地方税法 第265条(道府県法定外普通税に係る検査拒否等に関する罪)
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 一前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
- 二前条第一項の規定による物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応ぜず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出したとき。
- 三前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしないとき、又は虚偽の答弁をしたとき。
- 2.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
道府県法定外普通税に係る検査拒否等に関する罪とは何ですか?
定義道府県法定外普通税に係る検査拒否等に関する罪とは、地方税法第265条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第265条(道府県法定外普通税に係る検査拒否等に関する罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第265条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 地方税法第265条は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第265条の前の条は地方税法第264条です。
- 地方税法第265条の次の条は地方税法第266条です。
- 地方税法第265条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第265条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第265条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/265
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法265条は、道府県法定外普通税の調査で検査拒否や虚偽答弁をした者を一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処し、法人にも罰金を科す規定である。
Q · 県の税務調査で帳簿を見せるのを断ったら、どうなるの?
拒否は拘禁刑1年以下か罰金50万円以下、会社も罰金
地方税法265条1項は、道府県法定外普通税(核燃料税など)の調査で、徴税吏員の検査を拒んだり妨げたりしたとき、正当な理由なく帳簿の提示・提出に応じないとき、偽りの帳簿を出したとき、答弁をしないか虚偽の答弁をしたときに、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金を科します。2項の両罰規定により、従業者の違反について法人にも罰金が科されます。ただし、日程や範囲を調整することまで拒否とされるわけではありません。
解説
検査を拒んだ瞬間に刑事罰の対象になる。税金の世界にはそういう線が引かれている。県が条例で独自につくる税(道府県法定外普通税、例:福井県などの核燃料税、沖縄県の石油価格調整税)について、徴税吏員(県税の調査を担当する職員)は前条(264条)に基づいて帳簿を調べ、質問し、物件の提示や提出を求めることができる。本条はその調査を支える罰則である。検査を拒む、妨げる、避ける。正当な理由なく提示・提出に応じない。偽りの帳簿を出す。質問に答えない、嘘をつく。いずれも一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金になる。押さえておくべきは、この調査が令状のいる強制捜査ではないという点だ。職員は鍵を壊して入れない。そのかわり、拒否そのものを犯罪にすることで協力を引き出す仕組み(間接強制)になっている。さらに2項の両罰規定により、経理担当者がやった拒否でも会社に罰金が科される。現場の一人の判断が、会社の刑事責任に直結する。
法的な位置づけ
地方税法265条は、道府県法定外普通税にかかる徴税吏員の質問検査権(同法264条)の実効性を刑罰で担保する規定である。検査の拒否・妨害・忌避、正当な理由のない物件の不提示・不提出、虚偽記載物件の提示・提出、答弁拒否・虚偽答弁を処罰対象とし、2項の両罰規定により法人又は人にも罰金刑を科す。
よくある質問 AI による整理
Q1法定外普通税とは何ですか?
地方税法に定めのない税目について、地方団体が条例で独自に新設する普通税です。新設や変更には総務大臣との協議と同意が必要です(地方税法259条)。核燃料税などが代表例です。
Q2核燃料税の調査を拒否すると罰則はありますか?
あります。道府県の核燃料税は法定外普通税なので、検査を拒めば地方税法265条により一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の対象になります。
Q3地方税の税務調査は断れる?
職員は物理的に強制できませんが、正当な理由なく拒否すれば刑事罰の対象になります。日程や範囲の調整を求めることと拒否とは区別されます。
Q4検査拒否罪の罰金はいくら?
地方税法265条では五十万円以下の罰金です。選択刑として一年以下の拘禁刑もあり、2項の両罰規定により法人にも同じ上限の罰金が科されます。
Q5帳簿の写しを改ざんして出したら違法?
違法です。265条1項2号は「その写しを含む」と明記しており、偽りの記載・記録をした写しを提示・提出することも処罰対象になります。
Q6検査拒否罪の時効はいつまで?
法定刑が一年以下の拘禁刑又は罰金なので、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から進行します。
Q7正当な理由があれば帳簿の提出を断れる?
265条1項2号の不提示・不提出罪は「正当な理由がなく」応じない場合に成立します。調査範囲外の資料であることなど、理由を具体的に書面化しておくことが重要です。
Q8地方税と国税で検査拒否の罰則は違う?
国税は国税通則法127条に検査拒否等の罪があり、地方税法265条とほぼ同じ構造・水準です。根拠となる法律と調査主体が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税務調査で、自分に不利なことは黙ってちゃダメなんですか?
本条1項3号は、答弁をしないこと自体を処罰の対象にしています。最高裁は川崎民商事件(最大判昭和47.11.22)で、刑事責任の追及を目的としない税務調査の質問検査は憲法38条(自己負罪拒否特権)に反しないと判断しました。実務のポイント:黙るより「確認して後日回答する」と言うほうがよい。そう言えば答弁拒否にならず、時間も確保できます
Q2社員が勝手に嘘をついたのに、会社まで罰されるんですか?
