消防法 第35条の9
クイックジャンプ
- 都道府県知事は、救急業務を行つていない市町村の区域に係る道路の区間で交通事故の発生が頻繁であると認められるものについて当該交通事故により必要とされる救急業務を、関係市町村の意見を聴いて、救急業務を行つている他の市町村に実施するよう要請することができる。この場合において、その要請を受けた市町村は、当該要請に係る救急業務を行うことができる。
- 2.都道府県は、救急業務を行つていない市町村の区域に係る高速自動車国道又は一般国道のうち交通事故により必要とされる救急業務が特に必要な区間として政令で定める区間(前項の要請により救急業務が行われている道路の区間を除く。)について、当該救急業務を行つていない市町村の意見を聴いて、当該救急業務を行うものとする。この場合において、当該救急業務に従事する職員は、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の適用については、消防職員とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第35条の9は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第35条の9の条文原文は「都道府県知事は、救急業務を行つていない市町村の区域に係る道路の区間で交通事故の発生が頻繁であると認められるものについて当該交通事故により必要とされる救急業務を、…」で始まります。
- 消防法第35条の9は第七章の二に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第35条の9の前の条は消防法第35条の8です。
- 消防法第35条の9の次の条は消防法第35条の10です。
- 消防法第35条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第35条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第35条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/35_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法第35条の9は、救急業務を行っていない市町村の区域の道路について、都道府県知事が他の市町村に救急業務を要請でき、政令指定区間は都道府県自身が救急業務を行うと定める。
Q · 救急業務をやっていない町の国道で事故にあったら、救急車は来るの?
隣の市か県の救急隊が来る仕組みが法律で用意されている
消防法35条の9により、救急業務を行っていない市町村の区域の道路でも救急の空白を埋める仕組みがあります。1項では、交通事故が頻発する区間について都道府県知事が他の市町村に救急業務を要請でき、要請を受けた市町村は救急業務を行うことができます。2項では、政令で定める高速自動車国道・一般国道の区間について、都道府県自身が救急業務を行います。ただし1項の要請に応じる法的義務はなく、体制は自治体間の合意に支えられています。
解説
119番をかければ救急車は必ず来る。多くの人はそう信じているが、法律の上では、救急業務は市町村ごとの仕事である(消防組織法6条)。救急業務を行っていない町村は、今もごく一部(主に離島など)に残っている。本条は、その空白を道路の上で埋めるための条文だ。1項:交通事故が多発する区間について、都道府県知事は、関係市町村の意見を聴いたうえで、救急業務を行っている隣の市町村に出動を「要請」できる。ただし要請を受けた市町村は「行うことができる」とされているだけで、義務ではない。2項:高速自動車国道や一般国道のうち政令で定める区間は、都道府県自身が救急業務を「行うものとする」。こちらは都道府県の責務である。つまりあなたの事故現場に来る救急車がどの自治体のものかは、あなたが住む町ではなく、事故が起きた道路の区間と法律上の割り振りで決まる。
法的な位置づけ
消防法第35条の9は、救急業務を行っていない市町村の区域に係る道路の救急体制を補完する規定である。1項は交通事故が頻発する区間について都道府県知事が他の市町村に救急業務の実施を要請できる旨を、2項は政令で定める高速自動車国道又は一般国道の区間について都道府県が自ら救急業務を行う旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1救急業務を行っていない市町村はありますか?
救急業務の実施主体は原則として市町村であり、離島などごく一部に救急業務を行っていない町村が残っています。消防法35条の9はその区域の道路を補う規定です。
Q2救急業務は誰の責任ですか?
原則として市町村の責任です(消防組織法6条)。都道府県が自ら救急業務を担うのは、消防法35条の9第2項の政令指定区間など例外的な場面です。
Q3都道府県が救急業務を行うのはどんな場合?
救急業務を行っていない市町村の区域にある高速自動車国道・一般国道のうち、政令で定める区間について、都道府県が救急業務を行うものとされています。
Q4隣の市に救急を要請できるのは誰?
