消防法 第21条
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- 消防長又は消防署長は、池、泉水、井戸、水そうその他消防の用に供し得る水利についてその所有者、管理者又は占有者の承諾を得て、これを消防水利に指定して、常時使用可能の状態に置くことができる。
- 2.消防長又は消防署長は、前項の規定により指定をした消防水利には、総務省令で定めるところにより、標識を掲げなければならない。
- 3.第一項の水利を変更し、撤去し、又は使用不能の状態に置こうとする者は、予め所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第21条は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第21条の条文原文は「消防長又は消防署長は、池、泉水、井戸、水そうその他消防の用に供し得る水利についてその所有者、管理者又は占有者の承諾を得て、これを消防水利に指定して、常時使用可能…」で始まります。
- 消防法第21条は第四章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第21条の前の条は消防法第20条です。
- 消防法第21条の次の条は消防法第21条の2です。
- 消防法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法21条は、消防長又は消防署長が所有者等の承諾を得て池や井戸などを消防水利に指定できると定める。指定後に変更・撤去する者は事前届出が必要。
Q · 消防水利に指定された井戸や池は、もう埋められないの?
埋められるが、事前に消防長等への届出が必要
消防法21条3項により、指定された消防水利を変更・撤去し、又は使用不能の状態に置こうとする者は、あらかじめ所轄の消防長又は消防署長に届け出なければなりません。埋立てや撤去そのものが禁止されるわけではありませんが、事後の届出では足りず、怠った場合は罰則(消防法44条)の対象になりえます。工事の着工日から逆算し、余裕をもって所轄の消防署に相談・届出をすることが重要です。
解説
庭の古井戸、寺の放生池、工場の貯水槽、学校のプール。所有者にとってはただの水でも、消防から見れば火災時に命をつなぐ「水利」である。消防法21条により、消防長又は消防署長は、所有者・管理者・占有者の承諾を得て、こうした水を「消防水利」に指定し、いつでも使える状態に置ける。押さえるべき点は二つある。第一に、指定の入口は承諾である。あなたが同意しなければ、本条による指定はされない。第二に、承諾すると出口に縛りがかかる。井戸を埋める、池を撤去する、水を抜いて使えなくする。どれも事前に所轄の消防長又は消防署長へ届け出なければならず、怠れば罰則の対象になりうる。さらに敷地の脇には標識が立ち、そこから5メートル以内は道路交通法上の駐車禁止区域になる。承諾書へのサインは善意の協力であると同時に、自分の土地の将来の使い方についての約束でもある。
法的な位置づけ
消防法21条は消防水利の指定を定める規定であり、消防長又は消防署長が、池・泉水・井戸・水槽その他消防の用に供し得る私有等の水利について、所有者・管理者又は占有者の承諾を得て消防水利に指定し、常時使用可能の状態に置くことを認める。指定水利には総務省令に従い標識が掲げられ、当該水利を変更・撤去・使用不能にしようとする者には事前届出義務が課される。
手順
- 1.指定の有無を確認する 敷地内の井戸・池・水槽の脇に「消防水利」の標識がないか確認し、所轄の消防署に指定の有無を照会する。相続や購入で取得した土地は特に、前所有者の承諾の有無を確認する
- 2.工事計画を消防署に相談する 埋立て・撤去・水抜き・形状変更の予定が決まったら、見積りの段階で所轄の消防署に連絡し、届出の要否、提出書類、代替水利の確保に要する期間を確認する
- 3.着工前に届出を提出する 水利を変更・撤去し、又は使用不能の状態に置く前に、所轄の消防長又は消防署長へ届け出る。事後の届出では足りないため、着工日から逆算して余裕をもって提出する
- 4.記録を保管し引き継ぐ 届出の控えや消防署とのやり取りの記録を保管し、売買や相続の際には買主・相続人に引き継ぐ。売買契約では、誰がいつ届け出るかを書面で取り決めておく
よくある質問 AI による整理
Q1消防水利とは何ですか?
