土地収用法 第2条(土地の収用又は使用)
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公共の利益となる事業の用に供するため土地を必要とする場合において、その土地を当該事業の用に供することが土地の利用上適正且つ合理的であるときは、この法律の定めるところにより、これを収用し、又は使用することができる。
この条文の基本情報
土地の収用又は使用とは何ですか?
定義土地の収用又は使用とは、土地収用法第2条に定められた規定で、「公共の利益となる事業の用に供するため土地を必要とする場合において、その土地を当該事業の用に供することが土地の利用上適正且つ合理的であるときは、この法律の定めると…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第2条(土地の収用又は使用)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第2条の条文原文は「公共の利益となる事業の用に供するため土地を必要とする場合において、その土地を当該事業の用に供することが土地の利用上適正且つ合理的であるときは、この法律の定めると…」で始まります。
- 土地収用法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第2条の前の条は土地収用法第1条です。
- 土地収用法第2条の次の条は土地収用法第3条です。
- 土地収用法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法2条は、公共の利益となる事業に土地が必要で、その土地を事業に使うことが土地利用上適正かつ合理的な場合に、同法の手続により土地を収用・使用できると定める。
Q · 公共事業のためなら、売りたくない土地でも本当に取られてしまうの?
事業認定後は拒否しても裁決と代執行で収用されうる
土地収用法2条により、公共の利益となる事業で、土地の利用上適正かつ合理的と認められれば、同法の手続を経て土地は収用されます。国土交通大臣または都道府県知事の事業認定が告示されると、拒否を続けても収用委員会の裁決と知事の代執行(102条の2)により明け渡すことになります。ただし事業認定の取消訴訟、裁決の取消訴訟、補償額を争う訴え(133条)など、各段階で争う手段が用意されています。
解説
国や電力会社は、あなたが一度も売ると言っていない土地を、合法的に手に入れることができる。その出発点が土地収用法2条だ。条件は二つしかない。土地を必要とする事業が「公共の利益となる事業」であること。そして、その土地をその事業に使うことが「土地の利用上適正且つ合理的」であること。主語は国に限られない。法3条に列挙された事業であれば、電力会社や鉄道会社も起業者(収用を申し立てる事業主体)になれる。ただし、本条は白紙委任ではない。「この法律の定めるところにより」という一句があるため、収用するには関門を順番に通らなければならない。最初が事業認定(国土交通大臣または都道府県知事が「この事業は収用に値する」と認める処分)、次が収用委員会の裁決、最後が正当な補償である。地権者が争える場所は「収用されるかどうか」の一点だけではない。事業認定、裁決、補償額の三段階に分かれている。どの段階で何を主張すればよいかを知っている地権者だけが、交渉の席で起業者と対等に話せる。
法的な位置づけ
土地収用法2条は、公共の利益となる事業の用に供するため土地を必要とする場合に、当該土地の事業への供用が土地の利用上適正かつ合理的であることを要件として、同法所定の手続に従い土地の収用または使用を認める総則規定である。憲法29条3項の正当な補償の下で私有財産を公共のために用いる制度の基本根拠となる。
手順
- 1.現在の手続段階を書面で確認する 用地担当者に、現在が任意買収の段階か、事業認定の申請中か、事業認定の告示後かを書面で確認し、最初の買取り申出の日付を記録する
- 2.縦覧期間中に意見書を提出する 事業認定の申請書が縦覧される2週間(24条)のうちに、事業の公益性や土地利用の合理性への疑問を意見書にまとめて提出する(25条)。後の取消訴訟の材料になる
- 3.補償の内訳を項目別に精査する 補償額を総額で受け取らず、土地代、移転料(77条)、営業補償(88条)、残地補償(74条)の内訳で提示させ、計上漏れを指摘する。残地が使いにくくなるなら残地収用の請求(76条)も検討する
- 4.税金の期限を税理士と確認する 最初の買取り申出から6か月以内の譲渡などを要件とする5000万円特別控除(租税特別措置法33条の4)が使えるかを、交渉を長引かせる前に税理士と確認する
- 5.裁決後は出訴期間内に争う 裁決そのものの取消しは裁決書正本の送達から3か月以内(133条1項)、補償額を争う訴えは6か月以内に起業者を被告として提起する(133条2項)
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用とは何ですか?
公共の利益となる事業のために、所有者の同意がなくても法の手続に従って土地の権利を取得する制度です。根拠は土地収用法2条で、正当な補償が必要です。
Q2土地収用の対象になる事業は?
道路、河川、鉄道、電気事業、学校、公園など、土地収用法3条に列挙された事業に限られます。列挙外の事業では収用できません。
Q3土地収用5000万円控除の条件は?
公共事業のための譲渡で、最初の買取り申出から6か月以内に譲渡することなどが要件です(租税特別措置法33条の4)。期限は税理士に確認が必要です。
Q4相続登記していない土地も収用される?
