消防法 第31条
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消防長又は消防署長は、消火活動をなすとともに火災の原因並びに火災及び消火のために受けた損害の調査に着手しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第31条は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第31条の条文原文は「消防長又は消防署長は、消火活動をなすとともに火災の原因並びに火災及び消火のために受けた損害の調査に着手しなければならない。」で始まります。
- 消防法第31条は第七章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第31条の前の条は消防法第30条の2です。
- 消防法第31条の次の条は消防法第32条です。
- 消防法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法31条は、消防長・消防署長に対し、消火と並行して火災の原因と、火災・消火による損害の調査に着手する義務を課す。ただし、調査は責任の所在を法的に確定させるものではない。
Q · 火事の原因って誰が調べるの?警察じゃないの?
消防長・消防署長に法律上の調査義務がある
消防法31条により、消防長または消防署長は、消火活動と同時に火災の原因と、火災・消火で生じた損害の調査に着手しなければなりません。火災原因調査の主役は消防です。放火や失火の犯罪が疑われる場合は、消防が警察に通報し、協力して調べます(同法35条)。消防の原因判定は責任を法的に確定させるものではありませんが、保険請求や賠償交渉で重要な資料になります。
解説
火が消えた瞬間に仕事が終わるわけではない。消防法31条は、消防長または消防署長に対し、消火活動と同時に「火災の原因」と「火災と消火で生じた損害」の調査に着手するよう義務づけている。義務であって、任意のサービスではない。焼け跡で消防職員が写真を撮り、配線や家電の残骸を回収し、あなたに出火当時の様子を聞くのはこのためだ。ここで作られる原因判定と損害の記録は、行政内部の統計資料で終わらない。火災保険の請求で使う「り災証明」の土台になり、隣家に損害賠償を求めるときには相手の「重大な過失」を示す材料になる。家電が原因なら、メーカーと戦うための入口にもなる。つまり、焼け跡で消防職員に何を話すか、何を見せるかで、数か月後の保険金と賠償交渉の行方が大きく変わる。なお、消防の原因判定は誰に責任があるかを法的に確定させるものではなく、最終判断は民事なら裁判所がする。それでも、消防が最初に書いた一枚の重みは非常に大きい。
法的な位置づけ
消防法31条は、火災の原因調査と損害調査の開始義務を定める規定である。消防長または消防署長は、消火活動と並行して、火災の原因ならびに火災および消火のために受けた損害の調査に着手しなければならない。関係者への質問、破損財産の調査、立入検査などの具体的な調査権限は、同法32条以下に定められている。
手順
- 1.焼け跡を保全し、自分でも記録する 消防の調査と保険会社の鑑定が終わるまで焼け跡を片付けない。建物の外観、出火したと思われる場所、家電や配線の残骸を、写真と動画で全方位から撮影しておく
- 2.消防職員に事実を時系列で伝える 出火前後に見たこと聞いたこと(異臭、異音、隣家の様子、相手の発言など)を時系列でメモしてから質問に答える。推測で話すときは、推測だとはっきり断る
- 3.り災証明を申請し、保険会社に事故連絡する 所轄の消防署でり災証明の申請方法を確認して取得する。保険会社への事故連絡は消防の調査を待たずにすぐ行い、修理見積もりも自分で取っておく
- 4.調査記録を取り寄せて請求の可否を検討する 隣人やメーカーとの交渉が必要なときは、火災調査書類を自治体の個人情報開示制度や情報公開制度で請求する。重過失や製品が原因の可能性があれば、弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1火災原因調査とは何ですか?
消防が出火場所や出火原因、延焼の経過を明らかにする調査です。消防法31条で、消防長・消防署長に消火と並行して着手する義務があります。
Q2火災調査は何日くらいかかりますか?
法律上の期限はありません。小規模な火災なら数日で済むこともありますが、製品火災や死者が出た火災では、鑑定を含めて数か月かかる場合があります。
Q3火災のり災証明書はどこで発行してもらえますか?
火災によるり災証明は、一般に所轄の消防署が発行します。名称や必要書類は自治体ごとに違うため、管轄の消防本部に確認してください。
Q4消防の火災調査で家に入られるのを拒否できますか?
