生活保護法 第85条の2
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第二十七条の三第六項、第五十五条の七第三項(第五十五条の八第三項及び第五十五条の十第二項において準用する場合を含む。)及び第五十五条の九第四項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第85条の2は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第85条の2の条文原文は「第二十七条の三第六項、第五十五条の七第三項(第五十五条の八第三項及び第五十五条の十第二項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 生活保護法第85条の2は第十三章に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第85条の2の前の条は生活保護法第85条です。
- 生活保護法第85条の2の次の条は生活保護法第85条の3です。
- 生活保護法第85条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第85条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第85条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/85_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法85条の2は、就労支援等の受託者が業務上知った秘密を漏らした場合、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処すと定める。対象は故意の漏洩である。
Q · 生活保護の支援を委託された民間スタッフが受給者の秘密を漏らしたら、罰せられるの?
罰せられる。1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金
生活保護法85条の2により、同法の守秘義務規定(27条の3第6項、55条の7第3項、55条の9第4項等)に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処されます。就労支援などの業務を受託した民間事業者の職員も対象で、罰金の上限は地方公務員の守秘義務違反(地方公務員法60条、50万円)の2倍です。処罰されるのは故意に漏らした場合で、過失による紛失は原則として対象外ですが、民事上の賠償責任は別に生じえます。
解説
生活保護の現場で情報を扱うのは、役所のケースワーカーだけではない。就労支援や健康管理支援などの事業は、NPO、社会福祉法人、民間企業に委託されることが多い。そこで働く相談員やデータ分析の担当者は公務員ではないため、地方公務員法の守秘義務は及ばない。その空白を埋めるのが本条である。列挙された規定に違反して秘密を漏らせば、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。公務員の守秘義務違反の罰金上限(地方公務員法60条、50万円)より高い額が民間側に設定されている。受託先で働くあなたが「この人、生活保護受けてるんだよ」と LINE で一言送れば、それは雑談では済まず、刑事罰の対象になりうる。逆に、受給者であるあなたの情報を漏らした委託先スタッフは「民間だから」という理由で逃げられない。対象は「漏らす」という故意の行為であり、うっかりの紛失は本条の直接の射程外だが、民事責任は別に残る
法的な位置づけ
生活保護法85条の2は、同法が受託者等に課す守秘義務(27条の3第6項、55条の7第3項、55条の9第4項等)の違反に対する罰則規定である。秘密を漏らす故意の行為を構成要件とし、法定刑は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金とされる。公務員法制の守秘義務が及ばない民間受託者の守秘義務を、刑罰によって担保する機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護法85条の2とは何ですか?
生活保護の関連業務の受託者などが、業務上知った秘密を漏らした場合の罰則規定です。1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が科されます。
Q2生活保護の委託先に守秘義務はありますか?
あります。生活保護法55条の7第3項などが受託者に守秘義務を課しており、違反すると同法85条の2により刑事罰の対象になります。
Q3生活保護の守秘義務違反の罰則はどのくらい?
1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。2025年6月の刑法改正の施行により、「懲役」は「拘禁刑」に改められています。
Q4生活保護を受けていることを他人に話すと違法?
受託業務で知った受給の事実を第三者に漏らせば、秘密の漏洩に当たりえます。業務と関係なく知った一般人の噂話は本条の対象外です。
Q5生活保護の情報漏洩はどこに相談すればいい?
まず担当の福祉事務所に書面で通報し、委託先の調査を求めます。刑事責任の追及は警察・検察への告訴、損害賠償は弁護士に相談します。
Q6委託先を退職した後も守秘義務は続く?
受託業務に従事していた者の守秘義務は、退職後も続くと規定されるのが一般的です。退職後に業務で知った秘密を話しても処罰対象になりえます。
Q7生活保護の秘密漏洩の時効はいつまで?
公訴時効は漏洩行為の時から3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。民事の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年です。
Q8ボランティアでも生活保護の守秘義務違反で処罰される?
委託事業の業務として受給者の情報に触れていれば、処罰されうる立場になります。雇用形態ではなく、受託業務に従事しているかが基準です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1名前を出してなければ、ケースの話をSNSに書いても大丈夫ですよね?
名前がなくても、地域、年齢、家族構成、病状などが組み合わされば、本人を特定できる場合がある。特定できる情報を受託業務で知ったのであれば、秘密の漏洩に当たるおそれがある(本条、55条の7第3項)。実務のポイント:実際の懲戒処分は「匿名のつもりの投稿」から始まることが多い。事例を共有したいときは、事業者内部の事例検討会など、守秘義務の内側だけで行うのが安全である
Q2委託先の人が漏らしたら、役所に責任を取ってもらえますか?
