高圧ガス保安法 第39条(緊急措置)
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- 経済産業大臣又は都道府県知事は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、次に掲げる措置をすることができる。
- 一第一種製造者、第二種製造者、第一種貯蔵所若しくは第二種貯蔵所の所有者若しくは占有者、販売業者若しくは特定高圧ガス消費者又は液化石油ガス法第六条の液化石油ガス販売事業者若しくは液化石油ガス法第三十七条の四第三項の充てん事業者に対し、製造のための施設、第一種貯蔵所、第二種貯蔵所、販売所又は特定高圧ガスの消費のための施設の全部又は一部の使用を一時停止すべきことを命ずること。
- 二第一種製造者、第二種製造者、第一種貯蔵所又は第二種貯蔵所の所有者又は占有者、販売業者、特定高圧ガス消費者、液化石油ガス法第六条の液化石油ガス販売事業者、液化石油ガス法第三十七条の四第三項の充てん事業者その他高圧ガスを取り扱う者に対し、製造、引渡し、貯蔵、移動、消費又は廃棄を一時禁止し、又は制限すること。
- 三高圧ガス又はこれを充てんした容器の所有者又は占有者に対し、その廃棄又は所在場所の変更を命ずること。
この条文の基本情報
緊急措置とは何ですか?
定義緊急措置とは、高圧ガス保安法第39条に定められた規定で、「経済産業大臣又は都道府県知事は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、次に掲げる措置をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 高圧ガス保安法第39条(緊急措置)は、日本の高圧ガス保安法に含まれる条文です。
- 高圧ガス保安法第39条の条文原文は「経済産業大臣又は都道府県知事は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、次に掲げる措置をすることができる。」で始まります。
- 高圧ガス保安法第39条は第三章 保安に置かれています。
- 高圧ガス保安法の公布日は昭和26年6月7日です。
- 高圧ガス保安法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 高圧ガス保安法第39条の前の条は高圧ガス保安法第38条です。
- 高圧ガス保安法第39条の次の条は高圧ガス保安法第39条の2です。
- 高圧ガス保安法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000204 - 本サイト収録
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000204/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点高圧ガス保安法39条は、経済産業大臣又は都道府県知事が緊急の必要があると認めるとき、施設の使用の一時停止、製造・移動等の一時禁止、容器の移動等を命じられると定める。
Q · 法令違反をしていなくても、行政に高圧ガス施設を止められることはあるの?
ある。緊急時は違反がなくても一時停止を命じられる
高圧ガス保安法39条により、経済産業大臣又は都道府県知事は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるとき、施設の使用の一時停止、製造・移動・消費等の一時禁止又は制限、容器の廃棄や移動を命じることができます。要件は違反ではなく緊急性です。公益上緊急の場合は聴聞等を省略できます(行政手続法13条2項1号)が、理由を示さずに処分したときは処分後相当の期間内に理由を示す必要があります(同法14条2項)。
解説
高圧ガスの世界には、許可の取消しより速い一手がある。経済産業大臣または都道府県知事が「公共の安全のため緊急の必要がある」と判断すれば、聴聞や弁明の手続き(処分の前に事業者の言い分を聞く場)を経ずに、工場や貯蔵所の使用を一時停止させ、ガスの製造・移動・消費まで止められる。行政手続法13条2項1号が、公益上緊急の場合は事前手続きを省略できると定めているからだ。対象は大規模プラントに限らない。2号は「その他高圧ガスを取り扱う者」、3号はガスが詰まった容器の所有者・占有者まで含む。押さえておくべき点は二つ。第一に、停止の命令は「一時」が前提で、緊急性がなくなっても止め続けることは本条の趣旨から外れる。第二に、緊急時は理由の提示が後回しになっても、処分後の相当期間内に理由を示さなければならない(行政手続法14条2項)。止められた側には、その理由を書面で求める足場が残っている
法的な位置づけ
高圧ガス保安法39条は、経済産業大臣又は都道府県知事による緊急措置を定める規定である。公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときに、製造者・貯蔵所の所有者等に対する施設使用の一時停止、高圧ガスを取り扱う者に対する製造・移動・消費等の一時禁止又は制限、高圧ガス又はその容器の所有者・占有者に対する廃棄又は所在場所の変更の命令を認める。
よくある質問 AI による整理
Q1高圧ガス保安法 緊急措置とは
公共の安全や災害防止のため緊急の必要があるとき、大臣又は知事が施設の使用停止やガスの移動禁止などを一時的に命じる措置です(高圧ガス保安法39条)。
Q2高圧ガス 使用停止命令 誰が出す?
