土地収用法 第76条(残地収用の請求権)
- 法令番号
- 昭和二十六年法律第二百十九号
- 公布
- 最終改正
- 施行
- 効力
- 現行
- 種別
- 法律
- データ取得日
- 令和8年10月30日
- AI 解説の確認日
- 公式原文
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- 引用形式
- 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第76条
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- 同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用することに因つて、残地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、土地所有者は、その全部の収用を請求することができる。
- 2.前項の規定によつて収用の請求がされた残地又はその上にある物件に関して権利を有する関係人は、収用委員会に対して、起業者の業務の執行に特別の支障がなく、且つ、他の関係人の権利を害しない限りにおいて、従前の権利の存続を請求することができる。
- 3.第一項の規定によつて収用の請求がされた土地に関する所有権以外の権利に対しては、第七十一条の規定にかかわらず、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した権利取得裁決の時における相当な価格をもつて補償しなければならない。
この条文の基本情報
残地収用の請求権とは何ですか?
定義残地収用の請求権とは、土地収用法第76条に定められた規定で、「同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用することに因つて、残地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、土地所有者は、その全部の収用を請…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第76条(残地収用の請求権)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第76条の条文原文は「同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用することに因つて、残地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、土地所有者は、その全部の収用を請…」で始まります。
- 土地収用法第76条は第一節 収用又は使用に因る損失の補償に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月30日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第76条の前の条は土地収用法第75条です。
- 土地収用法第76条の次の条は土地収用法第77条です。
- 土地収用法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月30日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法76条は、一団の土地の一部収用で残地を従来の目的に供することが著しく困難となるとき、土地所有者が残地を含む全部の収用を請求できると定める。
Q · 道路用地で畑の一部を取られて、残りが使えない形になったら、残りも買い取ってもらえるの?
使えなくなる残地なら全部収用を請求できる
土地収用法76条1項により、一団の土地の一部収用によって残地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるとき、土地所有者は全部の収用を請求できます。単なる価値の下落や面積の減少は74条の残地補償で処理されるのが原則で、76条では「従来の用途が成り立たない」ことの立証が必要です。残地の借地人などの関係人は、2項により収用委員会に権利の存続を請求できます。
解説
道路の拡幅で田んぼの真ん中を斜めに切られると、残った三角形の土地はトラクターも入らない形になる。起業者(道路や鉄道などの事業を行う側)が提示する補償は、通常、事業に必要な部分の対価と、残地の価値下落分(74条)にとどまる。だが土地収用法76条には、別の選択肢がある。一つのまとまった土地の一部が収用され、残地を従来の用途に使うことが「著しく困難」になる場合、土地所有者は残りも含めた全部の収用を請求できる。起業者が要らないと言っている土地でも、あなたの側から引き取らせることができる。分かれ目は「価値が下がった」ではなく「従来の使い方ができなくなった」と立証できるかどうかである。前者なら補償金の上乗せで終わり、後者なら使えない土地を抱え続けずに済む。さらに、その残地を借りている人や権利を持つ人も、2項で権利の存続を求めるか、3項により権利取得裁決の時点の価格で補償を受ける道がある。
法的な位置づけ
土地収用法76条の残地収用請求とは、同一の土地所有者に属する一団の土地の一部収用により、残地を従来の利用目的に供することが著しく困難となる場合に、土地所有者が収用委員会の手続において残地を含む全部の収用を求める権利をいう。残地上の関係人の権利存続請求と、所有権以外の権利に対する補償の特則を伴う。
手順
- 1.収用線と残地の形状を図面で確認する 用地担当者から収用予定線の入った図面を受け取り、残地の面積、形状、接道状況、出入口の位置を確認する。三角地・帯状地・無道路地になっていないかをチェックする
- 2.従来の用途が成り立たない理由を数値化する 耕作なら農機の旋回半径と残地の幅、店舗なら営業に必要な駐車台数と残地で確保できる台数、工場ならトラックの搬入動線など、用途ごとの最低条件を数値と写真で示す
- 3.任意交渉で残地の扱いを書面で質問する 残地を買い取るか、74条・75条の補償でどう対応するかを書面で起業者に質問し、回答を記録に残す。裁決になれば76条を主張する意向も根拠とともに伝える
- 4.縦覧期間中に意見書で76条の請求を明示する 裁決申請書の縦覧が始まったら、期間内に収用委員会へ意見書を提出し、残地の全部収用を請求する旨と理由を図面・写真付きで記載する。補償額で争うなら不動産鑑定士と弁護士に早めに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1残地収用とは何ですか?
