生活保護法 第85条の3
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第八十条の二第六項の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第85条の3は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第85条の3の条文原文は「第八十条の二第六項の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 生活保護法第85条の3は第十三章に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第85条の3の前の条は生活保護法第85条の2です。
- 生活保護法第85条の3の次の条は生活保護法第86条です。
- 生活保護法第85条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第85条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第85条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/85_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法第85条の3は、第80条の2第6項に基づく命令に違反した者を1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すると定める。命令前の指導段階は処罰対象外。
Q · 役所からの命令を無視したら、本当に刑事罰になるの?
命令違反は刑事罰の対象。指導の段階なら処罰されない
生活保護法第85条の3により、第80条の2第6項に基づく命令に違反した者は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処されます。任意の協力を求める行政指導に従わなくても原則として処罰されませんが、法律上の命令は別です。命令に不服があるときは、無視するのではなく、審査請求や取消訴訟で争い、あわせて執行停止を申し立てるのが筋です。
解説
生活保護法の罰則と聞くと、多くの人は不正受給を思い浮かべる。だが第85条の3が処罰しているのは受給者ではない。第80条の2第6項に基づいて行政が出した「命令」に従わなかった者である。ここで押さえておきたいのは処罰の構造だ。最初の行為そのものがいきなり処罰されるわけではない。行政がまず命令(役所が特定の相手に「これをせよ」「これをやめよ」と直接義務を課す決定)を出し、それを無視した段階で初めて刑事罰の対象になる。法定刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。2025年6月1日の刑法改正施行で「懲役」は「拘禁刑」に統合された。命令書を受け取った側からみれば、その紙は行政との話し合いの続きではない。刑事事件へ進む手前の最後の関門である。反対に、生活保護の現場で不当な扱いを受けている側からみれば、行政が命令を出した事実そのものが、相手を刑事責任で縛る強い材料になる。なお、第80条の2第6項が誰に何を命じる規定なのかは、必ず現行条文で確認してほしい(最新の改正状況をご確認ください)
法的な位置づけ
生活保護法第85条の3は、同法第80条の2第6項の規定による命令に違反した者を処罰する罰則規定である。違反行為をした者に対し、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を科す。行政指導ではなく法律上の命令への違反を構成要件とする、命令前置型の行政刑罰に位置づけられる。
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護法85条の3とは何ですか?
生活保護法第80条の2第6項に基づく命令に違反した者を、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処する罰則規定です。
Q2行政指導と行政命令の違いは?
行政指導は任意の協力要請で、従わなくても不利益な扱いは禁じられています(行政手続法32条)。命令は法的義務を課し、違反すれば罰則の対象になります。
Q3命令違反の罰金は前科になりますか?
なります。罰金も刑事罰なので前科として扱われ、許認可の欠格事由や取引先・金融機関の信用審査に影響することがあります。
Q4行政の命令に不服があるときはどうすればいい?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求をするか、6か月以内に取消訴訟を起こします。あわせて執行停止の申立てを検討します。
Q5取消訴訟を起こせば命令に従わなくていい?
いいえ。訴訟を起こしただけでは命令の効力は止まりません(執行不停止の原則)。効力を止めるには執行停止の決定が必要です(行政事件訴訟法25条)。
Q6拘禁刑とはいつから?
2025年6月1日に改正刑法が施行され、懲役と禁錮が拘禁刑に一本化されました。本条の法定刑もこれにあわせて拘禁刑と改められています。
Q7命令違反の公訴時効は何年?
法定刑の上限が1年以下の拘禁刑なので、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。違反行為が終わった時点から起算します。
Q8命令違反を見つけたらどこに通報すればいい?
命令を出した自治体の福祉事務所や都道府県の担当部署に書面で情報提供します。悪質な場合は警察や検察への告発も選択肢になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1命令に一部だけ従った場合でも、罪になっちゃうんですか?
命令の内容が完全には履行されていなければ、第85条の3の違反行為にあたる可能性は残ります。ただ、起訴するかどうかや刑の重さの判断では、履行の程度や誠実さが考慮されます。実務のポイント:行政が刑事告発に踏み切るかどうかは、違反の悪質さに加えて、どれだけ改善の意思がみえるかを重視して判断することが多いです。途中経過を書面でこまめに報告しておくことが、告発を避ける最大の防御になります
Q2会社として命令を受けた場合、社長個人も処罰されますか?
