土地収用法 第3条(土地を収用し、又は使用することができる事業)
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- 土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業は、次の各号のいずれかに該当するものに関する事業でなければならない。
- 一道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による一般自動車道若しくは専用自動車道(同法による一般旅客自動車運送事業又は貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)による一般貨物自動車運送事業の用に供するものに限る。)又は駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)による路外駐車場
- 二河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)が適用され、若しくは準用される河川その他公共の利害に関係のある河川又はこれらの河川に治水若しくは利水の目的をもつて設置する堤防、護岸、ダム、水路、貯水池その他の施設
- 三砂防法(明治三十年法律第二十九号)による砂防設備又は同法が準用される砂防のための施設
- 2.3_2 国又は都道府県が設置する地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)による地すべり防止施設又はぼた山崩壊防止施設
- 3.3_3 国又は都道府県が設置する急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和四十四年法律第五十七号)による急傾斜地崩壊防止施設
- 四運河法(大正二年法律第十六号)による運河の用に供する施設
- 五国、地方公共団体、土地改良区(土地改良区連合を含む。以下同じ。)又は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構が設置する農業用道路、用水路、排水路、海岸堤防、かんがい用若しくは農作物の災害防止用のため池又は防風林その他これに準ずる施設
- 六国、都道府県又は土地改良区が土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)によつて行う客土事業又は土地改良事業の施行に伴い設置する用排水機若しくは地下水源の利用に関する設備
- 七鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)による鉄道事業者又は索道事業者がその鉄道事業又は索道事業で一般の需要に応ずるものの用に供する施設
- 4.7_2 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設置する鉄道又は軌道の用に供する施設
- 八軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道又は同法が準用される無軌条電車の用に供する施設
- 5.8_2 石油パイプライン事業法(昭和四十七年法律第百五号)による石油パイプライン事業の用に供する施設
- 九道路運送法による一般乗合旅客自動車運送事業(路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客の運送を行うものに限る。)又は貨物自動車運送事業法による一般貨物自動車運送事業(特別積合せ貨物運送をするものに限る。)の用に供する施設
- 6.9_2 自動車ターミナル法(昭和三十四年法律第百三十六号)第三条の許可を受けて経営する自動車ターミナル事業の用に供する施設
- 十港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)による港湾施設又は漁港及び漁場の整備等に関する法律(昭和二十五年法律第百三十七号)による漁港施設
- 7.10_2 海岸法(昭和三十一年法律第百一号)による海岸保全施設
- 8.10_3 津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)による津波防護施設
- 十一航路標識法(昭和二十四年法律第九十九号)による航路標識又は水路業務法(昭和二十五年法律第百二号)による水路測量標
- 十二航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)による飛行場又は航空保安施設で公共の用に供するもの
- 十三気象、海象、地象又は洪水その他これに類する現象の観測又は通報の用に供する施設
- 9.13_2 日本郵便株式会社が日本郵便株式会社法(平成十七年法律第百号)第四条第一項第一号に掲げる業務の用に供する施設
- 十四国が電波監視のために設置する無線方位又は電波の質の測定装置
- 十五国又は地方公共団体が設置する電気通信設備
- 10.15_2 電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業者が同項に規定する認定電気通信事業の用に供する施設(同法の規定により土地等を使用することができるものを除く。)
- 十六放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)による基幹放送事業者又は基幹放送局提供事業者が基幹放送の用に供する放送設備
- 十七電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)による一般送配電事業、送電事業、配電事業、特定送配電事業又は発電事業の用に供する電気工作物
- 11.17_2 ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)によるガス工作物
- 十八水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)による水道事業若しくは水道用水供給事業、工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)による工業用水道事業又は下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)による公共下水道、流域下水道若しくは都市下水路の用に供する施設
- 十九市町村が消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)によつて設置する消防の用に供する施設
- 二十都道府県又は水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)による水防管理団体が水防の用に供する施設
- 二十一学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校又はこれに準ずるその他の教育若しくは学術研究のための施設
- 二十二社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)による公民館(同法第四十二条に規定する公民館類似施設を除く。)若しくは博物館又は図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)による図書館(同法第二十九条に規定する図書館同種施設を除く。)
