土地収用法 第17条(事業の認定に関する処分を行う機関)
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- 事業が次の各号のいずれかに掲げるものであるときは、国土交通大臣が事業の認定に関する処分を行う。
- 一国又は都道府県が起業者である事業
- 二事業を施行する土地(以下「起業地」という。)が二以上の都道府県の区域にわたる事業
- 三一の都道府県の区域を超え、又は道の区域の全部にわたり利害の影響を及ぼす事業その他の事業で次に掲げるもの
- 一道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号)第二条第四項に規定する会社が行う同法による高速道路に関する事業
- 二鉄道事業法による鉄道事業者がその鉄道事業(当該事業に係る路線又はその路線及び当該鉄道事業者若しくは当該鉄道事業者がその路線に係る鉄道線路を譲渡し、若しくは使用させる鉄道事業者が運送を行う上でその路線と密接に関連する他の路線が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する施設に関する事業
- 三港湾法による港湾施設で国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾に係るものに関する事業
- 四航空法による飛行場又は航空保安施設で公共の用に供するものに関する事業
- 五電気通信事業法第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業者が同項に規定する認定電気通信事業(その業務区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する施設に関する事業
- 六日本放送協会が放送事業の用に供する放送設備に関する事業
- 七電気事業法による一般送配電事業(供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、送電事業(供給の相手方たる一般送配電事業者又は配電事業者の供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、配電事業(供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、特定送配電事業(供給地点が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)又は発電事業(当該事業の用に供する電気工作物と電気的に接続する電線路が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する電気工作物に関する事業
- 八イからトまでに掲げる事業のために欠くことができない通路、橋、鉄道、軌道、索道、電線路、水路、池井、土石の捨場、材料の置場、職務上常駐を必要とする職員の詰所又は宿舎その他の施設に関する事業
- 四前三号に掲げる事業に係る関連事業
- 2.事業が前項各号の一に掲げるもの以外のものであるときは、起業地を管轄する都道府県知事が事業の認定に関する処分を行う。
- 3.国土交通大臣又は都道府県知事は、次条の規定による事業認定申請書を受理した日から三月以内に、事業の認定に関する処分を行なうように努めなければならない。
この条文の基本情報
事業の認定に関する処分を行う機関とは何ですか?
定義事業の認定に関する処分を行う機関とは、土地収用法第17条に定められた規定で、「事業が次の各号のいずれかに掲げるものであるときは、国土交通大臣が事業の認定に関する処分を行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第17条(事業の認定に関する処分を行う機関)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第17条の条文原文は「事業が次の各号のいずれかに掲げるものであるときは、国土交通大臣が事業の認定に関する処分を行う。」で始まります。
- 土地収用法第17条は第一節 事業の認定に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第17条の前の条は土地収用法第16条です。
- 土地収用法第17条の次の条は土地収用法第18条です。
- 土地収用法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法17条は事業認定の処分権者を定める。国・都道府県の事業や二県以上にまたがる事業は国土交通大臣、それ以外は起業地の都道府県知事が認定し、受理後3か月以内の処分は努力義務。
Q · 土地収用の事業認定って、国土交通大臣と知事のどっちが出すの?
国・県の事業や県境越えは大臣、それ以外は知事
土地収用法17条により、国または都道府県が起業者である事業、起業地が二以上の都道府県にまたがる事業、一の都道府県を超えて利害を及ぼす列挙事業、およびこれらの関連事業は国土交通大臣が事業認定を行います。それ以外の事業(市町村や民間企業による県内の事業など)は、起業地を管轄する都道府県知事が判断します。認定庁によって意見書の宛先や取消訴訟の被告(国か都道府県か)が変わります。
解説
立ち退きの話が来た土地所有者が最初に確かめるべきなのは、補償額よりも「誰が事業認定を出すのか」である。事業認定(その事業に土地を強制的に取得するだけの公益性があるかを判断する公式の認定)を出す機関は、本条によって国土交通大臣か都道府県知事に振り分けられる。大臣が判断するのは、国または都道府県が起業者(事業を行う主体)である事業、起業地が二以上の都道府県にまたがる事業、広い範囲に影響する列挙事業、そしてこれらの関連事業である。それ以外は、起業地を管轄する知事が判断する。どちらが判断するかによって、意見書の宛先、公聴会の主催者、取消訴訟の被告(国か都道府県か)が変わる。3項の「受理から3か月以内」は努力義務にすぎず、過ぎても処分が無効になるわけではない。宛先を間違えた反対は、内容が正しくても判断する者に届かない。
法的な位置づけ
土地収用法第17条は、事業認定に関する処分の権限を国土交通大臣と都道府県知事に配分する権限分配規定である。国・都道府県が起業者である事業、二以上の都道府県にわたる事業、広域的な利害を及ぼす列挙事業及びこれらの関連事業は大臣、その他の事業は起業地を管轄する知事の所管とし、申請受理後3か月以内の処分を努力義務として定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.縦覧公告で起業者と起業地を確認する 市町村の掲示板や公報で縦覧公告を見つけたら、まず起業者欄と起業地の範囲を読む。起業者が国・都道府県か、起業地が県境をまたぐかを確認する
- 2.本条により認定庁を特定する 17条1項各号のいずれかに当たれば国土交通大臣、当たらなければ起業地を管轄する都道府県知事が認定庁になる。判断に迷う場合は、縦覧場所で申請先を確認する
- 3.縦覧期間2週間のうちに意見書を提出する 公益性、代替ルート、事業規模の必要性などへの疑問を整理し、特定した認定庁宛てに意見書を提出する(25条)。必要に応じて公聴会の開催も請求する(23条)
- 4.告示後の争い方と補償を並行して準備する 事業認定が告示されたら、取消訴訟の出訴期間(行政事件訴訟法14条)を確認する。被告は大臣認定なら国、知事認定なら都道府県となる。並行して補償資料を整理し、補償金の支払請求(46条の2)も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1事業認定とは何ですか?
