑法61条、8条により特別刑法にも適用)となりうるし、使えば医師法15条により合格が無効になる。刑罰より、医師になれない期間のほうが本当の痛手である
- 罰金五十万円という数字を見て「軽い」と感じたなら、比べる相手を間違えている。試験委員の多くは大学教授や現役医師である。有罪になれば、刑の重さよりも、所属大学での懲戒、試験委員の解任、医師であれば医道審議会を経た行政処分(医師法7条)の連鎖のほうがはるかに重い。刑罰は最初のドミノにすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 医師法33条:漏洩・不正採点への刑事罰 | 医師法30条:試験事務担当者の厳正保持義務(前提となる義務規定) 医師法15条:不正受験者への受験停止・試験無効・受験禁止 |
| 対象者 | 試験事務をつかさどる者(試験委員等) | 試験事務をつかさどる者 不正行為に関係した受験者等 |
| 主観要件 | 漏洩=故意または重大な過失/不正採点=故意のみ | 義務規定のため主観要件の定めなし 不正行為への関与(刑罰ではなく行政上の措置) |
| 効果 | 一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金 | 違反すると33条の刑罰に接続 受験停止・試験無効・一定期間の受験禁止 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では国家試験の秘密漏洩は公務員の秘密漏洩罪で処罰され、同条2項が過失犯も処罰する点で日本の本条と発想が近い
2015年の刑法修正案(九)で、法律が定める国家試験における試験問題・解答の不正提供などが独立の犯罪類型とされた
ドイツでは公務上の秘密漏洩罪で対応し、重要な公共の利益を過失により危殆化した場合も処罰対象となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは医学部の教授で、今年初めて医師試験委員に任命された。作問した問題の下書きを、いつもの研究室の共有フォルダに保存した。院生も見られる場所だ。院生がそれを見て、国試対策の勉強会で「似た問題」を出した。あなたに漏らす気は一切なかったが、重大な過失による漏洩として本条の射程に入りうる
- もし、国試の一週間前に同級生のLINEグループで「今年の本番の問題」とされるPDFが回ってきたら、どうなる? 開いただけで処罰されるわけではない。ただし入手した問題を使って受験したことが判明すれば、医師法15条で受験停止や合格無効、さらに一定期間の受験禁止がありうる。医師になる道が年単位で閉ざされる
- 試験委員の知人から「今年はこの分野が厚い」と飲み会で聞いた。具体的な問題文ではなく傾向の話だった。それでも、どこまでが「試験問題を漏らす」にあたるかは条文に明確な線がない。グレーな一言が捜査の端緒になる
- 採点事務の担当者が、知り合いの受験生の解答を正答に書き換えた。故意の不正採点であり本条の処罰対象だ。見返りに金品を受け取っていれば、収賄罪(刑法197条)との関係も問題になる
- 本番まであと3日。問題冊子を運ぶ委託業者のスタッフが、倉庫で冊子を撮影してSNSに上げた。業者スタッフが「試験事務をつかさどる者」に当たるかは解釈の余地がある。とはいえ漏洩が起きた時点で、厚労省は試験の差し替えか中止を迫られる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏洩問題が出回っていると知ったら、開かず、転送もせず、受け取った日時と送信者のスクショだけを残す2. 試験前であれば厚生労働省医政局の医師国家試験担当窓口に速やかに通報する3. 漏洩によって不公正な合否判定を受けたと考える場合、合否判定の取消しを求める審査請求や訴訟(役所の決定の見直しを求める手続)が理論上は考えられるが、合格基準の判断に裁量があるため、実務上は相当高いハードルになる
訴えられた側:1. 捜査や調査の連絡を受けたら、説明する前に刑事弁護に詳しい弁護士へ相談する2. 過失が問題になっている場合、データ管理の方法、アクセスできた人物、保存場所の記録をすぐに保全し、「重大な」過失ではないことを立証する材料にする3. 漏らした範囲が具体的な問題文か一般的な傾向論かは、構成要件該当性(条文の処罰要件に当てはまるか)の分かれ目になるので、発言内容を正確に再現しておく4. 医師であれば、刑事処分のあとの医道審議会の手続まで見据えて方針を立てる
時効(請求できる期限):公訴時効は3年である(刑事訴訟法250条2項6号:長期5年未満の拘禁刑または罰金に当たる罪)。起算点は犯罪行為が終わった時、つまり漏洩または不正採点の時点である。合格の無効など医師法15条の措置については、別途行政手続として扱われる
学説
通説:刑法38条1項・8条により過失犯は明文がある場合のみ処罰される。本条は漏洩について重大な過失を明記しているため過失漏洩も処罰されるが、不正採点は過失の明記がなく故意犯に限られると解される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律により「懲役」が「拘禁刑」に改められた。罰金額の改定経緯や条番号の変遷を含め、その他の改正履歴は人による検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律により「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)
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