土地収用法 第129条(収用委員会の裁決についての審査請求)
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収用委員会の裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して審査請求をすることができる。
この条文の基本情報
収用委員会の裁決についての審査請求とは何ですか?
定義収用委員会の裁決についての審査請求とは、土地収用法第129条に定められた規定で、「収用委員会の裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して審査請求をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第129条(収用委員会の裁決についての審査請求)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第129条の条文原文は「収用委員会の裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して審査請求をすることができる。」で始まります。
- 土地収用法第129条は第十章に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第129条の前の条は土地収用法第128条の2です。
- 土地収用法第129条の次の条は土地収用法第130条です。
- 土地収用法第129条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第129条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第129条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/129
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法129条は、収用委員会の裁決に不服がある者が国土交通大臣に審査請求できると定める。期限は送達翌日から30日で、補償額への不服は理由にできない。
Q · 収用委員会の裁決に納得できないとき、国土交通大臣に不服を申し立てられる?
収用の是非なら可能、補償額への不服は審査請求の理由にならない
土地収用法129条により、収用委員会の裁決に不服がある者は国土交通大臣に審査請求ができます。期限は裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から30日です(130条)。ただし補償額が安いという不服は審査請求の理由にできず(132条)、起業者等を相手とする損失補償の訴えを送達から6か月以内に起こす必要があります(133条)。審査請求だけでは明渡しは自動的に止まりません。
解説
収用委員会の裁決書が届いた時点で、時計はすでに動き出している。本条は、裁決に不服がある者は国土交通大臣に審査請求(役所の判断について、さらに上の行政機関にやり直しを求める手続)ができると定める。ただし、この扉の先にある部屋は一つではない。収用の手続が違法だ、事業の必要性に疑問がある、といった「収用そのもの」への不服は、審査請求または取消訴訟で争う。一方で「補償額が安すぎる」という金額への不服は、審査請求の理由にできない(土地収用法132条)。金額は、起業者(収用する側の事業者)を相手にした損失補償の訴え(133条)で争うのが正しい道筋になる。審査請求の期限は、一般の3か月ではなく裁決書の送達を受けた日の翌日から30日に短縮されている(130条)。しかも審査請求を出しても明渡しは自動では止まらない。不服を「収用の是非」と「金額」に仕分けしないまま動くと、正しい扉が開いている間に、閉ざされた扉を叩き続けることになる
法的な位置づけ
土地収用法129条は、収用委員会の裁決に不服がある者に対し、国土交通大臣への審査請求を認める規定である。審査請求期間は裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から30日に短縮され(130条)、損失の補償についての不服は審査請求の理由とすることができず(132条)、補償額は損失補償に関する訴え(133条)で争う構造をとる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.送達日を記録し三つの期限を確定する 裁決書の正本を受け取った日付を記録し、審査請求(送達翌日から30日)、裁決取消訴訟(送達から3か月)、損失補償の訴え(送達から6か月)の期限をカレンダーに書き込む
- 2.不服の中身を「収用の是非」と「補償額」に仕分ける 手続の違法、事業の必要性、収用範囲への不服は審査請求・取消訴訟の対象。補償額への不服は審査請求の理由にできない(132条)ため、損失補償の訴えに回す
- 3.国土交通大臣に審査請求書を提出する 収用の是非に関する不服を理由として記載した審査請求書を、期限内に国土交通大臣宛てに書面で提出する。手数料は不要
- 4.明渡しが迫るなら執行停止を申し立てる 審査請求には原則として執行停止効がない(行政不服審査法25条1項)。明渡し期限や代執行が迫る場合、審査請求と同時に執行停止の申立てを行う
- 5.補償額は私的鑑定を取り損失補償の訴えを準備する 不動産鑑定士に私的鑑定を依頼し、起業者等を相手とする損失補償の訴えを送達から6か月以内に提起できるよう準備する
よくある質問 AI による整理
Q1収用委員会の裁決に不服があるときはどうすればいい?
収用の手続や事業の必要性への不服は国土交通大臣への審査請求または取消訴訟、補償額への不服は起業者等を相手にした損失補償の訴えで争います。
Q2土地収用の審査請求はいつまで?
裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から30日以内です(土地収用法130条)。行政不服審査法の一般原則である3か月より大幅に短い点に注意が必要です。
Q3収用裁決の審査請求の提出先はどこ?
審査庁は国土交通大臣です(土地収用法129条)。裁決をした都道府県の収用委員会ではなく、国の大臣に対して書面で審査請求を行います。
Q4収用裁決の審査請求に費用はかかる?
審査請求そのものに手数料はかからず、弁護士をつけずに書面で提出できます。訴訟より低コストで、裁決の判断根拠を確認する場にもなります。
Q5共有地の持分権者一人だけでも審査請求できる?
裁決に不服がある者として各自が審査請求できると考えられています。期限は各人への送達日から計算されるため、共有者ごとに送達日の確認が必要です。
Q6審査請求と裁判は同時にできる?
できます。行政事件訴訟法8条の自由選択主義により、審査請求と裁決取消訴訟は並行して提起可能です。審査請求の結果を待つと出訴期間を失う危険があります。
Q7事業認定の違法を審査請求で主張できる?
事業認定の違法を収用裁決の取消理由として主張できるか(違法性の承継)は解釈が分かれています。事業認定そのものへの不服は別途の手続も検討が必要です。
Q8審査請求が棄却されたらどうなる?
裁決の取消訴訟を検討することになります。期間の起算点は審査請求の有無で影響を受けうるため、棄却前から弁護士と出訴期間を確認しておくのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1補償金が安すぎるんです。国土交通大臣に訴えれば上げてもらえますか?
上げてもらえない。収用委員会の裁決についての審査請求では、損失補償についての不服を理由にできない(土地収用法132条)。金額を争うなら、起業者を相手にした損失補償の訴え(133条)を、裁決書の送達から6か月以内に起こす。実務のポイント:補償訴訟の勝敗は、ほぼ鑑定で決まる。起業者側の鑑定に対抗できる私的鑑定を、訴え提起の前に準備しておくかどうかが分かれ目になる
Q2審査請求を出せば、立ち退きや工事を止められますか?
自動では止まらない。審査請求には原則として執行停止の効力がなく(行政不服審査法25条1項)、止めたいなら執行停止を別に申し立てる必要がある。実務のポイント:審査請求と取消訴訟は並行して起こせる(行政事件訴訟法8条)。審査請求の結果を待ってから訴訟を考えると、3か月の出訴期間を食いつぶす。両方を視野に入れて最初の月に動く
間違えやすい点 AI による整理
- 「補償が安すぎるから国土交通大臣に審査請求しよう」という問いの立て方そのものが、線路を間違えている。審査請求では損失補償への不服を理由にできない(132条)。補償額に不満がある人がまず確認すべきは、損失補償の訴え(133条)の6か月の期限であり、審査請求書の書き方ではない
- 審査請求という制度があることは知っていても、その期限の短さを知らない人は多い。行政不服審査法の一般原則では処分を知った日の翌日から3か月だが、収用委員会の裁決については送達を受けた日の翌日から30日に短縮されている(130条、最新の改正状況をご確認ください)。「行政への不服申立ては3か月」という一般知識を信じたまま動くと、その差の2か月で権利を失う
- 地権者から見れば、国土交通大臣は収用委員会の判断をチェックする中立の審判役に見える。しかし国の事業などでは、国土交通大臣自身が事業認定(この事業は土地を収用してよいという国のお墨付き)を出した当人であることもある(17条1項)。審査請求で事業認定の違法を裁決の取消理由として主張できるか(違法性の承継)も、実務上、解釈が分かれている。審判役への期待値を正しく調整しないと、戦略の重心を誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 争える対象 | 129条:収用委員会の裁決全般への不服(審査請求) | 132条:損失補償への不服は審査請求の理由から除外 133条:裁決取消訴訟と損失補償の訴え |
| 相手方・判断者 | 国土交通大臣(審査庁) | (審査請求の理由制限であり独立の手続ではない) 裁判所(損失補償の訴えは起業者または土地所有者等が被告) |
| 期限 | 送達翌日から30日(130条) | — 取消訴訟は送達から3か月、損失補償の訴えは送達から6か月 |
| 費用感 | 手数料不要・書面で可能 | — 訴訟費用・鑑定費用・弁護士費用が発生 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では徵收公告に対し主管機関へ異議を述べ、補償額への不服は地價評議委員會の復議を経て、訴願・行政訴訟で争う構造をとる
