地方税法 第731条(法定外目的税の新設変更)
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- 道府県又は市町村は、条例で定める特定の費用に充てるため、法定外目的税を課することができる。
- 2.道府県又は市町村は、法定外目的税の新設又は変更(法定外目的税の税率の引下げ、廃止その他の政令で定める変更を除く。次項及び次条第二項において同じ。)をしようとする場合においては、あらかじめ、総務大臣に協議し、その同意を得なければならない。
- 3.道府県又は市町村は、当該道府県又は市町村の法定外目的税の一の納税義務者(納税義務者となるべき者を含む。以下本項において同じ。)であつて当該納税義務者に対して課すべき当該法定外目的税の課税標準の合計が当該法定外目的税の課税標準の合計の十分の一を継続的に超えると見込まれる者として総務省令で定めるもの(以下本項において「特定納税義務者」という。)であるものがある場合において、当該法定外目的税の新設又は変更をする旨の条例を制定しようとするときは、当該道府県又は市町村の議会において、当該特定納税義務者の意見を聴くものとする。
この条文の基本情報
法定外目的税の新設変更とは何ですか?
定義法定外目的税の新設変更とは、地方税法第731条に定められた規定で、「道府県又は市町村は、条例で定める特定の費用に充てるため、法定外目的税を課することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第731条(法定外目的税の新設変更)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第731条の条文原文は「道府県又は市町村は、条例で定める特定の費用に充てるため、法定外目的税を課することができる。」で始まります。
- 地方税法第731条は第八節に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第731条の前の条は地方税法第730条の2です。
- 地方税法第731条の次の条は地方税法第732条です。
- 地方税法第731条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第731条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第731条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/731
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法731条は、道府県・市町村が条例で定める特定の費用に充てるため法定外目的税を課せると定める。新設・変更には事前に総務大臣の協議・同意が必要。
Q · 宿泊税みたいな地方の独自の税って、どういう法律で作られているの?
地方税法731条で、使途を特定し総務大臣の同意を得て条例で作る
宿泊税や産業廃棄物税などは、地方税法731条の法定外目的税として、道府県や市町村が条例で新設したものです。条例で定めた特定の費用に充てることが条件で、新設・変更の前に総務大臣と協議し同意を得なければなりません(税率引下げ・廃止などは除く)。総務大臣は733条の三つの事由に当たらない限り同意しなければならず、課税標準の1割を継続的に超える大口納税者がいれば議会で意見を聴きます。
解説
ホテル代の明細に「宿泊税200円」という一行が増えていた。国が決めた税ではない。東京都や京都市が自分で作った税である。その根拠になっているのが地方税法731条だ。道府県や市町村は、地方税法に名前のない税を、特定の使い道に限って条例で新しく作ることができる。これを法定外目的税という。ただし自治体が勝手に決められるわけではない。新設や変更の前に総務大臣と協議し、同意を得なければならない(税率の引下げや廃止なら同意は不要)。さらに、一人で課税標準の10分の1を継続的に超えそうな大口の納税者がいる場合、議会はその人の意見を聴くことになっている。押さえておきたいのは、使い道が条例で決まった目的に縛られる点だ。観光税として集めたお金を一般財源のように使えば、税の正当性そのものが問われる。あなたが払っているその一行には、使い道を監視する権利がついている。
法的な位置づけ
地方税法731条は法定外目的税の根拠規定であり、道府県または市町村が条例で定める特定の費用に充てる目的で、地方税法に税目の定めのない税を条例により課することを認める。新設・変更には総務大臣への事前協議と同意を要し、課税標準の10分の1を継続的に超えると見込まれる特定納税義務者がある場合は、議会において当該者の意見を聴取する。
手順
- 1.条例案と導入スケジュールを確認する 自治体の公式サイト、議会の議案、パブリックコメント募集で、新設予定の法定外目的税の課税対象・税率・免税点・使途・施行予定日を確認する
- 2.自社が特定納税義務者に当たるか試算する 自社の課税標準見込額が当該税の課税標準合計の10分の1を継続的に超えるかを試算する。該当する見込みなら、議会での意見聴取(731条3項)の対象となる
- 3.733条の同意基準に沿った意見書を出す 住民負担の著しい過重、物の流通への重大な障害、国の経済施策との不整合という733条の言葉で論点を整理し、パブリックコメント・業界団体・議会の意見聴取の場で書面提出する
- 4.施行前に特別徴収の体制を整える 特別徴収義務者となる場合は、申告・納入期限を確認し、会計・予約システムの改修、領収書表示、顧客向け説明を施行日前に完了させる
よくある質問 AI による整理
Q1法定外目的税とは何ですか?
