消防法 第33条
クイックジャンプ
消防長又は消防署長及び関係保険会社の認めた代理者は、火災の原因及び損害の程度を決定するために火災により破損され又は破壊された財産を調査することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第33条は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第33条の条文原文は「消防長又は消防署長及び関係保険会社の認めた代理者は、火災の原因及び損害の程度を決定するために火災により破損され又は破壊された財産を調査することができる。」で始まります。
- 消防法第33条は第七章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第33条の前の条は消防法第32条です。
- 消防法第33条の次の条は消防法第34条です。
- 消防法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法33条は、消防長・消防署長と保険会社の認めた代理者が、火災の原因と損害の程度を決めるため焼損財産を調査できると定める。強制的な立入検査は34条で消防に限られる。
Q · 火事のあと、保険会社の鑑定人が焼け跡を調べに来るのは法律で決まっているの?
消防法33条で調査権限が認められている
消防法33条は、消防長・消防署長と並んで「関係保険会社の認めた代理者」にも、火災の原因と損害の程度を決めるための財産調査を認めています。ただし、強制力を伴う立入検査は34条で消防側に定められた権限であり、保険会社側の調査は実務上、契約者の協力を前提に進みます。協力を拒むと約款上の調査協力義務の問題となり、保険金の支払いが遅れたり減ったりするおそれがあります。
解説
焼け跡に入って調べる権限は、消防だけのものではない。消防法33条は、消防長・消防署長と並んで「関係保険会社の認めた代理者」にも、火災で壊れた財産を調査する権限を認めている。保険会社が派遣する鑑定人(損害の額を見積もる専門家)が焼け跡に来るのは、契約上のサービスであると同時に、法律が想定した手続でもある。ここで押さえるべき点は二つある。第一に、消防が出す損害額と保険会社が払う金額は別物である。消防の数字は統計のための算定で、保険金は契約内容と鑑定人の査定で決まる。第二に、調査の対象は「破損され又は破壊された財産」そのものである。鑑定人が来る前に焼けた家財を片付けて捨ててしまえば、その損害は証明できなくなる。焦って掃除をした人ほど、受け取る保険金が少なくなりやすい。
法的な位置づけ
消防法33条は火災による損害財産の調査権限を定める規定であり、消防長または消防署長および関係保険会社の認めた代理者が、火災の原因と損害の程度を決定する目的で、火災により破損または破壊された財産を調査できる旨を規定する。消防の原因・損害調査(31条以下)と保険会社の損害査定を並立させる位置づけを持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.焼け跡を保全し、全室を記録する 鎮火後は焼損した建物・家財を捨てたり動かしたりせず、全室を写真と動画で記録する。家族や親戚にも、鑑定人が来るまで片付けないよう伝える
- 2.保険会社へ事故を通知する 加入している火災保険・家財保険の会社に遅滞なく事故を通知し、証券番号、出火日時、被害の概要を伝える。鑑定人の訪問予定を確認する
- 3.消防の原因調査に協力し資料を出す 消防の原因調査では推測で話さず、出火前の状況を正確に伝える。設備の点検記録や家電の購入記録は、原因認定が固まる前に提出する
- 4.鑑定人の身元を確認し、調査に立ち会う 来訪した鑑定人の所属と依頼元の保険会社を名刺や書面で確認する。立ち会いでは、査定から漏れていそうな家財を一つずつ示して伝える
- 5.査定額を確認し、必要なら反証する 提示された査定額に納得できない場合は損害明細を求め、項目ごとに写真・購入記録などの反証資料を提出する。り災証明書が必要な場合は市町村等に申請する
よくある質問 AI による整理
Q1火災調査とは何をするのですか?
消防が火災の原因と損害の程度を調べる手続です。消防法31条以下に基づき、焼け跡の見分や関係者への質問を行い、33条で保険会社の代理者も財産を調査できます。
Q2火事のあと片付けはいつからしていい?
消防の原因調査と保険会社の鑑定人の現地確認が終わってからが安全です。先に処分すると損害の立証が難しくなり、保険金が減るおそれがあります。
Q3火災保険の鑑定人は何を調べる?
建物や家財の焼損・水濡れの範囲、損害額、出火原因との関係などを確認します。消防法33条は保険会社の認めた代理者による財産調査を認めています。
Q4火災保険の鑑定人の調査を拒否できる?
33条は強制立入りまで定めていないと解されますが、拒めば約款上の調査協力義務違反として、保険金の支払いが遅れたり減額されたりするおそれがあります。
Q5火事の損害額は誰が決める?
消防は統計用に損害額を算定しますが、保険金は契約内容と鑑定人の査定で決まります。両者は別の数字で、食い違うことも珍しくありません。
Q6火災の連絡は保険会社にいつまでにする?
保険法14条により、損害の発生を知ったら遅滞なく通知する必要があります。鎮火後できるだけ早く連絡し、鑑定人の訪問日程を決めましょう。
Q7火災保険金の請求はいつまでできる?
保険給付の請求権は、行使できる時から3年で時効により消滅します(保険法95条)。約款で別の手続期限が定められている場合もあるため確認が必要です。
Q8保険会社の鑑定人を名乗る人が来たら本物か確認すべき?
確認すべきです。名刺や依頼書で所属と依頼元の保険会社を確かめ、自分の契約先に電話で照会してから焼け跡を見せると安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社の鑑定人って、断ったらどうなるの?