本条の緊急措置は経済産業大臣又は都道府県知事が出します。都道府県の高圧ガス保安担当部署が窓口になるのが一般的です。
Q3緊急措置命令 聴聞 必要?
公益上緊急に処分する必要がある場合、行政手続法13条2項1号により聴聞・弁明の機会の付与を省略できます。
Q4緊急措置命令 いつまで続く?
条文上の上限期間はありませんが、措置は「一時」の停止・禁止です。緊急の必要が解消すれば継続の根拠は薄れます。
Q5使用停止命令 理由 示されない 違法?
差し迫った必要があれば処分時の理由提示は省略できますが、処分後相当の期間内に理由を示す義務があります(行政手続法14条2項)。
Q6高圧ガス 緊急措置 不服申立て できる?
できます。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は知った日から6か月以内が原則です。執行停止の申立ても検討できます。
Q7ガスボンベ 移動命令 対象は?
3号は高圧ガス又はそれを充てんした容器の所有者・占有者を対象とします。ボンベを保管しているだけの店舗も含まれ得ます。
Q8緊急措置命令 違反 罰則
命令に違反すると高圧ガス保安法の罰則の対象となり得ます。具体的な刑の内容は最新の条文で確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1何も違反してないのに、いきなり工場を止められるなんてアリなんですか?
アリである。本条の要件は違反ではなく、公共の安全や災害防止のための緊急の必要だ。事前の聴聞も、行政手続法13条2項1号により省略できる。ただし、措置は「一時」のものにとどまる。実務のポイント:緊急時は理由が示されないまま処分されることも多いが、行政は事後に理由を示す義務を負う(同法14条2項)。これを書面で求める事業者は少ない。理由を手元に置いておくことが、解除交渉でも訴訟でも出発点になる
Q2止められていた間の売上、国や県に補償してもらえますか?
本条の文言から当然に補償が導かれるわけではない。損失補償が認められるかどうかは、実務上、解釈が分かれる論点である。命令が違法なら国家賠償法1条による請求の余地があるが、緊急時の判断には広い裁量が認められやすい。実務のポイント:現実に損失を吸収するのは、行政よりも企業向け保険の休業損害特約や、取引契約の不可抗力条項であることが多い。命令を受けてから約款を読み始めるのでは遅い
Q3うちは飲食店で、ビールの炭酸ガスボンベしかありません。関係ありますか?
関係しうる。本条3号は、高圧ガスやそれを充てんした容器の所有者・占有者に対して、廃棄や所在場所の変更を命じられると定めている。ボンベをレンタルしていても、店で保管していれば占有者にあたる可能性がある。実務のポイント:災害時に慌てないためには、ボンベの供給業者の緊急連絡先と回収手順を事前に確認しておくことだ。移動を命じられたとき、自分でボンベを動かすより業者に回収を依頼する方が安全で、記録も残る
間違えやすい点 AI による整理
- 「法令違反をしていなければ止められない」と考えがちだが、本条の要件は違反ではなく「公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要」である。保安検査に合格したばかりの優良な施設でも、地震や隣接施設の火災があれば停止命令の対象になる
- 緊急措置は事前の聴聞なしに出せる。この点は知っていても、その裏側で行政側が負う義務の重さを知る人は少ない。理由を示さずに処分した場合、行政は処分後の相当期間内に理由を示す義務を負う(行政手続法14条2項)。命令の正当性を後から点検する入口はここにある
- 「いつ再開できるか」を担当者に尋ねるのは、問いの立て方として弱い。本条の措置は「一時」の停止・禁止であり、緊急性が解消すれば続ける根拠が薄れる。尋ねるべきなのは、再開のために行政がどの事実を確認したいのかである。安全確認の資料を事業者側から先に示した方が、解除は早くなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の要件 | 39条:公共の安全の維持・災害防止のための緊急の必要(違反は不要) | 38条:許可の条件違反や法令違反など事業者側の事由 36条:災害発生のおそれなど危険な状態の発生 |
| 行為の主体 | 経済産業大臣又は都道府県知事(行政の命令) | 都道府県知事等(行政処分) 施設の所有者・占有者自身(応急措置)と発見者(届出) |
| 措置の性質 | 使用の一時停止、製造・移動等の一時禁止・制限、容器の移動等 | 許可の取消し、期間を定めた停止命令など制裁的処分 災害防止のための応急措置と届出の義務 |
