地方税法 第9条(相続による納税義務の承継)
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- 相続(包括遺贈を含む。以下本章において同じ。)があつた場合には、その相続人(包括受遺者を含む。以下本章において同じ。)又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十一条の法人は、被相続人(包括遺贈者を含む。以下本章において同じ。)に課されるべき、又は被相続人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金(以下本章において「被相続人の地方団体の徴収金」という。)を納付し、又は納入しなければならない。ただし、限定承認をした相続人は、相続によつて得た財産を限度とする。
- 2.前項の場合において、相続人が二人以上あるときは、各相続人は、被相続人の地方団体の徴収金を民法第九百条から第九百二条までの規定によるその相続分によりあん分して計算した額を納付し、又は納入しなければならない。
- 3.前項の場合において、相続人のうちに相続によつて得た財産の価額が同項の規定により納付し、又は納入すべき地方団体の徴収金の額をこえている者があるときは、その相続人は、そのこえる価額を限度として、他の相続人が同項の規定により納付し、又は納入すべき地方団体の徴収金を納付し、又は納入する責に任ずる。
- 4.前三項の規定によつて承継する義務は、当該義務に係る申告又は報告の義務を含むものとする。
この条文の基本情報
相続による納税義務の承継とは何ですか?
定義相続による納税義務の承継とは、地方税法第9条に定められた規定で、「相続(包括遺贈を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第9条(相続による納税義務の承継)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第9条の条文原文は「相続(包括遺贈を含む。」で始まります。
- 地方税法第9条は第二節 納税義務の承継に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第9条の前の条は地方税法第8条の5です。
- 地方税法第9条の次の条は地方税法第9条の2です。
- 地方税法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法9条は、相続人が故人の住民税・固定資産税などの未納分を引き継ぐと定める。相続人が複数なら遺産分割の内容に関係なく民法上の相続分で按分される。
Q · 亡くなった親が滞納していた住民税や固定資産税は、子どもが払わないといけないの?
原則、相続人が相続分に応じて払う義務を負う
地方税法9条により、被相続人の住民税・固定資産税・自動車税などの地方団体の徴収金は相続人に承継されます。相続人が複数いる場合は、遺産分割協議の内容ではなく民法900条から902条の相続分で按分されます。相続によって得た財産の価額が自分の按分額を超える相続人は、その超える価額を限度に他の相続人の分も負担します。限定承認をすれば相続財産の範囲に限られ、相続放棄をすれば承継しません。
解説
亡くなった人宛ての納税通知書は、届いた時点で中身はもうあなたへの請求である。地方税法9条は、住民税・固定資産税・自動車税など、地方団体の徴収金(税金そのものに延滞金や督促手数料を加えた、自治体に納めるお金の総称)を相続人がそのまま引き継ぐと定めている。落とし穴は分け方にある。相続人が複数いれば、民法900条から902条の相続分(法律や遺言で決まる取り分の割合)で自動的に按分される。兄弟で「実家も滞納も長男が全部」と遺産分割協議をまとめても、役所はその協議に縛られない。さらに3項により、自分の相続分を超える財産を受け取った相続人は、その超えた額を上限として、他の相続人の未納分まで負担させられる。逃げ道は二つある。相続財産の範囲でだけ責任を負う限定承認と、最初から相続人でなかったことになる相続放棄である。どちらも家庭裁判所への申述が必要で、期限は原則3か月。4項は申告の義務まで引き継がせるため、故人の事業に関する申告漏れもあなたの宿題として残る。
法的な位置づけ
地方税法9条は納税義務の承継を定める規定であり、相続人または民法951条の相続財産法人が、被相続人に課されるべき、または被相続人が納付・納入すべき地方団体の徴収金を承継することを規定する。複数相続人の場合は民法上の相続分で按分され、相続財産が按分額を超える相続人は超過額を限度に他の相続人の分も負担し、申告・報告の義務も承継の対象に含まれる。
手順
- 1.故人の地方税の滞納状況を確認する 故人の住所地と不動産所在地の市区町村税務課(自動車税は都道府県税事務所)に、相続人であることを示す戸籍謄本と本人確認書類を持参し、滞納額・延滞金・未申告の有無を照会する
- 2.相続人代表者を届け出る 相続人が二人以上いる場合、地方税法9条の2に基づき相続人代表者を指定して届け出る。納税通知書などの送付先が一本化され、通知の見落としを防げる
- 3.単純承認・限定承認・相続放棄を判断する 滞納額と相続財産を比較し、債務超過のおそれがあれば、相続人になったと知った時から3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄または限定承認を申述する。判断まで故人の財産を処分しない
- 4.納付し、家族内で精算する 承継した場合は按分額を納付し、一括が難しければ窓口で分割納付や徴収の猶予を相談する。他の相続人の分を立て替えたときは振込記録を残し、遺産分割協議の内容に基づいて求償する
よくある質問 AI による整理
Q1地方税法9条の納税義務の承継とは?