されます。権利者が所在不明でも手続は止まらず、補償金が供託されることがあります。相続登記を放置するほど不利になりやすいです。
Q5土地の地下だけ使われることはある?
あります。土地収用法2条は「収用」だけでなく「使用」も認めており、地下鉄や送電線などでは土地の一部空間だけを使用する形がとられることがあります。
Q6土地収用は憲法違反ではない?
憲法29条3項が正当な補償の下で私有財産を公共のために用いることを認めており、土地収用法はその具体化です。補償の仕組みも最高裁で合憲とされています。
Q7収用委員会とはどんな機関?
都道府県に置かれる行政委員会で、起業者の裁決申請を受けて、収用する土地の範囲、補償額、明渡しの期限などを裁決します。
Q8明渡裁決が出たらいつまでに退去?
明渡裁決で定められた明渡しの期限までに退去する必要があります。期限を過ぎても明け渡さない場合、都道府県知事が代執行できます(102条の2)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家を手放したくないです。最後まで拒否したらどうなるんですか?
収用委員会が権利取得裁決と明渡裁決を出し、それでも期限までに明け渡さなければ、都道府県知事が代執行できる(102条の2)。気持ちだけで拒否を続けても、物理的に止められるわけではない。実務のポイント:事業そのものを止める余地が最も大きいのは、事業認定の段階である。日光太郎杉事件(東京高判昭和48.7.13)は、20条3号の判断過程の不備を理由に事業認定を違法とした。なお、事業認定の違法を後の裁決の取消訴訟で主張できるか(違法性の承継)は、実務上、解釈が分かれている
Q2提示された補償額が安すぎる気がします。交渉の余地ってあるんですか?
ある。任意買収の段階の金額は「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(閣議決定)に沿って算定されているが、この算定は収用委員会を拘束しない。裁決後も、送達から6か月以内であれば起業者を相手に補償額を争える(133条2項)。実務のポイント:総額の妥当性を争うより、移転料、営業補償、残地補償(74条)など、計上されていない項目を指摘するほうが金額は動きやすい
Q3民間の鉄道会社や電力会社でも、人の土地を収用できるんですか?
できる。法3条が列挙する事業(鉄道事業、電気事業など)であれば、民間企業も起業者になれる。ただし、国土交通大臣または都道府県知事による事業認定が必要で、起業者に事業を遂行する意思と能力があること(20条2号)も審査される。実務のポイント:相手が民間企業だから甘く見てよい、ということはない。事業認定を受けた後の手続は、国が起業者の場合とほとんど変わらない
Q4敷地の一部だけ取られて、残った土地が細長くて使い物になりません。
残地の価格が下がったことなどへの補償(74条)を請求できる。さらに、残地を従来の用法どおりに使うことが著しく困難になった場合は、残地もまとめて収用するよう請求できる(76条)。実務のポイント:残地収用の請求は、自分から言い出さなければ検討されないことが多い。補償の交渉に入る前に、残地をどう使うかの計画と、その使用が困難であることを示す資料を用意しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「収用に応じるか、拒否するか」という問いの立て方そのものがずれている。事業認定が適法に下りれば、拒否を続けても、収用委員会の裁決と都道府県知事による代執行(102条の2)によって、最終的には明け渡すことになる。本当に考えるべきなのは、「どの段階で、何を根拠に争うか」と「補償の内訳をどこまで積み上げられるか」の二つである
- 「最後まで粘れば補償額は吊り上がる」と思われがちだが、仕組みは逆である。収用する土地の補償額は、事業認定の告示時点の相当な価格を基準とし、そこに物価変動による修正率を掛けて算定する(71条)。事業の発表後に周辺の地価が上がっても、その上昇分は反映されない。この価格固定制は最高裁も合憲と判断している(最判平成14.6.11)
- 補償が出ることは知っていても、その範囲まで知っている人は少ない。補償の対象は土地代だけではない。建物などの移転料(77条)、営業休止などで通常受ける損失(88条)、一部を取られて価値が下がった残地への補償(74条)もある。項目を一つ見落とすだけで、受け取る総額は桁が変わりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 土地収用法2条:収用・使用の一般的な根拠と要件(公共の利益+適正かつ合理的) | 土地収用法3条:収用・使用できる事業を限定列挙 土地収用法20条:事業認定の四要件を具体化 |
| 地権者が争うときの視点 | そもそも公共の利益と土地利用の合理性があるか | 対象事業が列挙事業に当たるか 事業認定の判断過程に考慮不尽や過大考慮がないか |
| 補償との関係 | 「この法律の定めるところにより」として補償規定を前提とする | 直接の定めなし 事業認定の告示が補償額の基準時となる(71条と連動) |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も公益事業を列挙したうえで徴収を認め、市価による補償を原則とする。徴収前の協議価購を義務づける点で日本の任意買収に近い
韓国も公益事業の認定(事業認定)と土地収用委員会の裁決という二段階構造をとり、日本法と骨格が近い
中国は公共の利益のため法定の権限と手続により集団所有地や家屋を征収できると定め、補償を義務づける。国有地使用権の枠組みが前提となる点で日本と異なる
