土地収用法 第131条(審査請求に対する裁決)
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- 国土交通大臣の事業の認定に関する処分又は収用委員会の裁決についての審査請求に対する裁決は、公害等調整委員会の意見を聴いた後にしなければならない。
- 2.国土交通大臣又は都道府県知事は、事業の認定又は収用委員会の裁決についての審査請求があつた場合において、事業の認定又は裁決に至るまでの手続その他の行為に関して違法があつても、それが軽微なものであつて事業の認定又は裁決に影響を及ぼすおそれがないと認めるときは、裁決をもつて当該審査請求を棄却することができる。
この条文の基本情報
審査請求に対する裁決とは何ですか?
定義審査請求に対する裁決とは、土地収用法第131条に定められた規定で、「国土交通大臣の事業の認定に関する処分又は収用委員会の裁決についての審査請求に対する裁決は、公害等調整委員会の意見を聴いた後にしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第131条(審査請求に対する裁決)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第131条の条文原文は「国土交通大臣の事業の認定に関する処分又は収用委員会の裁決についての審査請求に対する裁決は、公害等調整委員会の意見を聴いた後にしなければならない。」で始まります。
- 土地収用法第131条は第十章に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第131条の前の条は土地収用法第130条です。
- 土地収用法第131条の次の条は土地収用法第131条の2です。
- 土地収用法第131条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第131条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第131条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/131
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法131条は、事業認定や収用委員会の裁決への審査請求について、裁決前に公害等調整委員会の意見聴取を義務づけ、結論に影響しない軽微な違法なら棄却できると定める。
Q · 収用の手続にミスがあったと審査請求すれば、収用は取り消されるの?
結論に影響しない軽微な違法だけなら棄却され得る
土地収用法131条2項により、事業認定や収用委員会の裁決に至る手続に違法があっても、それが軽微で事業認定や裁決に影響を及ぼすおそれがないと認められれば、国土交通大臣または都道府県知事は審査請求を棄却できます。取消しを求めるなら、結論を左右しうる違法を主張する必要があります。また同条1項により、裁決の前には公害等調整委員会の意見聴取が必要ですが、その意見に法的拘束力はありません。
解説
審査請求書を出せば国が主張を丁寧に聞いてくれる、という期待は半分だけ正しい。土地収用の不服審査には、条文に書かれた二つの仕掛けがある。一つ目は、国土交通大臣の事業認定(この事業は土地を取り上げてでも進める価値があると国が認める決定)や、収用委員会の裁決(いつ、いくらで土地を取得するかを決める最終決定)に審査請求があったとき、審査庁は裁決を出す前に必ず公害等調整委員会(総務省の外局で、土地利用をめぐる争いを扱う独立性の高い委員会)の意見を聴かなければならないことである。二つ目は、手続に違法があっても、それが軽微で結論に影響を及ぼすおそれがなければ、違法を認めたまま請求を棄却できることである。つまり、通知が一日遅れた、書類の記載に小さな漏れがあった、という指摘だけでは土地は戻らない。攻めるべきは結論を動かしうる違法である。さらに、収用委員会の裁決への審査請求では補償額への不満を理由にできない(同法132条)。補償は別の訴訟ルートで争う。この地図を持たずに書面を書けば、限られた期間を無駄にする。
法的な位置づけ
土地収用法131条は、国土交通大臣の事業認定に関する処分または収用委員会の裁決についての審査請求の審理に関する特則である。審査庁に対し裁決前の公害等調整委員会への意見聴取を義務づけるとともに、軽微で結論に影響を及ぼすおそれのない手続違法については、違法があっても審査請求を棄却できる旨を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.期限を確定してカレンダーに記入する 収用委員会の裁決書の送達日、または事業認定の告示日を確認し、審査請求期限(裁決は送達翌日から30日、事業認定は原則3か月)を逆算して記録する
- 2.主張を「結論を動かす違法」と「軽微な手続ミス」に仕分ける 公益性判断の誤り、事実誤認、重大な手続欠落など結論に影響しうる違法を主軸に据え、通知遅れなど軽微な瑕疵は補強材料にとどめる。各違法に「なければ結論が変わり得た」因果を書き添える
- 3.補償額の不服を別ルートに切り分ける 補償額への不満は審査請求の理由にできないため(132条)、損失補償の訴え(133条、送達から6か月)として別途準備する
- 4.審査請求書と補充資料を提出する 審査請求書を提出し、公害等調整委員会への意見照会が行われる前に、現地写真、代替案、公益性への反証などの補充書面を出し切る。提出経路は審査庁に確認する
- 5.必要に応じて執行停止を申し立てる 審査請求だけでは収用手続は止まらないため、明渡しなど回復困難な損害が迫る場合は執行停止を申し立て、行政事件に強い弁護士へ早期に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用の審査請求とは?