本条2項の両罰規定により、従業者が業務に関して違反した場合、行為者のほかに法人にも罰金刑(50万円以下)が科されます。判例上、法人側は選任・監督に過失がなかったことを証明すれば免責されうるとされています。実務のポイント:免責の主張で効くのは、調査対応マニュアルと研修記録です。調査が始まる前に作っておかないと、この盾は使えません
Q3宿泊税の調査を拒んだ場合も、この条文が適用されますか?
宿泊税は多くが法定外目的税で、本条が対象とする道府県法定外普通税とは別の枠組みです。同じ趣旨の罰則は目的税の節に別に置かれているので、根拠条文はそちらを確認します。実務のポイント:調査の通知書に記載された根拠条文と税目を最初に照合してください。条文番号の誤りが見つかれば、調査範囲を交渉するときの材料になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「任意調査なのだから断っても問題ない」と考えるのは誤りである。任意というのは、職員が物理的に強制できないという意味にすぎない。断ること自体が本条の構成要件に当たりうるので、法的には拒否の自由はない
- 嘘の答弁や偽の帳簿が罰されることは多くの人が分かっている。見落とされがちなのは、2項の両罰規定によって、行為者個人のほかに法人にも罰金が科されるという深刻さである。前科がつくのは会社そのものであり、許認可や入札資格の審査、取引先のコンプライアンス審査で問題になりうる
- 「調査を拒めば警察のような強制捜査に切り替わるのか」という問い自体に前提の誤りがある。本条の検査は課税のための調査であり、令状による犯則事件の調査とは別の手続である。拒否への制裁は本条の刑罰であって、自動的に強制捜査へ切り替わるわけではない。逆に、犯則調査の段階に入ると本条の世界とは別のルールで動く
- 宿泊税の調査も本条の対象だと思われやすい。だが東京都や大阪府の宿泊税は「法定外目的税」であり、本条が対象とする「法定外普通税」とは別の節に規定がある。税目の種類を取り違えると、根拠条文の確認からつまずく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 地方税法265条:質問検査を担保する罰則 | 地方税法264条:徴税吏員の質問検査権そのもの 国税通則法127条:国税の検査拒否等の罪 |
| 対象となる税 | 道府県法定外普通税 | 道府県法定外普通税 国税全般 |
| 調査主体 | (処罰の対象は調査を受ける側) | 道府県の徴税吏員 国税庁等の当該職員 |
| 法的効果 | 一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金、法人にも罰金 | 質問・検査・提示提出要求の権限を与える(刑罰なし) 一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金(現行効力を要確認) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では税務調査の拒否に対して行政罰(罰鍰)を科すのが中心で、日本のように刑罰で間接強制する構造とは異なる。
ドイツは納税者に協力義務を課し、不履行には強制金などの行政上の強制手段で対応する。刑罰による担保ではない。
米国の連邦税では、IRS の調査権に加えて召喚状(summons)の司法的執行で協力を確保する。州税の扱いは州ごとに異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県の税務課から核燃料税の申告内容について調査の連絡が来た。経理部長は「本社の法務と相談するまで帳簿は見せない」と担当者に指示した。それが一時的な日程調整なのか、検査の忌避(意図的に避けること)なのか。境目は、理由と期間をきちんと説明しているかどうかにかかっている
- 調査の前夜に、取引記録の一部を書き換えたエクセルを「写し」として提出したらどうなるか? 本条1項2号は写しも明文で対象にしている。原本でなければセーフという逃げ道は条文で塞がれている
- あなたは現場の担当者だ。上司に言われたとおり、徴税吏員の質問に「その書類は存在しません」と答えた。書類は存在していた。虚偽答弁を罰されるのはあなた本人で、2項により会社にも罰金が科される。「指示されただけ」は行為者責任を消さない
- 調査日まであと三日。顧問税理士は繁忙期で同席できないと言う。延期を求めること自体は正当な交渉だが、何度も連絡を無視して実地調査を流し続ければ、妨害・忌避と評価されうる。延期依頼は日付の代案つきで、書面に残しておく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 調査を受ける側として、まず根拠条文(264条)、対象税目、対象期間、求められている資料をメールなど書面で確認する2. 範囲が過大だと感じたら、拒否ではなく「範囲の特定」を求める形で交渉し、そのやり取りを記録する3. 日程変更は代わりの候補日を添えて依頼する4. 顧問税理士に同席を依頼する。地方税の不服申立ては審査請求で、原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)(最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 検査拒否や虚偽答弁を指摘されたら、事実関係を時系列で整理し、拒否ではなく調整や確認であったことを示すメールや記録を集める2. 2号の不提示・不提出については「正当な理由」の有無が争点になるので、理由を具体的に文書化する3. 誤った答弁をしていた場合は、早い段階で自分から訂正する4. 法人への波及(2項)があるので、すぐに弁護士へ相談し、社内調査と再発防止策を並行して進める
時効(請求できる期限):本条の罪は法定刑の長期が5年未満の拘禁刑または罰金なので、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条)。課税そのものについては、地方税の更正・決定は原則として法定納期限から5年、偽りその他不正の行為がある場合は7年(地方税法17条の5)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:税務上の質問検査は行政調査であり、物理的強制は許されず、拒否に刑罰を科す間接強制にとどまる。調査で得た資料を犯則調査や刑事手続に流用することは、目的外利用として問題になる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。
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