土地収用法 第20条(事業の認定の要件)
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- 国土交通大臣又は都道府県知事は、申請に係る事業が左の各号のすべてに該当するときは、事業の認定をすることができる。
- 一事業が第三条各号の一に掲げるものに関するものであること。
- 二起業者が当該事業を遂行する充分な意思と能力を有する者であること。
- 三事業計画が土地の適正且つ合理的な利用に寄与するものであること。
- 四土地を収用し、又は使用する公益上の必要があるものであること。
この条文の基本情報
事業の認定の要件とは何ですか?
定義事業の認定の要件とは、土地収用法第20条に定められた規定で、「国土交通大臣又は都道府県知事は、申請に係る事業が左の各号のすべてに該当するときは、事業の認定をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第20条(事業の認定の要件)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第20条の条文原文は「国土交通大臣又は都道府県知事は、申請に係る事業が左の各号のすべてに該当するときは、事業の認定をすることができる。」で始まります。
- 土地収用法第20条は第一節 事業の認定に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第20条の前の条は土地収用法第19条です。
- 土地収用法第20条の次の条は土地収用法第21条です。
- 土地収用法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法20条は、事業認定の4要件(収用適格事業、起業者の意思と能力、土地の適正かつ合理的な利用、公益上の必要)を定め、全て満たすとき大臣又は知事が認定できるとする。
Q · 土地収用の「事業認定」は、どんな条件がそろえば出されるの?
4要件をすべて満たすときに認定できる(義務ではない)
土地収用法20条は、事業認定の要件として、①法3条の収用適格事業であること、②起業者に事業を遂行する充分な意思と能力があること、③事業計画が土地の適正かつ合理的な利用に寄与すること、④土地を収用・使用する公益上の必要があることの4つを定めます。第3号は、事業で得られる公共の利益と失われる利益の比較衡量と理解されており、検討が不十分だと裁判所が判断すれば認定が取り消されることがあります。
解説
国が道路を通すと決めたら、個人に止める手段はない。多くの人はそう信じているが、法律の作りは違う。土地を強制的に取り上げる手続は、国土交通大臣か都道府県知事による「事業の認定」(この事業には土地を取り上げてまで進める価値があると役所が認めること)から始まる。本条は、その認定を出すための四つの関門を定めている。第一に、法3条に掲げる事業であること。第二に、起業者(事業を行う者)に、事業をやり遂げる本気と実力があること。第三に、土地の適正かつ合理的な利用に役立つこと。第四に、収用する公益上の必要があること。中でも第三号は、事業で得られる公共の利益と、失われる利益を天秤にかける要件と理解されている。役所の検討が雑だと裁判所が判断すれば、認定そのものが取り消される。しかも条文は「認定をすることができる」であり、四つを満たせば必ず認定しなければならない、という書き方ではない。計画そのものと戦える場は、補償額の交渉ではない。認定の段階である。
法的な位置づけ
土地収用法20条は事業認定の要件を定める規定であり、国土交通大臣又は都道府県知事は、申請に係る事業が収用適格事業であること、起業者が充分な意思と能力を有すること、事業計画が土地の適正かつ合理的な利用に寄与すること、収用・使用の公益上の必要があることのすべてに該当するとき、事業の認定をすることができる旨を規定する。
手順
- 1.縦覧書類を閲覧して書き写す 市町村の縦覧場所で事業認定申請書と事業計画書を閲覧し、代替ルートの検討、必要面積の根拠、公益性の説明、財源の説明(20条2号)を書き写す。空白や抽象的な記述に印を付けておく
- 2.縦覧期間内に意見書を提出する 2週間の縦覧期間内に、20条3号(比較衡量)・4号(公益上の必要)に照らした具体的な問題点を意見書にまとめて提出する。代替案との比較が欠けている点、失われる利益(農地、景観、文化財、生活)を明記する
- 3.公聴会の開催を請求する 利害関係人として公聴会の開催を請求し(法23条)、意見を公式記録に残す。後の取消訴訟では、行政が指摘を検討したかどうかが審査の材料になる
- 4.告示後、取消訴訟か審査請求を判断する 事業認定の告示と理由の公表(法26条)を確認し、知った日から6か月以内の取消訴訟、又は3か月以内の審査請求を弁護士と検討する。並行して補償交渉と税務(特別控除)の準備を始める
よくある質問 AI による整理
Q1事業認定とは何ですか?
公共事業のために土地を収用・使用する必要があると、国土交通大臣又は都道府県知事が認める処分です。土地収用法20条が要件を定め、収用手続の出発点になります。
Q2事業認定の4つの要件とは?