土地を強制的に取得できるだけの公益性がその事業にあるかを、国土交通大臣または都道府県知事が判断する処分です。収用には事業認定が前提として必要です(土地収用法16条)。
Q2事業認定は誰が出すのですか?
土地収用法17条により、国・都道府県の事業、県境をまたぐ事業、広域的な列挙事業とその関連事業は国土交通大臣が、それ以外は起業地を管轄する都道府県知事が出します。
Q3事業認定申請書の縦覧期間はいつまで?
市町村長が公告した日から2週間です(土地収用法24条)。利害関係人は、この縦覧期間内に意見書を提出できます(25条)。
Q4事業認定に反対する意見書はどこに出す?
意見書の宛先は、本条で決まる認定庁(国土交通大臣または都道府県知事)です。縦覧は市町村で行われますが、市町村に事業認定の権限はありません。
Q5民間企業でも土地収用できる?
できます。鉄道会社や電力会社など、土地収用法3条の列挙事業を行う民間企業も起業者になれます。その場合、どちらが認定するかは本条各号と起業地の範囲で決まります。
Q6事業認定の取消訴訟はいつまでに起こす?
原則として処分を知った日から6か月以内、処分の日から1年以内です(行政事件訴訟法14条)。告示された処分では、告示日が起算点とされることが多いです。
Q7事業認定が失効するのはどんなとき?
事業認定の告示日から1年以内に起業者が収用委員会へ収用裁決を申請しなければ、事業認定は効力を失います(土地収用法29条)。
Q8市町村の道路事業は誰が事業認定する?
市町村は17条1項1号の「国又は都道府県」に含まれないため、県境をまたがず3号の列挙にも当たらなければ、起業地を管轄する都道府県知事が判断します(2項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国の事業を国の大臣が認めるって、最初から結論が決まってるんじゃないですか?
国が起業者で国土交通大臣が認定する構造は、自己審査ではないかと批判されてきた。平成13年(2001年)の改正で、事前説明会(15条の14)、公聴会(23条)、第三者機関の意見聴取(25条の2)が整備された。実務のポイント:反対の意見書がどれだけ出ているかは、第三者機関の審査がどこまで深く行われるかに影響しうる。黙っていると、その審査も形式的に終わりやすい
Q2申請から3か月以上たっても認定が出ないのは、違法じゃないの?