- 二十三社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)による社会福祉事業若しくは更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)による更生保護事業の用に供する施設又は職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)による公共職業能力開発施設若しくは職業能力開発総合大学校
- 二十四国、地方公共団体、独立行政法人国立病院機構、国立研究開発法人国立がん研究センター、国立研究開発法人国立循環器病研究センター、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター、国立健康危機管理研究機構、健康保険組合若しくは健康保険組合連合会、国民健康保険組合若しくは国民健康保険団体連合会、国家公務員共済組合若しくは国家公務員共済組合連合会若しくは地方公務員共済組合若しくは全国市町村職員共済組合連合会が設置する病院、療養所、診療所若しくは助産所、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)による保健所若しくは医療法(昭和二十三年法律第二百五号)による公的医療機関又は検疫所
- 二十五墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)による火葬場
- 二十六と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)によると畜場又は化製場等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十号)による化製場若しくは死亡獣畜取扱場
- 二十七地方公共団体又は廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第十五条の五第一項に規定する廃棄物処理センターが設置する同法による一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設その他の廃棄物の処理施設(廃棄物の処分(再生を含む。)に係るものに限る。)及び地方公共団体が設置する公衆便所
- 12.27_2 国が設置する平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)による汚染廃棄物等の処理施設
- 二十八卸売市場法(昭和四十六年法律第三十五号)による中央卸売市場及び地方卸売市場
- 二十九自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)による公園事業
- 13.29_2 自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)による原生自然環境保全地域に関する保全事業及び自然環境保全地域に関する保全事業
- 三十国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社が都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第二項に規定する都市計画区域について同法第二章の規定により定められた第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域又は田園住居地域内において、自ら居住するため住宅を必要とする者に対し賃貸し、又は譲渡する目的で行う五十戸以上の一団地の住宅経営
- 三十一国又は地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所、試験所その他直接その事務又は事業の用に供する施設
- 三十二国又は地方公共団体が設置する公園、緑地、広場、運動場、墓地、市場その他公共の用に供する施設
- 三十三国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成十六年法律第百五十五号)第十七条第一項第一号から第三号までに掲げる業務の用に供する施設
- 三十四独立行政法人水資源機構が設置する独立行政法人水資源機構法(平成十四年法律第百八十二号)による水資源開発施設及び愛知豊川用水施設
- 14.34_2 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法(平成十四年法律第百六十一号)第十八条第一号から第四号までに掲げる業務の用に供する施設
- 15.34_3 国立研究開発法人国立がん研究センター、国立研究開発法人国立循環器病研究センター、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター、国立研究開発法人国立成育医療研究センター又は国立研究開発法人国立長寿医療研究センターが高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律(平成二十年法律第九十三号)第十三条第一項第一号、第十四条第一号、第十五条第一号若しくは第三号、第十六条第一号又は第十七条第一号若しくは第二号に掲げる業務の用に供する施設
- 16.34_4 国立健康危機管理研究機構が国立健康危機管理研究機構法(令和五年法律第四十六号)第二十三条第一項第一号、第三号、第五号、第六号、第八号から第十号まで又は第十四号に掲げる業務の用に供する施設
- 三十五前各号のいずれかに掲げるものに関する事業のために欠くことができない通路、橋、鉄道、軌道、索道、電線路、水路、池井、土石の捨場、材料の置場、職務上常駐を必要とする職員の詰所又は宿舎その他の施設
この条文の基本情報
土地を収用し、又は使用することができる事業とは何ですか?
定義土地を収用し、又は使用することができる事業とは、土地収用法第3条に定められた規定で、「土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業は、次の各号のいずれかに該当するものに関する事業でなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第3条(土地を収用し、又は使用することができる事業)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第3条の条文原文は「土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業は、次の各号のいずれかに該当するものに関する事業でなければならない。」で始まります。
- 土地収用法第3条は第一章 総則に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第3条の前の条は土地収用法第2条です。
- 土地収用法第3条の次の条は土地収用法第4条です。
- 土地収用法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法3条は、土地を収用・使用できる公共事業を、道路・河川・鉄道・電気・学校・病院などの類型に限定列挙している。列挙にない事業は、公益性を主張しても収用の対象にならない。
Q · どんな事業のためなら、土地を強制的に取り上げられるの?