韓国では収用裁決に対し中央土地収用委員会への異議申請と行政訴訟が用意され、補償額の増減は事業者等を相手とする訴訟で争う点で日本と類似する
ドイツでは建設法典上の収用処分について、行政裁判所ではなく通常裁判所の建設用地部(Baulandkammer)に裁判上の判断を求める特則がある
米国の連邦収用(eminent domain)は収用者側が裁判所に提訴する構造で、正当補償額は裁判所または陪審が決める点で日本の行政委員会型と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 道路拡幅で相続した田んぼが収用対象になった。裁決書の補償額は近所の取引相場の半分ほど。怒りのまま国土交通大臣に審査請求を出したが、補償額への不服は審査請求の理由にならない(132条)。本当の戦場は、起業者を被告とする損失補償の訴えで、期限は送達から6か月(133条)。審査請求に費やした数か月が、そのまま金額を争う準備期間を削っていく
- 地権者から審査請求が出たと連絡を受けた市の事業担当者だとしたら、工事は止まるのか? 審査請求には原則として執行停止の効力がない(行政不服審査法25条1項)。ただし地権者が執行停止を申し立て、審査庁がそれを認めれば話は変わる。担当者が見るべきは、審査請求そのものではなく、執行停止の申立てが併せて出ているかどうかである
- 裁決書の送達から今日で25日目。審査請求の期限は送達翌日から30日(130条)。残された日数は5日、書面一枚が間に合うかどうかの勝負である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁決書の送達日を記録し、審査請求(送達翌日から30日)、取消訴訟(送達から3か月)、損失補償の訴え(送達から6か月)の期限を確定させる2. 不服の中身を「手続・事業の必要性」と「補償額」に分ける3. 前者は国土交通大臣への審査請求、明渡しが迫るなら執行停止の申立てを同時に出す4. 後者は不動産鑑定士の私的鑑定を早めに取り、起業者を相手に損失補償の訴えを準備する。行政事件に強い弁護士への相談は最初の10日以内が目安
訴えられた側:1. 起業者側は、審査請求の受理状況と執行停止申立ての有無をまず確認する2. 審査請求に執行停止効はないため工程は原則維持できるが、執行停止が認められた場合の工程表の代替案を用意する3. 審査請求書に補償額への不服が書かれていても、それは審査請求の理由にならない(132条)。ただし損失補償の訴えが別に来る前提で、補償算定の根拠資料を整理しておく4. 地権者の不満の核心が金額なら、訴訟前の任意交渉で解決できる余地を探る
時効(請求できる期限):審査請求は裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から30日(土地収用法130条、最新の改正状況をご確認ください)。裁決の取消訴訟は送達を受けた日から3か月の不変期間、損失補償に関する訴えは送達を受けた日から6か月以内(同法133条1項・2項)
学説
違法性の承継をめぐる議論:先行処分である事業認定の違法を、後行処分である収用裁決の取消理由として主張できるかについて、両処分が一連の手続で同一目的を有するとして承継を認める立場と、事業認定の早期確定を重視して否定的に解する立場がある。
補償争訟の分離:補償額の争いを審査請求から切り離し、当事者間の訴訟(形式的当事者訴訟)に委ねることで、収用の是非に関する判断を早期に確定させつつ、金額は裁判所の客観的判断に服させる構造と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:土地収用法(昭和26年法律第219号)の制定により、収用委員会の裁決に対する主務大臣への不服申立て制度が設けられた
- 2.平成13年(2001年) 改正:中央省庁等改革に伴い、審査庁が建設大臣から国土交通大臣に改められた
- 土地収用法 第130条審査請求期間を30日に短縮
- 土地収用法 第132条補償への不服を審査請求理由から除外
- 土地収用法 第133条裁決取消訴訟と損失補償の訴えの期間
- 土地収用法 第48条権利取得裁決の内容
- 行政不服審査法 第2条処分に対する審査請求の一般原則
- 行政不服審査法 第25条審査請求と執行不停止の原則
- 行政事件訴訟法 第8条審査請求と取消訴訟の自由選択
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