相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した財産については、第二十一条の五から第二十一条の七までの規定は、適用しない。
要点相続税法 21 条の 11 は、相続時精算課税を選んだ人が特定贈与者から受けた贈与について、暦年課税の基礎控除と税率(21 条の 5〜21 条の 7)を適用しないと定める規定です。
Q · 相続時精算課税を選ぶと、毎年 110 万円の贈与非課税枠は使えなくなるの?
はい、その贈与者からの贈与に暦年課税の枠は使えません
相続税法 21 条の 11 により、相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した財産には、暦年課税の基礎控除(21 条の 5)と税率(21 条の 7)が適用されません。選択届出書は撤回できず(21 条の 9)、その特定贈与者が死亡するまで効力が続きます。ただし令和 6 年(2024 年)以降は、精算課税自体に年 110 万円の基礎控除(21 条の 11 の 2)が別枠で設けられています。また課税方式の選択は贈与者ごとであり、父に精算課税を選んでも母からの贈与には暦年課税を使えます。
親から住宅資金 2,500万円を非課税で受け取れる。そう聞いて相続時精算課税に飛びついたあなたは、同時にもう一つの扉を永久に閉じている。相続税法 21条の11 がその閂だ。この制度を選んだ瞬間、その親からの贈与には暦年課税の基礎控除(21条の5)と税率表(21条の7)を「適用しない」と定められる。毎年110万円ずつ暦年でコツコツ渡していく王道の節税が、その親との間では封じられる。しかも選択届出書は一度出したら撤回不能。令和6年(2024年)からは精算課税にも別枠の110万円基礎控除(21条の11の2)が付いたが、暦年課税そのものへは二度と戻れない。2,500万円の甘い数字だけを見て、この一文があなたから奪う「後戻りの自由」に気づかない人が後を絶たない。
相続税法 21 条の 11 は、相続時精算課税の適用除外規定である。相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した財産については、暦年課税の基礎控除を定める 21 条の 5 から税率を定める 21 条の 7 までの規定を適用しない。二つの課税方式の重複適用を排除し、贈与者ごとに課税方式を一元化する調整規定として機能する。
生前贈与にかかる贈与税を軽くする代わりに、贈与財産を相続時に相続財産へ足し戻して相続税で精算する制度です。21 条の 9 以下が定め、暦年課税との選択制になっています。
誰でもは使えません。贈与の年の 1 月 1 日時点で贈与者が 60 歳以上、受贈者が 18 歳以上の推定相続人である子・孫であることが要件です(21 条の 9)。
使えます。21 条の 11 が封じるのは「特定贈与者」からの贈与だけです。課税方式の選択は贈与者ごとなので、母からの贈与には暦年課税の基礎控除が残ります。
贈与を受けた年の翌年 2 月 1 日から 3 月 15 日まで、贈与税の申告書と一緒に提出します。この期限を過ぎるとその年の贈与に精算課税は使えません。
令和 6 年(2024 年)以降は、21 条の 11 の 2 の年 110 万円基礎控除の範囲内なら贈与税の申告は不要です。それを超える年は申告が必要になります。
必ずではありません。贈与財産は相続財産へ足し戻されますが、支払済みの贈与税額は相続税額から控除され、控除しきれない分は還付されます(21 条の 15・21 条の 16)。
使えません。小規模宅地等の特例は相続または遺贈で取得した宅地等が対象で、生前に精算課税で贈与した宅地は対象外です。自宅敷地の贈与は特に慎重な判断が必要です。
21 条の 11 により暦年課税が封じられること、選択を撤回できないこと(21 条の 9)、贈与財産に小規模宅地等の特例が使えないこと、不動産なら登録免許税・不動産取得税の負担が重いことです。
「かからない」ではなく「先送り」が正確です。21条の12の特別控除2,500万円までは贈与時に贈与税は課されませんが、21条の15・21条の16により親の死亡時にその贈与財産は相続財産へ全額足し戻され、相続税で精算されます。業界裏話ヒント:本当に得になるのは値上がりする資産を渡した場合だけ。贈与時の低い評価額で固定されるので、将来値上がりする自社株や再開発予定地なら効果絶大ですが、現金や値下がり資産では節税ゼロ、むしろ暦年贈与の方が有利なことが多い。
戻せません。21条の11で暦年課税の基礎控除・税率が「適用しない」と定められ、21条の9で選択届出書の撤回も封じられています。その親が亡くなるまで精算課税が続きます。業界裏話ヒント:税理士でも「とりあえず精算課税を選んでおけば」と安易に勧める人がいますが要注意。特にまだ何十年も生きる若い親から精算課税を選ぶと、その長い期間ずっと暦年110万円贈与が封じられ、トータルで大損になるケースがある。親の年齢と資産構成を必ず確認する。
令和6年(2024年)施行の21条の11の2で、精算課税にも年110万円の基礎控除が新設されました。しかもこの110万円は暦年と違い相続財産に足し戻されません。業界裏話ヒント:この改正で精算課税の魅力は跳ね上がりました。暦年110万円は死亡前7年分が相続財産へ足し戻される(令和5年改正)のに対し、精算課税の110万円は何年分でも足し戻し対象外。相続が近い高齢の親ほど、精算課税の110万円枠を早く使い始めた方が有利になる逆転現象が起きています。(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 毎年使える非課税枠 | 21 条の 11:特定贈与者からの贈与に暦年課税の枠は使えない | — |
| 大型贈与への対応 | 21 条の 11 自体は控除を与えず、暦年側を遮断するのみ | — |
| 相続時の足し戻し | 暦年課税の適用がないため、暦年の生前贈与加算のルールは働かない | — |
| やり直しの可否 | 適用除外の効果は特定贈与者の死亡まで継続 | — |
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