地方税法 第262条(道府県法定外普通税の非課税の範囲)
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- 道府県は、次に掲げるものに対しては、道府県法定外普通税を課することができない。
- 一道府県外に所在する土地、家屋、物件及びこれらから生ずる収入
- 二道府県外に所在する事務所及び事業所において行われる事業並びにこれらから生ずる収入
- 三公務上又は業務上の事由による負傷又は疾病に基因して受ける給付で政令で定めるもの
この条文の基本情報
道府県法定外普通税の非課税の範囲とは何ですか?
定義道府県法定外普通税の非課税の範囲とは、地方税法第262条に定められた規定で、「道府県は、次に掲げるものに対しては、道府県法定外普通税を課することができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第262条(道府県法定外普通税の非課税の範囲)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第262条の条文原文は「道府県は、次に掲げるものに対しては、道府県法定外普通税を課することができない。」で始まります。
- 地方税法第262条は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第262条の前の条は地方税法第261条です。
- 地方税法第262条の次の条は地方税法第263条です。
- 地方税法第262条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第262条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第262条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/262
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法262条は、道府県が法定外普通税を課せない対象として、県外の土地・家屋・物件とその収入、県外事業所の事業とその収入、政令で定める労災等の給付の三つを定める。
Q · 県が独自につくる税で、県外にある工場や支店の分まで課税できるの?
できない。県外の資産・事業と労災等給付は非課税
地方税法262条により、道府県は法定外普通税を、県外に所在する土地・家屋・物件とその収入、県外の事務所・事業所で行われる事業とその収入、さらに公務上・業務上の負傷・疾病に基因する給付で政令で定めるものに課することができません。都にも同法1条2項で準用されます。ただし条例の課税標準の書き方次第で県外分が混入することがあるため、按分の明細確認が実務上の要点です。
解説
東京都や大阪府などの都道府県は、地方税法に名前のない独自の税(法定外普通税)を条例でつくることができる。ただし、その課税権には地図上の線が引かれている。本条はそれを三つ定める。第一に、県外にある土地・家屋・物件と、そこから生じる収入には課税できない。第二に、県外の事務所・事業所で行われる事業と、その収入にも課税できない。第三に、仕事中や公務中のけが・病気が原因で受け取る給付のうち、政令で定めるものには課税できない。なお、都にも道府県と同じ規定が適用される(地方税法1条2項)。つまり、全国展開している会社に対して「本社がうちの県にあるから全国の売上に独自税をかける」という設計は、そもそも許されない。また、労災で受け取ったお金に自治体が独自税を上乗せすることもできない。新しい法定外税の条例案が議会に出たとき、あなたが確認すべきなのは税率より先に「課税対象が県境の内側に収まっているか」である。そこからはみ出していれば、条例は本条に正面から反する。
法的な位置づけ
地方税法262条は、道府県法定外普通税の非課税の範囲を定める規定であり、道府県外に所在する土地・家屋・物件及びその収入、道府県外の事務所・事業所で行われる事業及びその収入、並びに公務上又は業務上の負傷・疾病に基因する給付で政令で定めるものを課税対象から除外する。地方団体の課税権の地域的限界を明文化したものである。
よくある質問 AI による整理
Q1法定外普通税とは何ですか?
地方税法に税目が定められていない税を、都道府県や市町村が条例で独自に設ける普通税です。使途を特定しない点で法定外目的税と区別されます。核燃料税が代表例です。
Q2地方税法262条で課税できないものは?
県外に所在する土地・家屋・物件とその収入、県外の事務所・事業所で行われる事業とその収入、業務上・公務上の負傷や疾病に基因する給付で政令で定めるものの三つです。
Q3県の独自税は全国の売上に課税できる?
できません。県外の事務所・事業所で行われる事業とその収入は本条2号で除外されます。全社売上を課税標準にする場合は、県内分だけを按分して取り出す必要があります。
Q4地方税法262条は東京都にも適用される?
適用されます。地方税法1条2項により、道府県に関する規定は都に準用されます。したがって東京都の法定外普通税も、都外の資産・事業には課税できません。
Q5市町村の独自税にも同じ制限はある?
あります。市町村法定外普通税については地方税法672条が同じ三類型の非課税範囲を定めています。特別区にも準用されます。根拠条文を取り違えないよう注意が必要です。
Q6県境をまたぐ発電所への独自税はどう計算する?
県内に所在する設備部分と、県内で行われる事業に対応する収入に限って課税します。床面積・設備規模・従業者数などの按分基準を条例や規則で定めるのが一般的な方法です。
Q7法定外普通税に違法な部分があったらどうなる?
法律に反する条例部分は効力を持ちません。神奈川県臨時特例企業税は最高裁で地方税法に反し違法とされました。納税者は審査請求や取消訴訟、還付請求で争うことになります。
Q8本条が非課税とする給付の具体的範囲はどこで決まる?
本条3号は「政令で定めるもの」と委任しているため、具体的な範囲は地方税法施行令で定められます。会社独自の見舞金などが当然に含まれるとは限らず、費目ごとの確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県が新しい税をつくるとき、国はチェックしないんですか?
チェックします。法定外普通税の新設・変更には総務大臣の同意が必要です(地方税法259条)。不同意にできるのは、住民の負担が著しく過重になる場合、地方団体間の物流に重大な障害を与える場合、国の経済施策に照らして適当でない場合に限られます(同261条)。実務のポイント:総務大臣が同意しても、条例が適法と保証されるわけではありません。神奈川県の臨時特例企業税は、施行後に最高裁で違法とされました
Q2労災の休業補償に、県や市が税金をかけることはありますか?