火災時に消防が放水に使う水源のことです。消火栓や防火水槽のほか、消防法21条により承諾を得て指定された私有の池・井戸・水槽も含まれます。
Q2指定消防水利の標識はどんな見た目ですか?
標識の様式は総務省令(消防法施行規則)で定められています。赤地に白文字で「消防水利」と表示されたものが一般的で、水利の付近に掲げられます。
Q3消防水利の前に駐車するとどうなりますか?
道路交通法45条により、指定消防水利の標識が設けられた位置から5メートル以内は駐車禁止です。短時間の停車のつもりでも駐車違反となりえます。
Q4消防水利の届出はどこに出しますか?
その水利を所轄する消防長又は消防署長に届け出ます(消防法21条3項)。実務上は最寄りの消防署の予防課等が窓口となることが多く、事前に電話で確認すると確実です。
Q5消防水利の指定は解除できますか?
変更・撤去の事前届出を経て、消防側が代替水利を確保したうえで指定が外れるのが一般的な流れです。具体的な手順は所轄の消防署に照会してください。
Q6防火水槽と消防水利の違いは?
防火水槽は消防水利の一種です。消防水利は消火栓・防火水槽・池・井戸・河川など、消防に使える水源全般を指す上位概念です。
Q7消防水利に指定されると固定資産税は安くなる?
消防法21条自体に税の減免規定はありません。自治体によって独自の扱いがある可能性はあるため、所在地の市町村に個別に確認する必要があります。
Q8不動産売買で消防水利の指定は説明される?
売買の場面で見落とされやすい事項です。敷地内に井戸・池・貯水槽がある場合は、決済前に所轄の消防署で指定の有無を確認しておくと安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1消防に池を指定させてくれって言われたんだけど、断ってもいいの?
断れる。消防法21条1項は、所有者・管理者・占有者の承諾を得ることを指定の条件としている。ただし、火災時に緊急の必要があれば、消防は30条に基づいて水利を使用できる。指定を断っても、非常時の使用まで拒めるわけではない。実務のポイント:承諾するかどうかを決める前に、標識の位置と駐車禁止の範囲を具体的に聞いておくとよい。後から「家の前に車を停められない」と気付く人が多い
Q2親が承諾したらしい井戸、相続した私が埋めるときも届出がいるの?
21条3項は、指定された水利を変更・撤去・使用不能にしようとする者に事前の届出を求めている。承諾した本人かどうかは問われていないと読むのが自然である。実務のポイント:相続や売買で所有者が替わったときの扱いには不明確な点がある。工事の前に所轄の消防署へ照会すれば、届出の要否と指定解除の手順を一度で確認できる
Q3届出しないで井戸を埋めちゃったら、どうなるの?
