地方税法 第259条(道府県法定外普通税の新設変更)
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- 道府県は、道府県法定外普通税の新設又は変更(道府県法定外普通税の税率の引下げ、廃止その他の政令で定める変更を除く。次項及び次条第二項において同じ。)をしようとする場合においては、あらかじめ、総務大臣に協議し、その同意を得なければならない。
- 2.道府県は、当該道府県の道府県法定外普通税の一の納税義務者(納税義務者となるべき者を含む。以下本項において同じ。)であつて当該納税義務者に対して課すべき当該道府県法定外普通税の課税標準の合計が当該道府県法定外普通税の課税標準の合計の十分の一を継続的に超えると見込まれる者として総務省令で定めるもの(以下本項において「特定納税義務者」という。)であるものがある場合において、当該道府県法定外普通税の新設又は変更をする旨の条例を制定しようとするときは、当該道府県の議会において、当該特定納税義務者の意見を聴くものとする。
この条文の基本情報
道府県法定外普通税の新設変更とは何ですか?
定義道府県法定外普通税の新設変更とは、地方税法第259条に定められた規定で、「道府県は、道府県法定外普通税の新設又は変更(道府県法定外普通税の税率の引下げ、廃止その他の政令で定める変更を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第259条(道府県法定外普通税の新設変更)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第259条の条文原文は「道府県は、道府県法定外普通税の新設又は変更(道府県法定外普通税の税率の引下げ、廃止その他の政令で定める変更を除く。」で始まります。
- 地方税法第259条は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第259条の前の条は地方税法第204〜258条です。
- 地方税法第259条の次の条は地方税法第260条です。
- 地方税法第259条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第259条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第259条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/259
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法259条は、道府県が法定外普通税を新設・変更する際、事前に総務大臣と協議し同意を得ることを義務づける。一割超を負う特定納税義務者がいれば議会で意見を聴く。
Q · 県が独自の新しい税を作るとき、国の許可は必要なの?
許可ではなく、総務大臣との協議と同意が必要
地方税法259条1項により、道府県が法定外普通税を新設または変更する場合は、事前に総務大臣と協議して同意を得なければなりません。税率の引下げや廃止など政令で定める変更は対象外です。総務大臣が同意を拒めるのは261条の三つの事由に限られます。さらに同条2項により、課税標準の一割超を継続的に負う見込みの特定納税義務者がいる場合、県議会はその者の意見を聴くものとされています。
解説
電力会社の請求書には載らない税がある。福井県や青森県などが原子力事業者に課している核燃料税は、地方税法に名前が書かれていない「法定外普通税」であり、県が条例で独自に作った税だ。本条は、県がこうした独自の税を新しく作ったり税率を上げたりするとき、事前に総務大臣と協議し、その同意を得なければならないと定める。押さえておくべきことは二つある。一つ目は、ここでいう同意が上からの許可ではなく「協議」だという点だ。総務大臣が同意を拒める理由は次条(261条)の三つに限られる。二つ目は、税負担の一割超を継続的に一社で負う見込みの事業者(特定納税義務者)がいる場合、県議会はその事業者の意見を聴かなければならない点である。狙い撃ちにされた企業には、条例が成立する前に議会で話す場が法律上用意されている。ただし、総務大臣が同意しても税が適法だとお墨付きを得たことにはならない。後で裁判所に無効と判断され、県が巨額の返還を迫られた例が実際にある。
法的な位置づけ
地方税法259条は、道府県法定外普通税の新設・変更に関する手続規定であり、道府県に対して総務大臣との事前協議と同意の取得を義務づけるとともに、課税標準の合計の十分の一を継続的に超えると見込まれる特定納税義務者がいる場合には、条例制定時に議会でその者の意見を聴くことを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.条例案と課税標準の割合を確認する 県議会の委員会資料や県の説明資料から新税の課税標準を把握し、自社が占める割合を試算する。十分の一を継続的に超える見込みなら特定納税義務者に当たりうる
- 2.議会に意見聴取の機会を求める 議会の委員会事務局へ書面で連絡し、259条2項に基づく意見聴取の日程と方法を確認する。議決日から逆算し、早めに動く
- 3.意見書と代替案を書面で提出する 負担の試算、税率の引下げ・期限付き課税・激変緩和措置などの代替案を書面にまとめ、議事録に残る形で提出する
- 4.地方税法との整合性を専門家と検証する 法定税の制度趣旨と矛盾しないか、261条の不同意事由に当たる懸念がないかを税理士・弁護士と検討し、論点を整理する
- 5.施行後の争訟期限を管理する 施行後に賦課処分を争う場合は、審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)と取消訴訟(裁決を知った日から6か月以内)の期限を管理する
よくある質問 AI による整理
Q1法定外普通税とは?