| 事前手続 | 緊急時は聴聞等を省略可(行政手続法13条2項1号) | 原則として聴聞等の事前手続が必要 行政処分ではないため事前手続の問題は生じない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では可燃性高圧ガスの製造・貯蔵の安全管理が消防法体系と労働安全衛生法体系に分かれて規律され、日本のような一本の保安法による緊急措置規定とは構造が異なる
韓国は日本と同じく高圧ガスの単独法を持ち、製造・貯蔵・販売の許可制と行政の監督権限を定める
ドイツは連邦イミシオン防止法により、許可を要する施設の操業の禁止・停止を行政が命じられる仕組みを持つ
米国では EPA が差し迫った重大な危険に対して緊急命令を発する権限を持つ。設備安全は OSHA の PSM 規則(29 CFR 1910.119)が別に規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 震度6強の地震の翌朝、あなたの工場の液化ガスタンクの近くで配管にひびが見つかった。夕方には県の担当者が来て、貯蔵所の使用を一時停止するよう命じた。事前の聴聞はない。緊急措置とはそういうものだ
- 隣の化学工場からガス臭が三日続き、子どもが頭痛を訴えている。行政は動いてくれるのか? 本条の権限を使うかどうかは大臣・知事の裁量だが、住民が具体的な事実を書面で届け出れば、「緊急の必要」を判断するための材料になる
- あなたは飲食チェーンの店長で、ビールサーバー用の炭酸ガスボンベを店で保管している。近隣で大規模な火災が起き、知事が地域一帯のボンベを移動させるよう命じた。3号の「容器の占有者」には、ボンベを店に置いているだけのあなたも当てはまりうる
- 使用停止を命じられてから48時間。取引先への納品期限は週末に迫っている。止まっているのは「全部」なのか「一部」なのか。命令書の範囲を一字一句確認し、停止対象外のラインだけでも動かせないか、担当部署と即日協議する
- あなたは充てん事業者として、命令の対象外だと思っていたガスを別の拠点へ移した。2号には「移動」の一時禁止も含まれる。禁止の範囲を読み違えると、違反を問われるのはあなたの側だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣施設のガス臭・異音・白煙は、日時入りの写真や動画とメモで記録する2. 消防(119)と都道府県の高圧ガス保安担当部署へ、具体的な事実を書面で届け出る3. 行政が動かず重大な損害のおそれが続く場合、非申請型義務付け訴訟(行政事件訴訟法37条の2)という選択肢があることを弁護士に相談する4. 健康被害や財産被害は、事業者に対して民法709条で損害賠償を請求できる
訴えられた側:1. 命令には直ちに従う。違反した場合は刑事罰の対象になる(最新の改正状況をご確認ください) 2. 対象施設、停止か制限か、全部か一部かを書面で確認する3. 理由が示されていなければ、行政手続法14条2項に基づき事後の提示を求める4. 点検資料を揃えて解除を協議する5. 命令が過大だと考えるなら、審査請求または取消訴訟と執行停止の申立て(行政事件訴訟法25条)を検討する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)に行う。措置はあくまで「一時」のものであり、法定の上限期間は定められていない
学説
行政法通説:緊急措置のような即時性の高い不利益処分も比例原則に服し、目的達成に必要な範囲・期間に限られる。緊急性が解消した後も措置を継続することは、裁量の逸脱・濫用として違法と評価される余地がある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:高圧ガス取締法(昭和26年法律第204号)として制定
- 2.平成8年(1996年) 改正:規制体系の見直しにより、法律の題名が高圧ガス保安法に改められた
- 高圧ガス保安法 第36条危険時に事業者が行う応急措置と届出義務
- 高圧ガス保安法 第38条許可取消し・使用停止命令による非緊急の処分
- 高圧ガス保安法 第63条事故発生時の届出義務
- 行政手続法 第13条公益上緊急の場合の聴聞・弁明の省略
- 行政手続法 第14条理由提示義務と緊急時の事後提示
- 消防法 第12条の3危険物施設の緊急使用停止命令という並行制度
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