消防法34条により、消防長・消防署長は関係のある場所に立ち入って検査できます。正当な理由のない拒否は罰則の対象になりうるため、協力が原則です。
Q5消防の火災原因の判定に納得できないときはどうする?
原因判定そのものを取消訴訟で争うのは一般に難しいとされています。独自に鑑定を依頼し、民事訴訟や保険会社との交渉の場で別の証拠として示すのが現実的です。
Q6火事のあと現場の片付けはいつからしていい?
消防の調査と保険会社の鑑定が終わったことを確認してから片付けるのが安全です。先に片付けると、出火原因の痕跡や損害の証拠が失われます。
Q7失火責任法とはどんな法律ですか?
失火で他人に損害を与えても、重大な過失がなければ不法行為責任を負わないとする法律です。重過失があれば民法709条で賠償請求できます。
Q8放火が疑われる火事は誰が調べますか?
原因調査は消防が行い、放火や失火の犯罪が疑われるときは、消防法35条により消防が警察に通報します。犯罪捜査は警察、原因調査は消防という役割分担です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1消防の火災調査の結果って、自分で見せてもらえるんですか?
消防法31条に基づく調査結果は火災調査書類にまとめられ、自治体の個人情報開示制度や情報公開制度で請求できる場合が多いです。第三者の個人情報や捜査に関わる部分は黒塗りになることがあります。実務のポイント:訴訟になれば、裁判所からの文書送付嘱託や弁護士会照会でより詳しい内容を得られる場合があります。最初に何を請求するかで手元に来る情報量が違います
Q2もらい火で家が半焼。隣の人に賠償してもらえないって本当?
失火責任法により、失火者に重大な過失がなければ不法行為責任は問えません。ただし重過失なら民法709条による請求が可能です。実務のポイント:油鍋の放置や寝たばこが重過失と認定された裁判例があります。重過失かどうかを決める出火時の状況は、消防法31条の原因調査の記録に残っている可能性が高い。隣人の謝罪の言葉より、その記録の方が交渉では強い
Q3消防署の人にいろいろ聞かれたけど、答えないといけないの?
消防法32条は関係者への質問を認めていますが、自分に不利益な事実まで話す義務はなく、推測で答える必要もありません。実務のポイント:出火元の住人の供述は原因判定に使われ、警察が失火罪を判断する際にも参照されえます。協力的な態度は崩さず、事実と推測をはっきり分けて話す。この線引きをするだけで、後の争いで不利になる危険をかなり減らせます
Q4火災保険の請求って、消防の調査が終わるまで待たなきゃいけない?
待つ必要はなく、保険会社への事故連絡は火災直後にすべきです。ただ保険金の支払いでは、り災証明や原因判定が確認資料として求められることがあり、消防法31条の損害調査がその土台になります。実務のポイント:消防の損害調査額と保険会社の査定額は別物です。消防の記録が低めでも保険金がそれに縛られるわけではないので、修理見積もりは自分でも取っておく
間違えやすい点 AI による整理
- 消防の仕事は火を消すことで、原因究明は警察の仕事だと思われがちだが、法律上は消防長・消防署長に原因と損害の調査義務がある。放火や失火の犯罪が疑われれば警察へ通報し協力するが(消防法35条)、火災原因調査の主役はあくまで消防である
- 消防の原因判定が出れば、それで誰が悪いか決まると考える人は多い。実際には、原因判定は責任の所在を法的に確定させる決定ではなく、原則として取消訴訟で争う対象にもならないと解されている。強力な証拠ではあるが、民事の裁判では他の証拠と並べて評価される。判定に納得できないなら、独自に鑑定を依頼して争う余地は残る
- もらい火の被害者は自分の火災保険で直すしかないと思っている人は多い。失火責任法のせいで隣人に請求できないのは「重大な過失がない場合」に限られる。そのあきらめ癖こそが本当の損失で、重過失の判断材料は多くの場合、消防の調査記録の中に眠っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 消防法31条:原因・損害の調査に着手する義務 | 消防法32条:関係者への質問、官公署への照会 消防法35条:放火・失火の疑いがあるときの警察への通報 |
| 名あて人 | 消防長または消防署長(義務を負う側) | 質問を受ける関係者、照会を受ける官公署 所轄の警察署(通報と協力の相手) |