地方税法に税目の定めがなく、自治体が条例で独自に設ける税のうち、使い道を特定しない税です。道府県分の新設・変更は地方税法259条の手続によります。
Q2法定外普通税の例は?
代表例は原子力発電所が立地する県の核燃料税です。使い道を定めた宿泊税や産業廃棄物税は法定外目的税で、根拠条文が異なります。
Q3特定納税義務者とは?
一の納税義務者で、課税標準の合計の十分の一を継続的に超えると見込まれる者として総務省令で定める者です。議会で意見を聴かれる立場になります。
Q4法定外普通税の税率引下げにも総務大臣の同意は必要?
不要です。259条1項は、税率の引下げや廃止など政令で定める変更を協議・同意の対象から除いています。引上げは原則として同意が必要です。
Q5総務大臣が同意しないのはどんな場合?
261条の三つの場合に限られます。住民の負担が著しく過重となる場合、地方団体間の物の流通に重大な障害を与える場合、国の経済施策に照らして適当でない場合です。
Q6総務大臣の同意なしに施行した法定外普通税はどうなる?
259条は事前の協議と同意を義務づけているため、同意を欠く新設・変更は手続違反となり、課税の適法性が問題になります。
Q7市町村の法定外普通税も同じ手続?
市町村については地方税法669条に同種の規定があり、同じく総務大臣への協議・同意と、特定納税義務者からの議会での意見聴取が定められています。
Q8総務大臣の同意があれば法定外税は違法にならない?
なりえます。神奈川県臨時特例企業税は同意を得て施行されましたが、最高裁は地方税法の趣旨に反するとして条例を違法・無効と判断しました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1総務大臣って、県の新税にダメ出しできるんですか?
できるが、理由は限られている。同意を拒めるのは261条の三つの場合(住民負担の著しい過重、地方団体間の物の流通への重大な障害、国の経済施策に照らして適当でない場合)だけだ。実務のポイント:実務では、正式な協議の前に総務省と非公式の事前相談を重ね、同意が見込める形に条例案を調整するのが一般的だ。そのため、正式に不同意となる例はほとんど表に出てこない
Q2うちの会社だけが払うような税、議会で反対を言えるんですか?
言える。課税標準の合計の10分の1を継続的に超えると見込まれる者として総務省令で定める者に当たれば、議会は意見を聴くものとされている(本条2項)。実務のポイント:意見聴取は形だけで終わりやすい。数字の根拠と代替案を書面にして委員会に出し、議事録に残すことが大事だ。その記録は、後に訴訟で税の合理性を争うときの材料にもなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「総務大臣が同意した税なら、法的に問題はない」と思われがちだが、そうではない。神奈川県の臨時特例企業税は同意を得て施行されたのに、最高裁(最判平成25.3.21)は、地方税法が定める欠損金の繰越控除の趣旨と矛盾するとして条例を違法・無効と判断した。県は企業に巨額の税を返還することになった。同意は手続を通ったという証明にすぎず、内容が適法だという保証ではない
- ホテルの宿泊税や産業廃棄物税も本条で作られていると考える人は多い。しかし、使い道を定めた税は「法定外目的税」で、根拠は731条にある。本条が扱うのは使い道を定めない「普通税」だけだ。どちらに当たるかで適用条文が変わり、議会で争う論点も変わる
- 「国の同意が要るなら、自治体は勝手に税を作れない」という理解は半分しか合っていない。平成12年(2000年)の地方分権改革で許可制は協議・同意制に変わり、総務大臣が同意を拒める理由は261条の三つに絞られた。この仕組みの中心にあるのは自治体の課税自主権で、国の同意はそれに歯止めをかける装置という位置づけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 地方税法259条:道府県法定外普通税 | 地方税法669条:市町村法定外普通税 地方税法731条:法定外目的税 |
| 税収の使い道 | 特定しない(一般財源) | 特定しない(一般財源) 条例で特定の費用に充てる |
| 国の関与 | 総務大臣への事前協議と同意 | 総務大臣への事前協議と同意 総務大臣への事前協議と同意(733条以下の手続) |
| 代表例 | 核燃料税 | 市町村の独自普通税 宿泊税、産業廃棄物税 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も地方政府が自治条例で特別税課等を開徴できるが、対象・期間に制限があり、上級機関への報告の手続を経る