①法3条の収用適格事業、②起業者の充分な意思と能力、③土地の適正かつ合理的な利用への寄与、④収用の公益上の必要、の4つです(土地収用法20条各号)。
Q3事業認定は誰が出しますか?
国土交通大臣又は都道府県知事です。国の事業や広域の事業は大臣、それ以外は知事というように、法17条で権限が振り分けられています。
Q4事業認定に反対する意見書は出せる?
出せます。申請書の縦覧期間(2週間)内に、土地や建物に権利を持つ利害関係人が意見書を提出でき、公聴会の開催も請求できます(法23条・24条・25条)。
Q5事業認定の取消訴訟はいつまで?
処分があったことを知った日から6か月以内、処分の日から1年以内です(行政事件訴訟法14条)。告示日を起点に考えて早めに準備するのが安全です。
Q6事業認定が告示されると何が変わる?
土地の形質変更に知事の許可が必要になり(法28条の3)、補償額の算定基準時も告示時に固定されます(法71条)。土地の「時計」が止まる効果があります。
Q7事業認定が取り消された判例はある?
あります。日光太郎杉事件(東京高判昭和48年7月13日)では、文化的価値や代替案の検討が不十分だとして事業認定が違法とされました。
Q8事業認定はいつ効力を失う?
起業者が告示の日から1年以内に収用委員会へ収用裁決を申請しないと、事業認定は効力を失います(法29条1項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国が出した事業認定って、本当に裁判でひっくり返せるんですか?
取り消された例は実際にある。日光太郎杉事件(東京高判昭和48年7月13日)では、20条3号の判断で考えるべき事情を十分に考えていなかったとして、認定が違法とされた。ただし、地権者側が負ける例の方が圧倒的に多い。実務のポイント:裁判所は、結論が妥当かよりも判断の過程を審査する傾向が強い。「この事業は不要だ」と訴えるより、「この代替案と比べた記録がない」と空白を指摘する方が効く
Q2補償金が安すぎるから、認定ごと取り消してほしいんだけど
補償額は収用委員会の裁決で決まる。不服があれば、損失補償に関する訴え(法133条)で争うのが筋であり、認定の取消とは別の手続である。実務のポイント:補償額の算定は告示時の価格に固定され、その後は物価変動による修正しか加わらない(法71条)。告示後であれば、補償金の支払を先に請求できる制度(法46条の2)もある。資金繰りに困っているなら、この制度で先に現金を確保する方が得なこともある
Q3起業者に「意思と能力」がないって、どんなときに言えるんですか?
20条2号の問題である。資金計画の裏付けがあるか、必要な他の許認可が取れる見込みがあるか、事業を本当に実施する計画があるかが見られる。実務のポイント:公共事業では予算措置の状況、民間の起業者では資金調達の根拠資料が要になる。縦覧書類の中で財源の説明が抽象的な一文で終わっていれば、それ自体が意見書で突くべき箇所になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「公共事業に反対しても勝てるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。本条をめぐる訴訟で裁判所が見るのは、事業が良いか悪いかではない。役所が天秤に載せるべきものを、きちんと載せて判断したかである。日光太郎杉事件(東京高判昭和48年7月13日)では、文化的な価値や代替案の検討が不十分だったとして、事業認定が違法とされた
- 事業認定は、収用の準備にすぎない手続だと軽く見られがちである。しかし認定が告示されると、土地の形を変えるには都道府県知事の許可が必要になる(法28条の3)。補償金を計算する基準となる時点も、告示の時で固定される(法71条)。認定は、あなたの土地の時計を止める処分である
- 地権者から見ればすべては補償額の問題だが、法律上は、認定の段階と補償の段階は別々の土俵になっている。しかも、認定が違法だという主張を、後の収用裁決の取消訴訟でも持ち出せるか(違法性の承継)は、実務上解釈が分かれている。認定の段階で黙っていると、後から争う道を失うおそれがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 土地収用法20条:事業認定の4要件 | 土地収用法17条:認定権者(大臣か知事か)の振分け 土地収用法71条:補償額の算定基準時 |
| 争う場面 | 事業の必要性・比較衡量そのもの(認定の取消訴訟) | 権限のない行政庁による認定かどうか 補償額の多寡(損失補償の訴え・法133条) |
| 地権者が動くべき時期 | 縦覧期間〜告示後6か月以内 | 申請・告示の段階で確認 収用委員会の裁決後 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は需用土地人に公益性及び必要性の評価(社会・経済・文化・生態・永続発展等の要素)を義務付け、日本の20条3号・4号に近い比較衡量を明文化している
韓国も「事業認定」という日本と同じ構造の関門を置き、国土交通部長官が認定する。日本法の影響が色濃い