実際に違反行為をした個人が処罰の対象になります。そのうえで、法人の業務として行われた場合は、両罰規定によって法人にも罰金が科される可能性があります(第86条、現行効力を要確認)。実務のポイント:現場責任者だけが送検され、代表者は「知らなかった」と主張するケースも少なくありません。一方で、社内に命令の受領記録が残っていると、代表者の関与が認定されやすくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 「行政からの紙は全部お願いにすぎない」と思っている人が多い。行政指導(任意の協力要請)は従わなくても原則処罰されない。一方で、法律の根拠に基づく命令は違反すれば刑事罰につながる。書面に根拠条文として「第80条の2第6項」と書かれているかどうか。その一行で、紙の重みが別物になる
- 罰金なら大したことはないと思われがちだが、罰金刑も前科として記録に残る。許認可が必要な事業では欠格事由に影響することがあり、取引先や金融機関の信用審査でも不利に働く。50万円という金額より、その後に続く事業上の打撃のほうがはるかに大きい
- 「命令が不当だから従わなくていい」という考え方には前提の誤りがある。行政処分は、取り消されるまでは原則として有効に扱われる(公定力)。不当だと考えるなら、無視するのではなく審査請求や取消訴訟で争うのが筋である。刑事裁判の中で命令の違法性をどこまで争えるかは、実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象の行為 | 生活保護法85条の3:第80条の2第6項に基づく命令への違反 | 生活保護法85条:不正な手段による保護の受給など 行政手続法32条:行政指導への不服従(処罰なし、不利益取扱いも禁止) |
| 主な名宛人 | 命令を受けた者(受給者本人とは限らない) | 保護を不正に受けた者、または受けさせた者 行政指導を受けた者 |
| 処罰に至る前の段階 | 命令が出され、それに違反して初めて処罰(命令前置型) | 不正受給という行為そのものが処罰対象(直罰型) 処罰の段階なし |
| 争い方 | 命令への審査請求・取消訴訟+執行停止 | 刑事手続の中で構成要件該当性を争う 行政指導の中止等の求め(行政手続法36条の2) |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾では行政上の義務違反は主に行政罰(罰鍰)で処理され、刑事罰を背景にした命令前置型の構造は日本ほど多用されない傾向がある。具体条文は要確認
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 役所から第80条の2第6項に基づく命令書が届いた。「いつもの指導の延長だろう」と机の引き出しにしまっておいたら、どうなるか? 期限を過ぎて従わなかった時点で、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になりうる。行政指導とは重みがまったく違う
- 命令書の履行期限まであと10日。内容に納得できないまま放っておくと、刑事罰のリスクが刻々と近づく。従うか、争うか、両方を並行して進めるか。取消訴訟を起こしただけでは命令の効力は止まらないので、執行停止の申立てもあわせて検討する必要がある
- 知人が生活保護受給者を相手にする事業を手がけていて、「役所から命令が来たけど無視しても罰金くらいだろう」と話している。罰金も前科になる。そのうえ、法人の業務として違反した場合は法人も処罰される両罰規定の対象になりうる(第86条、現行効力を要確認)
- 命令を受けた事業者の運営実態について、利用者として疑問を抱いている。命令が出たのに是正されていないなら、それは行政に知らせるべき事実であり、場合によっては刑事告発の根拠にもなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 命令の対象となった事業者などから不利益を受けているなら、日時、内容、やり取りを記録に残す2. 命令が出た後も是正されていない事実があれば、福祉事務所や都道府県の担当部署に書面で情報提供する3. 自分の保護費や生活に直接の被害がある場合は、民事上の請求(民法709条)とは別の手続として検討する4. 法テラスや弁護士会の相談窓口で、刑事告発に向けた証拠がそろっているかを確認する
訴えられた側:1. 命令書の根拠条文、命令内容、履行期限をすぐに確認する2. 従えるなら期限内に履行し、その証拠(報告書や写真)を残す3. 不服があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求をするか取消訴訟を起こし、あわせて執行停止を申し立てる4. 捜査が始まった場合はすぐに弁護人を付け、是正の実績を情状として整理する
時効(請求できる期限):審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。本罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(公定力):行政処分は取り消されるまで有効とされるため、命令に不服がある者は行政上の不服申立てや取消訴訟で争うべきとされる。刑事裁判での命令の違法性の主張可能性については見解が分かれる。
行政刑罰の構造論:命令違反を処罰する規定は、行為をいきなり処罰するのではなく、命令で義務を具体化した後に違反を処罰する命令前置型をとり、実効性確保と手続保障の調整を図るものと整理される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴い、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。本条の新設時期と第80条の2の改正経緯は人による確認が必要
改正の年表
- 1.令和7年(2025年) 改正:刑法等の一部改正(令和4年公布)の施行に伴い、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。本条の新設時期は要確認。
- 生活保護法 第80条の2本罪の前提となる命令の根拠規定
- 生活保護法 第85条不正受給等に対する罰則
- 生活保護法 第86条法人等の両罰規定(現行効力を要確認)
- 刑法 第8条刑法総則を他の法令の罪にも適用
- 行政事件訴訟法 第25条命令の執行停止による刑事罰リスクの回避
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