事業認定や収用委員会の裁決に不服がある人が、国土交通大臣などに処分の見直しを求める手続です。裁判を起こす前でも利用できる行政内部の不服申立てです。
Q2収用委員会の裁決 審査請求 いつまで?
裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から30日以内です(土地収用法130条1項)。行政不服審査法の一般原則(3か月)より短いため注意が必要です。
Q3土地収用の審査請求はどこに出す?
事業認定に関する処分は国土交通大臣、収用委員会の裁決は国土交通大臣への審査請求が基本です(同法129条)。提出先は処分の種類ごとに確認してください。
Q4審査請求で手続違法を主張すれば勝てる?
違法が軽微で事業認定や裁決に影響を及ぼすおそれがなければ、違法が認められても棄却されます(131条2項)。結論への影響まで主張する必要があります。
Q5公害等調整委員会の意見は審査結果を拘束する?
拘束しません。131条1項は裁決の前に意見を聴くことを義務づけているだけで、最終的な判断は審査庁が行います。
Q6審査請求中も土地収用は進む?
原則として進みます(行政不服審査法25条1項の執行不停止原則)。手続を止めたい場合は、執行停止の申立てを別に行う必要があります。
Q7審査請求で補償額の増額を求められる?
できません。収用委員会の裁決への審査請求では補償額への不服を理由にできず(同法132条)、損失補償の訴え(同法133条)で争います。
Q8審査請求が棄却されたら次はどうする?
裁決の取消訴訟を検討します。収用委員会の裁決の取消訴訟は送達から3か月以内(同法133条)が目安です。棄却裁決の理由も必ず確認しましょう。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公害等調整委員会って公害の役所ですよね?なんで土地収用に出てくるんですか?
公害等調整委員会は公害紛争の処理と土地利用の調整を担う総務省の外局である。本条1項により、国土交通大臣の事業認定や収用委員会の裁決への審査請求では、裁決の前にその意見を聴くことが義務になっている。実務のポイント:意見を聴く分だけ審理は長引きやすいが、その間も収用手続は原則として止まらない(行政不服審査法25条)。止めたいなら執行停止を別に申し立てる必要がある
Q2手続ミスがあったのに棄却って、おかしくないですか?