消防法33条は保険会社の認めた代理者に財産調査を認めているが、実際の調査は契約者の協力を前提に動く。断ると、約款上の調査協力義務の問題になり、保険金の支払いが遅れたり減ったりするおそれがある。実務のポイント:鑑定人は損害の証人でもある。立ち会いのときに、査定から漏れていそうな家財を一つずつ指で示して伝えた人ほど、受け取る額が増えやすい
Q2消防の調査報告書って、自分でもらえるの?
火災の原因と損害の調査は消防法31条以下に基づいて行われる。報告書そのものは、個人情報の開示請求や情報公開条例の手続を通じて部分的に開示される運用が多い。保険請求では、別に発行される「り災証明書」を求められることがある。実務のポイント:近隣との訴訟になれば、裁判所を通じた文書送付嘱託で調査書類の取り寄せが試みられる。原因認定は勝敗に直結するので、早めに弁護士へ相談する
間違えやすい点 AI による整理
- 「消防が出した損害額がそのまま保険金になる」と思いがちだが、消防の損害額は火災報告のための統計上の算定であり、保険金は契約の補償内容(新価か時価か、家財の補償額など)と鑑定人の査定で決まる。二つの数字が大きく食い違うのは珍しくない
- 鑑定人の調査は保険会社が払いを渋るための粗探しだと警戒する人は多い。実際には、調査で損害が確認されなければ、払いたくても払う根拠がない。協力を拒めば、約款上の調査協力義務違反として支払いが遅れたり減ったりするおそれがある。敵だと思っていた相手が、実は損害を記録してくれる唯一の人間でもある
- 条文は代理者が「調査することができる」と定めるだけで、所有者の意思に反して強制的に立ち入る権限まで与えているかは、実務上、解釈が分かれている。強制力を伴う立入検査は34条で消防側に定められた権限である。保険会社側の調査は、実際には契約者の協力を前提に動く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の主体 | 消防法33条:消防長・消防署長+保険会社の認めた代理者 | 消防法31条:消防長または消防署長 消防法34条:消防長または消防署長 |
| 調査の対象 | 火災で破損・破壊された財産 | 火災の原因と損害(消火活動と並行して着手) 関係者の資料・報告、関係ある場所への立入り |
| 強制力 | 調査できる旨の規定にとどまり、保険会社側は協力が前提 | 調査着手の義務を定める規定 資料提出命令・報告徴収・立入検査を定める |
| 被災者への影響 | 保険金査定の根拠となるため焼損品の保全が重要 | 原因認定が近隣への責任や保険の扱いに影響 立入りや資料提出を求められる場面がある |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では消防機関が火災原因を調査・鑑定する権限を定める。保険会社の代理者に調査権限を明記する日本の33条のような規定は消防法上に置かれていない
韓国は火災調査を独立した法律で体系化している。保険会社側の調査は主に契約関係で規律される
消防救援機関が火災現場の封鎖、原因調査、火災損失の統計を担う。公的調査を中心とする構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台所から出た火で2階まで焼けた。翌朝、親戚が善意で焦げた家具をトラックで運び出そうとしている。鑑定人の現地調査はまだ。一度処分した家財は、写真とレシートなしでは損害として立証が難しくなる
- アパートの隣室から出火し、あなたの部屋も水浸しになった。管理会社と大家の保険会社の鑑定人が来て、あなたの部屋の焼損も確認したいと言う。自分の家財保険の鑑定人とは別の人間で、別の会社の利益を背負っている。誰の代理者として調べているのかを最初に確認する
- あなたが経営する飲食店で深夜に出火した。消防の調査で原因が「不明」から「厨房ダクトの清掃不足」に変わりそうだと聞いた。報告書が確定するまで時間はない。清掃業者との契約書と点検記録を今日のうちに揃えるべきなのはなぜか? 原因の書き方ひとつで、保険金の扱いも近隣への責任も変わる余地があるからだ
- 保険会社の代理者だと名乗る人物から「焼け跡を見せてほしい」と電話が来た。本当に契約先の会社が依頼した人か?
取るべき行動
被害を受けた側:1. 鎮火後は焼損品を捨てず、全室を写真と動画で記録する2. 保険会社に遅滞なく事故を通知する(保険法14条) 3. 来訪する鑑定人の所属と依頼元の会社を書面か名刺で確認する4. 消防の原因調査には、出火前の状況と設備点検記録を伝える5. 査定額に納得できなければ、明細を求めて項目ごとに反証資料を出す
訴えられた側:自分の家から出火し、近隣から責任を問われている場合:1. 消防の原因調査に正確に協力し、推測で話さない2. 失火ノ責任ニ関スル法律により、重大な過失がなければ類焼の賠償責任は原則として負わないことを踏まえ、安易に支払いを約束しない3. 個人賠償責任保険や類焼損害補償の特約がないか、自分の契約を確認する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。保険事故の通知は「遅滞なく」(保険法14条)とされ、保険給付の請求権は行使できる時から3年で時効により消滅する(保険法95条)。焼損品は鑑定人の確認が終わるまで保全する。近隣への損害賠償には一般の不法行為の時効(民法724条:知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:消防法(昭和23年法律第186号)の制定に伴い、火災の調査に関する規定の一つとして設けられた
- 消防法 第31条消防による火災原因・損害調査の着手義務
- 消防法 第32条関係者への質問と官公署への照会
- 消防法 第34条資料提出命令・報告徴収・立入検査
- 消防法 第35条放火・失火の疑いがある場合の警察との分担
- 保険法 第14条損害発生の通知義務
- 刑法 第115条保険に付した自己物件の焼損の特例
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める