3条の名簿に載った事業でなければ収用はできません
土地収用法3条は、収用・使用できる事業を道路、河川、鉄道、電気・ガス、学校、病院などに限定列挙しています。名簿にない民間の商業施設などは対象外です。ただし名簿に載っていても自動的に収用できるわけではありません。国土交通大臣または都道府県知事による事業認定(20条)を受け、さらに収用委員会の裁決を経て、はじめて強制取得が可能になります。
解説
「公共のため」と言えば何でも通るわけではない。土地収用法3条は、土地を強制的に取り上げること(収用)や一時的に使うこと(使用)が許される事業を、名簿として一つずつ書き出している。道路、河川、鉄道、電気・ガス・水道、学校、病院、さらに火葬場や公衆便所まで載っている。名簿に載っていない事業は、地域経済にどれだけ役立つと言われても収用には使えない。反対に、名簿には私鉄、電力会社、私立学校のような民間の事業者も含まれている。ただ、名簿に載っているだけでは入口に立ったにすぎない。国土交通大臣か知事による事業認定(20条の四要件、特に失われる利益を上回る公益性)を通らなければ、手続は前に進まない。あなたの土地に買収の話が来たら、補償額より先に、その事業が名簿のどの項目に当たるのかを確かめる。それで交渉の力関係も、税金の扱いも決まってくる。
法的な位置づけ
土地収用法3条は収用適格事業を定める規定であり、土地の収用または使用が許される公共の利益となる事業を、道路、河川、鉄道、電気通信、電気・ガス・水道、学校、医療施設、廃棄物処理施設、国または地方公共団体の公共施設等の各号に限定列挙するとともに、これらの事業に欠くことができない付帯施設も対象に含める。
手順
- 1.事業が3条の何号に当たるかを書面で確認する 買収の打診を受けたら、補償額の話より先に、起業者に対し事業が土地収用法3条のどの号に当たるか、根拠法上の許認可は何かを書面で回答するよう求める。号が特定できない事業なら収用の可能性はない
- 2.事業認定の申請状況を確認する 国土交通省の地方整備局または都道府県の担当窓口で、当該事業について事業認定の申請や告示がされているかを確認する。「収用もありうる」と言われても、申請すらされていないことは少なくない
- 3.最初の買取り申出日を記録し、税の期限を管理する 最初に買取りの申出を受けた日を記録し、そこから6か月の期限をカレンダーに入れる。この期限を過ぎて譲渡すると、原則として5,000万円特別控除が使えなくなるため、交渉はこの期限から逆算する
- 4.事業認定前に意見を書面で出す 事業認定の申請前の事前説明会(15条の14)で疑問点を書面で提出し、申請後は公聴会の開催請求(23条)を検討する。認定告示後は公益性を争うことが格段に難しくなる
- 5.税理士・不動産鑑定士に早めに相談する 補償額の妥当性は不動産鑑定士、特別控除の適用要件は税理士に確認する。補償は公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱に沿って算定されるため、算定根拠の開示も求める
よくある質問 AI による整理
Q1収用適格事業とは何ですか?
土地収用法3条の各号に列挙された、土地の収用・使用が許される公共事業のことです。道路、河川、鉄道、電気・ガス、学校、病院などが含まれます。
Q2土地収用 ショッピングモール できる?
できません。民間の商業施設は3条の名簿に載っていないため、地域振興をうたっても収用の対象外です。任意の売買交渉しかできません。
Q3私立学校のために土地収用できますか?
できる場合があります。学校教育法1条の学校は私立でも3条の対象です。ただし事業認定(20条)で公益性や事業遂行能力が審査されます。
Q4太陽光発電のために土地を収用されることはある?
電気事業法の発電事業の電気工作物は3条に載っています。ただし民間発電事業で事業認定まで進む例は少なく、申請の有無を確認するのが先です。
Q5土地収用 拒否したらどうなる?
名簿に載った事業で事業認定と収用委員会の裁決を経れば、拒否しても最終的に強制取得されえます。認定前に公益性を争うのが現実的な抵抗手段です。
Q6工事の資材置場として土地を使われることはある?
あります。3条末尾の号は、列挙事業に欠くことができない材料置場や土石の捨場、職員の詰所なども対象に含めており、収用だけでなく使用も可能です。
Q7公共事業の用地買収 税金 安くなる?
3条の事業のための買取りなら、租税特別措置法33条の4の5,000万円特別控除が使える可能性があります。原則、最初の買取り申出から6か月以内の譲渡が条件です。
Q8都市計画道路も土地収用の対象ですか?