ドイツは公共の福祉が収用を要求し、他の方法で目的を達成できないこと(補充性)を要件とし、比例原則による審査が中心となる
米国では「public use」の範囲が争点となり、経済開発目的の収用を合憲とした Kelo 判決後、多くの州が州法で収用を制限した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市役所の掲示板に、事業認定申請書を縦覧するというお知らせが貼られた。縦覧期間は2週間で、その間に意見書を出せるのは土地や建物に権利を持つ利害関係人である(法24条・25条)。気付いたのが最終日の前日なら、残された時間は一日しかない
- 代々続く果樹園のど真ん中に、迂回ルートでも足りそうなバイパスが計画されたら、どうなる? 申請書に迂回案との比較が見当たらなければ、第三号の比較衡量(得られる利益と失われる利益の天秤)が抜け落ちているとして、正面から争点にできる
- あなたは市の道路課の担当者で、事業認定の申請書類をまとめている。用地買収は九割まで終わったが、残り一割の地権者が首を縦に振らない。申請書で代替案の検討欄を薄く書いておくと、数年後の取消訴訟で、まさにそこを突かれる
- 測量のためにと、業者が突然あなたの畑に入ろうとしてきた。準備段階での立入りには法11条以下の手続がある。追い返す前に、立入りの許可や身分を示す書類を見せるよう求めればいい
- 実家の隣の土地を収用されそうな友人から「補償金に納得できないから、認定を取り消させたい」と相談された。補償額への不満は、認定を取り消す理由にならない。争う場所は収用委員会の裁決と、損失補償に関する訴え(法133条)である。この土俵の違いを説明できるかどうかで、友人の数年間が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 縦覧中の申請書と事業計画書を閲覧し、代替ルート、必要な面積、公益性の根拠を書き写す2. 縦覧期間内に意見書を提出し、公聴会の開催も請求する(法23条・25条) 3. 認定が告示された後は、6か月以内の取消訴訟か、3か月以内の審査請求を検討する4. 並行して、補償交渉と税務(5,000万円の特別控除)の準備を、弁護士と税理士に分担して進める
訴えられた側:1. 代替案の比較、事業効果の定量的な評価、環境や文化財への影響の検討を、申請書に厚く記録する2. 事前説明会(法15条の14)で出た反対意見とそれへの回答を文書に残す3. 提出された意見書の論点に一つずつ応答し、判断の過程を記録として残す4. 告示から1年以内に収用裁決を申請しないと認定が失効する(法29条)ため、工程を逆算して管理する
時効(請求できる期限):事業認定の取消訴訟は、処分があったことを知った日から6か月以内、処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。審査請求は、知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。起業者は、告示から1年以内に収用裁決を申請しなければ、認定の効力を失う(法29条1項)
学説
通説・裁判例(比較衡量説):20条3号の「適正且つ合理的な利用に寄与」は、事業計画の実施によって得られる公共の利益と、失われる私的・公共的利益とを比較衡量し、前者が優越することを要求するものと解される。
裁量統制論:条文が「することができる」と定めることから行政に裁量が認められるが、その判断過程に考慮不尽や他事考慮があれば裁量の逸脱・濫用として違法になると解される。
改正沿革 AI による整理
- 昭和26年(1951年)制定、要人的検証 本条には現在も「左の各号」「且つ」という制定当時の表現が残っており、本文が実質的に改正されたかは未確認である。平成13年(2001年)改正で、事前説明会、公聴会、理由の公表など周辺の手続が整備されたが、本条本文への影響は要確認
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定(昭和26年法律第219号)とともに、事業認定の4要件を定める規定として設けられた。
- 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁等改革に伴い、認定権者の表記が国土交通大臣に改められた(2001年施行)。条文の他の部分は制定時の表現が残る。
- 3.平成13年(2001年) 改正:事前説明会、公聴会、事業認定理由の公表など周辺手続が整備された。本条本文への実質的影響は要確認。
- 土地収用法 第3条第一号が引く収用適格事業の列挙
- 土地収用法 第17条大臣・知事の認定権限の振分け
- 土地収用法 第23条利害関係人の請求による公聴会
- 土地収用法 第26条事業認定の告示と理由の公表
- 土地収用法 第71条補償額の算定を告示時の価格に固定
- 都市計画法 第70条事業認可を事業認定とみなす特則
- 行政事件訴訟法 第14条事業認定取消訴訟の出訴期間
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