土地の一部が収用されて残った土地が従来の用途に使えなくなる場合に、所有者の請求で残りも含めて収用する制度です。土地収用法76条が根拠です。
Q2残地収用の請求 いつまでにすればいい?
収用委員会の裁決手続の中で主張します。裁決申請書の縦覧期間中に意見書で明示しておくのが安全で、権利取得裁決が出てからでは遅くなります。
Q3任意買収で残地を買い取ってもらえる?
任意買収は契約なので起業者は断れます。ただし裁決に進めば76条の請求を収用委員会が審理するため、交渉段階でもその可能性を示す意味があります。
Q4残地収用が認められる基準は?
「従来利用していた目的に供することが著しく困難」かどうかです。農機が入らない、営業に必要な駐車台数を確保できないなど、用途ごとの具体的事実で判断されます。
Q5道路拡幅で残った土地 固定資産税はどうなる?
残地を所有し続ける限り課税対象です。従来の用途に使えないなら76条で全部収用を求め、使えない土地の税・管理負担を残さない選択肢があります。
Q6残地を借りている場合 立ち退きになる?
地主が全部収用を請求しても、借地人などの関係人は76条2項で権利の存続を請求できます。認められない場合は3項により相当な価格で補償されます。
Q7残地収用の補償額はどう決まる?
土地所有権は通常の収用補償の基準によります。所有権以外の権利は3項により、71条にかかわらず近傍類地の取引価格等を考慮した権利取得裁決時の価格で補償されます。
Q8残地収用を拒否されたら争える?
収用委員会の裁決に不服があれば争えます。損失補償に関する訴えは裁決書正本の送達を受けた日から6か月以内に提起する必要があります(133条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1用地交渉の段階で「残りも買ってください」って言ったら、断られました。もう無理ですか?
無理ではない。任意買収は契約なので、起業者は残地の買取りを断れる。だが76条の請求権は、収用委員会の裁決手続で行使できる。要件を満たせば、収用委員会は残地を含めて収用する裁決を出せる。実務のポイント:用地担当者にとって裁決申請は手間と時間のかかる最終手段である。裁決になれば76条を主張すると根拠付きで伝えるだけで、交渉の空気が変わることは少なくない
Q2残った土地がちょっと狭くなっただけでも、全部収用してもらえますか?
狭くなっただけでは難しい。76条1項は、従来の目的に供することが著しく困難になることを求めており、単なる面積の減少や価値の下落は74条の残地補償で処理されるのが原則である。実務のポイント:審理で効くのは「狭くなった」という感想ではなく、「この幅では農機が旋回できない」「駐車台数が営業に必要な台数を下回る」という数字である。用途ごとの最低条件を数値で示せるかが勝負になる
Q3残地を借りてお店をやっています。地主が全部収用を請求したら、出ていくしかないんですか?
必ずしもそうではない。76条2項により、関係人は収用委員会に従前の権利の存続を請求できる。ただし、起業者の業務に特別の支障がなく、他の関係人の権利を害しないことが条件である。存続が認められない場合でも、3項により権利取得裁決時の相当な価格で補償される。実務のポイント:地主と借地人の利害は一致しないことが多い。地主の動きを待たず、借地人として自分で意見書を出すことが大切である
間違えやすい点 AI による整理
- 「残地の価値が下がったのだから、全部買い取ってもらえるはずだ」と考えがちだが、価値の下落は74条の残地補償で金銭的に埋めるのが原則である。76条が求めているのは、従来の目的に供することが「著しく困難」になったことであって、単に不便になった、値下がりしたというだけでは足りない
- 立てるべき問いは「起業者は残地を買ってくれるか」ではない。76条は起業者の好意に頼る規定ではなく、所有者側からの請求として構成されている。問題は相手の意向ではなく、要件を満たす事実をこちらが証明できるかどうかである
- 所有者から見れば、全部収用は「面倒な土地を手放せる」というだけの話である。だが残地を借りている人や残地上の権利者から見れば、自分の権利が一緒に消えるかもしれない場面になる。2項の存続請求を知らないまま裁決が出ると、借地人は移転を強いられる側に回ってしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の内容 | 76条:残地を含む全部の収用を請求 | 74条:残地の価格減少等を金銭で補償 75条:残地に必要な工事の費用を補償 |
| 要件 | 残地を従来の目的に供することが著しく困難 | 残地の価格減少その他の損失が生じる 通路・溝・垣などの工事が必要となる |
| 結果 | 残地の所有権も起業者に移り、所有者の手元に残らない | 残地は所有者に残り、補償金が上乗せされる 残地は所有者に残り、工事費相当が補償される |