地方税法に税目の定めがなく、自治体が条例で特定の費用に充てるために新設する税です。根拠は地方税法731条で、宿泊税や産業廃棄物税が代表例です。
Q2法定外目的税と法定外普通税の違いは?
目的税は条例で定めた特定の費用にしか使えません。普通税(地方税法259条・669条)は使途の限定がなく一般財源になります。
Q3法定外目的税にはどんな種類がありますか?
宿泊税、産業廃棄物税、遊漁税、環境協力税(入島税)、乗鞍環境保全税などがあります。名称と課税対象は自治体の条例ごとに異なります。
Q4法定外目的税の新設に総務大臣の同意は必要?
必要です(731条2項)。ただし税率の引下げや廃止など政令で定める変更は除かれます。同意前に条例を施行することはできません。
Q5宿泊税 いつから導入?
導入時期は自治体ごとに条例で決まります。総務大臣の同意を得て条例が施行された日からで、各自治体の公式サイトで施行日を確認できます。
Q6宿泊税の使い道はどこで確認できる?
条例に使途が定められており、自治体の予算書・決算書や公式サイトで確認できます。目的税なので観光振興などの特定費用に限られます。
Q7法定外目的税は違法になることがある?
地方税法の趣旨・目的に反する条例は無効となり得ます。法定外普通税の事案ですが、神奈川県臨時特例企業税の最高裁判決が無効と判断しました。
Q8特定納税義務者とは誰のこと?
一人で課税標準の合計の10分の1を継続的に超えると見込まれる納税義務者として総務省令で定める者です。議会で意見を聴かれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1宿泊税って、払わないとダメなんですか?
条例で課された以上、法的な納税義務である。宿泊者は宿泊料金と一緒にホテルへ支払い、ホテルが特別徴収義務者として自治体に納める(根拠は地方税法731条と各自治体の条例)。実務のポイント:免税点の設定は自治体ごとにかなり違う。一定額未満の宿泊や修学旅行を非課税にしている自治体もあるので、団体旅行の幹事は事前に条例を確認すると見積りが変わる
Q2国がダメって言えば、新しい地方税は作れないんですよね?
半分だけ正しい。新設と変更には総務大臣の同意が必要(731条2項)だが、733条は不同意にできる理由を三つに限定しており、それ以外なら同意しなければならない。実務のポイント:不同意になっても自治体は国地方係争処理委員会に審査を申し出られる(地方自治法250条の13)。横浜市の勝馬投票券発売税(法定外普通税)では、同委員会が総務大臣に再協議を勧告した
Q3うちの会社だけ狙い撃ちみたいな新税、どうにかできませんか?
課税標準の1割を継続的に超えると見込まれる大口納税者なら、議会は条例を作る前にあなたの意見を聴くことになっている(731条3項)。ただし聴取は拒否権ではない。実務のポイント:意見では感情論を避け、733条の同意基準(負担の著しい過重、物流への障害、国の経済施策との不整合)の言葉で書く。総務省の審査でも、のちの訴訟でも、同じ物差しで読まれるからだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「宿泊税は国が全国一律で決めた税」と思われがちだが、実際は各自治体が条例で作った独自の税である。だから東京と京都で税率も免税点も違うし、課税していない自治体もある
- 総務大臣の同意が「許可」のような厳しい審査だと思っている人は多いが、実際はその逆に近い。地方税法733条は、住民負担が著しく過重になる、自治体間の物の流通に重大な障害を与える、国の経済施策に照らして適当でない、のいずれかに当たらない限り、総務大臣は同意しなければならないと定めている。ハードルは見た目より低く、だからこそ導入が相次いでいる
- 「新税なんて住民の署名を集めれば止められる」という発想そのものがずれている。地方自治法74条1項は、地方税の賦課徴収に関する条例を、住民による条例の制定・改廃請求(直接請求)の対象から外している。止めたいなら議会への働きかけと選挙が本筋になる
- 大口納税者の意見聴取(3項)を拒否権だと受け取ると痛い目にあう。条文は「意見を聴くものとする」であって、同意を求めてはいない。聴いたうえで可決することは可能だ。ただし、意見が議事録に残れば、後で条例の有効性を争うときの材料になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 地方税法731条:法定外目的税 | 地方税法259条:道府県法定外普通税 地方税法669条:市町村法定外普通税 |
| 使途 | 条例で定める特定の費用に限定 | 限定なし(一般財源) 限定なし(一般財源) |
| 国の関与 | 総務大臣への事前協議・同意(同意基準は733条) | 総務大臣への事前協議・同意 総務大臣への事前協議・同意 |
| 代表例 | 宿泊税、産業廃棄物税、遊漁税 | 核燃料税など 別荘等所有税など |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も直轄市・縣市が自治條例で特別稅課等を開徵できるが、臨時稅課は用途の明示と專款專用が求められる。日本の総務大臣同意に対し、台湾は中央への報備で足りる点が異なる