違法ではない。本条3項は「努めなければならない」という努力義務であり、期限を過ぎても処分は有効である。実務のポイント:土地所有者にとって、処分が遅れることは必ずしも有利ではない。告示後は収用裁決の前でも補償金の支払を請求できる(46条の2)ので、補償交渉を急ぎたい側は、告示の時期を逆に利用できる
間違えやすい点 AI による整理
- 「市役所に強く言えば止まる」と考える人は多い。しかし市町村には事業認定の権限がない。申請書の縦覧が市町村で行われるため(24条)窓口に見えるだけで、判断するのは大臣か知事である。立てた問いの宛先がそもそも違う
- 「受理から3か月」という期限は知られているが、その効力はあまり知られていない。3項は努力義務なので、超えても違法・無効にはならない。期限として重いのは、むしろ認定の告示から1年以内に収用裁決の申請がなければ認定が効力を失うという規定(29条)のほうである
- 土地所有者から見れば、都市計画道路の拡幅も国道の新設も同じ「道路で土地を取られる話」である。しかし都市計画事業では、認可・承認が事業認定とみなされ(都市計画法70条)、本条の振り分けを通らない。この違いに気づかずに事業認定の縦覧を待つと、反対意見を出す機会を逃すことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定する内容 | 17条:事業認定の処分を大臣と知事のどちらが行うか(権限配分) | 20条:認定庁が審査する事業認定の要件(公益性など) 29条:告示後1年以内に裁決申請がない場合の失効 |
| 主な名宛人 | 国土交通大臣・都道府県知事(認定庁) | 認定庁(要件該当性の判断) 起業者(裁決申請の期限) |
| 期限の性質 | 受理から3か月以内の処分は努力義務(超過しても無効にならない) | 期限の定めなし 1年経過で事業認定が失効する法的効果あり |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では徵收の核准権限が中央主管機關(內政部)に一元化されており、日本のような大臣・知事の二元配分はない
韓国では事業認定(사업인정)を国土交通部長官が行い、日本の大臣所管に近い一元的な構造をとる
ドイツでは収用手続を州の上級行政庁などが担い、連邦と州の分担は連邦制の下で整理されている
フランスの公益宣言(DUP)は事業の重要度に応じてコンセイユ・デタ議を経たデクレ、大臣アレテ、県知事アレテに振り分けられ、日本の二元配分と発想が近い
米国では連邦事業と州事業で根拠法が分かれ、公共用途(public use)の判断は最終的に裁判所が審査する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自宅前の県道拡幅について、事業認定申請書が市役所で縦覧されていると回覧板で知った。縦覧期間は2週間で、意見書もその期間内に出さなければならない。県の事業なのに、知事に向けて書けばよいのか? 起業者が県なので、判断するのは知事ではなく国土交通大臣である(1項1号)
- あなたは学校法人の事務長で、県内の一つの市で進める校舎用地について事業認定を申請した。受理から3か月たっても処分が出ず、理事会から説明を求められている。3か月は努力義務にとどまるので、焦って申請を取り下げる前に、補正の要否と意見書の状況を知事部局に確認するのが先である
- 起業地が県境を一歩でもまたげば、判断するのは地元の知事ではなく大臣になる。知事に陳情しても、権限の外である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 縦覧公告で起業者と起業地の範囲を確認し、本条により判断するのが大臣か知事かを特定する2. 縦覧期間2週間のうちに、公益性や代替ルートへの疑問を意見書(25条)にまとめて提出し、必要なら公聴会を請求する(23条) 3. 認定が告示されたら、取消訴訟の出訴期間を確認する4. 並行して補償の資料を整理する。告示後は、収用裁決の前でも補償金の支払を請求できる(46条の2)
訴えられた側:1. 起業者として、自分の事業が本条1項各号のどれに当たるかを確認し、申請先を誤らない2. 申請前に事前説明会(15条の14)を開き、反対意見の論点を把握して計画に反映する3. 申請書の補正には即日対応し、3か月の目安を自分たちの遅れで超えないようにする4. 告示後1年以内に収用裁決を申請しないと認定が失効する(29条)ため、土地調書の作成を前倒しで進める
時効(請求できる期限):申請書の縦覧期間は2週間で、意見書はその期間内に出す(24条、25条)。事業認定の告示から1年以内に収用裁決の申請がなければ、認定は効力を失う(29条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月、処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。告示された処分では告示日が起算点とされることが多い(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は認定庁の権限配分規定であり、権限のない機関が行った事業認定は違法となる。3項の期間は訓示的な努力義務と解され、超過しても処分の効力に影響しない
批判的見解:国が起業者である事業を同じ国の大臣が認定する構造は自己審査にあたるとの批判がある。平成13年改正による事前説明会・公聴会・第三者機関の意見聴取は、この構造を手続面で補うものと位置づけられる
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)中央省庁等改革関係法 認定庁の名称が「建設大臣」から「国土交通大臣」に改められた(平成13年(2001年)施行)。その他の文言改正の有無と時期は要検証
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定により、事業認定の処分権者を建設大臣と都道府県知事に配分する規定として設けられた
- 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁等改革関係法により、認定庁の名称が「建設大臣」から「国土交通大臣」に改められた(平成13年(2001年)施行)
- 土地収用法 第16条収用には事業認定が必要である旨の規定
- 土地収用法 第18条事業認定申請書の提出
- 土地収用法 第20条認定庁が審査する事業認定の要件
- 土地収用法 第26条事業認定の告示と効力の発生
- 土地収用法 第29条1年以内に裁決申請がない場合の失効
- 都市計画法 第70条都市計画事業の認可を事業認定とみなす特則
- 行政事件訴訟法 第14条事業認定取消訴訟の出訴期間
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