法定外普通税についてはできません。本条3号が、業務上・公務上の負傷・疾病に基づく給付で政令が定めるものを非課税としています。さらに労働者災害補償保険法12条の6は、保険給付として受けた金品を標準として租税その他の公課を課すことを禁じています。実務のポイント:会社が独自に上乗せする見舞金や補償金は、労災保険の給付そのものとは扱いが異なることがあります。税務上の扱いは費目ごとに確認が必要です
間違えやすい点 AI による整理
- 「自治体は条例さえ通せば何にでも税をかけられる」と思われがちだが、法定外普通税は二重の枠に縛られている。新設・変更には総務大臣の同意が必要であり(地方税法259条)、それ以前に本条が課税してはならない対象を法律で切り出している。総務大臣が同意しても、本条に反する部分は救われない
- 宿泊税のニュースを見て「本条で県外の宿泊も守られる」と考える人がいる。しかし、東京都などが課している宿泊税は法定外目的税であり、本条が対象とする法定外普通税とは別の系統である。普通税か目的税か、道府県税か市町村税(市町村の法定外普通税は地方税法672条)かを取り違えると、根拠条文から間違うことになる
- 企業から見れば「県外の資産に課税されないのは当然」と思うかもしれない。しかし課税する側にとっては、全国展開する企業ほど県内外の按分が難しい。課税標準の書き方が一行あいまいなだけで、実際には県外分が混ざり込む。法律は県外分に課税できないと定めているが、課税標準の算定方法までは自動的に正してくれない。按分の明細を確認する作業は、課税される側が自分で行うしかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の主体 | 地方税法262条:道府県(都に準用) | 地方税法672条:市町村(特別区に準用) 地方税法261条:総務大臣 |
| 規律の性質 | 道府県法定外普通税の非課税範囲を法律で固定 | 市町村法定外普通税の非課税範囲を法律で固定 新設・変更への同意を拒める場合を限定 |
| 除外・審査の対象 | 県外の資産・事業とその収入、政令で定める労災等給付 | 市町村外の資産・事業とその収入、政令で定める労災等給付 住民負担の著しい過重、地方団体間の物流への重大な障害、国の経済施策に照らし不適当 |
| 効く場面 | 条例の内容を直接拘束し、反する部分は違法 | 条例の内容を直接拘束し、反する部分は違法 条例の新設・変更時の事前協議段階 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も地方の特別稅課・臨時稅課について、轄區外の交易や区域を越えて流通する天然資源、区域を越える公用事業などを対象にすることを禁じており、地域的限界の発想は日本と共通する
ドイツでは州・市町村の独自課税は地域的な消費税・支出税に限られ、課税の地域性(Örtlichkeit)が要件とされる
米国では州税が州際通商条項に適合するために、課税対象との実質的関連(nexus)と州間での公正な按分が求められ、県外分の除外と類似の機能を果たす
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 九州の三県に工場を持つメーカーの経理担当として、本社所在県が新設を検討している法定外普通税の条例案を読んだ。課税標準が「全社売上」になっている。県外工場分の売上まで含める設計なら、本条2号に照らして修正を求める根拠になる
- もし勤務先の県が独自の新税をつくり、あなたが通勤災害で受け取っている休業給付まで課税対象に含めたら、どうなる? 本条3号と労働者災害補償保険法12条の6が、その上乗せを止める
- 県の税務課職員として法定外普通税の制度設計を任された。対象の発電施設が県境をまたいで立地している。県外部分の設備や収入を課税標準から外して按分する方法を固めないと、総務大臣との協議の段階で止まる
- 独自税の賦課決定通知が届き、県外支店の分まで計算に入っていた。審査請求の期限は、知った日の翌日から3か月である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 賦課決定通知や申告様式の課税標準の内訳を確認し、県外の資産・事業所に由来する数字が含まれていないか洗い出す2. 含まれていれば、本条1号・2号を根拠に、按分方法の説明と是正を文書で求める3. 応じてもらえなければ、地方税法19条に基づいて審査請求を行う。期限内に出すことが最優先である4. すでに納付した分は、還付請求の時効(地方税法18条の3、5年)を意識して証拠を整理しておく
訴えられた側:1. 自治体の制度設計担当であれば、課税客体を県内の資産・事業所・事業に限定する文言を条例に明記する2. 県境をまたぐ施設や全国展開企業については、按分基準(床面積・従業者数・設備規模など)を条例か規則で定めておく3. 労災給付などを課税標準から除く規定を確認する4. 地方税法259条・261条の総務大臣協議に備え、本条との適合性を説明する資料を準備する
時効(請求できる期限):賦課処分への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)。地方税の賦課処分の取消訴訟は原則として審査請求を経る必要があり(地方税法19条の12)、裁決を知った日から6か月以内に提起する(行政事件訴訟法14条)。過誤納金の還付請求権は5年で時効消滅する(地方税法18条の3)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:地方団体の課税権は、当該団体の区域内に所在する課税客体や区域内で行われる事業に及ぶにとどまる。本条1号・2号はこの課税権の地域的限界を法定外普通税について確認・明文化したものと理解されている。
- 地方税法 第259条法定外普通税の新設と総務大臣の同意
- 地方税法 第261条総務大臣が不同意にできる三要件
- 地方税法 第672条市町村法定外普通税の非課税範囲
- 地方税法 第4条道府県普通税の税目と法定外普通税の根拠
- 労働者災害補償保険法 第12条の6労災保険給付への公課の禁止
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