対象です。都市計画法69条により、都市計画事業は3条各号の事業とみなされ、同法の事業認可が事業認定に代わるものとして扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市から道路拡幅で土地を売ってくれと言われたんだけど、断ったら本当に取り上げられるの?
道路は3条の名簿の筆頭にあり、事業認定(20条)と収用委員会の裁決を経れば強制取得は可能である。ただ、認定前なら公聴会の請求(23条)などで公益性を争う余地がある。実務のポイント:用地担当者にとって収用は最後の手段で、手続に年単位の時間がかかる。だから実際には大半が任意買収で決着する。相手に急ぐ事情があるほど、条件交渉の余地は広い
Q2収用された土地で、事業が中止になったら返してもらえる?
収用の時期から10年以内に事業の廃止などで土地が不要になった場合、または5年たっても事業に使われていない場合は、受け取った補償金に相当する額を払えば買い戻せる(106条)。実務のポイント:起業者には、買い戻せる旨を通知する義務がある(107条)。ただ、事業認定前の任意売買で売った土地には、原則としてこの買受権が及ばない。売買契約に買戻し特約を入れておくかどうかで、将来の選択肢が変わる
Q3民間の会社が収用なんてできるんですか?
できる場合がある。3条は鉄道事業者、電力・ガス事業者、私立学校、社会福祉事業の施設なども挙げていて、民間でも起業者になれる。ただし事業認定では、事業を遂行する意思と能力(20条2号)や公益性が厳しく審査される。実務のポイント:「収用もありうる」と口にする民間業者の多くは、事業認定の申請すらしていない。申請の有無を国や県の窓口で確かめるだけで、交渉の空気が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「国や市が決めれば、どんな事業でも土地を取り上げられる」と思われがちだが、実際は逆である。収用できるのは3条の名簿に載った事業だけだ。民間の商業施設やホテルのための収用は、どれだけ地域振興をうたっても認められない。一方で、私鉄、電力会社、私立学校のように、民間でも名簿に入っている事業者はいる。
- 「収用されるかどうか」を最初に問うこと自体がずれている。公共用地の大半は、収用ではなく任意の売買(任意買収)で取得されている。本当に問うべきは、相手の事業が3条の名簿に載っているかどうかだ。載っていれば、任意買収でも租税特別措置法33条の4の5,000万円特別控除の入口に立てる。収用されなくても、名簿によって手取り額が大きく変わる。
- 名簿に載っていることは知っていても、その先の審査の重さまでは知られていない。事業認定では20条の四要件、特に事業で得られる公益が失われる利益を上回るかどうかが審査される。日光太郎杉事件(東京高判昭和48.7.13)では、道路事業の事業認定が判断過程の違法を理由に取り消された。名簿に載った道路事業でも、文化財や景観の価値を軽く見れば認定は覆されうる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 3条:収用できる事業の類型を限定列挙する入口 | 20条:個別の事業ごとに事業認定の四要件を審査 4条:既に公共の用に供されている土地の収用を制限 |
| 判断する主体 | 国会が法律で事前に線を引く | 国土交通大臣または都道府県知事 収用手続の中で「特別の必要」の有無が問われる |
| 土地所有者の争い方 | 該当する号がないこと、付帯施設が「欠くことができない」ものでないことを主張 | 公益性の比較衡量を争い、事業認定の取消訴訟(知った日から6か月) 既存の公共用途を理由に収用できないと主張 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も国防、交通、公用、水利、教育、社会福祉などの公益事業を列挙し、その範囲内でのみ徴収を認める点で日本と構造が近い
韓国も公益事業を法律で列挙する方式を採る。列挙事業の範囲が広がりすぎたとの批判を受け、追加には厳格な審査が求められるようになった
ドイツは公共の福祉のためにのみ収用を許し、法律による根拠と補償を求める。事業類型の一括列挙ではなく、個別法と比例原則による審査が中心となる
米国連邦最高裁は経済開発目的の収用も public use に当たるとした。日本の3条では民間商業開発のための収用は認められず、対照的である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市の用地担当者が実家の畑に来て、道路拡幅のために一部を売ってほしいと言う。親は「先祖の土地だ」と言って門前払いにした。このまま断り続けたら、どうなるのか。道路は3条の名簿の筆頭にある。事業認定と収用委員会の裁決(収用の可否や補償額を決める第三者機関の決定)を経れば、最終的には強制取得もありうる。断るだけでは条件は良くならない。