亡くなった人に課されるべき、または納めるべきだった地方税・延滞金などを、相続人がそのまま引き継いで納める義務を負うという規定です。
Q2亡くなった親の固定資産税の滞納額はどう調べる?
故人の住所地と不動産所在地の市区町村税務課に、相続人であることを示す戸籍謄本などを持参して照会します。自治体ごとに個別に確認が必要です。
Q3故人の地方税の滞納はいつまで請求される?
徴収権は法定納期限の翌日から原則5年で時効消滅します(地方税法18条)。ただし督促や差押えで時効が更新されるため、古い滞納も残っている場合があります。
Q4相続人がいないとき故人の住民税はどうなる?
相続人がいない場合は、民法951条により相続財産そのものが法人とされ、その相続財産から地方税が納付されます。親族個人が負担するわけではありません。
Q5包括遺贈を受けた人も故人の税金を払う?
払います。地方税法9条1項は相続人に包括受遺者を含むと定めており、遺言で財産を包括的に受け取った人も徴収金を承継します。
Q6故人の滞納税の延滞金も相続人が払うの?
払う対象に含まれます。地方団体の徴収金には税本体に加えて延滞金や督促手数料なども含まれ、承継後に放置すれば延滞金はさらに増えます。
Q7故人の事業税の申告漏れは相続人が申告する?
申告します。地方税法9条4項は、承継する義務に申告・報告の義務も含むと定めており、故人の事業に関する未申告分も相続人の責任になります。
Q8相続放棄の3か月の期限は延ばせる?
延ばせます。滞納や財産の調査が間に合わないときは、期限内に家庭裁判所へ熟慮期間伸長を申し立てることができます(民法915条1項ただし書)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親が亡くなったあとも、その年の住民税って払わなきゃいけないの?
払う必要がある。住民税は1月1日時点の住所地で前年の所得に課されるので、年の途中で亡くなってもその年度分は日割りにならず、地方税法9条により相続人が引き継ぐ。一方、翌年度分は課されない。実務のポイント:給料から天引きされていた人が亡くなると、残りは普通徴収に切り替わり、数か月後に相続人宛ての通知として突然届くことが多い。最後の給与明細で残額を確認しておくと驚かずに済む
Q2相続放棄したのに、固定資産税の通知が来たんだけど?
相続放棄をした人は、最初から相続人でなかったとみなされる(民法939条)ので、本条による引き継ぎの義務はない。家庭裁判所の相続放棄申述受理証明書を役所に出せば足りる。実務のポイント:放棄した時点で空き家を実際に管理していた人には、引き継ぐ人が決まるまで家を保存する義務が残る(民法940条、令和5年施行の改正後)。税金は逃れられても、倒壊や近所への被害の責任まで消えるとは限らない
Q3実家は兄が全部相続したのに、なんで私に督促状が来るの?
按分の基準は民法900条から902条の相続分であり、遺産分割協議の結果ではないからである(地方税法9条2項)。遺言で相続分を指定していれば、その割合が使われる。実務のポイント:払う前に協議書のコピーを用意し、振込記録を残してから払えば、協議の内容に基づいて兄に返すよう求めやすくなる。役所と揉めるより、家族の中で精算するほうが早い
Q4限定承認って、実際使う価値ある?