| 市民への影響 | 調査記録がり災証明・保険・賠償交渉の土台になる | 質問に答えた内容が原因判定の資料になる 刑事手続(失火罪・放火罪)に進む入口になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では直轄市・県(市)の消防機関が火災原因を調査・鑑定し、調査が終わるまで現場を保全させ、必要なら封鎖もできる。現場保全を明文化している点が日本より踏み込んでいる
韓国では火災調査を独立の法律として切り出し、消防機関による調査の実施と体制を体系的に定めている
中国では消防救援機関が火災現場を封鎖し、原因を調査して火災損失を統計する。調査結果は火災事故認定書としてまとめられる
米国では州や自治体の Fire Marshal が原因調査を担い、調査手法は NFPA 921が事実上の標準となっている。民事訴訟では専門家証人による原因鑑定が重視される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣家の台所から出た火があなたの家の二階まで燃え広がった。ところが隣人に賠償を求めても「失火責任法があるから払わなくていい」と言われる。同法では重大な過失がなければ失火者は不法行為責任を負わない。天ぷら油を火にかけたまま離れたのか、寝たばこなのか。重過失かどうかを分けるその事実は、消防の原因調査の記録に残っている可能性が高い
- 充電中のモバイルバッテリーが発火し、子ども部屋が全焼した。消防の原因調査で「製品からの出火」と判定されれば、製造物責任法に基づくメーカーへの請求が現実味を帯びる。焼け残った製品を自分で捨てていないか?
- もしあなたが出火元の住人になったら、どうなる? 賃貸アパートで自室から火を出し、消防職員から出火前の行動を詳しく聞かれる。その供述は原因判定の資料になり、のちに警察が失火罪や重過失失火罪を判断するときにも参照されうる。記憶があいまいな点を推測で埋めて話すと、後から訂正するのは難しい
- 火災から二週間。片付け業者が明日入る予定だが、保険会社の鑑定人も、消防の調査もまだ終わっていない。焼け跡を片付けてしまえば、出火元の痕跡は永遠に消える
- 勤務先の倉庫でぼやが起き、上司から「消防には電気系統のトラブルと言っておけ」と指示された。実際は社員の喫煙だった。原因を偽れば、保険金請求で不正を問われる危険が会社に、虚偽の説明をした責任があなた個人に返ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 焼け跡は消防の調査と保険会社の鑑定が終わるまで片付けない。自分でも写真と動画を全方位で撮る2. 消防職員には出火前後に見聞きした事実を具体的に伝える3. 所轄の消防署でり災証明の申請方法を確認し、早めに取得する4. もらい火なら、消防の調査記録を開示請求で取り寄せ、隣人の重過失を主張できるか弁護士に相談する5. 製品が疑わしい場合は残骸を捨てずに保管する
訴えられた側:1. 消防の質問には協力しつつ、記憶にないことは「分からない」と答え、推測で話を作らない2. 出火元とされた家電・配線は勝手に処分しない。製品起因であれば責任の構図が変わる3. 自分の火災保険と個人賠償責任保険、借家人賠償責任保険の契約を今すぐ確認する4. 重過失を問われそうな場合や警察から事情聴取の連絡が来た場合は、供述前に弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はないが、隣人や失火者への損害賠償請求は損害と加害者を知った時から3年、火災から20年で消滅(民法724条)。火災保険金の請求権は保険法95条により行使できる時から3年で時効(約款で別の手続期限が定められている場合があるため、最新の契約内容と改正状況をご確認ください)。焼け跡の証拠価値は数日から数週間で失われる
学説
一般的理解:本条の調査は火災予防と統計のための行政上の事実行為と位置づけられ、原因判定によって国民の権利義務が直接に形成されるわけではないと一般に理解されている。そのため民事訴訟では、ほかの証拠と並ぶ一つの証拠として評価される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:消防法制定とともに「火災の調査」の章に置かれ、消防長・消防署長の原因調査と損害調査の着手義務を定めた
- 消防法 第32条関係者への質問と官公署への照会権限
- 消防法 第33条火災で破損した財産の調査
- 消防法 第34条資料提出命令・報告徴収・立入検査
- 消防法 第35条放火・失火の犯罪を疑うときの警察通報
- 災害対策基本法 第90条の2市町村長による罹災証明書交付の根拠
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