- あなたは地方の送配電会社で用地を担当している。送電鉄塔の予定地で地権者一人だけが首を縦に振らない。上司は「収用でいけ」と簡単に言う。しかし一般送配電事業の電気工作物が3条の対象に入ることは入口にすぎない。20条2号の事業遂行の意思と能力、4号の公益上の必要を、申請書で一から立証する準備が要る。
- 隣の私立大学がキャンパス拡張計画を発表した。学校教育法1条の学校は私立でも3条の名簿に入っている。狙われる土地は、あなたの家かもしれない。
- 県から最初の買取り申出を受けたのは5か月前だ。単価を上げたくて回答を引き延ばしてきたが、あと1か月で最初の申出から6か月になる。この期限を過ぎて売ると、原則として譲渡所得の5,000万円特別控除が使えなくなる。上乗せを狙った数十万円のために、数百万円の税金を払うことになりかねない。
- 相続した山林について、再エネ業者から「応じなければ収用もありうる」と言われたと友人が相談してきた。発電事業の電気工作物は確かに3条に載っている。しかし民間の発電事業で事業認定まで進む例は極めて少ない。まず業者が事業認定を申請しているかどうかを確かめるよう、あなたは伝えることになる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起業者に、事業が3条のどの号に当たるか、根拠法の許認可は何かを書面で回答してもらう2. 事業認定前なら、事前説明会で異議を書面にして出し、公聴会の開催を求める(23条) 3. 最初の買取り申出の日を記録し、6か月の税特例期限を管理する4. 認定が告示された後は、補償金の支払請求(46条の2)を検討し、税理士と不動産鑑定士に早めに相談する
訴えられた側:1. 起業者の立場なら、事業がどの号に当たるかと根拠法の許認可を最初に確定させる2. 付帯施設を最後の号で取得するなら、「欠くことができない」理由を具体的に立証する3. 説明会と協議の記録はすべて残し、20条4号の公益性判断に備える4. 補償額は「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に沿って算定し、恣意的だと批判される余地をなくす
時効(請求できる期限):3条そのものに特定の時効はない。ただし争う窓口ごとに期限がある。事業認定の取消訴訟は、認定を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)。収用委員会の裁決の取消訴訟は裁決書正本の送達から3か月、補償額の増額を求める訴えは6か月(土地収用法133条)。起業者が事業認定告示から1年以内に裁決申請をしなければ、認定は失効する(同法29条)。税の5,000万円控除は、原則として最初の買取り申出から6か月以内に譲渡することが条件(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:3条の列挙は限定列挙であり、列挙外の事業のための収用は許されない。公共性の判断は、立法による類型化(3条)と行政による個別審査(20条)の二段階で行われると理解されている
改正沿革 AI による整理
- 昭和26年(1951年)制定 旧土地収用法(明治33年法律第29号)に代わって現行法が制定され、収用適格事業の限定列挙方式が維持された。その後、根拠法の新設や事業主体の改組・改称に合わせて、号の追加と文言の修正が繰り返されている(改正回数は要検証)
- 令和7年(2025年)前後 国立健康危機管理研究機構の設立に伴い、同機構が設置する病院等と業務用施設が列挙に加えられた(施行時期は要確認)
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:旧土地収用法(明治33年法律第29号)に代わり現行法を制定し、収用適格事業の限定列挙方式を維持した。その後、根拠法の新設や事業主体の改組に合わせて号の追加・修正が繰り返されている
- 2.令和7年(2025年) 改正:国立健康危機管理研究機構の設立に伴い、同機構が設置する病院等や業務用施設が列挙に加えられた
- 土地収用法 第2条公共事業のための収用・使用の一般要件
- 土地収用法 第4条既に公共事業に供されている土地の収用制限
- 土地収用法 第20条事業認定の四要件、3条該当性は第1号
- 土地収用法 第106条不要となった収用地の旧所有者の買受権
- 土地収用法 第15条の14事業認定申請前の起業者による事前説明会
- 都市計画法 第69条都市計画事業を3条各号の事業とみなす特則
- 租税特別措置法 第33条の4収用等による譲渡の5,000万円特別控除
- 公共用地の取得に関する特別措置法 第2条特定公共事業の指定と緊急裁決の特則
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