滞納や借金がどれだけあるか分からないときには強い選択肢である。納める額は相続した財産の範囲までになる(地方税法9条1項ただし書)。ただし相続人全員がそろって申し述べなければならない(民法923条)。実務のポイント:限定承認をすると、含み益のある実家などは時価で売ったものとみなされて所得税がかかる(所得税法59条1項)。手続きも重いため利用はごく少なく、税理士と組まずに選ぶと想定外の税金が発生する
間違えやすい点 AI による整理
- 「税金を誰が払うか」は家族で決めることだと考えて協議書を作る人が多いが、問いの立て方そのものが間違っている。役所に対してそれぞれがいくら負担するかは、民法の相続分で最初から決まっている。協議で動かせるのは、立て替えた分を誰が誰に返すかという家族内の精算だけである
- 相続放棄をすれば税金の請求も免れる、ここまではよく知られている。知られていないのは、その放棄が簡単に使えなくなる危うさだ。故人の預金を解約して葬儀費用以外に使ったり、高価な物を形見として持ち帰ったりすると単純承認(民法921条)とみなされ、放棄できなくなるおそれがある。地方税の滞納が見つかるのは、たいていその後である
- 家族から見れば「亡くなった人が残した税金」でも、法律から見ればすでに相続人自身の債務である。督促を放っておけば延滞金は相続人のもとで膨らみ続け、限定承認をしていない限り、相続人がもともと持っていた預金や給与まで差押えの対象になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 地方税法9条:徴収金と申告義務の相続人への承継 | 地方税法9条の2:相続人代表者の指定と書類の送達 地方税法18条:徴収権の消滅時効 |
| 相続人への効果 | 相続分で按分した額の納付義務、超過財産取得者は他の相続人分も負担 | 書類の受領窓口が代表者に一本化される 法定納期限の翌日から原則5年で徴収権が消滅 |
| 相続人がとるべき行動 | 滞納確認のうえ、承認・限定承認・放棄を3か月以内に選択 | 相続人が複数なら代表者指定届を提出 督促・差押えによる時効更新の有無を確認 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は遺産から租税を先に納付した後でなければ遺産分割できない仕組みで、2009年以降の民法改正により相続人は原則として相続財産の限度でしか責任を負わない。日本の「原則無限、限定承認で有限」とは逆の設計
韓国も相続人が相続で得た財産を限度に地方税の納税義務を承継する構造で、日本の限定承認を原則化した形に近い
ドイツは租税債務も包括承継の対象とし、責任制限は民法上の相続法の制度に委ねる点で日本と同じ発想
米国は遺産(estate)が先に租税を清算し、分配を受けた者には譲受人責任(transferee liability)として追及する二段構え
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父が3月に亡くなった。6月、父の名前が印字された住民税の納税通知書が実家に届く。住民税は1月1日に住んでいた人に前年の所得をもとに課されるため、その年度の分は日割りされずに丸ごと残り、相続人が納めることになる
- 実家の土地と建物は長男が相続し、次男は預金を少し受け取っただけ。父が固定資産税を3年分滞納していたとして、役所から次男に督促状が届いたら払う義務はあるのか? 原則としてある。法定相続分で按分された額は、遺産分割の中身に関係なく次男にも割り当てられる
- 母の預金のほとんどを受け取ったのは、三人きょうだいの長女であるあなただ。弟が母の滞納住民税のうち自分の分を払わない。役所は本条3項を使って、あなたが相続分を超えて受け取った額を上限に、弟の分までの支払いをあなたに求めることができる
- 疎遠だった叔父の相続人だと、突然知らされた。叔父の商店には事業税や固定資産税の滞納が積み上がっているかもしれない。相続放棄できる期限は、自分が相続人になったと知った日から3か月。役所で滞納額を確かめなければ、放棄すべきかどうかの判断すらできない
- 父が4月10日に亡くなった。その年度の自動車税は4月1日時点の所有者だった父に課されており、全額が相続人に引き継がれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 故人の住所地と不動産のある市区町村の税務課に、相続人であることを示す戸籍を持って行き、滞納額と延滞金を確認する2. 相続人が二人以上いるときは、相続人代表者の届出(地方税法9条の2)を出して書類の届け先を一本にする3. 滞納が財産を上回りそうなら、3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄か限定承認を申し述べる。それまでは故人の財産に手を付けない4. 払うと決めた場合でも、一括払いが難しければ分割納付や徴収の猶予を窓口で相談する
訴えられた側:1. 他の相続人の分まで請求されたら、まず請求の根拠が2項(自分の按分額)なのか3項(他人の分)なのかを書面で確認する2. 3項による請求なら、自分が受け取った財産の額と相続分との差額が本当に上限を超えていないかを計算して反論する3. 相続放棄をしていれば、家庭裁判所の申述受理証明書を出せば足りる4. 立て替えて払った分は、遺産分割協議の内容や按分割合に基づき、他の相続人に返すよう求められる。振込記録は必ず残しておく
時効(請求できる期限):相続放棄・限定承認は、自分が相続人になったと知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し述べる(民法915条)。地方税を徴収する権利は、法定納期限の翌日から5年で時効により消える(地方税法18条)。ただし督促や差押えで時効の更新が起きるため、古い滞納でも消えているとは限らない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は民法896条の一般承継を租税債務について確認しつつ、按分基準を遺産分割ではなく相続分に固定する特則である。徴収の安定を優先し、遺産分割協議は相続人間の内部精算にとどまると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行地方税法の制定に伴い、相続による地方団体の徴収金の承継規定として設けられた
- 地方税法 第9条の2相続人代表者の指定と書類の送達
- 地方税法 第1条地方団体の徴収金の範囲を定義
- 地方税法 第18条承継した徴収金の徴収権の消滅時効
- 地方税法 第343条固定資産税の納税義務者、死亡時の課税先
- 地方税法 第384条の3現所有者による申告義務
- 民法 第896条相続による一般承継の原則に対する税の特則
- 民法 第922条限定承認、承継額の上限の根拠
- 国税通則法 第5条国税における同じ趣旨の承継規定
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