ドイツの市町村は州の Kommunalabgabengesetz に基づき地域的な消費税・支出税を課すことができる。連邦法上の税と同種であってはならない
米国の地方政府の課税権は州からの授権に依存し、授権の範囲を超える課税は無効とされうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは県内に大型の物流拠点を持つ企業の経理部長だ。県議会の委員会資料に、自社の施設だけに事実上かかる新税の案が載っていた。課税標準の一割超を自社が負うなら、あなたの会社は特定納税義務者として議会で意見を述べる立場になる。黙っていれば、その場は使われないまま終わる
- 県の税務課に異動して、新税の担当を命じられた。もし総務省との事前相談なしに条例案を議会に出したら、どうなる? 協議と同意を経ていない新設は施行できない。議会日程から逆算すると、総務省との事前調整を半年以上前に始めなければ間に合わないことがある
- 条例案の議決まであと3週間。特定納税義務者に当たるのに、議会から意見聴取の連絡が来ない。今のうちに委員会事務局へ書面を出し、聴取の機会を求めるしかない
- 核燃料税の税率を上げる更新の時期に、地元紙が「電気料金への影響は限定的」と報じた。県民のあなたはどこまで信じるべきか。この税の負担は原子力事業者の原価に入る。税率の引上げは本条でいう「変更」に当たるので、総務大臣の同意が改めて必要になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 条例案と県の説明資料を入手し、課税標準のうち自社が占める割合を試算する。一割超が継続する見込みなら特定納税義務者に当たりうる2. 議会の委員会事務局に書面で意見聴取の機会を求め、負担の試算と代替案(税率の引下げ、期限を区切った課税、激変緩和措置)を出す3. 地方税法との矛盾(課税標準の重複、法定税の制度趣旨を潰していないか)を税理士・弁護士と検討する4. 施行後に争うときは、賦課処分への審査請求と取消訴訟の期限を管理する
訴えられた側:自治体の担当者の立場での動き方:1. 総務省との事前相談を議会日程の半年以上前に始め、261条の三つの不同意事由(住民負担の著しい過重、物の流通への重大な障害、国の経済施策との不整合)に当たらないことを説明する資料を固める2. 特定納税義務者を省令の基準で洗い出し、議会での意見聴取を確実に実施して記録に残す3. 神奈川県の事例を踏まえ、地方税法上の法定税の制度と矛盾しないか、法的な検証を外部に依頼する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。施行後に課税を争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。条例が無効と判断された場合の過納金の還付請求権は5年で時効消滅する(地方税法18条の3)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:総務大臣の同意は国による事前の手続的チェックであって、条例内容の法令適合性を確定するものではない。法定外税の適法性は、憲法94条と地方税法の趣旨に照らして最終的に裁判所が判断する
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)地方分権一括法 法定外普通税の許可制が、総務大臣(当時は自治大臣)との協議と同意を要する制度に改められた(詳細は要人的検証)
- 平成16年(2004年)前後の改正 特定納税義務者からの議会での意見聴取に関する第2項が加えられたとされる(改正年は要人的検証)
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 改正:地方分権一括法により、法定外普通税の許可制が、総務大臣(当時は自治大臣)との協議と同意を要する制度に改められた
- 地方税法 第4条道府県が法定外普通税を課す根拠
- 地方税法 第260条協議の申出を受けた際の財務大臣への通知等
- 地方税法 第261条総務大臣が同意を拒める三要件
- 地方税法 第669条市町村法定外普通税の同種規定
- 地方税法 第731条法定外目的税の新設根拠
- 地方自治法 第250条の13総務大臣の不同意に対する係争処理の審査申出
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