本条2項が棄却を許すのは、違法が軽微で、事業認定や裁決に影響を及ぼすおそれがない場合に限られる。結論に影響しうる違法であれば取消しの対象になる。実務のポイント:棄却されても、裁決書の理由の中で違法の存在が認められていれば、その記述は後の取消訴訟や起業者との協議で使える材料になりうる。裁決書は結論だけでなく理由まで読み込む
間違えやすい点 AI による整理
- 公害等調整委員会の意見がそのまま最終結論になると思われがちだが、条文が求めているのは「意見を聴いた後に裁決すること」だけであり、意見に法的な拘束力はない。最終的に判断するのは審査庁である
- 「審査請求で補償額を上げてもらえるか」という問い自体がずれている。収用委員会の裁決についての審査請求では、補償額への不服を理由にできない(土地収用法132条)。補償額は起業者などを相手にした訴え(同法133条)で争う別の土俵である
- 地権者から見れば、手続違法は国や起業者が不誠実である証拠に映る。しかし本条2項の目線は「その違法が結論を変えたか」の一点に絞られる。怒りの大きさと法的な重さが一致しないこの落差に気づかないまま、書面の大半を手続の不手際の糾弾に費やしてしまう人は少なくない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 131条:審査請求の裁決前の意見聴取と、軽微な違法による棄却 | 132条:収用委員会裁決への審査請求で補償額不服を理由にできない 133条:裁決取消訴訟・損失補償の訴えの出訴期間 |
| 争える内容 | 事業認定・裁決の手続や判断の違法(結論に影響しうるもの) | 補償額以外の裁決の違法 取消訴訟では裁決の違法、損失補償の訴えでは補償額 |
| 期間 | 本条自体は期間を定めない(130条で裁決は送達翌日から30日) | 130条の期間に従う 取消訴訟は送達から3か月、損失補償の訴えは送達から6か月 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では徵收処分に対し訴願を経て行政訴訟で争うのが基本であり、補償額への異議は別途の異議・復議手続で扱われる
韓国では収用裁決に対し中央土地収用委員会への異議申請を経て行政訴訟が可能で、補償金増減訴訟が別に整備されている
ドイツでは建設法典上の収用決定に対し、通常裁判所の建設土地部への裁判上の決定申立てで争う
米国連邦行政手続法は、司法審査において不利益を生じない手続違反を考慮しない prejudicial error の法理を定め、本条2項と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市道拡幅で自宅の庭が収用対象になり、収用委員会の裁決書が届いた。審査請求の期限は送達の翌日から30日。週末を挟めば、書面を練る時間は実質三週間しかない
- 収用委員会の審理に関する通知が予定より遅れて届いたことに気づいた地権者が、それだけを柱に審査請求を出したら、どうなる? 違法が認められても、結論に影響しない軽微なものとして棄却される可能性が高い
- あなたは自治体の用地担当者で、事業認定の手続資料に記載漏れがあったと審査請求で指摘された。慌てて手続をやり直す前に、その漏れが認定の判断に影響していないことを示す資料を審査庁へ揃えるのが先である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁決書や事業認定の告示日を確認し、期限をカレンダーに書き込む2. 主張を「結論を左右する違法」(公益性判断の誤り、事実誤認など)と「軽微な手続ミス」に仕分け、前者を主軸にする3. 補償額への不満は審査請求から切り離し、損失補償の訴え(133条)として別に準備する4. 審査請求をしても収用手続は原則として止まらないため、必要なら執行停止の申立てを検討し、早い段階で行政事件に強い弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 起業者や行政の担当者は、指摘された手続違法ごとに、事業認定や裁決の判断にどう影響したか(または影響しなかったか)を示す資料を整理する2. 軽微と言えない違法であれば、棄却を狙うより手続のやり直しを検討する3. 公害等調整委員会の意見照会を見込み、審理期間を工程表に織り込む4. 地権者への説明記録を時系列で保存しておく
時効(請求できる期限):収用委員会の裁決についての審査請求は、裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から30日以内(土地収用法130条1項)。事業認定への審査請求は、原則として処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。収用委員会の裁決の取消訴訟は送達から3か月、損失補償の訴えは送達から6か月(土地収用法133条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条2項は、行政不服審査法上の一般的な棄却・事情裁決の考え方を土地収用の分野で具体化した特則とされ、結論に影響しない軽微な手続瑕疵を理由とする取消しを抑制し、公共事業の停滞を避ける趣旨と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定。事業認定および収用委員会の裁決に対する不服審査の特則が置かれた
- 2.昭和47年(1972年) 改正:公害等調整委員会の発足(土地調整委員会と中央公害審査委員会の統合)に伴い、意見聴取の相手方が公害等調整委員会となった
- 土地収用法 第129条収用委員会裁決の審査請求先
- 土地収用法 第130条裁決への審査請求期間を30日に短縮
- 土地収用法 第132条補償額不服を審査請求理由から除外
- 土地収用法 第133条裁決取消訴訟と損失補償の訴えの出訴期間
- 行政不服審査法 第45条棄却裁決・事情裁決の一般規定に対する特則
- 公害等調整委員会設置法 第4条委員会の所掌事務の根拠(現行効力を要確認)
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