刑事責任を負うのは漏らした本人である(本条)。民事では、本人と雇用主の法人に使用者責任(民法715条)を問うのが基本になる。自治体に委託先の監督で落ち度があれば、国家賠償法1条による請求が検討できる場合もある。実務のポイント:自治体と委託先の契約書には、たいてい個人情報の管理や再委託の禁止が定められている。情報公開請求でこの契約書を取り寄せると、監督の落ち度を指摘する材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「守秘義務があるのは役所の人だけで、委託先の民間スタッフは就業規則上の問題にとどまる」と思われがちだが、実際は逆である。本条は民間の受託者に直接刑事罰を科し、罰金の上限は公務員の場合(地方公務員法60条)の2倍に当たる100万円である
- 守秘義務があること自体は多くの支援者が知っている。見落とされているのは、「生活保護を受けている」という事実そのものが、それだけで秘密になりうるという点だ。病名や借金の額まで話さなくても、受給の事実を第三者に伝えた段階で線を越えるおそれがある
- 「うっかり書類を置き忘れたら刑事罰になるのか」とよく聞かれるが、問いの立て方がずれている。本条は故意に「漏らす」行為を罰するもので、過失による紛失は原則として射程外である(刑法38条1項)。ただしその場合も、個人情報保護法上の対応や民事の損害賠償責任は別に発生する。刑事罰を免れても、責任がなくなるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 生活保護法85条の2:就労支援等の受託者・その従事者(民間を含む) | 地方公務員法34条・60条:ケースワーカー等の地方公務員 個人情報保護法176条:行政機関等の職員等 |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
| 処罰される行為 | 業務上知った秘密を漏らすこと(故意) | 職務上知った秘密を漏らすこと(故意) 正当な理由なく個人情報ファイルを提供すること |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では社会扶助の受託者に特化した洩密罰則ではなく、個人資料保護法の一般的な刑事罰で対応するのが基本である
ドイツは社会給付に関する情報を「Sozialgeheimnis」として保護し、刑法の私的秘密侵害罪と組み合わせて担保する
フランスは社会扶助に関わる者を職業上の秘密の保持義務者とし、刑法の一般規定で処罰する構造をとる
米国は社会保障関連情報の無権限開示を連邦法で禁止し、罰則を設けている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 委託先の就労支援員として働くあなたが、担当している受給者の話を「匿名だから」と思って X に投稿した。勤務地、年代、家族構成、病歴。この4点がそろえば地元の人には誰のことか分かる。名前を書いていないことは言い訳にならない
- もし近所の人から「あの家、保護もらってるんでしょ」と言われ、その情報源が息子の通う学習支援の委託先職員だと分かったら、どうなる? 刑事告発と、職員本人と委託法人への損害賠償請求(民法709条、715条)を並行して考えることができる
- 健康管理支援の受託データを扱う会社を辞めた元社員が、転職先で「前の会社で生活保護受給者の医療データを見ていた」と具体的な事例を話した。退職しても、受託業務で知った秘密を守る義務が消えるわけではない
- 受給者の情報が漏れたと気付いた。公訴時効は3年ある。しかし SNS の投稿は削除され、事業者のアクセスログは保存期間が過ぎれば消える。証拠を確保できる時間は、せいぜい数週間しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏洩の証拠をすぐに確保する:SNS 投稿のスクリーンショット(URL と日時が写るもの)、伝聞の場合は誰が、いつ、何を聞いたかのメモ2. 担当の福祉事務所に書面で通報し、委託先の特定と調査を求める3. 警察または検察に告訴・告発を検討する(親告罪ではない) 4. 精神的損害については、職員本人と委託法人に民事で賠償を請求する(民法709条、715条)
訴えられた側:1. SNS 投稿などは消す前に内容を保存し、弁護士に相談する(証拠隠滅と受け取られないようにするため) 2. 争点を整理する:伝えた内容が「秘密」に当たるか、受託業務で知った情報か、正当な理由(法令に基づく通報など)があったか3. 故意がなく紛失などの過失であれば、本条の構成要件に当たらないことを主張する4. 被害者への謝罪と示談は、起訴するかどうかの判断に影響しうる
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号。拘禁刑の長期が5年未満の罪)で、漏洩行為の時から進行する。民事の損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴い、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められたとみられる。本条の新設時期や、引用される守秘義務規定の追加の経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)
- 生活保護法 第55条の7就労支援事業の受託者の守秘義務(現行効力を要確認)
- 生活保護法 第55条の9調査分析等の受託者の守秘義務(現行効力を要確認)
- 生活保護法 第27条の3本条が罰則を付す守秘義務規定の一つ(現行効力を要確認)
- 地方公務員法 第34条ケースワーカー等公務員側の守秘義務
- 個人の情報の保護に関する法律 第176条行政機関等職員による個人情報ファイル提供罪(現行効力を要確認)
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