ドイツの市町村は州法の授権の下で地方消費税・奢侈税を課せ、宿泊税(Übernachtungsteuer)を導入する都市が多い
フランスの taxe de séjour は法律で枠組みが定められた地方税で、観光振興への充当が予定されている
米国では州法が地方政府に hotel occupancy tax を授権し、税収の使途を観光振興等に限定する例が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地元の市が「来年度から宿泊税を導入」と発表した。あなたは旅館を経営していて、税を客から預かって納める側(特別徴収義務者:本来の納税者に代わって税を集めて役所に納める人)になる。システム改修と客への説明の手間は自腹である。条例案が議会に出る前のパブリックコメントや業界団体の意見書が、免税点や税率を動かせる唯一の時期になる
- もし、あなたの会社が市内の産業廃棄物処分場をほぼ独占していて、市が産業廃棄物税の新設を検討し始めたら? 課税標準の1割を継続的に超える見込みなら、議会はあなたの意見を聴かなければならない。黙っていれば、聴かれずに決まるのと結果はほとんど変わらない
- あなたは市の財政課の担当者だ。来年度予算に新税の税収を組み込みたいが、総務大臣の同意がまだ出ていない。同意前に条例を施行すれば手続違反になる。協議のスケジュールから逆算すると、残された時間は数か月しかない
- 観光地の駐車場に停めたら、料金に「環境税」が上乗せされていた。違法な二重取りではなく、法定外目的税の可能性が高い
- 友人が「宿泊税って結局何に使われてるの?」と愚痴をこぼした。条例には使途が書かれていて、自治体の予算書や決算でその使い道を確認できる。答えは役所のウェブサイトに出ている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 課税された税の条例名、使途、免税点、税率を自治体のサイトで確認する2. 導入前なら、パブリックコメント、業界団体を通じた意見書、議員への陳情で設計段階に働きかける3. 自分が課税標準の1割を継続的に超える見込みなら、議会での意見聴取を求め、733条の同意基準に沿った論点を書面で出す4. 賦課処分を受けた後に条例の違法性を争うなら、審査請求と取消訴訟の期限を最優先で管理し、税理士や弁護士に相談する
訴えられた側:徴収する側、つまり自治体や特別徴収義務者となる事業者向け。1. 自治体は、使途を条例で特定し、総務大臣との協議スケジュールを予算編成から逆算する2. 大口納税者を事前に洗い出し、意見聴取の手続を議事日程に組み込む3. 特別徴収義務者となる宿泊・駐車場事業者は、条例の申告・納入期限を確認し、システム改修と顧客への説明を施行日前に終える。預かった税を滞納すると、条例の罰則や延滞金の対象になる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。法定外目的税の賦課処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が基本となる。地方税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅する(地方税法18条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:法定外目的税は憲法92条・94条に基づく課税自主権の具体化であり、総務大臣の同意は733条の事由に限定された羈束的な関与と解される。条例は地方税法の趣旨に反しない範囲で有効となる。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)地方分権一括法施行 法定外目的税制度を新設。あわせて、法定外税の新設・変更の手続が自治大臣(当時)の許可制から協議・同意制に改められた
- 平成16年(2004年)改正(要確認) 課税標準の10分の1を継続的に超える特定納税義務者について、議会での意見聴取を定める第3項が整備されたとされる。改正年と条文構成は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:地方分権一括法の施行により法定外目的税制度を創設。法定外税の新設・変更手続が自治大臣の許可制から協議・同意制へ改められた
- 2.平成16年(2004年) 改正:特定納税義務者の意見聴取を定める規定が整備されたとされる(年次・条文構成は要検証)
- 地方税法 第733条総務大臣の同意基準(不同意事由の限定)
- 地方税法 第732条協議申出時の財務大臣への通知手続
- 地方税法 第259条道府県法定外普通税の新設変更、同構造の手続
- 地方税法 第669条市町村法定外普通税の新設変更、同構造の手続
- 地方税法 第3条地方税の賦課徴収は条例による原則
- 地方自治法 第74条地方税条例を直接請求の対象から除外
- 地方自治法 第250条国の関与の手続、不同意時の係争処理の前提(現行効力を要確認)
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