| 関係人への影響 | 2項で権利存続請求、3項で裁決時の相当価格で補償 | 残地上の権利は原則そのまま存続 残地上の権利は原則そのまま存続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
残余部分の面積が過小または形状不整で相当の使用ができない場合、所有者は徴収公告から1年以内に一併徴収を申請できる。期間制限が明文化されている点が日本と異なる
残余地を従来の目的に使用することが著しく困難な場合、まず事業施行者に買取りを請求し、協議不成立なら土地収用委員会に収用を請求する二段階構造
残地が相当な範囲で建築的・経済的に利用できなくなる場合、所有者は収用の残地への拡張を請求できる
連邦の用地取得で一部取得により経済的価値のない残地が生じる場合、機関は残地の買取りを申し出なければならない。所有者の請求権ではなく機関の申出義務として構成
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県道のバイパス計画で、あなたの300坪の畑のうち200坪が収用対象になった。残る100坪は細長い帯状で、農機が旋回できない。用地担当者は「残地補償を上乗せします」と言うだけだ。だが耕作という従来の目的に使えないなら、76条で残りの100坪も収用するよう請求できる。固定資産税を払い続けるだけの土地を残さずに済む
- もし店舗の駐車場だけが収用され、建物は残るとしたらどうなる? 郊外型店舗で客が車を停められなければ、店舗としての利用は事実上終わる。建物用地そのものは事業に不要でも、「従来の目的に供することが著しく困難」に当たるかが争点になる
- あなたは自治体の用地課に配属されたばかりだ。地権者から「残りも全部買い取れ」と求められ、上司は「事業に不要な土地は買えない」と突っぱねるよう指示する。だが裁決申請まで進めば、収用委員会は76条の要件を審理する。任意交渉の段階で残地の扱いを詰めておかないと、結局は裁決で残地も取得し、事業期間だけが延びることになる
- 収用委員会の裁決申請書の縦覧が始まった。意見書を出せる期間は2週間しかない。残地収用を求めるつもりなら、残地がなぜ従来の用途に使えなくなるのかを、図面と写真を付けて今週中にまとめる必要がある
- 残地を借りて月極駐車場を経営していた借地人。地主が全部収用を請求したため、自分の借地権まで消えそうになった。2項に基づき、収用委員会に借地権の存続を請求できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 収用予定線と残地の形状、面積、接道状況を図面で確認する2. 従来の利用目的(耕作、店舗、駐車場、工場の動線など)が残地で成り立たない理由を、写真、機械の寸法、売上資料などで具体化する3. 任意交渉の段階で残地の扱いを書面で質問し、回答を記録に残す4. 裁決申請後は縦覧期間内の意見書で76条の請求を明示する。補償額の争いになりそうなら、不動産鑑定士と弁護士に早めに相談する
訴えられた側:起業者側の場合:1. 事業計画の段階で残地の形状と利用可能性を確認し、全部収用の請求が出る可能性を見込んでおく2. 74条の残地補償、75条の工事費補償で従来の利用が回復できるかを検討する3. 要件を満たさないと考える場合は、残地で従来の用途が継続できることを図面と実例で示す4. 残地上の関係人を早期に洗い出し、2項の存続請求への対応を準備する
時効(請求できる期限):残地収用の請求は、収用委員会の権利取得裁決までに行う必要がある。実務上は、裁決申請書の縦覧期間(2週間)中に提出する意見書、または審理の場で主張する(同法63条。最新の改正状況をご確認ください)。裁決の損失補償に不服がある場合は、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に損失補償に関する訴えを提起する(同法133条)
学説
通説:76条は事業必要範囲に限る収用の原則に対する例外としての拡張収用であり、「著しく困難」は単なる不便や価値下落では足りず、従来の用途が社会通念上成り立たない程度を要すると解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定に伴い、残地の全部収用請求、関係人の権利存続請求に関する規定として置かれた
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- 出典
- e-Gov法令検索上流データと同期
- AI 解説
- 編集部による整理 · 条文の原文ではありません AI 解説は条文の原文をもとにモデルが生成し、確認手順を経たものです。理解の補助であり、法的効力は公式の原文が基準です。