都道府県知事です。交通事故が頻発する道路区間について、関係市町村の意見を聴いたうえで、救急業務を行っている他の市町村に実施を要請できます。
Q5要請を受けた市町村は救急出動を断れる?
条文上は「行うことができる」とされ、出動義務は定められていません。実務では、費用負担や出動範囲を事前に協議して応じる運用が通例です。
Q6県の救急隊員は消防職員になるの?
なります。消防法35条の9第2項後段により、県の救急業務に従事する職員は、地方公務員法の適用について消防職員として扱われます。
Q7消防職員は労働組合を作れない?
地方公務員法52条5項により、消防職員は職員団体を結成・加入できません。県の救急業務に従事する職員にも、この扱いが及びます。
Q8事故現場の救急担当の自治体を調べる方法は?
事故区間が1項の要請区間か、2項の政令指定区間かを確認します。県の消防防災担当部署の公開資料や消防法施行令を手がかりにできます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1高速道路で事故ったら、救急車ってどこの消防から来るんですか?
原則は事故地点を管轄する市町村の消防です。その市町村が救急業務を行っていない区域で、政令が定める高速自動車国道や一般国道の区間であれば、本条2項により都道府県が救急業務を行います。実務のポイント:実際の出動では、インターチェンジの位置や上下線の進入路の関係で、管轄地図上の最寄りではない隊が来ることもある。通報時はキロポストと上下線を伝えることが、到着時間を縮める一番の近道である
Q2隣の市に救急を頼まれたら、その市は断れるんですか?
本条1項の文言は、要請を受けた市町村は救急業務を「行うことができる」というもので、条文上の出動義務は課していません。法的には受けるかどうかを判断する余地が残る構造です。実務のポイント:実務では、要請の前に県と市町村の間で費用負担や出動範囲が詰められるのが通例。この協議の中身(負担金の算定方法など)が、要請を受ける市の本当の判断材料になる。議会資料や県の公開資料で確認できる場合がある(最新の運用は各県でご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「救急車は国の制度だから全国どこでも同じ」と思われがちだが、救急業務の実施主体は原則として市町村である。都道府県が自ら救急業務を担うのは、本条2項で政令が定める道路区間など例外的な場面に限られる
- 1項の「要請」の重みが見落とされている。要請を受けた市町村は救急業務を「行うことができる」にとどまり、条文上の出動義務はない。現場では要請に応じる運用が積み重なっているが、その体制を最後に支えているのは条文ではなく、自治体同士の合意と予算である
- 2項の後段は事務的な付け足しに見えるが、意味は小さくない。県の救急業務に従事する職員を地方公務員法上「消防職員」と扱うことで、職員団体の結成禁止(地方公務員法52条5項)なども及ぶ。救急の現場を止めないという判断が、身分の扱いにまで及んでいる
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では直轄市・県(市)の消防機関が救護業務を担い、救急空白の町村という構造は日本ほど顕著ではない
韓国の119救急は広域自治体(市・道)の消防本部が担い、日本の市町村消防とは実施単位が異なる
ドイツの救急は州法事項であり、州が救急区域を設定して郡・市に委ねる構造をとる
米国の救急は州・郡・市単位で運営され、連邦法は地域 EMS システム整備の助成枠組みを定めた
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜の国道で単独事故を起こした。現場は救急業務を行っていない町の区域内である。それでも救急車は来る。本条1項の要請を受けた隣の市の救急隊か、2項の区間なら都道府県の救急隊が出動するという割り振りがあるからだ
- もし議員や役場の担当者として「うちの町は救急業務を他所に頼っている」と住民から責められたら、どう答える? 県が他の市町村に要請する際、あなたの町は「意見を聴かれる」立場にある。黙っていれば、出動体制はそのまま固まる。次の協議までに意見書を出さなければ、町の声は記録に一行も残らない
- 消防法 第2条第9項で救急業務を定義
- 消防法 第35条の5都道府県による搬送・受入実施基準(現行効力を要確認)
- 消防組織法 第6条市町村の消防責任の原則
- 消防組織法 第39条市町村間の相互応援
- 地方公務員法 第52条消防職員の職員団体結成禁止(5項)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める