21条3項の届出を怠った者は、消防法44条により罰金又は拘留の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。ただし実務では、まず消防署から経緯を聞かれるのが一般的である。実務のポイント:気付いた時点で自分から連絡し、代わりの水利の確保に協力する姿勢を見せると、事態はたいてい穏便に収まる。黙っていて後で発覚する方が、はるかに不利である
間違えやすい点 AI による整理
- 「消防のためなら、役所は私有地の池を勝手に指定できる」と思われがちだが、本条の指定には所有者・管理者・占有者の承諾が必要である。ただし火災現場で緊急の必要があるときに消防が水利を使用することは、別の条文(消防法30条)で認められている。平時の指定と非常時の使用は別の話である
- 承諾したこと自体は覚えていても、その後に負う義務の重さまでは知られていない。指定された水利を埋める・撤去する・使えなくする前には、事前の届出が必要である。怠れば罰則の対象になりうる(消防法44条、最新の改正状況をご確認ください)。しかも相続や売買で所有者が替わったとき、この事実が引き継がれないまま埋め立てられる例がある
- あなたにとっては「不要になった古井戸」でも、消防にとっては「地域の消火計画に組み込まれた水源」かもしれない。消火栓が少ない地域、水道の届きにくい山間部ほど、一つの井戸の消失が延焼時の放水能力に直結する。届出は手続のためだけにあるのではない。消防が代わりの水利を確保する時間を稼ぐための仕組みである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 消防法21条:承諾を得た私有等の水利の指定・標識・変更等の届出 | 消防法20条:消防水利の基準と市町村の設置・維持管理 消防法30条:火災現場での緊急的な水利の使用 |
| 所有者の承諾 | 必要(承諾が指定の前提) | 市町村自らが設置する水利が中心で、本条のような承諾は問題とならない 緊急時の使用であり、本条のような事前承諾は前提とされない |
| 場面 | 平時に常時使用可能な状態に置く | 平時の水利整備計画 火災発生時の非常対応 |
| 所有者側の義務 | 変更・撤去・使用不能化の事前届出(懈怠は44条の罰則対象となりうる) | 特になし(主に市町村の義務) 消防による使用を受忍する場面がある |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では地方政府と水道事業者による消防栓の設置・維持が中心で、私有水源を承諾により指定する日本型の仕組みとは設計が異なる
韓国では市・道知事が消防用水施設を設置・維持管理する公的整備が中心とされる
フランスでは市町村の権限としてDECI(火災に対する外部防護)を整備し、私有の水源を活用する枠組みも設けられている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の庭に、使っていない井戸がある。リフォーム業者に埋めてもらおうとしたら、井戸の脇に「消防水利」の標識が立っていた。親が数十年前に承諾していたらしい。工事の前に、所轄の消防署へ届け出る必要がある
- 消防署の職員が訪ねてきて「お宅の池を消防水利に指定させてほしい」と頼まれたら、断れるのか? 断れる。本条の指定は承諾が前提である。ただし承諾すれば、将来池を埋めるときに事前の届出義務を負う。その点を理解したうえで判断すればよい
- 工場の敷地を売却することになり、買主は来月に更地にして解体を始める予定だ。敷地内の貯水槽は消防水利に指定されている。届出をしないまま撤去すれば、責任を問われるのは誰か。契約締結前に、誰がいつ届け出るのかを書面で決めておかないと間に合わない
- 池のそばに標識があることに気付かず、5分のつもりで車を停めた。それでも駐車違反になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 消防から指定の打診を受けたら、承諾は任意であることを前提に検討する2. 承諾する場合は、標識の設置位置と、それによって生じる駐車禁止の範囲(道路交通法45条)を確認する3. 将来、埋立てや撤去の予定があるなら、その手順と届出先を事前に聞いておく4. 承諾書の控えを保管し、相続人や買主に引き継げるようにしておく
訴えられた側:1. 届出をせずに埋立てや撤去をしてしまったと気付いたら、隠さず速やかに所轄の消防長又は消防署長へ連絡し、経緯を説明する2. 前所有者が承諾していた事実を知らなかったのなら、その経緯を示す資料(売買契約書、相続関係書類)をそろえる3. 今後の工事で同じ事態を繰り返さないよう、所有する土地の指定状況を一括して照会する
時効(請求できる期限):届出は、水利を変更・撤去し、又は使用不能の状態に置く「前」にしなければならない(消防法21条3項)。事後の届出では足りない。工事の着工日から逆算して、余裕をもって届け出ること
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:消防法(昭和23年法律第186号)の制定。消防水利の指定、標識の掲示、変更等の事前届出を定める規定が置かれた
- 消防法 第20条消防水利の基準と市町村の設置義務
- 消防法 第30条火災時の緊急的な水利使用権限
- 消防法 第44条届出懈怠に対する罰則(現行効力を要確認)
- 道路交通法 第45条指定消防水利標識から5m駐車禁止
- 水道法 第24条水道事業者の消火栓設置義務
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