ドイツは基本法で公共の福祉のための収用を法律に基づく補償付きでのみ認め、建設法典で収用要件と手続を定める
フランスは行政による公益認定の後、裁判官が所有権移転と補償額を決める二段階構造をとる
米国は public use と just compensation を要件とする。Kelo v. City of New London(2005)で経済開発目的の収用も public use に含まれうるとされ、議論を呼んだ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実家の前の県道を拡幅することになり、県の用地担当者が菓子折りを持って訪ねてきた。この段階はまだ収用ではなく、任意買収(話し合いによる買取り)である。断っても違法ではない。しかし事業認定が下りると、話は本条の土俵に移る。拒否しても、最終的には収用委員会の裁決で決まる局面に変わる
- もし祖父名義のまま相続登記を放置していた山林が、送電線のルートにかかったらどうなる? 起業者は権利者を探さなければならないが、所在不明の権利者がいても手続は止まらない。知らないうちに補償金が供託されている、という事態が起こりうる
- あなたは地方の電力会社で用地交渉を担当している。地権者の一人が、どうしても判を押してくれない。事業認定の申請に踏み切れば、事前説明会(15条の14)、申請書の縦覧と意見書の受付、場合によっては公聴会と、手続が積み上がっていく。工期から逆算すると、決断できる時間はもう残っていない
- 収用委員会から裁決書が届いた。補償額に納得できない。補償額を争う訴えは、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に起こさなければならず(133条2項)、被告は収用委員会ではなく起業者である。封筒を引き出しにしまったまま半年が過ぎると、その金額で確定する
- マンションの地下を地下鉄が通ることになった。土地全体を取られるとは限らず、地下部分だけを「使用」する形で処理されることもある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 担当者に、現在は任意買収の段階か、事業認定の申請中か、事業認定の告示後かを書面で確認する2. 最初の買取り申出の日付を記録し、税理士に5000万円控除の期限を確認する3. 補償額は総額ではなく内訳(土地、移転料、営業補償、残地補償)で提示させ、漏れている項目を指摘する4. 事業そのものに異議があるなら、申請書の縦覧期間内に意見書を提出し、告示後は出訴期間内に事業認定の取消訴訟を検討する5. 起業者が手続を引き延ばすときは、裁決申請の請求(39条2項)で手続を前に進めさせる
訴えられた側:1. 起業者の立場では、対象の事業が法3条の列挙事業に当たるか、事業認定の4要件(20条)を満たせるかを最初に検証する2. 事前説明会と地権者への説明の記録を残す。後の訴訟で、判断過程が適正だったことを立証する材料になる3. 補償の算定根拠を開示する。内訳を示さない交渉は不信を招き、裁決で争われる原因になる4. 事業認定の告示から1年以内に裁決申請をしなければ事業認定は失効する(29条)。この期限を工程表に組み込む
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。事業認定に対する審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。事業認定の取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内、かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。収用委員会の裁決の取消しを求める訴えは、裁決書の正本の送達を受けた日から3か月以内(133条1項)。補償額を争う訴えは同じく送達日から6か月以内(133条2項)。起業者が事業認定の告示から1年以内に裁決を申請しなければ、事業認定は失効する(29条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
完全補償説:憲法29条3項の正当な補償は、収用される財産の客観的な市場価格を全額補償することを意味するとする立場。土地収用法の損失補償については判例もこの立場をとる
相当補償説:正当な補償は、その時代の社会通念に照らして合理的に算出された相当な額であれば足り、必ずしも市場価格の全額と一致する必要はないとする立場
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:旧土地収用法を全面改正して現行の土地収用法を制定。本条で収用・使用の一般的根拠と要件を定めた
- 2.昭和42年(1967年) 改正:補償額を事業認定の告示時の価格を基準に固定する仕組みを導入し、開発利益の帰属や引き延ばしによる値上がりを抑制
- 3.平成13年(2001年) 改正:事業認定前の事前説明会、公聴会、第三者機関の意見聴取などを整備し、事業認定手続の透明性と合理化を図った
- 土地収用法 第3条収用・使用の対象となる事業の限定列挙
- 土地収用法 第20条事業認定の四要件、本条の要件の具体化
- 土地収用法 第71条事業認定の告示時を基準とする補償額の固定
- 土地収用法 第76条残地収用の請求権
- 土地収用法 第133条裁決への不服と補償額の訴えの出訴期間
- 都市計画法 第70条都市計画事業の認可の告示を事業認定の告示とみなす特則
- 公共用地の取得に関する特別措置法 第2条特定公共事業の定義、緊急裁決の前提
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